「イングリング (ビール)」の版間の差分
m Botによる: {{Normdaten}}を追加 |
4th protocol (会話 | 投稿記録) m →脚注 |
||
(2人の利用者による、間の8版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
{{翻訳中途|1=[https://en-two.iwiki.icu/w/index.php?title=Yuengling&oldid=759126135 英語版 "Yuengling" 10:50, 9 January 2017 (UTC)]|date=2017年2月}} |
|||
{{Infobox company |
{{Infobox company |
||
| name = D・G・イングリング&サン<br />D.G. Yuengling & Son |
| name = D・G・イングリング&サン<br />D.G. Yuengling & Son |
||
27行目: | 26行目: | ||
| footnotes = |
| footnotes = |
||
}} |
}} |
||
'''D・G・イングリング&サン''' (D. G. Yuengling & Son) は、[[1829年]]に創業した、[[アメリカ合衆国]]において最も歴史が長い[[ブルワリー]]([[ビール]][[醸造所]])。生産量においても、合衆国有数の大規模なブルワリーのひとつである。イングリングは、[[ |
'''D・G・イングリング&サン''' (D. G. Yuengling & Son) は、[[1829年]]に創業した、[[アメリカ合衆国]]において最も歴史が長い[[ブルワリー]]([[ビール]][[醸造所]])。生産量においても、合衆国有数の大規模なブルワリーのひとつである。イングリングは、[[2018年]]時点で、生産量において、合衆国最大の[[クラフトビール]]であり、また大手を合わせても第6位のブルワリーであり、さらに最大規模の純粋アメリカ資本のビール会社であった<ref>{{cite press release |url= https://www.brewersassociation.org/press-releases/brewers-association-releases-2018-top-50-brewing-companies-by-sales-volume/ |title=Brewers Association Releases 2018 Top 50 Brewing Companies By Sales Volume |publisher=[[:en:Brewers Association|Brewers Association]] |date=2019-03-12 |access-date=2020-01-11}}</ref><ref name="CBS Boston">[http://boston.cbslocal.com/2012/02/27/boston-beer-company-tied-for-bragging-rights/ "Boston Beer Company ties Yuengling for Largest]" Accessed April 26, 2012.</ref>。本社は、[[ペンシルベニア州]][[ポッツビル (ペンシルベニア州)|ポッツビル]]にある<ref>"[http://www.yuengling.com/contact/ Contact Us]." D. G. Yuengling & Son. Retrieved on December 15, 2009.</ref>。[[2015年]]現在、イングリングは、ペンシルベニア州の2ヵ所の施設と[[フロリダ州]][[タンパ]]のブルワリーを運営しており、合わせて年間290万[[バレル]]を生産している<ref> |
||
{{cite news |last=Harris|first=Jon |date=2016-04-05 |title=Yuengling, Boston Beer again top list of U.S. craft breweries |url=https://www.mcall.com/business/mc-top-50-breweries-revealed-20160405-story.html |newspaper=[[:en:The Morning Call|The Morning Call]] |access-date=2019-05-09 }}</ref>。 |
|||
「Yuengling」は、{{IPAc-en|audio=Yuengling.ogg|ˈ|j|ɪ|ŋ|l|ɪ|ŋ}} {{Respell|YING|ling}} と発音されるが、これは創業者の姓で、[[ドイツ語]]で「若者」を意味する「''[[:en:Jüngling (surname)|Jüngling]]''」の綴りを[[英語]]風に直したものである。[[日本語]]では、「'''イエングリング'''」と表記されることもある<ref>{{Cite web|url=https://www.dailysunny.com/2015/04/06/nynews0406-16/|title=米国一の人気ビールを発表 NYブランドは最高11位 |publisher=Daily Sun New York|date=2015-04-06|accessdate=2017-02-11}}</ref>。 |
「Yuengling」は、{{IPAc-en|audio=Yuengling.ogg|ˈ|j|ɪ|ŋ|l|ɪ|ŋ}} {{Respell|YING|ling}} と発音されるが、これは創業者の姓で、[[ドイツ語]]で「若者」を意味する「''[[:en:Jüngling (surname)|Jüngling]]''」の綴りを[[英語]]風に直したものである。[[日本語]]では、「'''イエングリング'''」と表記されることもある<ref>{{Cite web|url=https://www.dailysunny.com/2015/04/06/nynews0406-16/|title=米国一の人気ビールを発表 NYブランドは最高11位 |publisher=Daily Sun New York|date=2015-04-06|accessdate=2017-02-11}}</ref>。 |
||
家族所有のブルワリーであり、所有権は先代所有者の子孫が、会社の経営権をそのつど買い取る形で代々継承されてきた<ref name="Bryson">Bryson, Lew. ''Pennsylvania Breweries. 3rd Edition.'' Stackpoles Books. Mechanicsburg, 2005. ISBN 0-8117-3222-3</ref>。ペンシルベニア州や[[デラウェア・バレー]]地域({{仮リンク|サウス・ジャージー|en|South Jersey}}地域を含む)では |
家族所有のブルワリーであり、所有権は先代所有者の子孫が、会社の経営権をそのつど買い取る形で代々継承されてきた<ref name="Bryson">Bryson, Lew. ''Pennsylvania Breweries. 3rd Edition.'' Stackpoles Books. Mechanicsburg, 2005. ISBN 0-8117-3222-3</ref>。イングリング・トラディショナル・ラガー (Yuengling Traditional Lager) はアンバーラガーであるが、ペンシルベニア州や[[デラウェア・バレー]]地域({{仮リンク|サウス・ジャージー|en|South Jersey}}地域を含む)では人気が極めて高く、単に「[[ラガー (ビール)|ラガー]]」と注文するとこれが出てくるほどである<ref name="Russell">Russell, Don. ''The Philadelphia News'' (September 12, 2002): "Joe Sixpack" (column), "[https://web.archive.org/web/20060522181118/http://www.yuengling.com/news/n_joesix.htm "In Philly, Lager means Yuengling]" (reprint appearing on Yuengling site) Accessed December 8, 2006.</ref><ref>{{cite web|last=Galster|first=John|title=Ales of the Revolution|url=http://www.phillybeerscene.com/2009/06/ales-of-the-revolution/|publisher=BeerScene.com|accessdate=2013-03-12|date=June 2009}}</ref>。 |
||
== 歴史 == |
== 歴史 == |
||
47行目: | 47行目: | ||
| refnum = 85000180<ref name="nris">{{NRISref|version=2010a}}</ref> |
| refnum = 85000180<ref name="nris">{{NRISref|version=2010a}}</ref> |
||
}} |
}} |
||
[[File:D. G. YUENGLING & SON EAGLE BREWERY in June 1885 map detail, Sanborn Fire Insurance Map from Pottsville, Schuylkill County, Pennsylvania. LOC sanborn07921 001-3 (cropped).jpg|thumb|upright|1885年のサンボーン火災保険地図に描かれたD・G・イングリング&サン・イーグル醸造所。]] |
|||
[[File:Yuengling plaque.jpg|thumb|upright|醸造所の外壁に埋め込まれたプラーク。]] |
[[File:Yuengling plaque.jpg|thumb|upright|醸造所の外壁に埋め込まれたプラーク。]] |
||
ドイツ人の醸造家であった[[デイヴィッド・イングリング|ダヴィド・ゴットロプ・イングリング]](1808年 – 1877年)は、当時の[[ヴュルテンベルク王国]][[シュトゥットガルト]]のアルディンゲン(Aldingen、後の[[:de:Remseck am Neckar|Remseck am Neckar]])から、[[1828年]]に[[アメリカ合衆国]]へ移民した。彼は自分の名を英語風に改め、「Jüngling」を「Yuengling」とし、[[1829年]]から[[ポッツビル (ペンシルベニア州)|ポッツビル]]のセンター通りに「イーグル醸造所 (Eagle Brewery)」を創業した<ref>{{cite web|url=http://brookstonbeerbulletin.com/historic-birthday-david-g-yuengling/|title=Historic Birthday: David G. Yuengling - Brookston Beer Bulletin|date=2017-03-02|publisher=Jay Brooks|accessdate=2017-12-20}}</ref>。彼の長男であるデイヴィッド・ジュニアは、イーグル醸造所を離れ、[[バージニア州]][[リッチモンド (バージニア州)|リッチモンド]]の[[ジェームズ川]]沿いに自身の醸造所であるジェームズ・リバー・ストリーム醸造所 ([[:en:James River Steam Brewery Cellars|James River Steam Brewery]]) を創業した<ref name="beerhistory">''BeerHistory.com''. "[http://www.beerhistory.com/library/holdings/yuengling.shtml Yuengling of Pottsville: America's Oldest Brewery]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。 当初の醸造所は、[[1831年]]に火災で焼け落ち、会社は場所を移して西マハントンゴ通りと5番通りの交差する現在地に移転した<ref>''Yuengling.com''. "[http://www.yuengling.com/history.htm History]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。イーグル醸造所は、[[1873年]]に[[フレデリック・イングリング]]が経営に参加したのを機に、その名をD・G・イングリング・アンド・サンと改称した。社名は変更されたが[[ハクトウワシ]]のエンブレムは、そのまま残された。[[19世紀]]末には、[[ニューヨーク]]の[[サラトガ・スプリングズ]]や、[[カナダ]]の[[ブリティッシュコロンビア州]]{{仮リンク|トレイル (ブリティッシュコロンビア州)|label=トレイル|en|Trail, British Columbia}}にも醸造所が設けられたが、いずれも後にはポッツビルの工場に統合された<ref name="beerhistory" />。 |
ドイツ人の醸造家であった[[デイヴィッド・イングリング|ダヴィド・ゴットロプ・イングリング]](1808年 – 1877年)は、当時の[[ヴュルテンベルク王国]][[シュトゥットガルト]]のアルディンゲン(Aldingen、後の[[:de:Remseck am Neckar|Remseck am Neckar]])から、[[1828年]]に[[アメリカ合衆国]]へ移民した。彼は自分の名を英語風に改め、「Jüngling」を「Yuengling」とし、[[1829年]]から[[ポッツビル (ペンシルベニア州)|ポッツビル]]のセンター通りに「イーグル醸造所 (Eagle Brewery)」を創業した<ref>{{cite web|url=http://brookstonbeerbulletin.com/historic-birthday-david-g-yuengling/|title=Historic Birthday: David G. Yuengling - Brookston Beer Bulletin|date=2017-03-02|publisher=Jay Brooks|accessdate=2017-12-20}}</ref>。彼の長男であるデイヴィッド・ジュニアは、イーグル醸造所を離れ、[[バージニア州]][[リッチモンド (バージニア州)|リッチモンド]]の[[ジェームズ川]]沿いに自身の醸造所であるジェームズ・リバー・ストリーム醸造所 ([[:en:James River Steam Brewery Cellars|James River Steam Brewery]]) を創業した<ref name="beerhistory">''BeerHistory.com''. "[http://www.beerhistory.com/library/holdings/yuengling.shtml Yuengling of Pottsville: America's Oldest Brewery]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。 当初の醸造所は、[[1831年]]に火災で焼け落ち、会社は場所を移して西マハントンゴ通りと5番通りの交差する現在地に移転した<ref>''Yuengling.com''. "[http://www.yuengling.com/history.htm History]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。イーグル醸造所は、[[1873年]]に[[フレデリック・イングリング]]が経営に参加したのを機に、その名をD・G・イングリング・アンド・サンと改称した。社名は変更されたが[[ハクトウワシ]]のエンブレムは、そのまま残された。[[19世紀]]末には、[[ニューヨーク]]の[[サラトガ・スプリングズ]]や、[[カナダ]]の[[ブリティッシュコロンビア州]]{{仮リンク|トレイル (ブリティッシュコロンビア州)|label=トレイル|en|Trail, British Columbia}}にも醸造所が設けられたが、いずれも後にはポッツビルの工場に統合された<ref name="beerhistory" />。 |
||
[[フレデリック・イングリング]]が死去した後、[[1899年]]からは{{仮リンク|フランク・D・イングリング|en|Frank D. Yuengling}}が会社の経営に当たることとなった<ref name="Bryson" />。[[アメリカ合衆国における禁酒法|禁酒法時代]]には、ビールに近い「ニア・ビール (near beer)」(アルコール分0.5%の飲料)である「イングリング・スペシャル (Yuengling Special)」、「イングリング・ポル=トル (Yuengling Por-Tor)」、「イングリング・ジュヴォ (Yuengling Juvo) などを製造して生き延びた<ref name="beerhistory" />。同社はまた、[[アイスクリーム]]を製造する[[酪農]]場も経営し、[[フィラデルフィア]]と[[ニューヨーク]]で[[ダンスホール]]も営業していた<ref name="Bryson" />。[[1933年]]、全国の醸造業者や不満を抱えていたビール愛好家たちの運動によって禁酒法が打破されると、イングリングは象徴的に「ウィナー・ビール (Winner Beer)」(「勝者のビール」の意)を出荷して禁酒法の撤回を祝し、さらにトラック |
[[フレデリック・イングリング]]が死去した後、[[1899年]]からは{{仮リンク|フランク・D・イングリング|en|Frank D. Yuengling}}が会社の経営に当たることとなった<ref name="Bryson" />。[[アメリカ合衆国における禁酒法|禁酒法時代]]には、ビールに近い「ニア・ビール (near beer)」(アルコール分0.5%の飲料)である「イングリング・スペシャル (Yuengling Special)」、「イングリング・ポル=トル (Yuengling Por-Tor)」、「イングリング・ジュヴォ (Yuengling Juvo) などを製造して生き延びた<ref name="beerhistory" />。同社はまた、[[アイスクリーム]]を製造する[[酪農]]場も経営し、[[フィラデルフィア]]と[[ボルチモア]]と[[ニューヨーク]]で[[ダンスホール]]も営業していた<ref name="Bryson" />。[[1933年]]、全国の醸造業者や不満を抱えていたビール愛好家たちの運動によって禁酒法が打破されると、イングリングは象徴的に「ウィナー・ビール (Winner Beer)」(「勝者のビール」の意)を出荷して禁酒法の撤回を祝し、さらにトラックいっぱいのビールの積荷を[[ホワイトハウス]]に送り届け、[[フランクリン・ルーズベルト]]大統領への感謝を表した<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-brewery/|title=Our Brewery|publisher=D.G. Yuengling & Sons, Inc.|accessdate=2017-12-21}}</ref>。フランク・D・イングリングが[[1963年]]に死去すると、息子であるリチャード・L・イングリング・シニア (Richard L. Yuengling Sr.) とF・ドールマン・イングリング (F. Dohrman Yuengling) が事業を継承した<ref name="History">''Yuengling.com''. "[http://www.yuengling.com/history3.htm History]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。 |
||
イングリングは、{{仮リンク|合衆国建国200年|en|United States Bicentennial}}を契機に歴史的なものへの関心が高まったことから、売り上げが増加した<ref name="Bryson" />。イングリングは、[[1977年]]に[[ペンシルベニア州]]{{仮リンク|マウント・カーボン (ペンシルベニア州)|label=マウント・カーボン|en|Mount Carbon, Pennsylvania}}で地名をそのままブランドとした[[バイエルン州|バイエルン]]風のプレミアム・ビールを生産していた{{仮リンク|マウント・カーボン醸造所|en|Mount Carbon Brewery}}が廃業した際に、商品名とレーベルの使用権を買い上げた。イングリングは、当初はマウント・カーボンでの生産を継続したが、結局のところ醸造所は閉鎖された。一方、[[酪農]]事業は、[[1985年]]まで存続した。 |
イングリングは、{{仮リンク|合衆国建国200年|en|United States Bicentennial}}を契機に歴史的なものへの関心が高まったことから、売り上げが増加した<ref name="Bryson" />。イングリングは、[[1977年]]に[[ペンシルベニア州]]{{仮リンク|マウント・カーボン (ペンシルベニア州)|label=マウント・カーボン|en|Mount Carbon, Pennsylvania}}で地名をそのままブランドとした[[バイエルン州|バイエルン]]風のプレミアム・ビールを生産していた{{仮リンク|マウント・カーボン醸造所|en|Mount Carbon Brewery}}が廃業した際に、商品名とレーベルの使用権を買い上げた。イングリングは、当初はマウント・カーボンでの生産を継続したが、結局のところ醸造所は閉鎖された。一方、[[酪農]]事業は、[[1985年]]まで存続した。 |
||
1985年、<!--{{仮リンク|-->リチャード・イングリング・ジュニア<!--|label=リチャード・L・("ディック")・イングリング]]-->が第5世代の社長となり、同年にはペンシルベニア州の醸造所が合衆国最古の醸造所として[[アメリカ合衆国国家歴史登録財]]となった<ref>National Register of Historic Places: [http://www.nationalregisterofhistoricplaces.com/PA/Schuylkill/state.html Pennsylvania — Schuylkill County]</ref>。同所はペンシルベニア州の指定史跡(the Pennsylvania Inventory of Historic Places)にもなっているが、それがいつのことだったかははっきりしていない(会社のウェブサイトでは曖昧に1976年に国家と州から施設に指定されたとだけ述べられている)<ref name="History" />。イングリングは、1995年以降、ビールを含む様々な商品について登録商標となっている<ref>Trademark Applications and Registrations Retrieval. "[http://tarr.uspto.gov/servlet/tarr?regser=serial&entry=74453768 74453768]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。ボッツビルの醸造所は、[[ヒストリー (TVチャンネル)|ヒストリー・チャンネル]]が制作した『''American Eats''』の番組でも取り上げられたことがある。 |
|||
[[1987年]]、イングリングは、よりヘビーなスタイルのビールに人気が出て来たことを受けて、何十年間も製造していなかったアンバーラガーの醸造を再開した。以降、イングリング・ラガーは旗艦ブランドとなり、売上の8割を占め、会社の急成長を支えた<ref name=Smith1>{{cite book|last=Smith|first=Andrew|title=The Oxford Encyclopedia of Food and Drink in America, Volume 1|date=2013|publisher=Oxford University Press|isbn=9780199734962|page=646}}</ref>。[[1990年]]の時点で、売上は年間 138,000 バレルに達した<ref name="morncall91">{{cite web| url= http://articles.mcall.com/1991-08-18/business/2812585_1_light-beer-david-g-yuengling-eagle-brewery | title= Oldest U.S. Beermaker Yuengling Goes After Microbrewery Market | date= August 18, 1991|author= Dan Shope | publisher=[[:en:The Morning Call|The Morning Call]] | access-date=2012-01-20}}</ref>。当時のイングリングは、合衆国における最大の[[ポーター (ビール)|ポーター]]の醸造所であった<ref name="morncall91"/>。 |
|||
1990年代はじめには、[[デラウェア・バレー]]地域や[[ペンシルベニア州]]、[[ニュージャージー州]]、[[デラウェア州]]を通して需要が高まり、既存の醸造所の施設では生産能力が足りなくなった。[[1999年]]、イングリングは、{{仮リンク|ストロー・ブルワリー・カンパニー|en|Stroh Brewery Company}}から[[フロリダ州]][[タンパ]]の工場を買収して製造能力を増強したが、その際、ストローの従業員を雇用したため、初めて労働組合との交渉をおこなうようになった<ref name="Bryson" />。[[2000年]]には、第3の工場を、ポッツビルにも近いペンシルベニア州[[スクーカル郡 (ペンシルベニア州)|スクーカル郡]]{{仮リンク|ポート・カーボン|en|Port Carbon, Pennsylvania}}に建設した。ポート・カーボン、タンパ、発祥地のポッツビルの工場を擁することで、イングリングは[[アメリカ合衆国東海岸|東海岸]]全域に販路を広げた。 |
|||
[[2006年]]、イングリングの従業員たちは、労働組合解散の手続き ([[:en:NLRB election procedures#Decertification elections|union decertification]]) をとった。このためイングリングは2006年6月に、[[フィラデルフィア]]のトラック運転手組合である [[:en:International Brotherhood of Teamsters|Teamsters]] Local 830 of Philadelphia との契約を更新しなかった<ref>Michael Rubinkam. "Pittsburgh Post-Gazette"."[http://www.post-gazette.com/stories/business/news/teamsters-foaming-over-ejection-at-yuengling-487055/ Teamsters foaming over ejection at Yuengling ]"</ref><ref>Kimm R. Montone. ''The REPUBLICAN & Herald''. [http://www.zwire.com/site/news.cfm?newsid=16342555&BRD=2626&PAG=461&dept_id=532624&rfi=6 Yuengling declares it will honor petition by workers to can union]". Retrieved December 8, 2006. {{webarchive |url=https://web.archive.org/web/20060521102800/http://www.zwire.com/site/news.cfm?newsid=16342555&BRD=2626&PAG=461&dept_id=532624&rfi=6 |date=May 21, 2006 }}</ref>。この動きに対して、組合側はイングリング製品の[[ボイコット]]を呼びかけるようになった<ref>''The Philadelphia Public Record''. "[https://web.archive.org/web/20071010003444/http://www.phillyrecord.com/2006/0427/0-article-06.html Teamsters Boycott Yuengling]". Retrieved December 8, 2006.</ref>。 |
|||
[[2017年]]の時点で、さほど高価ではないビールとしてイングリングが人気を博している地域は、北は[[ニューヨーク州]]、西は[[イリノイ州]]や[[ケンタッキー州]]、南は[[ジョージア州]]に及んでいる。タンパの醸造所は、[[フロリダ州]]の[[メキシコ湾]]岸地域、[[フロリダキーズ]]諸島、{{仮リンク|セントラル・フロリダ|en|Central Florida}}、{{仮リンク|ノース・フロリダ|en|North Florida}}、{{仮リンク|フロリダ・パンハンドル|en|Florida Panhandle}}地域をはじめ、[[アラバマ州]]や[[テネシー州]]にも出荷している。イングリングは、[[ミネソタ州]]の[[トウモロコシ]]と[[ワシントン州]]の[[ホップ]]を製品の原料として用いている。イングリングのビールは、いったん撤退していた[[マサチューセッツ州]]での販売を[[2014年]]3月3日から再開したが、それに先立ち2月からバーやレストランへの供給を始めていた<ref>[http://archive.boston.com/lifestyle/food/blogs/99bottles/2014/03/yuengling_officially_drops_in_massachusetts_today.html Yuengling officially drops in Massachusetts today] Boston.com. 3 March 2014. Retrieved 20 October 2016.</ref>。 |
|||
イングリングは、[[ジョージア州]]への供給を[[2008年]][[10月27日]]に開始した。同様に、[[2009年]]5月には[[ウエストバージニア州]]、[[2011年]]10月には[[オハイオ州]]、[[2014年]]6月には[[ロードアイランド州]]、2014年9月には[[コネチカット州]]、[[2016年]]8月には[[ルイジアナ州]]、[[2017年]]3月には[[インディアナ州]]へ、それぞれ販路を拡大した<ref>{{cite web|author=The Columbus Dispatch |url=http://www.dispatch.com/content/stories/business/2011/09/15/yuengling-beers-to-arrive-in-area-on-oct--3.html |title=Yuengling beers to arrive in area on Oct. 3 |publisher=Dispatch.com |date=2011-09-15 |access-date=2013-04-22}}</ref><ref>{{cite web|author=Twitter|url=https://twitter.com/Yuengling_Beer/status/473586112531681280 |title=Now available in Rhode Island.|publisher=Twitter.com |date=2014-06-02 |access-date=2014-06-02}}</ref><ref>{{cite web|author=The Best of New Orleans|url=https://m.bestofneworleans.com/blogofneworleans/archives/2016/08/02/yuengling-beer-hits-louisiana|title=Yuengling Beer Hits Louisiana|publisher=bestofneworleans.com|date=2016-08-01|access-date=2017-05-28}}</ref><ref>{{cite web|author=The Indianapolis Star|url=http://www.indystar.com/story/news/2017/04/03/you-can-now-buy-yuengling-indiana-stores/99973618/ |title=You can now buy Yuengling in Indiana stores|publisher=IndyStar.com |date=2017-04-03 |access-date=2017-04-26}}</ref>。[[2017年]]12月、かねてから[[ソーシャルメディア]]で[[ケンタッキー州]]か[[ミシガン州]]か[[テキサス州]]のいずれかに進出することを示唆していたイングリングは、[[2018年]]1月に[[アーカンソー州]]に販路を拡大すると発表した<ref>{{Cite web|url=https://www.brewbound.com/news/yuengling-expands-distribution-arkansas|title=Yuengling Expands Distribution to Arkansas|date=December 7, 2017|website=Brewbound|accessdate=2022-05-15}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.freep.com/story/news/local/michigan/2017/12/07/yuengling-michigan/931052001/|title=Yuengling will not come to Michigan after all|first=Brian|last=Manzullo|website=Detroit Free Press|accessdate=2022-05-15}}</ref>。アーカンソー州に先を越されたケンタッキー州でも、[[2018年]][[3月6日]]からイングリングが[[生ビール|ドラフト(生ビール)]]として提供されることとなり、][[3月19日]]からテイクアウト用にでも販売されることになった<ref>{{Cite web|url=https://www.courier-journal.com/story/life/food/spirits/beer/2018/01/19/yuengling-kentucky-march/1049390001/|title=Yuengling finally coming to Kentucky in March|first=Lucas|last=Aulbach|website=The Courier-Journal|accessdate=2022-05-15}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.wkyt.com/content/news/Kentucky-bars-to-begin-serving-Yuengling-beer-Tuesday-475873493.html|title=Kentucky bars to begin serving Yuengling beer Tuesday|author=<!--Staff writer(s); no by-line.-->|website=www.wkyt.com|accessdate=2022-05-15}}</ref>。 |
|||
イングリングのオーナーであるディック・イングリングは、[[2013年]][[8月26日]]にペンシルベニア州[[ハリスバーグ (ペンシルベニア州)|ハリスバーグ]]で演説した。その際、彼は反労働組合の信念を明確に述べ、ペンシルベニア州が{{仮リンク|労働権法|en|Right-to-work law|right-to-work}}を採用することを求め、[[共和党 (アメリカ)|共和党]]の{{仮リンク|トム・コーベット|en|Tom Corbett}}[[ペンシルベニア州知事|知事]]を賞賛した。 |
|||
[[2013年]][[10月26日]]、タンパの醸造所で火災が発生した。被害の程度は公表されていない<ref>[http://tbo.com/news/crime/fire-reported-at-tampas-yuengling-brewery-20131026/ Fire reported at Tampa’s Yuengling Brewery] TBO.com. Retrieved October 26, 2013</ref>。 |
|||
[[File:Yuengling ice cream.jpg|thumb|upright|イングリングのバニラ・アイスクリームの[[クォート]]容器。]] |
|||
[[2014年]]2月、30年近く市場から撤退していたイングリングの[[アイスクリーム]]が復活した。これを製造しているのは、イングリング家の一員であり、ディック・イングリングのいとこで、ダヴィド・ゴットロプ・イングリングの直系の子孫であるデヴィッド・イングリング (David Yuengling) である。アイスクリームを製造している会社は、法的には醸造所とは別個であるが、これは、1935年以降の体制と同じである<ref>[https://money.cnn.com/2014/02/12/smallbusiness/yuengling-ice-cream/ Yuengling ice cream returns] CNN. 12 February 2014. Retrieved 30 October 2016.</ref>。 |
|||
[[2016年]]10月、大統領候補だった[[ドナルド・トランプ]]への支持を表明したディック・イングリングの発言は、イングリング製品へのボイコットの動きを招いた<ref>{{cite news|url=https://www.forbes.com/sites/chasewithorn/2016/10/27/beer-drinkers-are-boycotting-yuengling-after-its-billionaire-owner-endorses-trump/#684c2db43978|work=Forbes|title=Beer Drinkers Are Boycotting Yuengling After Its Billionaire Owner Endorses Trump|author=Peterson-Withorn, Chase|date=27 October 2016|access-date=30 October 2016}}</ref>。 |
|||
ディック・イングリングは、将来、会社の株式の少なくとも51%を、娘たちのうち現在同社の役員を務めている2人、ジェニファー (Jennifer) とウェンディ (Wendy) のいずれかに譲渡するとしており、当人たちにはどちらが引き継ぐかは既に告げてあるとされるが、どちらであるかは公開されていない<ref>{{cite news|last1=Peterson-Withhorn|first1=Chase|title=Bottle Royale|issue=The Forbes 400 Special Issue|work=Forbes|date=October 25, 2016}}</ref>。[[2019年]]の報道によれば、やはり同社で働いているイングリングの他の2人の娘たち、デビー (Debbie) とシェリル (Sheryl) も「譲渡の順番の列に並んでいる」とされている<ref>Rader, Tom. "[https://www.wfmz.com/news/poconos-coal/yuengling-daughters-talk-about-the-future-of-the-brewery-ahead-of-190th-celebration/1094390235 Yuengling daughters talk about future of family's brewery]." Allentown, Pennsylvania: WFMZ-TV News, July 11, 2019.</ref>。 |
|||
[[2019年]]10月、イングリングは、[[ザ・ハーシー・カンパニー|ハーシーズ]]と共同で、イングリング・ハーシーズ・チョコレート・ポーター (Yuengling Hershey's Chocolate Porter) と称した、限定商品を販売した<ref>{{cite web|url=https://www.cnn.com/2019/10/02/business/hershey-c-chocolate-beer-trnd/index.html|title=What do you get when Hershey's and Yuengling team up? Chocolate beer|author=Andrew, Scottie|date=October 2, 2019|publisher=CNN|access-date=October 2, 2019}}</ref>。これはイングリングの190年の歴史において、初めて他社と共同生産したビールであった<ref>{{cite web|url=https://www.usatoday.com/story/money/2019/10/01/beer-and-chocolate-combined-tasty-recipe-yuengling-hersheys/3789317002/|title=Beer meets chocolate in new Yuengling and Hershey's rich, chocolatey porter|author=Snider, Mike|date=October 1, 2019|publisher=USA Today|access-date=October 2, 2019}}</ref>。 |
|||
[[2021年]]、イングリングは、{{仮リンク|モルソン・クアーズ|en|Molson Coors}}と組んで、[[テキサス州]][[フォートワース]]のモルソン・クアーズの施設で醸造した製品を用いてテキサス州へ販路拡大すると公表した<ref>{{cite web|url=https://www.foxnews.com/food-drink/yuengling-beer-texas-westward-growth|title=Yuengling beer expands to Texas as first move of westward growth|author=Leggate, James|date=January 14, 2021|publisher=Fox News|access-date=January 15, 2021}}</ref>。 |
|||
== 製品 == |
|||
[[File:Bottle case.jpg|thumb|醸造所で箱詰めされるビール瓶。]] |
|||
* '''トラディショナル・ラガー''' (Traditional Lager)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/traditional-lager/?back=seasonal|title=Lager – Better by the Pound – Yuengling|website=www.yuengling.com|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: [[アメリカ合衆国における禁酒法|禁酒法時代]]より前に一般的だったアンバーラガー (amber lager) のスタイルで、プレ・プロヒビション・ラガー (pre-Prohibition lager) とも呼ばれるもので、[[1987年]]に導入された製品で<ref>"Lager, a Popular Newcomer", ''Pottsville Republican and Herald'', Aug. 16-17, 1997</ref>、長らくイングリングの醸造長 (brewmaster) を務めたN・レイ・ノーバート (N. Ray Norbert) が開発したもの<ref>Andrusavage, Frank, "Pottsville - Yuengling Brewery is a Claim to Fame", ''Standard Speaker'' (Hazelton, PA) Apr. 28, 1997, p. 19</ref>。発売後、この製品はイングリングを代表する旗艦ビールとなり、ペンシルベニア州やニュージャージー州、デラウェア州の各地では、単に「[[ラガー (ビール)|ラガー]]」と注文するとこれが出てくるほどである<ref name="Russell"/>。このビールは、通常は緑色の瓶に目立つ文字で「LAGER」と記したラベルが貼られて販売されているが、他にも缶ビールや、茶色い1[[クォート]]瓶、24[[オンス]]缶でも供給されている。かつては「ボンバー (bomber)」と通称された22オンス瓶でも供給されていたが、代わって大型の缶が「キャノン (cannon)」と称されるようになった。イングリング・ラガーは、[[アルコール度数]] 4.4%である。 |
|||
* '''ライト・ラガー''' (Light Lager)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/light-lager/?back=seasonal|title=Light Lager (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: トラディショナル・ラガーの低[[カロリー]]版。 |
|||
* '''イングリング・プレミアム・ビール''' (Yuengling Premium Beer)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/premium/?back=seasonal|title=Premium – Yuengling|website=www.yuengling.com|accessdate=2022-05-15}}</ref> This was Yuengling's flagship brand prior to the introduction of Traditional Lager.<ref name=GABB>Robertson, James D. ''The Great American Beer Book'' (Warner Books 1978).</ref>(2020年現在、ペンシルベニア州限定で流通。) |
|||
: 標準的なアメリカ風の[[ピルスナー]]。 |
|||
* '''イングリング・プレミアム・ライト・ビール''' (Yuengling Premium Light Beer)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/light/?back=seasonal|title=Light Beer (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: プレミアム・ビールの低カロリー版。 |
|||
* '''オリジナル・ブラック&タン''' (Original Black & Tan)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/black-and-tan/?back=seasonal|title=Black & Tan (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: この{{仮リンク|ブラック・アンド・タン|en|Black and tan}}は、イングリング・プレミアム・ビール (40%) とダーク・ブルード・ポーター (60%) を配合したもの。[[1986年]]に導入された<ref>{{cite web|url=http://www.yuengling.com/beers.htm |title=Fine Beers – Yuengling – America's Oldest Brewery |publisher=Yuengling |access-date=2009-05-20 |archive-url = https://web.archive.org/web/20080729044021/http://www.yuengling.com/beers.htm |archive-date = July 29, 2008}}</ref>。 |
|||
* '''ダーク・ブルード・ポーター''' (Dark-Brewed Porter)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/porter/?back=seasonal|title=Porter – Yuengling|website=www.yuengling.com|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: 非常に濃い[[コーラ]]色の[[ポーター (ビール)#バルチック・ポーター|バルチック・ポーター]]で、グラスに注ぐとほとんど黒色に、淡い[[タン (色)|タン]]の茶色が上部に載っているように見え、強い[[麦芽|麦芽(モルト)]]の香りがする。ポーターは[[1700年代]]はじめに[[イングランド]]で発祥し、植民地時代のアメリカで人気を博し、その生産はペンシルベニアに集中していた。イングリングのようなドイツ系の醸造家たちがアメリカで醸造を始めた時、ポーターの人気から、彼らもポーターを提供し始めた。[[1970年代]]にクラフト・ビール革命が始まる以前には、イギリス系の醸造形はポーターの製造をやめており、アメリカ合衆国で恒常的にポーターを醸造し続けていたのは、イングリングと、ステッグマイヤー(Stegmaier:{{仮リンク|ライオン・ブルワリー・インク|en|Lion Brewery, Inc.}}のブランド)、{{仮リンク|ナラガンセット・ブルーイング・カンパニー|label=ナラガンセット|en|Narragansett Brewing Company}}だけであった<ref>{{Cite web|title=American Porters|author=Ben Jankowski|url=https://www.morebeer.com/articles/american_porters|publisher=MoreBeer! |date=2012-07-26|accessdate=2022-05-15}}</ref>。このため、これらの醸造所のおかげで、ポーターの伝統は生き長らえたとされている。一般的なポーターでは伝統的に上面発酵させる[[エール (ビール)|エール]]の[[酵母]]を用いるが、イングリングのポーターは下面発酵を用いており、この方法を用いる業者は稀である。[[1800年代]]以来、この製品は「ポッツビル・ポーター ("Pottsville Porter") として知られている。 |
|||
* '''ロード・チェスターフィールド・エール''' (Lord Chesterfield Ale)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/lord-chesterfield-ale/?back=seasonal|title=Lord Chesterfield Ale (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: [[フィリップ・スタンホープ (第4代チェスターフィールド伯爵)|第4代チェスターフィールド伯爵フィリップ・スタンホープ]]に因んで名付けられたこのビールは、イングリング製品の中でも最もホップの香り高いものである。イングリングは、[[1800年代]]に[[エール (ビール)|エール]]を製造していたが<ref>Pottsville Republican, Feb. 14, 1885, p. 7</ref>、ロード・チェスターフィールド・エールが導入されたのは、[[1934年]]のことであり、当時は、[[カナダ]]風のエールと説明されていた<ref>Pottsville Evening Republican, Dec. 29, 1934, p. 6</ref>。元々は、木製のタンクで上面発酵させていたが、イングリングは[[1960年代]]にこれを、味や特徴に変化を生じさせることなく、下面発酵に変更した<ref>Dick Yuengling, Jr. quoted in "Forever Yuengling: America's oldest brewery is building one of America's newest breweries, right in its hometown of Pottsville, PA" ''Modern Brewery Age'', Jan. 18, 1999, {{cite web|url=https://www.thefreelibrary.com/Forever+Yuengling%3A+America%27s+oldest+brewery+is+building+one+of...-a054010869|title=Forever Yuengling: America's oldest brewery is building one of America's newest breweries, right in its hometown of Pottsville, PA.|publisher=Modern Brewery Age / The Free Library|accessdate=2022-05-15}}</ref>。トラディショナル・ラガー同様、このビールは通常は緑色の瓶で販売され(缶ビールもある)、トウモロコシが原料に入っているところが特徴となっている。発泡性が高く、グラスに注ぐと大量の、しかし長持ちしない泡が表面にできる。[[2007年]]の時点で、ロード・チェスターフィールド・エールは[[ケグ]]では販売されなくなった。しかし、[[2008年]]10月から1/4ケグが、再び市場に出回るようになった。 |
|||
*'''ゴールデン・ピルスナー''' (Golden Pilsner)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/golden-pilsner/?back=seasonal|title=Golden Pilsner (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: [[2018年]]に導入されたゴールデン・ピルスナーは、17年ぶりに発表された通年提供されるビールである。[[エール (ビール)#ペールエール|ペールエール]]用の麦芽に特別な麦芽を加え、ハレルタウ ([[:en:List of hop varieties#German|Hallertau]]) と{{仮リンク|ザーツ (ホップ)|label=ザーツのホップ|en|Saaz hops}}を用いたこのビールは、[[アルコール度数]] 4.7%、135カロリーである。当初は、[[4月1日]]から一部の市場に限定して出荷されたが、最終的にはおよそ22州にイングリングの販路を開くことになった<ref>{{cite press release |
|||
|title=Yuengling Celebrates Release of Golden Pilsner |
|||
|date=March 20, 2018 |
|||
|work= PR Newswire |
|||
|url=https://www.prnewswire.com/news-releases/yuengling-celebrates-release-of-golden-pilsner-300616728.html}}</ref>。 |
|||
* '''イングリング・オクトーバーフェスト''' (Yuengling Oktoberfest)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/oktoberfest/?back=seasonal|title=Oktoberfest – Yuengling|website=www.yuengling.com|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: [[2011年]]から、[[オクトーバーフェスト]]の時期に合わせて生産されている<ref>{{cite web |
|||
|title=Yuengling plans Oktoberfest at Bethlehem SteelStacks |
|||
|date=May 27, 2010 |
|||
|author= Douglas B. Brill |
|||
|work= Lehigh Valley Express-Times |
|||
|url=http://www.lehighvalleylive.com/bethlehem/index.ssf/2010/05/yuengling_plans_oktoberfest_at.html|accessdate=2022-05-15}}</ref> 現時点では、唯一の季節生産のビールである<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/#tab_seasonal|title=Our Beers: Seasonal (D.G. Yuengling & Son Inc.|accessdate=2022-05-15)}}</ref>。 |
|||
*'''フライト・バイ・イングリング''' (FLIGHT by Yuengling)<ref>{{cite web|url=https://www.yuengling.com/our-beer/flight-by-yuengling/?back=seasonal|title=FLIGHT by Yuengling (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: [[2020年]]に導入されたフライト・バイ・イングリングは、醸造所が「次世代のライト・ビール (next generation of light beer)」と位置付けているものである。[[炭水化物]] 2.6グラム、95カロリー、アルコール度数 4.2% のこのビールは、爽やかで飲みやすくなるよう醸造されている。2020年3月からは、イングリングが販路を持つ22州で瓶詰めで(一部はタップでも)提供されることになるとされた<ref>{{cite press release |title=Yuengling Launches "FLIGHT," The Next Generation Of Light Beer™ |url=https://www.prnewswire.com/news-releases/yuengling-launches-flight-the-next-generation-of-light-beer-301010847.html?tc=eml_cleartime |website=PR Newswire |publisher=D.G. Yuengling & Son, Inc. |access-date=2020-02-25}}</ref>。 |
|||
=== 生産が終了した製品 === |
|||
* '''イングリング・ボック''' (Yuengling Bock)<ref>[https://www.yuengling.com/news/yuengling-bock-beer-to-return-in-2010/ Yuengling Bock Beer to Return in 2010] (D.G. Yuengling & Son Inc.)</ref> |
|||
: [[1970年代]]を最後に生産が中止されていたものを、[[2009年]]2月に再導入した[[ボック (ビール)|ボック・ビール]]。イングリングによると、生ビールとしてだけ、春季に限定して販売されたビールである<ref>{{cite web|url=http://mybeerbuzz.blogspot.com/2009/01/yuengling-to-prooduce-bock-beer_3677.html |title=mybeerbuzz.com: Yuengling to Prooduce Bock Beer |publisher=Mybeerbuzz.blogspot.com |date=2009-01-22 |access-date=2009-05-20}}</ref>。人気の出たイングリング・ボックは、[[2010年]]1月からケグでもケースでも販売されるようになった<ref>{{cite web|url=http://yuenglingbrewery.blogspot.com/2010/01/yuengling-bock-beer.html|title=Official Yuengling Brewery Blog - America's Oldest Brewery: YUENGLING BOCK BEER|work=Yuengling Brewery|date=5 January 2010|accessdate=2022-05-15}}</ref>。しかしボック・ビールは、売上目標に達しなかったとして、[[2015年]]はじめに生産中止となった<ref>{{cite web |
|||
|title=First Draft: Yuengling may be an old dog, but it's full of new tricks |
|||
|date=June 11, 2015 |
|||
|author= Brad Rhen |
|||
|work= Reading Eagle Company |
|||
|url=http://www.readingeagle.com/ontap/article/first-draft-yuengling-may-be-an-old-dog-but-its-full-of-new-tricks|accessdate=2022-05-15}}</ref>。 |
|||
* '''サマー・ウィート''' (Summer Wheat) |
|||
: [[2014年]]、イングリングは、サマー・ウィート (Summer Wheat) のビールを導入した。アルコール度数は 4.5% で、通常よりもホップを減らしていた。このビールは「南部風の本物のバイエルン・スタイルの小麦のビール (a southern true authentic Bavarian-style wheat beer)」とされていた<ref>{{cite web |
|||
|title=Yuengling ready for summer with seasonal wheat brew |
|||
|date=March 29, 2014 |
|||
|author= Thomas Leskin |
|||
|work= Pottsville Republican Herald |
|||
|url=http://republicanherald.com/news/yuengling-rolls-out-summer-wheat-seasonal-brew-1.1659304|accessdate=2022-05-15}}</ref>。サマー・ウィートは、[[2017年]]にイングリングIPLともども生産中止となり、入れ替わりでゴールデン・ピルスナーが導入されたが、これは「コア・ブランド重視を進めるビジネス戦略の一環 (part of a business strategy to focus more on the core brands)」とされた<ref>{{cite web | last = Rhen| first = Brad| title = Yuengling introduces new beer| publisher = Reading Eagle | date = March 20, 2018 | url = http://www.readingeagle.com/money/article/yuengling-introduces-new-beer| access-date = June 7, 2018}}</ref>。 |
|||
*'''イングリングIPL''' (Yuengling IPL)<ref>{{cite web|url=http://www.readingeagle.com/money/article/yuengling-introduces-new-beer|title=Yuengling introduces new beer (D.G. Yuengling & Son Inc.)|accessdate=2022-05-15}}</ref> |
|||
: このアルコール度数 5% の[[インディア・ペールエール]]は、色鮮やかで、{{仮リンク|ブラボー (ホップ)|label=ブラボー|nl|Bravo (hop)}}、{{仮リンク|ベルマ|nl|Belma}}、{{仮リンク|カスケード・ホップ|label=カスケード|en|Cascade hop}}、シトラ (Citra) などのホップを、バランスのとれたラガーの配合で使っていた。IPL は、[[2015年]]に初めて醸造され、サマー・ウィートとともに[[2017年]]に生産中止となった。 |
|||
* '''オールド・ジャーマン''' (Old German) |
|||
: [[1978年]]当時の説明では、イングリング・プレミアムよりも色が濃く、深みのある黄色に近い金色で焦げたポテトのような風味、切れ味の鋭いホップの味、苦味のある後味が特徴とされていた<ref name=GABB/>。このビールは、イングリング・プレミアムより安価に設定されていた。 |
|||
* '''ハーフ&ハーフ''' (Half & Half) |
|||
: レディングス・ノースイースト・タップルーム (Reading's Northeast Taproom) から始まった飲み方で、ダーク・ブルード・ポーターとロード・チェスターフィールド・エールを 50/50 でブレンドしたもの<ref>{{Cite web|url=http://yuenglingbrewery.blogspot.com/2009/11/butcher-family-tour.html|title=Official Yuengling Brewery Blog - America's Oldest Brewery: BUTCHER FAMILY TOUR|work=Yuengling Brewery|date=November 25, 2009|accessdate=2022-05-15}}</ref>。この地元のバーは、イングリングに、あらかじめ生ビールをブレンドして売って欲しいと要求し、正式に「ハーフ&ハーフ」が生まれた。このビールは、[[1986年]]にオリジナル・ブラック&タンに置き換えられて、生産中止となった。 |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
{{Reflist}} |
{{Reflist|2}} |
||
{{Normdaten}} |
{{Normdaten}} |
2022年6月3日 (金) 22:06時点における版
種類 | 非公開 |
---|---|
業種 | 酒類 |
設立 |
1829年 (イーグル・ブルワリー) |
創業者 | デイヴィッド・イングリング |
本社 | 、 |
製品 | ビール |
生産出力 |
280万バレル(米国ビール用バレル)(= 33万キロリットル) 2012年[1] |
所有者 | リチャード・イングリング・ジュニア |
ウェブサイト | www.yuengling.com |
D・G・イングリング&サン (D. G. Yuengling & Son) は、1829年に創業した、アメリカ合衆国において最も歴史が長いブルワリー(ビール醸造所)。生産量においても、合衆国有数の大規模なブルワリーのひとつである。イングリングは、2018年時点で、生産量において、合衆国最大のクラフトビールであり、また大手を合わせても第6位のブルワリーであり、さらに最大規模の純粋アメリカ資本のビール会社であった[2][3]。本社は、ペンシルベニア州ポッツビルにある[4]。2015年現在、イングリングは、ペンシルベニア州の2ヵ所の施設とフロリダ州タンパのブルワリーを運営しており、合わせて年間290万バレルを生産している[5]。
「Yuengling」は、[ˈjɪŋlɪŋ] ( 音声ファイル) YING-ling と発音されるが、これは創業者の姓で、ドイツ語で「若者」を意味する「Jüngling」の綴りを英語風に直したものである。日本語では、「イエングリング」と表記されることもある[6]。
家族所有のブルワリーであり、所有権は先代所有者の子孫が、会社の経営権をそのつど買い取る形で代々継承されてきた[7]。イングリング・トラディショナル・ラガー (Yuengling Traditional Lager) はアンバーラガーであるが、ペンシルベニア州やデラウェア・バレー地域(サウス・ジャージー地域を含む)では人気が極めて高く、単に「ラガー」と注文するとこれが出てくるほどである[8][9]。
歴史
D・G・イングリング・アンド・サン醸造所 | |
夕暮れ時の醸造所の一部 | |
所在地 | アメリカ合衆国 ペンシルベニア州ポッツビル5番通りとマハントンゴ通りの角 (5th and Mahantongo Sts.) |
---|---|
面積 | 2.7エーカー (1.1 ha) |
建設 | 1873年 |
NRHP登録番号 | 85000180[10] |
NRHP指定日 | 1985年2月1日 |
ドイツ人の醸造家であったダヴィド・ゴットロプ・イングリング(1808年 – 1877年)は、当時のヴュルテンベルク王国シュトゥットガルトのアルディンゲン(Aldingen、後のRemseck am Neckar)から、1828年にアメリカ合衆国へ移民した。彼は自分の名を英語風に改め、「Jüngling」を「Yuengling」とし、1829年からポッツビルのセンター通りに「イーグル醸造所 (Eagle Brewery)」を創業した[11]。彼の長男であるデイヴィッド・ジュニアは、イーグル醸造所を離れ、バージニア州リッチモンドのジェームズ川沿いに自身の醸造所であるジェームズ・リバー・ストリーム醸造所 (James River Steam Brewery) を創業した[12]。 当初の醸造所は、1831年に火災で焼け落ち、会社は場所を移して西マハントンゴ通りと5番通りの交差する現在地に移転した[13]。イーグル醸造所は、1873年にフレデリック・イングリングが経営に参加したのを機に、その名をD・G・イングリング・アンド・サンと改称した。社名は変更されたがハクトウワシのエンブレムは、そのまま残された。19世紀末には、ニューヨークのサラトガ・スプリングズや、カナダのブリティッシュコロンビア州トレイルにも醸造所が設けられたが、いずれも後にはポッツビルの工場に統合された[12]。
フレデリック・イングリングが死去した後、1899年からはフランク・D・イングリングが会社の経営に当たることとなった[7]。禁酒法時代には、ビールに近い「ニア・ビール (near beer)」(アルコール分0.5%の飲料)である「イングリング・スペシャル (Yuengling Special)」、「イングリング・ポル=トル (Yuengling Por-Tor)」、「イングリング・ジュヴォ (Yuengling Juvo) などを製造して生き延びた[12]。同社はまた、アイスクリームを製造する酪農場も経営し、フィラデルフィアとボルチモアとニューヨークでダンスホールも営業していた[7]。1933年、全国の醸造業者や不満を抱えていたビール愛好家たちの運動によって禁酒法が打破されると、イングリングは象徴的に「ウィナー・ビール (Winner Beer)」(「勝者のビール」の意)を出荷して禁酒法の撤回を祝し、さらにトラックいっぱいのビールの積荷をホワイトハウスに送り届け、フランクリン・ルーズベルト大統領への感謝を表した[14]。フランク・D・イングリングが1963年に死去すると、息子であるリチャード・L・イングリング・シニア (Richard L. Yuengling Sr.) とF・ドールマン・イングリング (F. Dohrman Yuengling) が事業を継承した[15]。
イングリングは、合衆国建国200年を契機に歴史的なものへの関心が高まったことから、売り上げが増加した[7]。イングリングは、1977年にペンシルベニア州マウント・カーボンで地名をそのままブランドとしたバイエルン風のプレミアム・ビールを生産していたマウント・カーボン醸造所が廃業した際に、商品名とレーベルの使用権を買い上げた。イングリングは、当初はマウント・カーボンでの生産を継続したが、結局のところ醸造所は閉鎖された。一方、酪農事業は、1985年まで存続した。
1985年、リチャード・イングリング・ジュニアが第5世代の社長となり、同年にはペンシルベニア州の醸造所が合衆国最古の醸造所としてアメリカ合衆国国家歴史登録財となった[16]。同所はペンシルベニア州の指定史跡(the Pennsylvania Inventory of Historic Places)にもなっているが、それがいつのことだったかははっきりしていない(会社のウェブサイトでは曖昧に1976年に国家と州から施設に指定されたとだけ述べられている)[15]。イングリングは、1995年以降、ビールを含む様々な商品について登録商標となっている[17]。ボッツビルの醸造所は、ヒストリー・チャンネルが制作した『American Eats』の番組でも取り上げられたことがある。
1987年、イングリングは、よりヘビーなスタイルのビールに人気が出て来たことを受けて、何十年間も製造していなかったアンバーラガーの醸造を再開した。以降、イングリング・ラガーは旗艦ブランドとなり、売上の8割を占め、会社の急成長を支えた[18]。1990年の時点で、売上は年間 138,000 バレルに達した[19]。当時のイングリングは、合衆国における最大のポーターの醸造所であった[19]。
1990年代はじめには、デラウェア・バレー地域やペンシルベニア州、ニュージャージー州、デラウェア州を通して需要が高まり、既存の醸造所の施設では生産能力が足りなくなった。1999年、イングリングは、ストロー・ブルワリー・カンパニーからフロリダ州タンパの工場を買収して製造能力を増強したが、その際、ストローの従業員を雇用したため、初めて労働組合との交渉をおこなうようになった[7]。2000年には、第3の工場を、ポッツビルにも近いペンシルベニア州スクーカル郡ポート・カーボンに建設した。ポート・カーボン、タンパ、発祥地のポッツビルの工場を擁することで、イングリングは東海岸全域に販路を広げた。
2006年、イングリングの従業員たちは、労働組合解散の手続き (union decertification) をとった。このためイングリングは2006年6月に、フィラデルフィアのトラック運転手組合である Teamsters Local 830 of Philadelphia との契約を更新しなかった[20][21]。この動きに対して、組合側はイングリング製品のボイコットを呼びかけるようになった[22]。
2017年の時点で、さほど高価ではないビールとしてイングリングが人気を博している地域は、北はニューヨーク州、西はイリノイ州やケンタッキー州、南はジョージア州に及んでいる。タンパの醸造所は、フロリダ州のメキシコ湾岸地域、フロリダキーズ諸島、セントラル・フロリダ、ノース・フロリダ、フロリダ・パンハンドル地域をはじめ、アラバマ州やテネシー州にも出荷している。イングリングは、ミネソタ州のトウモロコシとワシントン州のホップを製品の原料として用いている。イングリングのビールは、いったん撤退していたマサチューセッツ州での販売を2014年3月3日から再開したが、それに先立ち2月からバーやレストランへの供給を始めていた[23]。
イングリングは、ジョージア州への供給を2008年10月27日に開始した。同様に、2009年5月にはウエストバージニア州、2011年10月にはオハイオ州、2014年6月にはロードアイランド州、2014年9月にはコネチカット州、2016年8月にはルイジアナ州、2017年3月にはインディアナ州へ、それぞれ販路を拡大した[24][25][26][27]。2017年12月、かねてからソーシャルメディアでケンタッキー州かミシガン州かテキサス州のいずれかに進出することを示唆していたイングリングは、2018年1月にアーカンソー州に販路を拡大すると発表した[28][29]。アーカンソー州に先を越されたケンタッキー州でも、2018年3月6日からイングリングがドラフト(生ビール)として提供されることとなり、]3月19日からテイクアウト用にでも販売されることになった[30][31]。
イングリングのオーナーであるディック・イングリングは、2013年8月26日にペンシルベニア州ハリスバーグで演説した。その際、彼は反労働組合の信念を明確に述べ、ペンシルベニア州が労働権法を採用することを求め、共和党のトム・コーベット知事を賞賛した。
2013年10月26日、タンパの醸造所で火災が発生した。被害の程度は公表されていない[32]。
2014年2月、30年近く市場から撤退していたイングリングのアイスクリームが復活した。これを製造しているのは、イングリング家の一員であり、ディック・イングリングのいとこで、ダヴィド・ゴットロプ・イングリングの直系の子孫であるデヴィッド・イングリング (David Yuengling) である。アイスクリームを製造している会社は、法的には醸造所とは別個であるが、これは、1935年以降の体制と同じである[33]。
2016年10月、大統領候補だったドナルド・トランプへの支持を表明したディック・イングリングの発言は、イングリング製品へのボイコットの動きを招いた[34]。
ディック・イングリングは、将来、会社の株式の少なくとも51%を、娘たちのうち現在同社の役員を務めている2人、ジェニファー (Jennifer) とウェンディ (Wendy) のいずれかに譲渡するとしており、当人たちにはどちらが引き継ぐかは既に告げてあるとされるが、どちらであるかは公開されていない[35]。2019年の報道によれば、やはり同社で働いているイングリングの他の2人の娘たち、デビー (Debbie) とシェリル (Sheryl) も「譲渡の順番の列に並んでいる」とされている[36]。
2019年10月、イングリングは、ハーシーズと共同で、イングリング・ハーシーズ・チョコレート・ポーター (Yuengling Hershey's Chocolate Porter) と称した、限定商品を販売した[37]。これはイングリングの190年の歴史において、初めて他社と共同生産したビールであった[38]。
2021年、イングリングは、モルソン・クアーズと組んで、テキサス州フォートワースのモルソン・クアーズの施設で醸造した製品を用いてテキサス州へ販路拡大すると公表した[39]。
製品
- トラディショナル・ラガー (Traditional Lager)[40]
- 禁酒法時代より前に一般的だったアンバーラガー (amber lager) のスタイルで、プレ・プロヒビション・ラガー (pre-Prohibition lager) とも呼ばれるもので、1987年に導入された製品で[41]、長らくイングリングの醸造長 (brewmaster) を務めたN・レイ・ノーバート (N. Ray Norbert) が開発したもの[42]。発売後、この製品はイングリングを代表する旗艦ビールとなり、ペンシルベニア州やニュージャージー州、デラウェア州の各地では、単に「ラガー」と注文するとこれが出てくるほどである[8]。このビールは、通常は緑色の瓶に目立つ文字で「LAGER」と記したラベルが貼られて販売されているが、他にも缶ビールや、茶色い1クォート瓶、24オンス缶でも供給されている。かつては「ボンバー (bomber)」と通称された22オンス瓶でも供給されていたが、代わって大型の缶が「キャノン (cannon)」と称されるようになった。イングリング・ラガーは、アルコール度数 4.4%である。
- ライト・ラガー (Light Lager)[43]
- トラディショナル・ラガーの低カロリー版。
- イングリング・プレミアム・ビール (Yuengling Premium Beer)[44] This was Yuengling's flagship brand prior to the introduction of Traditional Lager.[45](2020年現在、ペンシルベニア州限定で流通。)
- 標準的なアメリカ風のピルスナー。
- イングリング・プレミアム・ライト・ビール (Yuengling Premium Light Beer)[46]
- プレミアム・ビールの低カロリー版。
- オリジナル・ブラック&タン (Original Black & Tan)[47]
- このブラック・アンド・タンは、イングリング・プレミアム・ビール (40%) とダーク・ブルード・ポーター (60%) を配合したもの。1986年に導入された[48]。
- ダーク・ブルード・ポーター (Dark-Brewed Porter)[49]
- 非常に濃いコーラ色のバルチック・ポーターで、グラスに注ぐとほとんど黒色に、淡いタンの茶色が上部に載っているように見え、強い麦芽(モルト)の香りがする。ポーターは1700年代はじめにイングランドで発祥し、植民地時代のアメリカで人気を博し、その生産はペンシルベニアに集中していた。イングリングのようなドイツ系の醸造家たちがアメリカで醸造を始めた時、ポーターの人気から、彼らもポーターを提供し始めた。1970年代にクラフト・ビール革命が始まる以前には、イギリス系の醸造形はポーターの製造をやめており、アメリカ合衆国で恒常的にポーターを醸造し続けていたのは、イングリングと、ステッグマイヤー(Stegmaier:ライオン・ブルワリー・インクのブランド)、ナラガンセットだけであった[50]。このため、これらの醸造所のおかげで、ポーターの伝統は生き長らえたとされている。一般的なポーターでは伝統的に上面発酵させるエールの酵母を用いるが、イングリングのポーターは下面発酵を用いており、この方法を用いる業者は稀である。1800年代以来、この製品は「ポッツビル・ポーター ("Pottsville Porter") として知られている。
- ロード・チェスターフィールド・エール (Lord Chesterfield Ale)[51]
- 第4代チェスターフィールド伯爵フィリップ・スタンホープに因んで名付けられたこのビールは、イングリング製品の中でも最もホップの香り高いものである。イングリングは、1800年代にエールを製造していたが[52]、ロード・チェスターフィールド・エールが導入されたのは、1934年のことであり、当時は、カナダ風のエールと説明されていた[53]。元々は、木製のタンクで上面発酵させていたが、イングリングは1960年代にこれを、味や特徴に変化を生じさせることなく、下面発酵に変更した[54]。トラディショナル・ラガー同様、このビールは通常は緑色の瓶で販売され(缶ビールもある)、トウモロコシが原料に入っているところが特徴となっている。発泡性が高く、グラスに注ぐと大量の、しかし長持ちしない泡が表面にできる。2007年の時点で、ロード・チェスターフィールド・エールはケグでは販売されなくなった。しかし、2008年10月から1/4ケグが、再び市場に出回るようになった。
- ゴールデン・ピルスナー (Golden Pilsner)[55]
- 2018年に導入されたゴールデン・ピルスナーは、17年ぶりに発表された通年提供されるビールである。ペールエール用の麦芽に特別な麦芽を加え、ハレルタウ (Hallertau) とザーツのホップを用いたこのビールは、アルコール度数 4.7%、135カロリーである。当初は、4月1日から一部の市場に限定して出荷されたが、最終的にはおよそ22州にイングリングの販路を開くことになった[56]。
- イングリング・オクトーバーフェスト (Yuengling Oktoberfest)[57]
- 2011年から、オクトーバーフェストの時期に合わせて生産されている[58] 現時点では、唯一の季節生産のビールである[59]。
- フライト・バイ・イングリング (FLIGHT by Yuengling)[60]
- 2020年に導入されたフライト・バイ・イングリングは、醸造所が「次世代のライト・ビール (next generation of light beer)」と位置付けているものである。炭水化物 2.6グラム、95カロリー、アルコール度数 4.2% のこのビールは、爽やかで飲みやすくなるよう醸造されている。2020年3月からは、イングリングが販路を持つ22州で瓶詰めで(一部はタップでも)提供されることになるとされた[61]。
生産が終了した製品
- イングリング・ボック (Yuengling Bock)[62]
- 1970年代を最後に生産が中止されていたものを、2009年2月に再導入したボック・ビール。イングリングによると、生ビールとしてだけ、春季に限定して販売されたビールである[63]。人気の出たイングリング・ボックは、2010年1月からケグでもケースでも販売されるようになった[64]。しかしボック・ビールは、売上目標に達しなかったとして、2015年はじめに生産中止となった[65]。
- サマー・ウィート (Summer Wheat)
- 2014年、イングリングは、サマー・ウィート (Summer Wheat) のビールを導入した。アルコール度数は 4.5% で、通常よりもホップを減らしていた。このビールは「南部風の本物のバイエルン・スタイルの小麦のビール (a southern true authentic Bavarian-style wheat beer)」とされていた[66]。サマー・ウィートは、2017年にイングリングIPLともども生産中止となり、入れ替わりでゴールデン・ピルスナーが導入されたが、これは「コア・ブランド重視を進めるビジネス戦略の一環 (part of a business strategy to focus more on the core brands)」とされた[67]。
- イングリングIPL (Yuengling IPL)[68]
- このアルコール度数 5% のインディア・ペールエールは、色鮮やかで、ブラボー、ベルマ、カスケード、シトラ (Citra) などのホップを、バランスのとれたラガーの配合で使っていた。IPL は、2015年に初めて醸造され、サマー・ウィートとともに2017年に生産中止となった。
- オールド・ジャーマン (Old German)
- 1978年当時の説明では、イングリング・プレミアムよりも色が濃く、深みのある黄色に近い金色で焦げたポテトのような風味、切れ味の鋭いホップの味、苦味のある後味が特徴とされていた[45]。このビールは、イングリング・プレミアムより安価に設定されていた。
- ハーフ&ハーフ (Half & Half)
- レディングス・ノースイースト・タップルーム (Reading's Northeast Taproom) から始まった飲み方で、ダーク・ブルード・ポーターとロード・チェスターフィールド・エールを 50/50 でブレンドしたもの[69]。この地元のバーは、イングリングに、あらかじめ生ビールをブレンドして売って欲しいと要求し、正式に「ハーフ&ハーフ」が生まれた。このビールは、1986年にオリジナル・ブラック&タンに置き換えられて、生産中止となった。
脚注
- ^ Reeves, Jeff (2013年12月1日). “Small-town Pa. brewer Yuengling makes big time”. USA Today 2015年10月17日閲覧。
- ^ "Brewers Association Releases 2018 Top 50 Brewing Companies By Sales Volume" (Press release). Brewers Association. 12 March 2019. 2020年1月11日閲覧。
- ^ "Boston Beer Company ties Yuengling for Largest" Accessed April 26, 2012.
- ^ "Contact Us." D. G. Yuengling & Son. Retrieved on December 15, 2009.
- ^ Harris, Jon (2016年4月5日). “Yuengling, Boston Beer again top list of U.S. craft breweries”. The Morning Call 2019年5月9日閲覧。
- ^ “米国一の人気ビールを発表 NYブランドは最高11位”. Daily Sun New York (2015年4月6日). 2017年2月11日閲覧。
- ^ a b c d e Bryson, Lew. Pennsylvania Breweries. 3rd Edition. Stackpoles Books. Mechanicsburg, 2005. ISBN 0-8117-3222-3
- ^ a b Russell, Don. The Philadelphia News (September 12, 2002): "Joe Sixpack" (column), ""In Philly, Lager means Yuengling" (reprint appearing on Yuengling site) Accessed December 8, 2006.
- ^ Galster, John (June 2009). “Ales of the Revolution”. BeerScene.com. 2013年3月12日閲覧。
- ^ National Park Service (9 July 2010). "National Register Information System". National Register of Historic Places. National Park Service.
{{cite web}}
: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) - ^ “Historic Birthday: David G. Yuengling - Brookston Beer Bulletin”. Jay Brooks (2017年3月2日). 2017年12月20日閲覧。
- ^ a b c BeerHistory.com. "Yuengling of Pottsville: America's Oldest Brewery". Retrieved December 8, 2006.
- ^ Yuengling.com. "History". Retrieved December 8, 2006.
- ^ “Our Brewery”. D.G. Yuengling & Sons, Inc.. 2017年12月21日閲覧。
- ^ a b Yuengling.com. "History". Retrieved December 8, 2006.
- ^ National Register of Historic Places: Pennsylvania — Schuylkill County
- ^ Trademark Applications and Registrations Retrieval. "74453768". Retrieved December 8, 2006.
- ^ Smith, Andrew (2013). The Oxford Encyclopedia of Food and Drink in America, Volume 1. Oxford University Press. p. 646. ISBN 9780199734962
- ^ a b Dan Shope (August 18, 1991). “Oldest U.S. Beermaker Yuengling Goes After Microbrewery Market”. The Morning Call. 2012年1月20日閲覧。
- ^ Michael Rubinkam. "Pittsburgh Post-Gazette"."Teamsters foaming over ejection at Yuengling "
- ^ Kimm R. Montone. The REPUBLICAN & Herald. Yuengling declares it will honor petition by workers to can union". Retrieved December 8, 2006. Archived May 21, 2006, at the Wayback Machine.
- ^ The Philadelphia Public Record. "Teamsters Boycott Yuengling". Retrieved December 8, 2006.
- ^ Yuengling officially drops in Massachusetts today Boston.com. 3 March 2014. Retrieved 20 October 2016.
- ^ The Columbus Dispatch (2011年9月15日). “Yuengling beers to arrive in area on Oct. 3”. Dispatch.com. 2013年4月22日閲覧。
- ^ Twitter (2014年6月2日). “Now available in Rhode Island.”. Twitter.com. 2014年6月2日閲覧。
- ^ The Best of New Orleans (2016年8月1日). “Yuengling Beer Hits Louisiana”. bestofneworleans.com. 2017年5月28日閲覧。
- ^ The Indianapolis Star (2017年4月3日). “You can now buy Yuengling in Indiana stores”. IndyStar.com. 2017年4月26日閲覧。
- ^ “Yuengling Expands Distribution to Arkansas”. Brewbound (December 7, 2017). 2022年5月15日閲覧。
- ^ Manzullo, Brian. “Yuengling will not come to Michigan after all”. Detroit Free Press. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Aulbach, Lucas. “Yuengling finally coming to Kentucky in March”. The Courier-Journal. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Kentucky bars to begin serving Yuengling beer Tuesday”. www.wkyt.com. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Fire reported at Tampa’s Yuengling Brewery TBO.com. Retrieved October 26, 2013
- ^ Yuengling ice cream returns CNN. 12 February 2014. Retrieved 30 October 2016.
- ^ Peterson-Withorn, Chase (27 October 2016). “Beer Drinkers Are Boycotting Yuengling After Its Billionaire Owner Endorses Trump”. Forbes 30 October 2016閲覧。
- ^ Peterson-Withhorn, Chase (October 25, 2016). “Bottle Royale”. Forbes (The Forbes 400 Special Issue)
- ^ Rader, Tom. "Yuengling daughters talk about future of family's brewery." Allentown, Pennsylvania: WFMZ-TV News, July 11, 2019.
- ^ Andrew, Scottie (October 2, 2019). “What do you get when Hershey's and Yuengling team up? Chocolate beer”. CNN. October 2, 2019閲覧。
- ^ Snider, Mike (October 1, 2019). “Beer meets chocolate in new Yuengling and Hershey's rich, chocolatey porter”. USA Today. October 2, 2019閲覧。
- ^ Leggate, James (January 14, 2021). “Yuengling beer expands to Texas as first move of westward growth”. Fox News. January 15, 2021閲覧。
- ^ “Lager – Better by the Pound – Yuengling”. www.yuengling.com. 2022年5月15日閲覧。
- ^ "Lager, a Popular Newcomer", Pottsville Republican and Herald, Aug. 16-17, 1997
- ^ Andrusavage, Frank, "Pottsville - Yuengling Brewery is a Claim to Fame", Standard Speaker (Hazelton, PA) Apr. 28, 1997, p. 19
- ^ “Light Lager (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Premium – Yuengling”. www.yuengling.com. 2022年5月15日閲覧。
- ^ a b Robertson, James D. The Great American Beer Book (Warner Books 1978).
- ^ “Light Beer (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Black & Tan (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Fine Beers – Yuengling – America's Oldest Brewery”. Yuengling. July 29, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年5月20日閲覧。
- ^ “Porter – Yuengling”. www.yuengling.com. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Ben Jankowski (2012年7月26日). “American Porters”. MoreBeer!. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Lord Chesterfield Ale (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Pottsville Republican, Feb. 14, 1885, p. 7
- ^ Pottsville Evening Republican, Dec. 29, 1934, p. 6
- ^ Dick Yuengling, Jr. quoted in "Forever Yuengling: America's oldest brewery is building one of America's newest breweries, right in its hometown of Pottsville, PA" Modern Brewery Age, Jan. 18, 1999, “Forever Yuengling: America's oldest brewery is building one of America's newest breweries, right in its hometown of Pottsville, PA.”. Modern Brewery Age / The Free Library. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Golden Pilsner (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ "Yuengling Celebrates Release of Golden Pilsner". PR Newswire (Press release). 20 March 2018.
- ^ “Oktoberfest – Yuengling”. www.yuengling.com. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Douglas B. Brill (May 27, 2010). “Yuengling plans Oktoberfest at Bethlehem SteelStacks”. Lehigh Valley Express-Times. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Our Beers: Seasonal (D.G. Yuengling & Son Inc.”. 2022-05-15)閲覧。
- ^ “FLIGHT by Yuengling (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ "Yuengling Launches "FLIGHT," The Next Generation Of Light Beer™". PR Newswire (Press release). D.G. Yuengling & Son, Inc. 2020年2月25日閲覧。
- ^ Yuengling Bock Beer to Return in 2010 (D.G. Yuengling & Son Inc.)
- ^ “mybeerbuzz.com: Yuengling to Prooduce Bock Beer”. Mybeerbuzz.blogspot.com (2009年1月22日). 2009年5月20日閲覧。
- ^ “Official Yuengling Brewery Blog - America's Oldest Brewery: YUENGLING BOCK BEER”. Yuengling Brewery (5 January 2010). 2022年5月15日閲覧。
- ^ Brad Rhen (June 11, 2015). “First Draft: Yuengling may be an old dog, but it's full of new tricks”. Reading Eagle Company. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Thomas Leskin (March 29, 2014). “Yuengling ready for summer with seasonal wheat brew”. Pottsville Republican Herald. 2022年5月15日閲覧。
- ^ Rhen, Brad (March 20, 2018). “Yuengling introduces new beer”. Reading Eagle. June 7, 2018閲覧。
- ^ “Yuengling introduces new beer (D.G. Yuengling & Son Inc.)”. 2022年5月15日閲覧。
- ^ “Official Yuengling Brewery Blog - America's Oldest Brewery: BUTCHER FAMILY TOUR”. Yuengling Brewery (November 25, 2009). 2022年5月15日閲覧。