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乳酸菌製剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

乳酸菌製剤(にゅうさんきんせいざい)とは、Streptococcus faecalisStreptococcus faeciumLactobacillus acidophilusLactobacillus bulgaricusBifidobacterium など[1]乳酸菌生菌菌体を、乾燥した後、デンプン乳糖、白糖など適当な賦形剤またはそれらの混合物と混合して作成された薬剤である[1]。粉末あるいは錠剤として提供され、整腸剤として利用される。保存性を高める為、炭酸カルシウムを含有しているものもある[2]

乳酸菌は休眠状態で薬剤中に含まれ[3]、腸管内で増殖することによりアンモニアや有害アミンの生成を抑制することで整腸作用を現し、軟便便秘、腹部膨満感を軽減する[4]。死滅した菌体は腸管内の有害物質を吸着する作用があるとされる[1]

保存

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湿気を避けた環境での保存が求められる[5][6]。ビフィズス菌(Bifidobacterium属)を含有している製剤は、保存中の吸湿と高温により製剤中の生菌数が著しく減少する[3]。菌の死滅速度と温度の関係はアレニウスの式に従うとされる[7]。例えば、東京の夏の平均気温、平均相対湿度と同等な温度27℃、湿度79%で保管すると、5日で製剤中に生菌が全く観察されなくなる[3]との報告がある。

薬剤の例

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ラックビー、レベニン、ビオラクチス、ラクトミン

出典

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脚注

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  1. ^ a b c 加藤一哉、近藤誠一、一色恭徳 ほか、乳酸菌製剤の圧着分包による生菌数への影響 『医療薬学』 34巻 (2008) 3号 p.235-239, doi:10.5649/jjphcs.34.235
  2. ^ 製品情報 新ビオフェルミンS ビオフェルミン製薬
  3. ^ a b c 高橋文枝、田村善蔵、矢沢幸平、ビフィズス菌製剤の生菌を死滅させる要因 『病院薬学』 6巻 (1980-1981) 1号 p.50-54, doi:10.5649/jjphcs1975.6.50
  4. ^ 新ビオフェルミン S錠 (PDF)
  5. ^ ビオフェルミン錠剤 (PDF) 2018年1月改訂 (第9版)
  6. ^ 整腸剤は保管しやすいミヤBMがお薦め 日経メディカルオンライン 記事:2018年4月23日
  7. ^ V. Damjaaovic and D. Radulovic: Cryobiology, 5 (2), 101 (1968)

関連項目

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外部リンク

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