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「セーヌ川」の版間の差分

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2021年1月18日 (月) 23:50時点における版

セーヌ川
セーヌ川
エッフェル塔から見るセーヌ川
対岸(右岸)の左手が8区16区の境目にあるアルマ広場、右手がグラン・パレプティ・パレ
延長 780 km
平均流量 500 m3/s
流域面積 78,650 km2
水源 スルス・セーヌ、コート=ドール県
水源の標高 471 m
河口・合流先 セーヌ湾イギリス海峡
流域 フランスの旗 フランス
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流域図
パリのランドサット衛星写真。大きく蛇行しているのがわかる。
パリ中心部の橋

セーヌ川(セーヌがわ、la Seine)は、フランスを流れる河川である。流域も全体がフランスに属している。全長780kmは、フランスではロワール川に続いて第二の長さ[1]である。

流路

ディジョンの北西30kmの海抜471mの地点に源を発し北西に向かい、パリを流れ、ル・アーヴルオンフルールの間のセーヌ湾に注ぐ。

中下流部は大きく蛇行した流れが特徴で、パリを抜けるあたりから何度も繰り返す。ジヴェルニーヴェルノンの付近は、しばらく治まるが、ルーアンの近辺で再び蛇行が始まる。

河口付近の川幅は大きく広がっており、と言っても差し支えないほどである。ル・アーヴルとオンフルールの間に、1995年ノルマンディー橋が完成するまでは、両市の陸上交通は、さらに14kmほど上流のタンカルヴィル橋 (道路では28kmほどある) まで遡らなければならなかった。

歴史

かつては大西洋英仏海峡)と北フランス内陸部を結ぶ河川舟運に使われ、ヴァイキングがセーヌ川を遡行してパリなどに侵入した。

水質汚染

上下水道が発展する以前は、パリの人々はこの川を上下水道のどちらとしても利用していた。その結果、何度も疫病が流行し、疫病による死者がその年の生まれた人数を上回ったこともあった。

英国の首都ロンドンで当時世界一と言われた水道システムを見ていたナポレオン3世が、上下水道をはじめとして様々な改革(パリ改造)を行うことで、パリの市民はセーヌ川の水を飲まずに済むようになった。下水道の形は卵をひっくり返したような断面をしており、また人間が通れる大きさになっているので、人が点検をすることができる。

このほか、下水道を設計した技師は特殊な構造の、掃除用の船を設計している。船は水路の流れをせき止めるような構造をしており、水は船の下を流れるようになる。船の下を水流が流れることにより、水流が高速になることで、水路の底の汚れを船の前に堆積させ、船とともに徐々に前進させる仕組みとなっている。

ジャック・シラク市長時代の1984年から、パリ市は「清潔なセーヌ川10カ年計画」を実施した。一時は3種類に減ったパリ付近のセーヌ川に棲息する魚類が33種類に増えるなど改善はみられたものの、ゴミ投棄を含む水質汚染は依然として解消されていない。第二次世界大戦直後に建てられた古い家屋の下水配管ミスや船上生活者によりセーヌ川に流される生活排水が多いうえ、豪雨時は下水の逆流を防ぐため汚水が雨水とともにセーヌ川へ流される箇所もある。

2024年パリオリンピックでセーヌ川は競泳会場に予定されており、下水道の改良やオゾン紫外線による水質浄化などが検討されている[2]

観光・文化

セーヌ川流域に位置するエッフェル塔
2002年7月から始まった"パリ・プラージュ"。当初はパリ右岸ジョルジュ・ポンピドゥー高速道路メトロ オテル・ド・ヴィル駅付近を最寄りとして始められ、現在は左岸側でも開催されている。夏の開催期間中はビーチだけでなく様々なイベントコーナーもある。
Bouquinistes de Paris(ブキニスト:パリ右岸の4区マリー橋から1区ルーヴル河岸にかけて、同左岸の5区トゥルネル河岸から7区ヴォルテール河岸にかけて見られる、中古本、稀覯書等を取り扱う古書屋)。
Voie Georges Pompidou au niveau du pont Mirabeau - Paris XVI(ミラボー橋付近のジョルジュ・ポンピドゥー高速道路、パリ16区オートゥイユ付近)。

フランスの首都パリは、セーヌ川にある中州シテ島から発達した町である。シテ島の上流に続くサン・ルイ島チュイルリー公園コンコルド広場エッフェル塔シャイヨ宮自由の女神像など、セーヌ川およびその河岸は、現在でもパリ市の観光の中心であり、バトームーシュと呼ばれる観光船も定期的に運航されている。一部はパリのセーヌ河岸として世界遺産に登録されている。

セーヌ川は絵画や映画、シャンソンなど音楽のテーマとして数多く取り上げられてきた。オードリー・ヘプバーンの映画『シャレード』では観光船でのケーリー・グラントとの夕食の舞台で、河岸の恋人たちが映し出される。

パリ市外では、画家クロード・モネが暮らしたジヴェルニーは下流部にある。モネは『セーヌ河の朝』[3]という作品を残しているほか、有名な連作の画題とした『睡蓮』を育てた池はセーヌ川支流から水を引いていた。

支流

下流より記載。流路延長を併記。*は右岸(セーヌ川の北東側)支流。

橋梁

上流より記載(パリ市内のみ)。

脚注

  1. ^ フランス、スイスにまたがるローヌ川はフランス部分のみの長さで算出。
  2. ^ セーヌ川 汚名すすげるか/汚水流入 水面にはゴミ漂う■「泳げる川」苦難の歴史『朝日新聞』朝刊2018年8月10日(国際面)2018年10月5日閲覧。
  3. ^ クロード・モネ『セーヌ河の朝』国立西洋美術館(2018年10月5日閲覧)。

関連項目