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「PostScript」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
PostScriptは[[1985年]]に[[Apple|Appleコンピュータ]]の[[レーザープリンター]]、[[LaserWriter]]に採用された<ref>{{Cite web|title=印刷と出版を変革したPostScript(前編) {{!}} 大塚商会|url=https://www.otsuka-shokai.co.jp/media/it-history/chapter001/postscript-1.html|website=www.otsuka-shokai.co.jp|accessdate=2019-11-06|language=ja}}</ref>。[[モトローラ]][[MC68000|68000]]プロセッサと1.5[[メガ]][[バイト (情報)|バイト]]の[[Random Access Memory|RAM]]を搭載したこのプリンターは、プリンターでありながら当時の[[パーソナルコンピュータ]]と同等の計算能力を持ち、それ自身が PostScript [[インタプリタ]]を実行してページを生成した。同じ年、[[ライノタイプ (企業)|ライノタイプ]]によりPostScriptを採用した[[イメージセッタ]]が発表された。
PostScriptは[[1985年]]に[[Apple|Apple Computer]]の[[レーザープリンター]]、[[LaserWriter]]に採用された<ref>{{Cite web|title=印刷と出版を変革したPostScript(前編) {{!}} 大塚商会|url=https://www.otsuka-shokai.co.jp/media/it-history/chapter001/postscript-1.html|website=www.otsuka-shokai.co.jp|accessdate=2019-11-06|language=ja}}</ref>。[[モトローラ]][[MC68000|68000]]プロセッサと1.5[[メガ]][[バイト (情報)|バイト]]の[[Random Access Memory|RAM]]を搭載したこのプリンターは、プリンターでありながら当時の[[パーソナルコンピュータ]]と同等の計算能力を持ち、それ自身が PostScript [[インタプリタ]]を実行してページを生成した。同じ年、[[ライノタイプ (企業)|ライノタイプ]]によりPostScriptを採用した[[イメージセッタ]]が発表された。


当時はコンピュータとプリンター間の通信速度の遅さが、印刷物の品質向上のネックになっていた。しかし、プリンター自身に高い計算能力を持たせて、プログラミング言語を実行するという大胆な発想により、一気に問題は解決された。PostScript以前は、伝統的な手法より品質が劣るとされてきた電子印刷が、一気に商業印刷のレベルでも使われるようになり、今日では当たり前になっている[[DTP]]が普及するきっかけとなった。
当時はコンピュータとプリンター間の通信速度の遅さが、印刷物の品質向上のネックになっていた。しかし、プリンター自身に高い計算能力を持たせて、プログラミング言語を実行するという大胆な発想により、一気に問題は解決された。PostScript以前は、伝統的な手法より品質が劣るとされてきた電子印刷が、一気に商業印刷のレベルでも使われるようになり、今日では当たり前になっている[[DTP]]が普及するきっかけとなった。

2021年5月20日 (木) 10:45時点における版

PostScript
拡張子.ps
MIMEタイプapplication/postscript
UTIcom.adobe.postscript
マジック
ナンバー
%!
開発者アドビ
初版1985年 (1985)
最新版
3
(1996年)
種別ページ記述言語
拡張Encapsulated PostScript

PostScript(ポストスクリプト)は、アドビが開発している、1984年に発表したページ記述言語

スタック指向型のプログラミング言語で、様々な計算・処理と共に描画命令を実行することができる。事前にデータをスタックに格納し、後の命令がデータを処理するというモデルで実行される。そのために記述法が逆ポーランド記法で一貫しており、名前は「追伸」の英語「post script」に後置記法といった意味を掛けている。

バージョン

  • 1985年 - PostScript Level 1。初期バージョン。
  • 1990年 - PostScript Level 2。日本語やカラー化対応。
  • 1996年 - PostScript 3。PDF形式への対応。(Level 3は正式名称ではない)

概要

PostScriptは1985年Apple ComputerレーザープリンターLaserWriterに採用された[1]モトローラ68000プロセッサと1.5メガバイトRAMを搭載したこのプリンターは、プリンターでありながら当時のパーソナルコンピュータと同等の計算能力を持ち、それ自身が PostScript インタプリタを実行してページを生成した。同じ年、ライノタイプによりPostScriptを採用したイメージセッタが発表された。

当時はコンピュータとプリンター間の通信速度の遅さが、印刷物の品質向上のネックになっていた。しかし、プリンター自身に高い計算能力を持たせて、プログラミング言語を実行するという大胆な発想により、一気に問題は解決された。PostScript以前は、伝統的な手法より品質が劣るとされてきた電子印刷が、一気に商業印刷のレベルでも使われるようになり、今日では当たり前になっているDTPが普及するきっかけとなった。

後に印刷以外の用途でも使われ、ワークステーションである「NeXT」は、描画エンジンとしてDisplay PostScriptを採用していた。

今日では、パーソナルコンピュータの性能が上がると同時に、コンピュータ・プリンター間の接続速度が向上したため、個人レベルでパーソナルコンピュータにPostScriptインタプリタを搭載し、生成されたイメージをプリンターに送るということも行われる。

実装

ほとんどは、レーザープリンターに実装されている。「PSプリンター」と呼ばれ、PDFベースとなったMac OS Xより前のMacintoshの標準的プリンターであり、Windowsでも利用されることがあるが、アドビへのライセンス料が高額なためか、価格が数十万 - 百万円以上と一般のレーザープリンターに比べ高価で、専らDTP用途に限られている。

ソフトウェアによる実装では、アドビからライセンスを受けたラスターイメージプロセッサ (RIP) がエプソンなどいくつかのメーカーから自社製プリンターのために販売されていたが、PSプリンターの価格低下もあり、あまり普及していない。なお互換フリーソフトウェアとしてGhostscriptがある。

サンプルプログラム

以下の内容をPostScriptプリンターに送信すると、文字列「Hello World!」が印刷される。

 /font /Courier findfont 24 scalefont def
 font setfont
 100 100 moveto
 (Hello World!) show
 showpage

以下の内容をPostScriptプリンターに送信すると、長方形と文字列が印刷される。また、テキストファイルとして保存し、Adobe Illustratorなどで開くこともできる。

 %!
 % macro (draw rectangle) ; usage: left top width height RRECT
 /RRECT { newpath 4 copy pop pop moveto dup 0 exch rlineto exch 0 rlineto neg 0 exch rlineto closepath pop pop } def
 
 100 100 100 150 RRECT
 .5 setgray
 fill
 
 100 300 moveto
 /Helvetica findfont
 12 scalefont
 setfont
 .5 0 .5 0 setcmykcolor
 (test string) show
 
 showpage

脚注

  1. ^ 印刷と出版を変革したPostScript(前編) | 大塚商会”. www.otsuka-shokai.co.jp. 2019年11月6日閲覧。

参考文献

  • アドビシステムズ『ページ記述言語 PostScriptチュートリアル&クックブック』野中浩一、アスキー出版局〈ASCII電子出版シリーズ〉、1998年。ISBN 978-4-7561-0005-4 
  • アドビシステムズ『PostScriptリファレンスマニュアル』桑沢清志(第3版)、アスキー出版局〈ASCII電子出版シリーズ〉、2001年。ISBN 978-4-7561-3822-4 
  • アドビシステムズ『ページ記述言語 PostScriptプログラム・デザイン』松村 邦仁、アスキー出版技術部、アスキー出版局〈ASCII電子出版シリーズ〉、1990年。ISBN 978-4-7561-0047-4 

関連項目

外部リンク