「便秘」の版間の差分
m cewbot: ウィキ文法修正 104: Unbalanced quotes in ref name |
|||
50行目: | 50行目: | ||
== 疫学 == |
== 疫学 == |
||
2019年(令和元年)の国民生活基礎調査<ref name="kokuminseikatsu>[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf 国民生活基礎調査 有訴者数・有訴者率(第9表)]</ref>によれば、便秘の有訴者率は、34.8%(男性25.4%、女性43.7%)であるが、65歳以上になると68.6%に急増(男性64.1%、女性72.3%)する。便秘があると[[慢性腎臓病]]や末期[[腎不全]]になりやすいとの報告がある<ref>[http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201707/552166.html?n_cid=nbpnmo_mled 腎不全予防のターゲットは便秘] 日経メディカルオンライン 記事:2017年7月31日</ref>。 |
2019年(令和元年)の国民生活基礎調査<ref name="kokuminseikatsu">[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf 国民生活基礎調査 有訴者数・有訴者率(第9表)]</ref>によれば、便秘の有訴者率は、34.8%(男性25.4%、女性43.7%)であるが、65歳以上になると68.6%に急増(男性64.1%、女性72.3%)する。便秘があると[[慢性腎臓病]]や末期[[腎不全]]になりやすいとの報告がある<ref>[http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/201707/552166.html?n_cid=nbpnmo_mled 腎不全予防のターゲットは便秘] 日経メディカルオンライン 記事:2017年7月31日</ref>。 |
||
== 主な原因(成人) == |
== 主な原因(成人) == |
||
235行目: | 235行目: | ||
== 便秘と女性 == |
== 便秘と女性 == |
||
便秘は高齢者に多く見られ、若年層では男性よりも女性に多い<ref name="kokuminseikatsu>[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf 国民生活基礎調査 有訴者数・有訴者率(第9表)]</ref>。これには科学的な根拠があり、それは社会的なものから、生活習慣的なもの、そして女性の身体構造に大きく関与する。 |
便秘は高齢者に多く見られ、若年層では男性よりも女性に多い<ref name="kokuminseikatsu">[https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf 国民生活基礎調査 有訴者数・有訴者率(第9表)]</ref>。これには科学的な根拠があり、それは社会的なものから、生活習慣的なもの、そして女性の身体構造に大きく関与する。 |
||
* 男性に比べ、排便に必要な[[括約筋]]、[[腹筋]]の力が弱い。 |
* 男性に比べ、排便に必要な[[括約筋]]、[[腹筋]]の力が弱い。 |
2021年3月1日 (月) 00:00時点における版
便秘 | |
---|---|
エックス線画像で見る若い子供の便秘。(円は大便の問題のエリアを表している) | |
概要 | |
診療科 | 消化器学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | K59.0 |
ICD-9-CM | 564.0 |
DiseasesDB | 3080 |
MedlinePlus | 003125 |
eMedicine | med/2833 |
MeSH | D003248 |
便秘(べんぴ、英: constipation)とは、ヒト(または他の動物)において便の排泄が困難になっている状態の総称である。
原因は腫瘍の増殖に伴う消化管の狭窄や閉塞などの器質的な要因による便の通過障害もあれば、器質的には全く異常を認めない機能性の便秘もあるなど、多岐にわたる。
自覚症状として、血便、腹痛、吐き気、直腸残便感、腹部膨満感、下腹部痛、食欲不振、めまい等のほか、肩や背中に放散痛を伴う場合がある[1]。2017年10月には、日本消化器病学会により「慢性便秘症診療ガイドライン2017」が作成された[2]。
定義と評価
「本来体外に排出すべき便を、十分量かつ快適に排出できない状態」とされる[3]。しかし、かつては明確な定義は無く、症状が患者の主観によるため、定量化が難しい[4]こともあり、定義は学会や国により異なっていた。例えば、日本消化器病学会の定義では「便秘とは、排便の回数や便量が減ること」とされていた[5]。
2000年に米国消化器学会のコンセンサス会議で作成された便秘の診断基準では、「下腹部膨満感」「排ガス量」「排便回数」「残便感」「排便時の肛門の痛み」「(便の)量」「便の状態」を複合的に捉えたものに変更された。これは、多くの患者が臨床上は正常な排便頻度(毎日)であっても「下腹部膨満感」「排便時のいきみ」「便の硬さ」「残便感」などを訴えるため、排便回数だけで便秘を評価するのは不十分と考えたためである[6]。3日以上の排便間隔と残便感を基準とし「排便の頻度が週2回以下で、便が硬く、排便困難、残便感がある状態」[4]や「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」と考える専門家もある[6]。一方、本人に自覚症状がなくても腹部X線画像診断により便の滞留を認めた場合は便秘と診断される事もある[7]。
現在使用されていない古い分類手法では機能性便秘を、ストレスや食事内容の変化が原因となる「一過性便秘」と慢性的な「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」に分類していた[8]。
ブリストル・スケールによる客観的な評価
ブリストル・スケール(排便スケール)を便の硬さ・大きさの評価に使用し、排便記録を付けると客観的な評価が可能となる[9]。
ブリストル・スケール | 状態 | 解説 |
---|---|---|
1 コロコロ便 | 硬くてコロコロのウサギ糞状の便 | |
2 硬い便 | ソーセージ状ではあるが硬い便 | |
3 やや硬い便 | 表面にひび割れのあるソーセージ状の便 | |
4 普通便 | 表面がなめらかで柔らかいソーセージ状、 あるいは蛇のようなとぐろを巻く便 | |
5 やや柔らかい便 | はっきりとしたシワのある半分固形 | |
6 泥状便 | 境界がほぐれて、フニャフニャの不定形の小片便、泥状の便 | |
7 水様便 | 水様で、固形物を含まない液体状の便 |
疫学
2019年(令和元年)の国民生活基礎調査[10]によれば、便秘の有訴者率は、34.8%(男性25.4%、女性43.7%)であるが、65歳以上になると68.6%に急増(男性64.1%、女性72.3%)する。便秘があると慢性腎臓病や末期腎不全になりやすいとの報告がある[11]。
主な原因(成人)
急性と慢性に分類される。原因は多岐に渡り、急性の場合は医療機関での診断と治療が必要とされる。特に、出血や狭窄を伴う場合は生命に関わる重篤な機転に及ぶ可能性がある。
分類 | 解説 | ||
---|---|---|---|
便秘 | |||
急性 | 機能性 | 消化管に異常はないのに機能低下を起こして回数や量が減少 | |
器質性 | 消化管そのものの病変が原因 | ||
慢性 | 機能性便秘 腸過敏性症候群を含む |
腸過敏性症候群、生活習慣 | |
症候性(二次性) | 腫瘍、憩室の形成と進行に伴う症状 | ||
薬剤性 | 薬物中毒、重金属中毒、薬の副作用 | ||
器質性 | 消化管そのものの病変が原因 |
発症機序から見た分類
- 特発性[6]
- 弛緩性便秘:加齢による筋力低下[7]。
- 痙攣性便秘
- 神経性[6]
- 末梢神経:ヒルシュスプルング病、シャーガス病
- 中枢神経:パーキンソン症候群、多発性硬化症、脊髄損傷
- 機械性閉塞 (イレウス)[6]
- 内分泌疾患、代謝異常
- 筋異常性疾患
- 代謝性疾患
- 薬剤性
- 虚血(消化管への血流減少)
- その他
症状
排便の停止や便量の減少を主症状として、腸の閉塞性疾患が原因になっている場合では、呼気の便臭、変形した便、血便、便潜血を伴う事がある[19]。また、腹痛、吐き気、直腸残便感、腹部膨満感、下腹部痛、食欲不振、めまい、肩や背中の放散痛などを伴う事がある[1]。
診断
問診と身体診察を行い、消化管そのものの病変が原因となっている器質性便秘や症候性便秘の鑑別を行う。腹部レントゲン撮影は、大腸の状態を迅速かつ客観的に見ることが出来、侵襲の少ない検査で最初に選択される。特に「最近の状況」「大腸癌の家族歴」「体重の急激な変化」「直腸出血」「50歳以上」のいずれかに該当し、器質性の疑いが考えられる場合は大腸内視鏡検査が選択される。
また、薬剤性便秘を起こす可能性のある薬剤を中止し、経過観察を行う事もある。治療抵抗性の便秘に対しては注腸造影による腸管形態の確認、腸管蠕動遅延性便秘の診断が行われる。更に肛門直腸内圧検査、直腸肛門反射の確認をしヒルシュスプルング病、肛門挙筋群症候群の診断を行う。器質性疾患や代謝性疾患を認めた場合は、該当する疾患の治療が行われる。
前述の臨床的な異常や薬剤歴を認めない場合、機能性便秘の可能性が高くなる。機能性便秘の場合、「機能性便秘の診断基準」「便秘スコア(CSS)」を利用し細分類が行われる。
- ROME IIIによる機能性便秘の診断基準[16]
- 以下の2つの症状がある。
a. 排便時の25%超がいきむ。
b. 排便の25%超が塊であったり硬い。
c. 排便時25%超で残便感がある。
d. 排便の25%超で肛門直腸閉塞感がある。
e. 排便を促すために25%超で用手法を使う。
f. 排便が週3回未満。 - 下剤を使わないのに軟便となる事は希。
- 過敏性腸症候群の基準を満たさない。
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | |
---|---|---|---|---|---|
排便回数 | 3回以上/週 | 2回/週 | 1回/週 | 1回未満/週 | 1回未満/月 |
排便困難:便を出すのに苦痛を伴う | なし | まれに | ときどき | たいてい | いつも |
残便感 | なし | まれに | ときどき | たいてい | いつも |
腹痛 | なし | まれに | ときどき | たいてい | いつも |
排便に要する時間 | 5分未満 | 5〜10分 | 10〜20分 | 20〜30分 | 30分以上 |
排便の補助の有無 | なし | 下剤 | 摘便or浣腸 | ― | ― |
トイレに行っても便が出なかった回数/24時間 | 0 | 1〜3 | 3〜6 | 6〜9 | 10回以上 |
排便障害の病悩期間(年) | 0 | 1〜5 | 5〜10 | 10〜20 | 20年以上 |
まれに:1回/月未満、ときどき:1回/月以上だが1回/週未満、いつも:1回/日以上、たいてい:1回/週以上だが1回/日未満
機能性便秘の分類
機能性(慢性)便秘は、「慢性便秘症診療ガイドライン2017」[20]で下記の様に定義された。正確な判定の為には、バリウム粒の検査薬を服用し数日後に腹部X線検査を実施する[21]。
- 排便回数や排便量が少ないために糞便が大腸内に滞留する。
- 回数減少型[22]
- 直腸内にある糞便を快適に排出できない。
- 排便困難型[22]
- 器質性便排出障害
- 直腸肛門反射が減弱(浣腸の乱用や肛門内異物挿入など)[16]
- 直腸脱、直腸瘤など(必要が有れば外科手術)
かつては「弛緩性便秘」「痙攣性便秘」「直腸性便秘」に分類していた[8]。
治療
症状の訴えがあっても本人が苦痛を感じておらず、また肛門疾患などの合併症が無ければ治療の必要は無い。急性症状の場合、外科的に閉塞の原因を取り除く。器質性便秘、症候性便秘、薬剤性便秘も同様に対症療法を中心に原因を取り除く。
形質的・器質的疾患を有している場合は疾患に対応する治療が行われる。例えば過敏性腸症候群では、「過敏性腸症候群の診断・治療ガイドライン」が策定されている[23]。
内服薬剤
腸内細菌叢を正常化させるため、瀉下薬(便秘薬)と乳酸菌製剤が併用される事もある。
- 治療例[8]
- 第一選択
- 追加処方
- 漢方薬では大黄甘草湯、乙字湯、加味逍遙散、麻子仁丸、防風通聖散、大建中湯、桃核承気湯、センナダイオウ錠などが用いられる。鎮静作用のある甘草が配合されていセンナダイオウ錠[24]は、生薬そのままで頑固な便秘に作用する。
瀉下薬による副作用として、塩類下剤では高マグネシウム血症、刺激性下剤は習慣性になりやすく、薬剤に対する感受性が低下し、便秘薬を服用しないと排便が行われなくなる便秘薬依存症や腸管粘膜障害などがある。
浣腸
浣腸にはグリセリンが入っており、これらの直腸への刺激で排泄を促す。刺激が強く急激に催し、また悪寒や吐き気などといった症状を誘発させる場合もある。グリセリン浣腸では、我慢しきれずすぐに出してしまう使い方をした場合は、後述するような体質によっても違い、便を出し切ることができず不快感が残る場合もある。
完全に腸内の便を取り除くのを望む場合には、摘便や腸洗浄と呼ばれる処置もある。腸洗浄とは、ぬるま湯(生理食塩水を使う場合もある)を注入し、それらの湯と一緒に排出する。注入時に無理な圧力を掛けると、直腸穿孔を起こすおそれもある。したがって専用の器具が利用され、また市販もされている。基本的には専門の医師による指導が望ましい。また、こちらは専用の器具や温度管理などで手間が掛かるが、注入量が多く刺激が少ないため、腹痛などの問題が起きにくい体験談も聞かれる。
民間療法の範疇としては、ぬるま湯や生理食塩水以外のもの(コーヒーなど)を使うという話も聞かれるが、医学的に根拠は無い。
養生法
原因のはっきりしているものは、それに合った治療をするが、常習性便秘の養生法は以下の通り。
- 毎日1回、決まった時間にトイレに行く習慣をつける。便意がなくても、朝に1回はトイレに必ず行き、排便をしようと努力する。しかし、本当に出そうもないのに長時間座り続けるのは良くない。
- 積極的に体操や水泳などの運動に心がけ、腹筋を鍛える。腹部のマッサージも効果的。
- 朝、起き抜けに白湯や冷たい水・牛乳を飲むのも良い。食物繊維を積極的にとり、1日3食を心がける。
排便姿勢
排便時の座位姿勢は、新聞・雑誌を読む時の様な直立姿勢はふさわしくない[8]、直腸肛門角が開くよう少し前傾姿勢で、たとえるならロダンの彫刻「考える人」の様な姿勢が良いとされる。更に、腹筋に力が入りやすいように踵を少し上げたり、脇腹を両手で押さたりして腹圧を与える方法もある[26]。また、和式便器における蹲踞の様なもっと前傾した姿勢が良いとする指摘がある[8]。
機能性便秘予防
機能性便秘の場合には食べ物、飲み物、運動の程度を変えることは、便秘を改善することになる。なお、水分の摂取量を増加しても尿量が増えるだけで大便の軟らかさが変わる事は無い[27]。但し、朝一番に冷たい水を飲んだ場合は冷感刺激によって腸管運動が活発化され排便が促されることもある[27]。
食物繊維の摂取
ビタミンの摂取
- ビタミンB1
- 自律神経を刺激され、腸の働きが調整される。玄米、ごま、豚肉など
- ビタミンE
- 腸管の血液循環を活発にし腸管の働きを良くする。植物油、落花生、卵黄など。
乳酸菌が入った食品
腸内環境を改善する[27]。味噌、ヨーグルト、ぬか漬け等[27]。
十分な運動
運動不足は腸の働きを低下させる[28]。よって、規則正しい運動で消化器を活発にすることが推奨される[27]。運動は軽いものでも十分で、毎日20分から30分の歩行でよい。また、軽い腹筋運動やストレッチも効果がある。手を使って腹をさすり、腸の蠕動運動を促すことも効果がある(「腸もみ」「腸マッサージ」などと呼ばれる)。
十分な排便の時間
便意を無視しないようにする[27]。生活習慣において毎日決まった時間に便意を催す者もいるが、そうでない人は、便意を催し易い時間帯を排泄に割り振る生活上の配慮も効果がある。朝食前は体温が低く、身体全体の活動も活発でないため排泄には向かない。
便秘と女性
便秘は高齢者に多く見られ、若年層では男性よりも女性に多い[10]。これには科学的な根拠があり、それは社会的なものから、生活習慣的なもの、そして女性の身体構造に大きく関与する。
- 男性に比べ、排便に必要な括約筋、腹筋の力が弱い。
- 男性に比べ、外や人前で便意を催した時などでも、気恥ずかしさなどの理由で排便を躊躇、我慢する傾向がある。それによって排便のリズムが狂い、排便反射が鈍くなってしまう。したがって、便が滞留しても便意を感じなくなる。
- 女性に多いダイエットも大きく原因している。食べないことによって腸の蠕動(ぜんどう)運動が疎かになる。
- 女性特有の黄体ホルモンであるプロゲステロンが体内に水分を蓄積しようとする。その結果、排便に十分な水分が補給されなくなってしまう(このホルモンは月経、妊娠などの時に多く分泌され、そのためにその時期の便秘が多くなる)。更にこのホルモンは括約筋を収縮させる働きがあるため、排泄を一層困難にさせる。
- 女性は骨盤が広い。そこに腸が下垂しやすくなり、腸が不安定になる。また、下半身に脂肪がたまりやすくなるために、血液も骨盤に滞りがちになる。そのため腸の働きが弱まりやすい。
- 上記と同様の理由で腸管の形がいびつになりやすく、そこに硬い便などが留まりやすい。
- ストレスによる過敏性腸症候群などにより、歪になった腸が閉塞してしまい、そこに便が滞ってしまう。
- 便秘薬など薬の濫用。一例として、ビサコジル製剤は腸の蠕動を促進させるものであるが、何度もそれに頼ると身体が慣れてしまい、反応が鈍くなる。それだけでなく、自立的な蠕動運動を阻害するために、薬に頼らないと排便が困難になるような慢性的な便秘に陥りやすい。その他、浣腸や下剤の濫用も、自然な排泄や排便サイクルを乱してしまう恐れがあるので、濫用すべきではない。
などの理由が挙げられており、便秘治療薬の購入者は女性が圧倒的に多い(パッケージにピンクが多いのは女性をターゲットにしているため)。その一方、男性は、高齢者以外は便秘で悩まされるケースは少ない。だが、男性は便秘より下痢に悩まされている傾向にある[29]。これも同様に、食習慣(酒、油物、刺激物を好む傾向にあるが、これらは腸の動きを活発化させたり、腸壁を滑らかにさせたりする作用がある)や外的ストレスに対する脆弱性(前述の過敏性腸症候群は、男性だと下痢になりがちである)、太い腸管など身体の構造に起因するものである。
出典
- 徳井教孝、三成由美、便秘の定義と便秘体質 『中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要』 2012年 5号 p.49-54, ISSN 1882-9384
- 穂苅量太、三浦総一郎、機能性下痢や機能性便秘へのアプローチ―診断特にIBSとの鑑別,一般的治療法― 『日本内科学会雑誌』 Vol.102 (2013) No.1 p.77-82, doi:10.2169/naika.102.77
- 大村節子、栄養指導による慢性便秘患者の栄養素摂取量変化 『栄養学雑誌』 Vol.53 (1995) No.3 P199-207, doi:10.5264/eiyogakuzashi.53.199
脚注
- ^ a b 吉田一典ほか、大腿部膿瘍で発症した閉鎖孔ヘルニアの1例 『腹部救急診療の進歩』 Vol.12 (1992) No.1 P136-138
- ^ 『慢性便秘症診療ガイドライン2017』南江堂(2018年5月21日閲覧)
- ^ 大腸内視鏡検査が必要な便秘とは? 日経メディカルオンライン 記事:2018年6月27日
- ^ a b c 浦尾正彦、排便と健康 『順天堂醫事雑誌』 Vol.60 (2014) No.1 p.16-24
- ^ 日本消化器病学会
- ^ a b c d e 徳井教孝、三成由美、便秘の定義と便秘体質 中村学園大学薬膳科学研究所研究紀要= Proceedings of PAMD Institute of Nakamura Gakuen University 5 (2012): 49-54, ISSN 1882-9384
- ^ a b 西野徳之:臨床推論に使える乙女便秘とフレイル便秘 日経メディカル 記事:2019年6月24日
- ^ a b c d e f g 中島淳、「慢性便秘の診断と治療」 『日本内科学会雑誌』 2016年 105巻 3号 p.429-433, doi:10.2169/naika.105.429
- ^ 牛若ー博文、「排便スケールを作成して統一した排便記録をつける」 新田塚医療福祉センター雑誌 5(1), 21-23, 2008-08-30, NAID 120001339385
- ^ a b 国民生活基礎調査 有訴者数・有訴者率(第9表)
- ^ 腎不全予防のターゲットは便秘 日経メディカルオンライン 記事:2017年7月31日
- ^ 稲松孝思、島田馨、リンコマイシンによると思われる偽膜性大腸炎の4例 『CHEMOTHERAPY』 Vol.24 (1976) No.3 P519-523
- ^ 角田明良、高橋知子、直腸重積の診断と治療 『日本大腸肛門病学会雑誌』 2018年 71巻 3号 p.146-151, doi:10.3862/jcoloproctology.71.146
- ^ 全身性強皮症 大阪大学 免疫アレルギー内科
- ^ 松村理司ほか、腹痛を呈した鉛中毒の2例 日本内科学会雑誌 Vol.91 (2002) No.5 P1593-1594
- ^ a b c d e f g 大久保秀則、中島淳、II.代表的疾患の診療の現況と将来展望 6.難治性便秘 『日本内科学会雑誌』 2013年 102巻 1号 p.83-89, doi:10.2169/naika.102.83
- ^ 丸尾國造、水嶋宜章、竹平安則、腹部大動脈瘤,両側総腸骨動脈瘤に伴つた巨大左内腸骨動脈瘤の1例 『日本内科学会雑誌』 Vol.73 (1984) No.3 P414-419, doi:10.2169/naika.73.414
- ^ 藤野泰宏ほか、巨大後腹膜腫瘤を呈した孤立性内腸骨動脈瘤の1治験例 『日本臨床外科医学会雑誌』 Vol.52 (1991) No.1 P193-198, doi:10.3919/ringe1963.52.193
- ^ 腸閉塞: 消化管の緊急事態 メルクマニュアル
- ^ 慢性便秘症診療ガイドライン〈2017〉出版:南江堂 2017/10 ISBN 9784524255757
- ^ 岡崎啓介、【原著】「放射線不透過マーカーを用いた大腸通過時間の測定―便秘の質的診断のために―」 『日本大腸肛門病学会雑誌』 Vol.63 (2010) No.6 P.339-345, doi:10.3862/jcoloproctology.63.339
- ^ a b 二神生爾 ほか、「慢性便秘の病態—なぜ便秘になるのか?」medicina., 53巻9号, doi:10.11477/mf.1402224307
- ^ 福土審ほか、過敏性腸症候群の診断・治療ガイドライン(シンポジウムI/心身症の診断基準と治療ガイドライン) 『心身医学』 43(1), 13, 2003-01-01]
- ^ センナダイオウ錠シンワ
- ^ 慢性便秘症の治療薬、使い分けのポイントは? 日経メディカルオンライン
- ^ 日経メディカル2012年5月号特別編集版「消化管診療のトピックス&トレンド」転載~特集 便秘診療の勘所【その2】下剤投与、生活指導の注意点日経メティカルオンライン 記事:2012年6月1日
- ^ a b c d e f g h 便秘で「水分を取りましょう」は迷信!? 日経メディカル 記事:2020/01/16
- ^ “巣ごもりで便秘に…「たかが」と放置しないで 専門医に聞く改善法”. 西日本新聞ニュース (2020年5月22日). 2020年11月16日閲覧。
- ^ ミクスon-line