「愛知環状鉄道2000系電車」の版間の差分
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'''愛知環状鉄道2000系電車'''(あいちかんじょうてつどう2000けいでんしゃ)は、[[2002年]](平成14年)に登場した[[愛知環状鉄道]]の[[直流電化|直流]][[近郊形電車]]である。 |
'''愛知環状鉄道2000系電車'''(あいちかんじょうてつどう2000けいでんしゃ)は、[[2002年]](平成14年)に登場した[[愛知環状鉄道]]の[[直流電化|直流]][[近郊形電車]]である。 |
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2021年3月30日 (火) 12:05時点における版
愛知環状鉄道2000系電車 | |
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2000系電車(2007年8月31日・新豊田駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 愛知環状鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 2002年 - 2009年 |
製造数 | 20編成40両 |
運用開始 | 2003年3月14日 |
主要諸元 | |
編成 | 2両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 |
直流1,500V (架空電車線方式) |
最高運転速度 |
110 km/h (愛知環状鉄道線内) 120 km/h[1] |
起動加速度 | 2.6 km/h/s |
減速度(常用) | 4.3 km/h/s |
編成定員 | 107(席)+179(立)=286名 |
編成重量 | 68.3 t |
編成長 | 40.2 m |
全長 | 20,100 mm |
全幅 | 2,978 mm |
全高 | 4,020 mm |
主電動機 | かご形三相誘導電動機 C-MT66A |
主電動機出力 | 185kW |
駆動方式 | TD継手式(中実軸)平行カルダン |
歯車比 | 1:6.53 |
編成出力 | 740 kW |
制御方式 | VVVFインバータ制御(IGBT素子 1C2M) |
制動装置 |
電気指令式ブレーキ 回生ブレーキ・抑速ブレーキ 耐雪ブレーキ・直通予備ブレーキ 応荷重対応・T車遅れ込め制御 |
保安装置 | ATS-ST、一部車両ATS-PT、EB、TE、防護無線 |
愛知環状鉄道2000系電車(あいちかんじょうてつどう2000けいでんしゃ)は、2002年(平成14年)に登場した愛知環状鉄道の直流近郊形電車である。
概要
開業時から使用されていた100系を置き換えるために登場した電車。2002年から2009年にかけて2両編成20本40両全車が日本車輌製造で製造された。東海旅客鉄道(JR東海)の313系と共通部品を使い製造コストを抑えている。このため外装、内装において同系と類似点が多いのが特徴である。
制御電動車2100形(Mc・岡崎寄り)と制御付随車2200形(Tc'・高蔵寺寄り)で2両編成を組む。車両番号の下2桁は編成番号の数字と同一である(G1編成:Mc2101-Tc'2201)。機器構成は313系300番台をベースとしており発電ブレーキは搭載されていない。起動加速度は2.6km/h/sとされている。20本のうち4本 (G8 - G11) は冬季の架線霜取り用としてパンタグラフを2基備えている。
外装のカラーリングは一般公募によって選ばれたデザインをもとにしている。太さの異なる5本の緑色の線で沿線の豊かな自然を、左右非対称の毛筆調の帯で都市の力強さを表現した大胆なデザインである。前面では、種別、行先表示部分にまで拡大した大型のガラスを採用し、足乗せ台の部分が小型化されるなど、313系とは違う個性をアピールしている。また、所属を示す「愛」の文字もアクセントである。
内装は313系3000番台より若干広いセミクロスシートで[2]、ワンマン運転に対応できる構造になっているものの運賃箱や整理券発行機等の装備はない。車内カラースキームがアースカラー(シートモケットの柄が緑色系、床や荷棚が茶色系)、自動放送装置、シート端部の大型の仕切り板、LED式旅客案内表示器が千鳥配置、蛍光灯のカバー省略、つり革の三角化(後期車のみ)といった点が313系とは異なる。
自動放送は100系とは異なり音声合成装置となった。また日本語は三浦七緒子、英語はクリステル・チアリが担当している[3]。
イベント仕様車としてG30番台の編成(2131-2231 - 2133-2233)が3本(計6両)在籍しているが、普段は通常仕様の車両と共通の運用が組まれている。イベント仕様車は、着脱式のテーブル、カラオケ用のコンセントなどを備えている。過去には、BOSE社製スピーカーや空気清浄機なども備えられていたが、いずれも撤去されている
運用
2002年から製造され、最初の甲種輸送は2002年12月19日。営業運転開始は翌2003年3月14日のダイヤ改正からである[4]。以降、2005年までに2両編成16本(計32両)が落成している。同年の「愛・地球博」終了後に、100系との置き換えが完了して、愛知環状鉄道が所有するすべての旅客用車両が2000系となった。
ラッシュ時を中心に2本を連結した4両編成で運用されるが、一部の列車は2両編成のまま非常に混雑した状態で輸送せざるを得ない状況にあり、2008年には新豊田駅 - 三河豊田駅間の複線化による両駅間のシャトル便の新設を控えていたことから、2007年度に2両編成2本が追加投入された。この編成ではつり革が三角型に、トイレ前の1人掛けシートが廃止された。一方、同時期に製造された313系3次投入車に見られるフルカラーLED式種別・行先表示器やHID式前照灯などへの変更はない。ATS-PT機器の取り付けは2012年までに完了している(JR東海名古屋工場への入庫のため。当初は準備工事のみであった)。
2009年3月14日のダイヤ改正時には、2両編成2本(G51、G52編成)が増備された[5]。従来の車両から仕様が大幅に変更され、車体や機器が313系ベースであることに変更はないものの、座席はセミクロスシートからロングシートへと変更された。外板塗色は緑の左右非対称の帯から、愛知環状鉄道のコーポレートカラーである青色の帯[6]が配されたものとなっている。[7]。なお、G51、G52編成は当初よりATS-PTを搭載しており、重要部検査と全般検査の車両回送では検査車両を中間に挟んだ状態で、中央線をJR東海名古屋工場まで回送運行する。
車両輸送
甲種輸送の際は日本車輌豊川製作所→豊川駅→豊橋駅→岡崎駅→北野桝塚駅のルートで搬入された。
編成番号 | 甲種輸送日 | |
---|---|---|
第1次輸送 | G1 G2 G31* G33* | 2002年12月19日 |
第2次輸送 | G3 G4 G5 G6 G7 | 2003年12月2日 |
第3次輸送 | G8 G9 G10 | 2004年10月12日 |
第4次輸送 | G11 G12 G32 | 2004年11月4日 |
第5次輸送 | G13 | 2005年11月14日 |
第6次輸送 | G14 G15 | 2007年12月17日 |
第7次輸送 | G51 G52 | 2009年2月25日 |
第1次輸送車のうち、G31、G33の編成は輸送時点ではそれぞれG12、G14を名乗っており、後に編成番号のみ改められた。
第7次輸送車のG51、G52編成は全席ロングシート車。
編成表
← 岡崎 高蔵寺 →
| |||||
編成番号 | 2100(Mc) | 2200(Tc') | 車体帯を青色に変更 | ATS-PT搭載 | |
---|---|---|---|---|---|
G1 | 2101 | 2201 | 2009年度[8] | ||
G2 | 2102 | 2202 | 2009年度[8] | ||
G3 | 2103 | 2203 | 2010/6/8[9] | ||
G4 | 2104 | 2204 | 2017/3/22[10] | ||
G5 | 2105 | 2205 | 2011/1/24[9] | ||
G6 | 2106 | 2206 | 2016年度以前[10] | ||
G7 | 2107 | 2207 | 2017/10/19[11] | ||
G8 | 2108 | 2208 | 2017/11/23[11] | ||
G9 | 2109 | 2209 | |||
G10 | 2110 | 2210 | |||
G11 | 2110 | 2211 | 2018/3/14[11] | ||
G12 | 2112 | 2212 | |||
G13 | 2113 | 2213 | |||
G14 | 2114 | 2214 | 2011/1/28[9] | ||
G15 | 2115 | 2215 | |||
G31 | 2131 | 2231 | 2009年度[8] | ||
G32 | 2132 | 2232 | |||
G33 | 2133 | 2233 | 2010/11/4[9] | ||
G51 | 2151 | 2251 | 落成時[12] | 2010/12/4[9] | |
G52 | 2152 | 2252 | 落成時[12] | 2011/2/4[9] |
脚注
- ^ 2013年7月現在、営業運転は線区最高速度110km/hの愛知環状鉄道線内に限定されており、営業運転中に120km/h運転することはない。
- ^ 2009年3月14日改正で増備された6次車はオールロングシートに変更されている。
- ^ JR東日本209系500番台中央・総武緩行線用、E231系、E233系、E235系などと同じ。
- ^ 太田健一「モハユニ ■愛知環状鉄道2000系営業運転開始」『RAIL FAN』第50巻第5号、鉄道友の会、2003年5月1日、22頁。
- ^ 車両の新製について (PDF) 愛知環状鉄道 2008年6月26日
- ^ JR東海保有の211系0番台が当初纏っていた帯とほぼ同じである。
- ^ 車両デザインの変更について 愛知環状鉄道 2009年12月17日
- ^ a b c 愛知環状鉄道2000系在来車のデザイン変更進む
- ^ a b c d e f 『私鉄車両編成表 2011』ジェー・アール・アール編、2011年、交通新聞社 190頁。ISBN 978-4-330-22711-5。
- ^ a b 『私鉄車両編成表 2017』ジェー・アール・アール編、2017年、交通新聞社 97頁。ISBN 978-4-330-81317-2。
- ^ a b c 『私鉄車両編成表 2018』ジェー・アール・アール編、2018年、交通新聞社 97頁。ISBN 978-4-330-89718-9。
- ^ a b 『私鉄車両編成表 2009』ジェー・アール・アール編、2009年、交通新聞社 84頁。ISBN 978-4-330-08209-7。
関連項目
- JR東海313系電車 - 当形式のベース車
- JR東海キハ25形気動車 - 当形式と同じく、313系ベースの車両
- 名古屋臨海高速鉄道1000形電車 - 当形式と同じ313系ベースの車両(ただし車種構成や外見は全く違う)
参考文献
外部リンク
- 2000系1-5次車フォトギャラリー - 愛知環状鉄道公式サイト内
- 2000系6次車フォトギャラリー - 愛知環状鉄道公式サイト内