「ボストチヌイ宇宙基地」の版間の差分
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[[ファイル:Launch of the Soyuz-2.1a from Vostochny 2016-04-28.ogv|thumb|right|ボストチヌイ宇宙基地からのソユーズ-2.1Aの打ち上げ動画(2016年)]] |
[[ファイル:Launch of the Soyuz-2.1a from Vostochny 2016-04-28.ogv|thumb|right|ボストチヌイ宇宙基地からのソユーズ-2.1Aの打ち上げ動画(2016年)]] |
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[[ソビエト連邦の崩壊]]後、[[バイコヌール宇宙基地]]が[[カザフスタン]]の領域となったため、ロシアは毎年1億1500万[[ドル]]の使用料をカザフスタンに支払い、基地を使用してきた<ref name="sorae20100212">{{Cite web|url=http://www.sorae.jp/030699/3632.html|title=ボストチヌイの新基地が完成しても、バイコヌールは使う|publisher=sorae.jp|date=2010-02-12|accessdate=2015-04-22}}]{{リンク切れ|date=2019年11月}}</ref>。しかし近年、[[プロトンロケット]]の打ち上げ失敗等から風当たりが強くなり、また、ロシアの自立性をより高めるため、[[スヴォボードヌイ宇宙基地]](財政難のため2007年に廃止された)の跡地にボストチヌイ宇宙基地の建設が決定された。ボストチヌイはロシアのロケットの打上げの45%を担当する予定で、2020年からは有人打上げは全てこちらに移行する。バイコヌールからの打ち上げ比率は、65%から11%にまで下がる予定。 |
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この宇宙基地には、ロシアの技術者が建設・運営に関わっている[[南アメリカ大陸|南米]][[ギアナ宇宙センター]]のソユーズ発射台 (ELS) および[[韓国]]の[[羅老宇宙センター]]の経験が生かされる。また費用削減のためにバイコヌール宇宙基地にあるような防衛用の軍事施設は建設されない。 |
この宇宙基地には、ロシアの技術者が建設・運営に関わっている[[南アメリカ大陸|南米]][[ギアナ宇宙センター]]のソユーズ発射台 (ELS) および[[韓国]]の[[羅老宇宙センター]]の経験が生かされる。また費用削減のためにバイコヌール宇宙基地にあるような防衛用の軍事施設は建設されない。 |
2020年12月26日 (土) 00:24時点における版
ボストチヌイ宇宙基地 | |
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ボストチヌイ宇宙基地とソユーズ 2.1a | |
組織の概要 | |
設立年月日 | 2011年8月1日 |
管轄 | ロシア連邦政府 |
本部所在地 | アムール州ツィオルコフスキー 北緯51度53分04.39秒 東経128度20分05.2秒 / 北緯51.8845528度 東経128.334778度座標: 北緯51度53分04.39秒 東経128度20分05.2秒 / 北緯51.8845528度 東経128.334778度 |
上位組織 | ロスコスモス |
地図 | |
ボストチヌイ宇宙基地(ボストチヌイうちゅうきち、ロシア語: Космодром Восточный、英語: Vostochny Cosmodrome)は、ロシア連邦が極東ロシアで運用する宇宙ロケットの発射場である。
概要
ソユーズ2ロケットとアンガラ・ロケットの2つの射点が建設される[1][2]。アムール州のウグレゴルスクの南、スヴォボードヌイの北にあるスヴォボードヌイ宇宙基地跡地に位置している。近くの駅はシベリア横断鉄道のレデャーナヤ駅で、M58国道(チタ~ハバロフスク)も走っており、太平洋側からの輸送にも便利である。
沿革
ソビエト連邦の崩壊後、バイコヌール宇宙基地がカザフスタンの領域となったため、ロシアは毎年1億1500万ドルの使用料をカザフスタンに支払い、基地を使用してきた[3]。しかし近年、プロトンロケットの打ち上げ失敗等から風当たりが強くなり、また、ロシアの自立性をより高めるため、スヴォボードヌイ宇宙基地(財政難のため2007年に廃止された)の跡地にボストチヌイ宇宙基地の建設が決定された。ボストチヌイはロシアのロケットの打上げの45%を担当する予定で、2020年からは有人打上げは全てこちらに移行する。バイコヌールからの打ち上げ比率は、65%から11%にまで下がる予定。
この宇宙基地には、ロシアの技術者が建設・運営に関わっている南米ギアナ宇宙センターのソユーズ発射台 (ELS) および韓国の羅老宇宙センターの経験が生かされる。また費用削減のためにバイコヌール宇宙基地にあるような防衛用の軍事施設は建設されない。
当初、最初の無人ロケット打ち上げが2015年、有人宇宙船打上げが2018年に行われ、同宇宙基地が完全に完成するのは2018年となる予定であった[4]が、予算配分をめぐる対立から着工の遅れが報じられたこともあった[5]。よって、基地の完成は遅れる可能性があるものの、無人ロケットについては2018年までに複数回の打ち上げが既に行われている[6]。2016年4月28日、現地入りしたプーチン大統領が見守る中、第1号となるソユーズ 2.1aロケットの打ち上げを実施、人工衛星投入に成功している[7]。
2015年4月6日、建設会社からの給料の支払いが滞っていることを理由に労働者がストライキを起こしていることが報じられた[8]。約200名の労働者に対して4ヶ月以上に亘り給料が支払われておらず、4月4日から100名を超える労働者が職場を放棄、26名がハンガー・ストライキをする事態に陥った[8]。
上記の給与遅配・未配もあり、大型ロケット打ち上げ施設は完成が遅れている。一方で、基地建設に関連して総額約110億ルーブルを超える規模の不正支出事件が摘発されて2019年に58人が有罪判決を受けた[9]。
脚注
- ^ “Russia to launch manned spacecraft from new site in 2018” (英語). RIA Novosti. (2007年11月21日)
- ^ “Russia Plans to Spend $22M on Soyuz-2 Launch Pad” (英語). RIA Novosti. (2013年10月26日)
- ^ “ボストチヌイの新基地が完成しても、バイコヌールは使う”. sorae.jp (2010年2月12日). 2015年4月22日閲覧。][リンク切れ]
- ^ “ボストチヌイの新宇宙基地、初の打上げは2015年”. sorae.jp (2010年4月13日). 2015年4月22日閲覧。][リンク切れ]
- ^ “露が極東に計画の宇宙基地、予算不足で着工遅れ”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2011年10月19日). オリジナルの2011年10月20日時点におけるアーカイブ。 2011年10月19日閲覧。
- ^ 「ロ極東基地から打ち上げ 人工衛星、軌道に乗る」産経フォトに2018年2月1日掲載の共同通信配信記事(2018年10月28日閲覧)。
- ^ “ロシア極東の新宇宙基地、ロケット第1号打ち上げに成功”. AFP通信 (2016年4月28日). 2016年4月28日閲覧。
- ^ a b “建設中のヴァストーチュヌィ宇宙基地で労働者がストライキ 給与未払いを理由に”. sorae.jp (2015年4月22日). 2015年4月22日閲覧。
- ^ 「露宇宙基地 188億円不正/建設事業 国営企業元社長ら58人有罪」『読売新聞』朝刊2019年11月27日(国際面)同日閲覧
関連項目
- バイコヌール宇宙基地
- スヴォボードヌイ宇宙基地
- ロスコスモス(ロケットによる人工衛星打ち上げを請け負うロシア連邦の企業)