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「籾糠山」の版間の差分

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2021年5月13日 (木) 22:47時点における版

籾糠山

猿ヶ馬場山から望む籾糠山
標高 1,744.34[1] m
所在地 日本の旗 日本
岐阜県飛騨市大野郡白川村
位置 北緯36度14分4秒 東経136度57分12秒 / 北緯36.23444度 東経136.95333度 / 36.23444; 136.95333座標: 北緯36度14分4秒 東経136度57分12秒 / 北緯36.23444度 東経136.95333度 / 36.23444; 136.95333[2]
山系 飛騨高地
籾糠山の位置(日本内)
籾糠山
籾糠山の位置
プロジェクト 山
テンプレートを表示

籾糠山(もみぬかやま)は、岐阜県飛騨市大野郡白川村にまたがる飛騨高地標高1,744 m

概要

1998年(平成10年)4月1日に、周辺の山域は岐阜県により天生県立自然公園に指定された[3][4]ぎふ百山のひとつである[5]国道360号天生峠から、山頂へは中部北陸自然歩道の登山道(遊歩道)が整備されている[6]ブナオオシラビソなどの原生林や高層湿原天生湿原、木平湿原、ミズバショウの群生地)を通るコースがある[7]。ブナ、カツラサワグルミなどの原生林にはツキノワグマなどが生息する。[8]山頂は鋭く尖った円錐形の小ピークで。[8]、狭い山頂には三等三角点(点名が「籾糠山」)が設置されている[1]。山頂から南南東に御嶽山、東に飛騨山脈、北に飛騨北部の山並みを望むことができるが、白山猿ヶ馬場山に隠れて見えない。神通川水系小鳥川の支流である金山谷の源流の山である。この金山谷では江戸時代初期から天生金山が開かれ、昭和初期まで亜鉛などが採掘されていた[9]

山名の由来

飛騨の匠(左甚五郎、鳥仏師の鞍作鳥など)が天生峠近くの山中で木の人形を作り、稲作を行わさせた時に精米したが風で飛んで積み重なって山となった伝説に由来する[9][10][11]。その後に木の人形が埋葬された山が、北側にある人形山であると伝えられている[11]

平成の世に入って、籾糠山を貫く形で東海北陸自動車道飛騨トンネルが掘削されることとなったが、いみじくも「籾糠」という文字が暗示していたかのように、不良地山の続く難工事となった[12]

天生湿原

山頂の北東2 kmに雨水だけを水源とする高層湿原の天生湿原(あもうしつげん)がある[8]。『天生の高層湿原植物群落』が、1967年(昭和42年)11月13日に岐阜県の天然記念物に指定された[13]。湿原の周囲には木道による遊歩道が整備されていて、湿原中央部には匠屋敷跡の島地がある[10]。天生湿原周辺では、以下の植物などが見られる[9][10]。天生湿原の南西近くなどにもミズバショウの群生地がある[6]インタープリターによる自然解説ガイドが行われている。

天生湿原のワタスゲ ヒメシャクナゲ・日本の南限 ホロムイソウ・日本の西南限 周辺のブナの巨木

地理

東の位山から望む両白山地(左側最奥)と手前の飛騨高地の周辺の山
西の三方岩岳から望む籾糠山(左)と猿ヶ馬場山(右)

飛騨高地の主稜線上にあり、国道360号の天生峠(標高1,289 m)の南南西2.7 kmに位置する。天生峠は、映画化された『高野聖』(泉鏡花原作)の怪奇小説で知られるようになった[9][8]。山頂の北西5 kmの麓には、白川郷の萩町集落がある。

周辺の山

庄川を挟んで両白山地の東側に対峙する飛騨高地の主稜線上にあり、国道360号の天生峠(標高1,289 m)の南南西2.7 kmに位置する。

山容 山名 標高
(m)[1][14]
三角点等級
基準点名[1]
籾糠山からの
方角と距離(km)
備考
人形山 1,726 北 12.8 日本三百名山
籾糠山 1,744.34  三等
「籾糠山」
0 ぎふ百山
天生湿原
猿ヶ馬場山 1,875 (三等)
1,827.42m
南西 1.3 飛騨高地最高峰
御前岳 1,816.48  一等
「御前岳」
南 4.1 一等三角点百名山
白山
(御前峰)
2,702.17 一等
「白山」
西南西 18.6 両白山地の最高峰
日本百名山

源流の河川

鳩谷ダム

以下が源流となる河川で、日本海側の富山湾へ流れる。

  • 木滝谷、大瀬戸谷 - 庄川の支流、山頂の西北西5.6 kmには関西電力鳩谷ダムがある。
  • 金山谷、月ヶ瀬谷、栗ヶ谷川 - 神通川水系宮川の支流、山頂の東北東6.6 kmには関西電力の下小鳥ダムがある。

交通・アクセス

山頂直下を東海北陸自動車道飛騨トンネルが貫いている。北側の山腹を横断し、大野郡白川村と飛騨市河合町を結ぶ国道360号が通り、周辺は豪雪地帯のため積雪期は閉鎖される。

籾糠山周辺の風景

国道360号天生峠 ワタスゲが咲く天生湿原 木平湿原 籾糠山からの槍ヶ岳穂高岳

脚注

  1. ^ a b c d 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2012年7月5日閲覧。
  2. ^ 地図閲覧サービス(籾糠山)”. 国土地理院. 2012年7月5日閲覧。
  3. ^ 県立自然公園の指定(平成十年四月一日告示第二百五十七号)”. 岐阜県. 2012年7月5日閲覧。
  4. ^ 県立自然公園”. 岐阜県. 2012年7月5日閲覧。
  5. ^ 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山』岐阜新聞社、1987年7月。ISBN 4905958474 
  6. ^ a b 中部北陸自然歩道・天生湿原とブナ原生林のみち”. 岐阜県. 2012年7月5日閲覧。
  7. ^ 天生(あもう)県立自然公園”. 飛騨市. 2012年7月5日閲覧。
  8. ^ a b c d 飛騨山岳会『飛騨の山』ナカニシヤ出版、2010年12月、80-81頁。ISBN 978-4-779-50504-1 
  9. ^ a b c d 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月、1110頁。ISBN 4-779-50000-1 
  10. ^ a b c 林正一『白山と北陸の山』山と溪谷社〈アルペンガイド21〉、2000年8月、129-131頁。ISBN 4-635-01321-9 
  11. ^ a b 徳久球雄、三省堂編修所(編) 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月15日、399,520頁頁。ISBN 4-385-15403-1 
  12. ^ 寺田光太郎・松浦隆幸『秘境を貫く 飛騨トンネルの物語』中日本高速道路、2008年、56-57頁。ISBN 978-4-9904517-0-7 
  13. ^ 天生の高層湿原植物群落”. 岐阜県. 2012年7月5日閲覧。
  14. ^ 日本の主な山岳標高”. 国土地理院. 2012年7月5日閲覧。

関連項目