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[[江戸川コナン]]の協力者である独身[[科学者]]・[[発明家]]。工藤宅の隣人で天才を自称しており、コナンが使用している道具の製作者でもある{{efn2|そのほとんどが[[物理学]]を超越している。}}{{Sfn|コナンドリル|2003|p=180}}。52歳という年齢設定{{efn2|40年前に小学6年生(11 - 12歳)、第2話でコナンが52歳と発言(1月半ば)、年末から年始頃に誕生日を迎えている(「海の上の開かれた密室」 - 「嬉しい火傷」(アニメ第366話-第367話「丸見え埠頭の惨劇」)は年末掲載で次の事件が1月10日 - 11日)。ただし、OVA『[[名探偵コナンのOVA一覧#名探偵コナン 阿笠からの挑戦状! 阿笠vsコナン&少年探偵団|阿笠からの挑戦状!阿笠vsコナン&少年探偵団]]』のみ、作中で53歳と発言している。}}。お尻の[[ほくろ|ホクロ]]には毛が1本生えているらしく、本人以外で知っているのはコナン(新一)のみであることから、彼が自分が新一であると証明するためにこのことを話した。
[[江戸川コナン]]の協力者である独身[[科学者]]・[[発明家]]。工藤宅の隣人で天才を自称しており、コナンが使用している道具の製作者でもある{{efn2|そのほとんどが[[物理学]]を超越している。}}{{Sfn|コナンドリル|2003|p=180}}。52歳という年齢設定{{efn2|40年前に小学6年生(11 - 12歳)、第2話でコナンが52歳と発言(1月半ば)、年末から年始頃に誕生日を迎えている(「海の上の開かれた密室」 - 「嬉しい火傷」(アニメ第366話-第367話「丸見え埠頭の惨劇」)は年末掲載で次の事件が1月10日 - 11日)。ただし、OVA『[[名探偵コナンのOVA一覧#名探偵コナン 阿笠からの挑戦状! 阿笠vsコナン&少年探偵団|阿笠からの挑戦状!阿笠vsコナン&少年探偵団]]』のみ、作中で53歳と発言している。}}。お尻の[[ほくろ|ホクロ]]には毛が1本生えているらしく、本人以外で知っているのはコナン(新一)のみであることから、彼が自分が新一であると証明するためにこのことを話した。


コナンの正体が小さくなった新一と最初に知った人物で、[[黒の組織]]に知られないように正体を秘密にするよう助言を送る。2021年時点でコナン、灰原、および[[名探偵コナンの登場人物#赤井秀一|沖矢昴]]の正体をいずれも知っているとされる唯一の協力者的立場の人物である{{efn2|阿笠以外の協力者では、[[名探偵コナンの登場人物#工藤優作|工藤優作]]と[[名探偵コナンの登場人物#工藤有希子|工藤有希子]]が近い立場であるが、明確なのは息子・新一(コナン)と[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一(沖矢昴)]]の2人についてであって、灰原に関しては、その境遇を知っていることが判明しているが、本名なども聞いているかの言及がないため、いずれも知っているとされるか不詳な部分がある。[[服部平次]]も同様であり、明確なのはコナン(新一)のことについてのみで、灰原に関しては、優作や有希子同様に境遇を知っていることが判明しているが、本名などについては言及がなく、さらには[[FBI (名探偵コナン)|FBI]]が[[黒の組織]]を捜査していることもコナンから聞いているが、赤井本人と現時点で直接出会った描写が無いため、その存在や沖矢昴に変装して工藤邸で暮らしていることなどをコナンや阿笠から聞かされているかも不明である。}}{{efn2|協力者以外では、[[黒の組織#ベルモット|ベルモット]]がコナンと灰原の正体を知っているが、沖矢については推理力があることは気付いているものの、素性は阿笠宅の隣に住む大学院生としか聞いておらず、正体の赤井は死んだと思っている。[[名探偵コナンの登場人物#安室透|安室透]]はコナンと沖矢の素性を疑い、特に沖矢に赤井の影を見ながらも、いまだ2人の正体を知るには至っておらず、灰原の正体であるシェリー(宮野志保)についても死んだと思っているため、灰原と関連付けてはいない(灰原も安室の前にはできるだけ姿を見せないようにしている)。[[黒羽快斗|怪盗キッド]]は、コナンについては劇場版を除き正体を知っているか明言されておらず、灰原については大人の女性であることは認識したものの素性までは知らず、沖矢については「首にメカらしきもの(チョーカー型変声機のこと)を付けていて、その自分の写真が出回ると困る境遇の阿笠宅の隣人」という認識しかない。}}。
コナンの正体が小さくなった新一と最初に知った人物で、[[黒の組織]]に知られないように正体を秘密にするよう助言を送る。2021年時点でコナン、灰原、および[[名探偵コナンの登場人物#赤井秀一|沖矢昴]]の正体をいずれも知っているとされる唯一の協力者的立場の人物である{{efn2|阿笠以外の協力者では、[[名探偵コナンの登場人物#工藤優作|工藤優作]]と[[名探偵コナンの登場人物#工藤有希子|工藤有希子]]が近い立場であるが、明確なのは息子・新一(コナン)と[[FBI (名探偵コナン)#赤井秀一|赤井秀一(沖矢昴)]]の2人についてであって、灰原に関しては、その境遇を知っていることが判明しているが、本名なども聞いているかの言及がないため、いずれも知っているとされるか不詳な部分がある。[[服部平次]]も同様であり、明確なのはコナン(新一)のことについてのみで、灰原に関しては、優作や有希子同様に境遇を知っていることが判明しているが、本名などについては言及がなく、さらには[[FBI (名探偵コナン)|FBI]]が[[黒の組織]]を捜査していることもコナンから聞いているが、赤井本人と現時点で直接出会った描写が無いため、その存在や沖矢昴に変装して工藤邸で暮らしていることなどをコナンや阿笠から聞かされているかも不明である。}}{{efn2|協力者以外では、[[黒の組織#ベルモット|ベルモット]]がコナンと灰原の正体を知っているが、沖矢については推理力があることは気付いているものの、素性は阿笠宅の隣に住む大学院生としか聞いておらず、正体の赤井は死んだと思っている。[[安室透]]はコナンと沖矢の素性を疑い、特に沖矢に赤井の影を見ながらも、いまだ2人の正体を知るには至っておらず、灰原の正体であるシェリー(宮野志保)についても死んだと思っているため、灰原と関連付けてはいない(灰原も安室の前にはできるだけ姿を見せないようにしている)。[[黒羽快斗|怪盗キッド]]は、コナンについては劇場版を除き正体を知っているか明言されておらず、灰原については大人の女性であることは認識したものの素性までは知らず、沖矢については「首にメカらしきもの(チョーカー型変声機のこと)を付けていて、その自分の写真が出回ると困る境遇の阿笠宅の隣人」という認識しかない。}}。


工藤家・毛利家とは新一と[[毛利蘭|蘭]]が幼少期の頃からの付き合いであり、変な発明品ばかり作るためか若干あきれられてはいるものの、新一や蘭をはじめとする友人たちからはそれなりに信頼されており、[[毛利小五郎]]も阿笠に対しては敬語で話す描写もある。また、コナンや灰原と[[少年探偵団 (名探偵コナン)|少年探偵団]]の3人(吉田歩美・円谷光彦・小嶋元太)を遠くへ遊びに連れていくのは大抵、阿笠である。彼らからも若干あきれられたりバカにされたりと振り回されることも多いが、基本的には面倒見がよく穏やかな性格{{efn2|コナン、平次、小五郎と違って犯人に同情し、反省や再起をうながす言葉を贈ったり、血気にはやるコナンや手柄のために無茶をする探偵団のメンバーをたしなめるなど。}}ゆえに実祖父同然に慕われ、信頼されている。
工藤家・毛利家とは新一と[[毛利蘭|蘭]]が幼少期の頃からの付き合いであり、変な発明品ばかり作るためか若干あきれられてはいるものの、新一や蘭をはじめとする友人たちからはそれなりに信頼されており、[[毛利小五郎]]も阿笠に対しては敬語で話す描写もある。また、コナンや灰原と[[少年探偵団 (名探偵コナン)|少年探偵団]]の3人(吉田歩美・円谷光彦・小嶋元太)を遠くへ遊びに連れていくのは大抵、阿笠である。彼らからも若干あきれられたりバカにされたりと振り回されることも多いが、基本的には面倒見がよく穏やかな性格{{efn2|コナン、平次、小五郎と違って犯人に同情し、反省や再起をうながす言葉を贈ったり、血気にはやるコナンや手柄のために無茶をする探偵団のメンバーをたしなめるなど。}}ゆえに実祖父同然に慕われ、信頼されている。
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[[発明家]]として知られており、その技術はかなりのもので「[[バンダイ]]」という会社{{efn2|「銭湯にある台(番台)と同じ名前の会社」と少しぼかされており、アニメでは企業名は伏せられている。}}の関係者たちが阿笠の頭脳を頼りに自宅を訪れており、多額の契約金と引き換えに発明品を共同開発し、発売も決定していた<ref>単行本第12巻File1「博士の宝箱」(アニメ第163話-第164話「月と星と太陽の秘密」)における『ボイスレコチェンジャー(アニメ版ではヤイバーレコチェンジャー)』の阿笠本人による説明。</ref>。その一方、発明したメカの技術は秀逸ながら、「弁当箱に市販のFAXを取り付けただけのうえ、おかずが本物」という「弁当型携帯FAX」など、発想を疑わせる品もある。
[[発明家]]として知られており、その技術はかなりのもので「[[バンダイ]]」という会社{{efn2|「銭湯にある台(番台)と同じ名前の会社」と少しぼかされており、アニメでは企業名は伏せられている。}}の関係者たちが阿笠の頭脳を頼りに自宅を訪れており、多額の契約金と引き換えに発明品を共同開発し、発売も決定していた<ref>単行本第12巻File1「博士の宝箱」(アニメ第163話-第164話「月と星と太陽の秘密」)における『ボイスレコチェンジャー(アニメ版ではヤイバーレコチェンジャー)』の阿笠本人による説明。</ref>。その一方、発明したメカの技術は秀逸ながら、「弁当箱に市販のFAXを取り付けただけのうえ、おかずが本物」という「弁当型携帯FAX」など、発想を疑わせる品もある。


今まで数多くの発明品を生み出してはそのほとんどがコナンたちの手助けになったほか、赤井秀一の死を偽装する際にも役立っていた{{efn2|その時の発明品は、空砲に合わせて帽子に仕込まれていた血糊が飛び出すというものである。}}。[[公安警察]]の[[名探偵コナンの登場人物#降谷零|降谷零]]([[名探偵コナンの登場人物#安室透|安室透]])からは「[[秘密情報部|MI6]]も顔負けの発明品」と称賛されており、[[名探偵コナンの登場人物#メアリー・世良|領域外の妹]]は阿笠が製作した盗聴器について「見たことのないタイプ。駆動時間は短そうだが、この形状(フォルム)でこの性能(パフォーマンス)、なかなか興味深い。」と評している。また、『[[ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE]]』では少年探偵団に持たせていたメカの数々を見たルパン一味がその性能に唸ると共に、それを子供たちに持たせることを非難している。
今まで数多くの発明品を生み出してはそのほとんどがコナンたちの手助けになったほか、赤井秀一の死を偽装する際にも役立っていた{{efn2|その時の発明品は、空砲に合わせて帽子に仕込まれていた血糊が飛び出すというものである。}}。[[公安警察]]の[[名探偵コナンの登場人物#降谷零|降谷零]]([[安室透]])からは「[[秘密情報部|MI6]]も顔負けの発明品」と称賛されており、[[名探偵コナンの登場人物#メアリー・世良|領域外の妹]]は阿笠が製作した盗聴器について「見たことのないタイプ。駆動時間は短そうだが、この形状(フォルム)でこの性能(パフォーマンス)、なかなか興味深い。」と評している。また、『[[ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE]]』では少年探偵団に持たせていたメカの数々を見たルパン一味がその性能に唸ると共に、それを子供たちに持たせることを非難している。


いつか自分の発明で大儲けすることが夢であるが、コナンによれば「作る物はガラクタばかりでジリ貧」らしい{{efn2|なお、この話では大儲けしていると勘違いした犯人に誘拐された<ref>単行本第72巻File2「要救助者」-File4「通話コード」(アニメ第622話-第623話「緊急事態252」)より。</ref>。}}が、豪邸住まいで自動車を所有して灰原を同居させていることからも、金銭面に困っている様子は見られない。実際に優れた発明品も多く、物によっては普及すれば有名になれそうなレベルだが、発明品で特許が降りたような言及はしておらず(許可を期待した発明品もあるが、失敗している)、現在も本格的に売り出している描写などはほとんど無い。そのため、発明家としての凄さは阿笠を「博士(はかせ)」と呼ぶ周囲の知り合いぐらいにしか知られていないことが、本編でも示唆されている。
いつか自分の発明で大儲けすることが夢であるが、コナンによれば「作る物はガラクタばかりでジリ貧」らしい{{efn2|なお、この話では大儲けしていると勘違いした犯人に誘拐された<ref>単行本第72巻File2「要救助者」-File4「通話コード」(アニメ第622話-第623話「緊急事態252」)より。</ref>。}}が、豪邸住まいで自動車を所有して灰原を同居させていることからも、金銭面に困っている様子は見られない。実際に優れた発明品も多く、物によっては普及すれば有名になれそうなレベルだが、発明品で特許が降りたような言及はしておらず(許可を期待した発明品もあるが、失敗している)、現在も本格的に売り出している描写などはほとんど無い。そのため、発明家としての凄さは阿笠を「博士(はかせ)」と呼ぶ周囲の知り合いぐらいにしか知られていないことが、本編でも示唆されている。

2021年4月20日 (火) 10:35時点における版

阿笠 博士
名探偵コナン』のキャラクター
作者 青山剛昌
田山涼成
緒方賢一
田中一成(少年時代)
詳細情報
愛称

阿笠博士(あがさはかせ)

博士(はかせ)
性別 男性
職業 発明家
肩書き 博士
国籍 日本の旗 日本
テンプレートを表示

阿笠 博士(あがさ ひろし)は、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス名探偵コナン』の作品に登場する架空の人物。

アニメでの声優緒方賢一、少年時代を田中一成が担当する。ドラマでの俳優田山涼成が担当。

経歴

小学校は帝丹小学校出身。小学校6年生のときに初恋をしており、相手は2歳年下で、現在は有名なファッションブランドの社長であるフサエ・キャンベル・木之下。現在も互いを想い合っている。

その後、奥穂中学校に進学[1]し、東都大学工学部博士課程を卒業[注 1]

幼児化した工藤新一が初めて訪ねてきた際に彼から正体を知らされ、他人に正体がばれると黒の組織に再び命を狙われて周囲にも危険が及ぶだろうと助言し[注 2]江戸川コナンのことを「親戚の子」として毛利小五郎の家に預け[注 3]、帝丹小学校へ入学するよう勧めて手配もした[5]。その後、組織から脱走して新一を頼ってきた灰原哀を保護し、現在では共に暮らす彼女を周囲から怪しまれないようにと、コナン同様に帝丹小に編入させている[注 4]

人物

江戸川コナンの協力者である独身科学者発明家。工藤宅の隣人で天才を自称しており、コナンが使用している道具の製作者でもある[注 5][6]。52歳という年齢設定[注 6]。お尻のホクロには毛が1本生えているらしく、本人以外で知っているのはコナン(新一)のみであることから、彼が自分が新一であると証明するためにこのことを話した。

コナンの正体が小さくなった新一と最初に知った人物で、黒の組織に知られないように正体を秘密にするよう助言を送る。2021年時点でコナン、灰原、および沖矢昴の正体をいずれも知っているとされる唯一の協力者的立場の人物である[注 7][注 8]

工藤家・毛利家とは新一とが幼少期の頃からの付き合いであり、変な発明品ばかり作るためか若干あきれられてはいるものの、新一や蘭をはじめとする友人たちからはそれなりに信頼されており、毛利小五郎も阿笠に対しては敬語で話す描写もある。また、コナンや灰原と少年探偵団の3人(吉田歩美・円谷光彦・小嶋元太)を遠くへ遊びに連れていくのは大抵、阿笠である。彼らからも若干あきれられたりバカにされたりと振り回されることも多いが、基本的には面倒見がよく穏やかな性格[注 9]ゆえに実祖父同然に慕われ、信頼されている。

コナンに探偵役を任されることもあるが、彼の正体を知っていることから腕時計型麻酔銃は使用されず、口パクで台詞を合わせている。そのため、麻酔銃で眠らされる小五郎や鈴木園子山村ミサオのような不自然さは軽減されている[注 10]。コナンが腕時計型麻酔銃を持参し忘れたことから生まれたこの方式は[7]、いきなり自分の声を使って推理を開始することが多いコナンにはへきえきとし、一言相談してから声を使うように度々注意している。その後に小五郎や園子のように警察から名探偵と評されることに調子に乗り始めた節もあり、少年探偵団の前で「工藤新一に探偵術を教えたのはワシじゃ」と言ったりしたこともある[8]

名前の由来は推理作家のアガサ・クリスティから[9]。親類に栗介(くりすけ)という伯父と定子(ていこ)という伯母がおり(現在は両人とも故人)、彼ら2人の名を合わせると"くりすけ"と"てぃこ"でクリスティとなる。また、本編には登場していないが、高木刑事と同世代と思われる孫娘を持つ従兄がいる[10]

友人である映画監督の三上 大輔(みかみ だいすけ、声 - 山野史人)からは「阿笠」、目暮警部などの警察関係者からは「阿笠さん」、それ以外の人間からは「博士(はかせ)」「阿笠博士(あがさはかせ)」と呼ばれる。服部平次からは「阿笠博士」、「爺さん」と呼ばれる。

『コナン』作品の雑誌掲載・アニメ放映初期[注 11]においては当時のパソコンやインターネットの普及率の問題もあり、コナン(新一)からの依頼によってネットサーフィンおよび工藤優作が収集していた事件記事のスクラップファイルによる情報収集という面でも、彼をサポートしていた[11][12]が、インターネットが普及して小学生でもインターネットや携帯電話を用いることが一般的になった近年の作品においては、小学生であるコナンがアクセスすることが不自然な外国・会員制のサイトによる情報収集を依頼されることが多い[13]

劇場版には鈴木園子と並び、全作品に出演している(ただし、『業火の向日葵』・『紺青の拳』ではストーリーに絡んでいない)。また、1996年のアニメシリーズ開始時に系列各局で放送された番宣スポットのナレーションも阿笠が担当した(最後の放送時間の案内はコナンが担当)。

『名探偵コナン40+SDB』のコーナー「勝手に『あの方』大予想!!」で第1位になったが[14]、この説は作者により否定されている[15]

容姿

頭頂は禿げ上がっており残っている髪もすべて白髪で、年齢以上に老けて見られることが多い[注 12]。阿笠自身は「わしは白髪で爺さんのような容貌だがまだ52歳じゃよ」と自称している[注 13]。目暮警部と同様に肥満体形であるため、灰原が居候してからは栄養管理の厳しい食事を摂らされている[注 14]

10年前(42歳)は、まだ髪はフサフサで黒髪だった[1]。劇場版『天国へのカウントダウン』では、10年後(62歳)の顔を予想できる機械を試したが、現在と変わらない顔だった。

居住地

住所は東京都米花市米花区米花町2丁目22番地。庭付きの敷地に建つ研究所兼自宅は詳細な間取りこそ不明であるものの、作中の描写から最低でも地上2階、屋上、地下室まで備えた豪邸であることが判明している。

隣人の新一(コナン)は、阿笠の住所について「年賀状は手渡しで(住所を)知るわけがない」と述べている[3]

発明家

発明家として知られており、その技術はかなりのもので「バンダイ」という会社[注 15]の関係者たちが阿笠の頭脳を頼りに自宅を訪れており、多額の契約金と引き換えに発明品を共同開発し、発売も決定していた[16]。その一方、発明したメカの技術は秀逸ながら、「弁当箱に市販のFAXを取り付けただけのうえ、おかずが本物」という「弁当型携帯FAX」など、発想を疑わせる品もある。

今まで数多くの発明品を生み出してはそのほとんどがコナンたちの手助けになったほか、赤井秀一の死を偽装する際にも役立っていた[注 16]公安警察降谷零安室透)からは「MI6も顔負けの発明品」と称賛されており、領域外の妹は阿笠が製作した盗聴器について「見たことのないタイプ。駆動時間は短そうだが、この形状(フォルム)でこの性能(パフォーマンス)、なかなか興味深い。」と評している。また、『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では少年探偵団に持たせていたメカの数々を見たルパン一味がその性能に唸ると共に、それを子供たちに持たせることを非難している。

いつか自分の発明で大儲けすることが夢であるが、コナンによれば「作る物はガラクタばかりでジリ貧」らしい[注 17]が、豪邸住まいで自動車を所有して灰原を同居させていることからも、金銭面に困っている様子は見られない。実際に優れた発明品も多く、物によっては普及すれば有名になれそうなレベルだが、発明品で特許が降りたような言及はしておらず(許可を期待した発明品もあるが、失敗している)、現在も本格的に売り出している描写などはほとんど無い。そのため、発明家としての凄さは阿笠を「博士(はかせ)」と呼ぶ周囲の知り合いぐらいにしか知られていないことが、本編でも示唆されている。

親戚筋には上記の栗介・定子兄妹など、豪邸や別荘を持つほど裕福な者がいる。『コナンドリル』では自宅に地下があり、立地も好条件な資産価値はかなり高いとうかがえるうえ、阿笠が買ったのではなく親からの相続で伯父の別荘の整理もしていることから、一族の資産は独占状態にあるとみている。また、少年探偵団とよく出かけているのは、レジャー関連企業の株主として優待券を持っている可能性や、発明品は玩具性が強いうえに実用新案による企業との契約や『ベイカー街の亡霊』で新型ゲーム機「コクーン」の開発にも関わっていることから、業界では有名なゲーム作家かもしれない説を提唱しており、特許料や開発協力などでも大金を得て悠々自適に暮らしながら生活のためではなく遊び心を持って発明に臨むからこそ、良いアイデアが生まれているとみている[18]

コナンが身体能力でハンデを負いながらも、探偵として凶悪な犯罪者と対等以上に渡り合えるのは、阿笠の発明したさまざまなアイテムによるところが多々あり、灰原もそう考えている[注 18]。発明品を身近な人だけでなく、近所や遠方(中には温泉旅館も含まれている)にも提供しているが、その大半は発明品がすぐに壊れたとクレームが殺到したこともあり[20]、耐久性に問題が多いことも示唆されている[21]。また、新一だった当時のコナンが目暮警部に「阿笠はいつも妙ちきりんな発明をしている」という旨を漏らしていたことから、目暮と初めて顔を合わせた際にはそのことを聞かされて彼には苦笑いを返し、コナンには怒りを露わにしていた[7]

コナンたちに提供している一部の発明品(名探偵コナン#道具を参照)には、現実世界での法律に抵触する可能性が非常に高いものがある[注 19]が、作中でそのことについては一切触れられていない(ただし、コナンたちも一部の発明品はあまり大っぴらには使っていない)。

嗜好

好物はレストラン「コロンボ」のスパゲティ。このことは前述のホクロの件と合わせ、コナンが自分の正体を証明するきっかけになった。

“操縦事(操縦+そういう事)言うの?”(ゼロの執行人)や、“とほほ、恐宿題(恐縮+宿題)”(異次元の狙撃手)などの駄洒落を好む。劇場版では本編で少年探偵団にクイズを出すことが恒例となっているが、その答えのほとんどは駄洒落である。

若干の虫嫌い。写真や映像を見るのは平気であるが、アリの大群など動く実物を直接見るのは苦手である[22]

自宅にいる時は、好きなワイドショーを見ている[23]

愛車

阿笠博士の愛車(青山剛昌ふるさと館にて)

愛車は「フォルクスワーゲン・タイプ1」で、作中ではほとんど愛称の「ビートル」で呼ばれる。ナンバープレートは「新宿 500 ひ 164」である[24]。発明品であり、商品展開も行われたボイスレコチェンジャーの売り上げで、同じタイプの新車に買い換えた[注 20]。しかし、話によっては故障で止まっていることがあるほか、テレビスペシャル『名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の2日間〜』では走行中に犯人一味の大型トラックの体当たりで壁に挟まれてフレームが原形をとどめないほど損傷したうえ、助手席の灰原が破壊された扉から眼下の森へ落下するという惨事にも遭っている。

少年探偵団の引率役として、彼らをビートルに乗せてさまざまな所に出かけている[注 21]。小五郎は「毎回毎回、よく飽きずにキャンプへ行けるな」という趣旨の発言をしているため、かなり頻繁に出かけていることがうかがえる。

脚注

注釈

  1. ^ 本人からの発言はなく、光彦の発言による[2]
  2. ^ APTX4869を投与した新一の死亡が確認できなかったので、後に黒の組織は二度ほど工藤宅に調査員を派遣したが、工藤家は自宅に不在(新一はコナンとして毛利家に居候し、両親はロサンゼルスに在住しているため)であり、さらに組織に在籍していた灰原(シェリー)が新一の幼児化を隠蔽しようと、「不明」となっていたデータを「死亡」に書き換えたため、工藤家は難を逃れた[3]
  3. ^ 最初は一時的に世話を見てくれと頼んだものだが、のちにコナンの両親(工藤優作工藤有希子の変装)が小五郎に養育費を渡してコナンの保護を依頼したことにより、小五郎が正式な保護者となった[4]
  4. ^ 義務教育に関しては市役所などの配慮により、戸籍や住民票がなくても小学校に入学できる。
  5. ^ そのほとんどが物理学を超越している。
  6. ^ 40年前に小学6年生(11 - 12歳)、第2話でコナンが52歳と発言(1月半ば)、年末から年始頃に誕生日を迎えている(「海の上の開かれた密室」 - 「嬉しい火傷」(アニメ第366話-第367話「丸見え埠頭の惨劇」)は年末掲載で次の事件が1月10日 - 11日)。ただし、OVA『阿笠からの挑戦状!阿笠vsコナン&少年探偵団』のみ、作中で53歳と発言している。
  7. ^ 阿笠以外の協力者では、工藤優作工藤有希子が近い立場であるが、明確なのは息子・新一(コナン)と赤井秀一(沖矢昴)の2人についてであって、灰原に関しては、その境遇を知っていることが判明しているが、本名なども聞いているかの言及がないため、いずれも知っているとされるか不詳な部分がある。服部平次も同様であり、明確なのはコナン(新一)のことについてのみで、灰原に関しては、優作や有希子同様に境遇を知っていることが判明しているが、本名などについては言及がなく、さらにはFBI黒の組織を捜査していることもコナンから聞いているが、赤井本人と現時点で直接出会った描写が無いため、その存在や沖矢昴に変装して工藤邸で暮らしていることなどをコナンや阿笠から聞かされているかも不明である。
  8. ^ 協力者以外では、ベルモットがコナンと灰原の正体を知っているが、沖矢については推理力があることは気付いているものの、素性は阿笠宅の隣に住む大学院生としか聞いておらず、正体の赤井は死んだと思っている。安室透はコナンと沖矢の素性を疑い、特に沖矢に赤井の影を見ながらも、いまだ2人の正体を知るには至っておらず、灰原の正体であるシェリー(宮野志保)についても死んだと思っているため、灰原と関連付けてはいない(灰原も安室の前にはできるだけ姿を見せないようにしている)。怪盗キッドは、コナンについては劇場版を除き正体を知っているか明言されておらず、灰原については大人の女性であることは認識したものの素性までは知らず、沖矢については「首にメカらしきもの(チョーカー型変声機のこと)を付けていて、その自分の写真が出回ると困る境遇の阿笠宅の隣人」という認識しかない。
  9. ^ コナン、平次、小五郎と違って犯人に同情し、反省や再起をうながす言葉を贈ったり、血気にはやるコナンや手柄のために無茶をする探偵団のメンバーをたしなめるなど。
  10. ^ ただし、コナンの推理に思わず疑問を呈したり、「なるほど!」と相槌を打ってしまったりして、目暮警部らに怪しまれることもある。
  11. ^ 主に1990年代末から2000年代初頭。
  12. ^ 「おじいさん」呼ばわりされたり、少年探偵団のメンバーを孫と間違われるなど。
  13. ^ このような口調に対しても、「しゃべり方がジジくさい」と言われることがある。
  14. ^ 灰原に隠れてラーメン屋に行ったり、食品を取り寄せたりするなどの行為に出るが、大抵は灰原に露呈してしまう。肉類をこっそり食べていたことが露呈した際には、「メタボってるのね」と非難されていた。また、OVA「ロンドンからの㊙指令」でピーナッツバターとブルーベリージャムのサンドイッチ(灰原の好物)を隠れて食べていたことが露呈した際には、灰原が怒りをあらわにした。
  15. ^ 「銭湯にある台(番台)と同じ名前の会社」と少しぼかされており、アニメでは企業名は伏せられている。
  16. ^ その時の発明品は、空砲に合わせて帽子に仕込まれていた血糊が飛び出すというものである。
  17. ^ なお、この話では大儲けしていると勘違いした犯人に誘拐された[17]
  18. ^ コナンが元太に「子供の蹴ったボールで大人が倒れるはずが無い」と意見を述べ、歩美がコナンに「で、でもコナン君が蹴ったボールはよく犯人を吹っ飛ばしてるよね?」と問いかけ、灰原が歩美に「江戸川君のは機械の力に頼ったインチキ」と応答したことがある[19]
  19. ^ 腕時計型麻酔銃など(麻酔銃#法規制を参照)。
  20. ^ コナンからは「とんでもないメカで銀行を襲った」と勘違いされた。
  21. ^ キャンプ、釣り、スキー、潮干狩り、松茸狩り、天体観測、アニマルショー、サッカー場など多岐にわたる。

出典

  1. ^ a b 単行本第55巻File7「黎明」(アニメ第472話-第473話「工藤新一少年の冒険」)より。
  2. ^ 単行本第60巻File3「赤白黄色」-File5「新たな隣人」(アニメ第509話「赤白黄色と探偵団」)より。
  3. ^ a b 単行本第18巻File6「転校生は…」-第19巻File1「どうして…」(アニメ第129話「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」)より。
  4. ^ 単行本5巻File.10「見知らぬ来訪者。」 - 6巻File.1「仮面の下の真実」(アニメ43話「江戸川コナン誘拐事件」)より。
  5. ^ 単行本第2巻File1「割のいい尾行」(アニメは第2話「社長令嬢誘拐事件」)より。
  6. ^ コナンドリル 2003, p. 180.
  7. ^ a b 単行本第13巻File8「逃亡者」- File10「去り行く後ろ姿」(アニメ第63話「大怪獣ゴメラ殺人事件」)より。
  8. ^ アニメ第178話「喫茶店トラック乱入事件」(アニメオリジナル)より。
  9. ^ コナンドリル 2003, p. 152.
  10. ^ 単行本第21巻File8「桜田門の変!?」(アニメ第146話-第147話「本庁の刑事恋物語」)。
  11. ^ 単行本第8巻File3「恐怖のウイルス」(アニメ第68話-第70話「闇の男爵殺人事件」)
  12. ^ 劇場版第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』。
  13. ^ 単行本第38巻File1「新兵器!」(アニメ第309話-第311話「黒の組織との接触」)
  14. ^ 青山 剛昌『名探偵コナン40+SDB』小学館〈少年サンデーコミックス〉、2006年2月17日。ASIN 4091200206ISBN 978-4091200204OCLC 675537308全国書誌番号:20993576 p.160
  15. ^ クラブサンデーの更新です。”. クラブサンデー公式ブログ (2011年10月28日). 2012年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月11日閲覧。
  16. ^ 単行本第12巻File1「博士の宝箱」(アニメ第163話-第164話「月と星と太陽の秘密」)における『ボイスレコチェンジャー(アニメ版ではヤイバーレコチェンジャー)』の阿笠本人による説明。
  17. ^ 単行本第72巻File2「要救助者」-File4「通話コード」(アニメ第622話-第623話「緊急事態252」)より。
  18. ^ コナンドリル 2003, p. 171-174.
  19. ^ 単行本第55巻File4「元太とエル」(アニメ第476話-第477話「元太の必殺シュート」)。
  20. ^ 単行本第64巻File1「一角岩」(アニメ第542話-第543話「魚が消える一角岩」)の『自動ハムエッグ作り機』。
  21. ^ 単行本第69巻File4「湯けむりの殺人」(アニメ第597話-第598話「湯煙密室のシナリオ」)の『石川五右衛門型温泉ロボ』など。
  22. ^ 単行本第89巻File11「握られたハサミ」- 第90巻File2「切り取られた文字」(アニメ第861話-第862話「17年前と同じ現場」)より。
  23. ^ 青山剛昌. 名探偵コナン第38巻 
  24. ^ 劇場版第15作『名探偵コナン 沈黙の15分』。

参考文献

外部リンク