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「反露」の版間の差分

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アメリカとソ連は第二次大戦では[[ヤルタ会談]]などで共闘したが、戦後は[[冷戦時代]]に突入しそれぞれが資本主義、共産主義の盟主・[[超大国]]として君臨した為に対立関係であった。
アメリカとソ連は第二次大戦では[[ヤルタ会談]]などで共闘したが、戦後は[[冷戦時代]]に突入しそれぞれが資本主義、共産主義の盟主・[[超大国]]として君臨した為に対立関係であった。


[[ソ連崩壊]]後も[[シリア内戦]](ロシアはアサド政権を支持し、米国は反体制側を支持)などで対立している。
[[ソビエト邦の崩壊]]後も[[シリア内戦]](ロシアはアサド政権を支持し、米国は反体制側を支持)などで対立している。


==== カナダ ====
==== カナダ ====

2020年12月26日 (土) 00:38時点における版

反露(はんろ)とは、ロシアあるいはロシア人、ロシア文化などに対して抱かれる反感意識や偏見、不信感や敵対的、批判的態度を指す。対義語は親露。当項目では反ソも解説する。

概要

国によってはしばしば反共主義(反ボリシェヴィズム)や反ソ主義と結びついているが、これらは完全に一致する概念ではない。ロシア人の中にも、白系ロシア人に代表されるように反ボリシェヴィストは多数存在し、それに対するソビエト連邦は反露主義のひとつである反ロシア民族主義の政策を基本としていた。

ロシアへの影響

ロシアにとってウクライナジョージア(グルジア)などの旧ソ連地域に反露国家が成立することは脅威であり、NATO加盟に繋がるのを恐れている[1]

反露組織

GUAM - ジョージア(グルジア)、ウクライナ、アゼルバイジャンモルドバが加盟している組織。領土問題や国家承認問題でロシアと敵対している[2]

各国における反露

全般的にはNATO加盟国は反露国家であるともいわれる。同じくNATOに加盟しているブルガリアは比較的親露的であるとされるが、同国が2017年にロシアを安全上の脅威として名指しした[3]事例もある。UKUSA協定を結び独自の諜報機関を共有しているアングロサクソン諸国は反露的である。また、中近東・アラブ世界においてはイランに代表されるようなシーア派諸国は親露的、スンニ派の湾岸諸国は親米国家であることから、反露的な傾向が強い。中南米諸国においては長年の間、「アメリカの裏庭」と評されるほど、アメリカ合衆国が政治的にも経済的にも深い関与を示していた地域であるが、その反動として反米左派政権が樹立した国は親露的な傾向が強くなる。また、旧ソ連地域においても反露傾向の強い民族主義勢力への支援を米国が行ってきたため、それらによって政治勢力の主導権を握った場合はウクライナをはじめとして反露国家へと転換するケースが多い。

旧ソ連地域

ウクライナ

ウクライナでは西部、特にガリツィア地方は世界屈指の強固な反露地域でGUAM加盟国。

ウクライナ西部と中部では親欧米から反露感情が強いとされ[4]、逆に東部はロシアとの交流から親露感情が強いと言われている[5]

政治的にはクリミア半島2014年クリミア危機)や東部の親露地域(ドネツク人民共和国ルガンスク人民共和国を中心としたノヴォロシア人民共和国連邦)を巡り、ロシアと対立し、ソ連崩壊後に加盟していた独立国家共同体(CIS)を脱退を宣言している(CISは正式には認めていない)。

ウクライナの民族主義団体である右派セクターが反露・親米・親欧州を主張し、ロシアやロシア系ウクライナ人を敵視し、ロシアとの強い結びつきやロシア語の公用化に反対している。

ジョージア(グルジア)

ロシア語名の「グルジア(ロシア語表記、Грузия)」としても知られるジョージアはGUAM加盟国であり、国内で独立を主張した南オセチア共和国アブハジア共和国の親露地域を巡りロシアと対立している。

同国政府は「グルジア(Грузия)」と言う外名の使用を取りやめるよう各国に要請しており、日本国政府はこの要請を受けて2015年(平成27年)4月から外名を英語名の「ジョージア(Georgia)」に変更した。

モルドバ

モルドバはGUAM加盟国で沿ドニエストル共和国(親露地域)を巡りロシアと対立している。

アゼルバイジャン

GUAM加盟国の一つである。1990年1月に発生した黒い一月事件や、ナゴルノ・カラバフ戦争でロシアがアルメニア寄りの立場を表明したことが反露感情の主な要因となっている[6][7]

エストニア

エストニア国内には多くのロシア系住民(25%)を抱えており、2007年にはタリンでロシア系による暴動が発生している。

歴史的にはロシア帝国から独立したが、第二次世界大戦後にはソ連に併合されてしまう。これにより独立後の2007年には鎌と槌の使用と掲揚が禁止された。同年のサイバー攻撃(DDoS攻撃)でロシアと対立し、北大西洋条約機構と協力し、ロシアによるサイバーテロ対策に乗り出した他、ロシア軍撤退後は西側諸国との関係を強めている。また旧ソ連構成国の中で、唯一北朝鮮を国家として承認していない。

ラトビア

ラトビア国内には27%のロシア系住民(ラトビア人は62%)を抱えており、ロシア語話者が38%(公用語のラトビア語は58%)で無国籍のロシア系住民を巡りロシアと対立している。

ロシア語はラトビアでは外国語としては重要視されているが、かつての占領国の言語であるロシア語が幅を利かせている状況はラトビア系住民から脅威とも捉えられており、2012年に行われたロシア語の第二公用語化の国民投票は74.8%の反対多数で否決された[8]

リトアニア

歴史的にロシアとの対立が長く、ロシア化の影響を強く受けたこともあり、反露感情が強い国の一つである。歴史的な経緯から、ロシアの軍事力の増大がリトアニアの安全を脅かしているとの意見が根強い[9]

アルメニア

2015年、アルメニアの都市ギュムリ第102軍事基地所属のロシア軍兵士がアルメニア人の一家全員を殺害する事件が発生した[10][11]。過去にもロシア軍兵士が同様の行為を起こしていることもあって、反ロシア感情は強まっている[11]

アジア・中東

日本

日本との間には北方領土問題が存在している。

日本における反露・反ソは主にロシア(ソ連)による北方領土実効支配の批判で、8月9日の反ロデー(旧反ソデー)では主に北方領土に関係する街宣活動をする街宣右翼団体が多数存在する。(街宣車に「北方領土奪還」といったスローガンを掲げる団体もある)他には北方領土の日(2月7日)に行なわれる。またソ連時代はソ連が共産主義国家でもあった事から反共主義も結びついていた。

反露が形に表れた事例としてに2011年(平成23年)2月7日の北方領土の日にて、北方領土占領に抗議した右翼団体が在日ロシア大使館前でロシアの国旗を破った行為がある[12]

日本語には露助というロシアへの侮蔑語がある。

日本では反ロデーという日が8月9日にあるため、日本では右派に反露感情が強いと言える。ただし、北方領土問題について日本共産党が千島列島全域返還論を主張しているように、左派にも過去の歴史的経緯からの反露的姿勢は存在する。

大韓民国

軍事政権時代は反共主義の影響で、北朝鮮や社会主義中国の事実上の指導国として見られ強い嫌悪感や反露主義が存在した。

しかし民主化後、韓国で東側諸国との融和を目指す勢力が台頭するとロシアは韓国で人気の国になった。 現代の韓国は極めて親露感情の強い国の一つである。

イスラエル

イスラエルとロシアは多くの移民を送り出すなどの歴史的なつながりが深く、一部分では密接な関係を持ちつつも、同時にロシアの反政府勢力、ウクライナやグルジアに代表されるように旧ソ連構成国の反露勢力との関係も深いとされる。 一部のシオニズム系ラビは、 エゼキエル書38章のマゴクをロシアなど東スラブ人の軍とみなし、ロシア軍のイスラエル侵攻が聖書に予言されていると主張している。 一方で、旧ロシア系勢力が正教会と結びついたり極右政党を結成するなど関係は複雑である。

サウジアラビア

サウジアラビアはアラブ世界では最も親米的な国であると同時に反露的な国とされる。

欧米

ポーランド

ポーランドは歴史的にロシアと対立が多く、世界有数の反露国として知られる。

歴史的な要因としてはロシア帝国時代にエカチェリーナ2世らによるポーランド分割、ソ連によるポーランド侵攻カチンの森事件、第二次世界大戦後のソ連の保護国化及び社会主義体制によるソ連の影響が挙げられる。

2014年クリミア危機ではウクライナに同調し、対ロシア制裁を欧州連合に求めている。[13]

アメリカ

アメリカとソ連は第二次大戦ではヤルタ会談などで共闘したが、戦後は冷戦時代に突入しそれぞれが資本主義、共産主義の盟主・超大国として君臨した為に対立関係であった。

ソビエト連邦の崩壊後もシリア内戦(ロシアはアサド政権を支持し、米国は反体制側を支持)などで対立している。

カナダ

カナダではウクライナ西部のガリツィア地域をルーツに持つウクライナ系移民とその子孫がウクライナ国外では最も多く、在外ウクライナ民族主義組織によるロビー活動が盛んである。

西欧諸国

イギリスドイツといった主要国は、反ロシア勢力の拠点が置かれてある。

その他にもチェコスロバキアスロベニアクロアチアフィンランドルーマニアも反露国家に含まれる。

アフリカ

南アフリカ

南アフリカ冷戦時代にソ連の脅威への対抗意識から核武装していた(冷戦後に破棄)[14]。しかし、冷戦後にソ連やユーゴスラビアといった東側諸国からの支援を受け、反アパルトヘイト闘争を戦っていたアフリカ民族会議(ANC)が与党となったため、同組織の最大の支援国であったソ連の後継国家であるロシアとの関係は今まで以上に良好なものとなっている。

出典

  1. ^ ロシアにとって譲れない一線、ウクライナ プーチンの思惑 WEDGE 2014年(平成26年)3月17日
  2. ^ 反ロシア4国で領土分断 軍介入でNATO入り妨害
  3. ^ Bulgarian national security report naming Russia as threat causes storm in Parliament” (英語). The Sofia Globe (2017年9月13日). 2019年11月12日閲覧。
  4. ^ 欧米寄りのウクライナ暫定政権が抱える“内なる爆弾”とは? 週プレNEWS2014年(平成26年)4月23日
  5. ^ 親露を参照
  6. ^ Betwixt and between: the reality of Russian soft-power in Azerbaijan” (英語). Böll SOUTH CAUCASUS. 2019年11月12日閲覧。
  7. ^ Benson, Brett V., 1973- (2012). Constructing international security : alliances, deterrence, and moral hazard. New York: Cambridge University Press. ISBN 9781139776899. OCLC 817236698. https://www.worldcat.org/oclc/817236698 
  8. ^ ラトビアの言語の項目参照
  9. ^ Brussels, Emma Graham-Harrison Daniel Boffey in (2017年4月3日). “Lithuania fears Russian propaganda is prelude to eventual invasion” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/world/2017/apr/03/lithuania-fears-russian-propaganda-is-prelude-to-eventual-invasion 2019年11月12日閲覧。 
  10. ^ Russian Soldier Suspected of Killing 6 Members of Gyumri Family” (英語). Hetq.am. 2019年11月12日閲覧。
  11. ^ a b Armenians demand Russian forces leave their territory”. 20191112閲覧。
  12. ^ 2011年(平成23年)2月9日付 産経新聞
  13. ^ 独のロシア天然ガス依存が「欧州を危険にさらしている」ポーランド首相
  14. ^ 世界の軍隊99の謎(発行所・彩図社 発行人・山田有司)P96

関連項目