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「RPG-16」の版間の差分

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これらの改良によって、RPG-16の有効射距離は800mにまで延伸<ref>この数字はソ連・ロシア製の[[RPG (兵器)|RPG シリーズ]]の中でも最長であり、兵員2名で運搬する口径73mmの[[SPG-9]]無反動砲に匹敵する(RPG-2の有効射距離は100-150m。RPG-7やRPG-18以降のRPG シリーズの有効射程距離は200-500m)</ref>し、命中精度も向上した。しかし砲身内部に弾頭をすべて収めるという構造上、後から弾頭の大型化による威力向上を図ることは不可能であるうえ<ref>HEAT弾の威力は弾頭直径に比例するため、同一の技術で製造されたHEAT弾なら直径が大きいほうがより分厚い装甲を貫通できる</ref>、[[爆発反応装甲|ERA]]対策に有効な[[成形炸薬弾#タンデム弾頭|タンデムHEAT弾]]や屋内の敵への攻撃に有効な[[サーモバリック爆薬|サーモバリック弾頭]]、[[榴弾]]などの多種多様な弾頭が供給されることもなかった。
これらの改良によって、RPG-16の有効射距離は800mにまで延伸<ref>この数字はソ連・ロシア製の[[RPG (兵器)|RPG シリーズ]]の中でも最長であり、兵員2名で運搬する口径73mmの[[SPG-9]]無反動砲に匹敵する(RPG-2の有効射距離は100-150m。RPG-7やRPG-18以降のRPG シリーズの有効射程距離は200-500m)</ref>し、命中精度も向上した。しかし砲身内部に弾頭をすべて収めるという構造上、後から弾頭の大型化による威力向上を図ることは不可能であるうえ<ref>HEAT弾の威力は弾頭直径に比例するため、同一の技術で製造されたHEAT弾なら直径が大きいほうがより分厚い装甲を貫通できる</ref>、[[爆発反応装甲|ERA]]対策に有効な[[成形炸薬弾#タンデム弾頭|タンデムHEAT弾]]や屋内の敵への攻撃に有効な[[サーモバリック爆薬|サーモバリック弾頭]]、[[榴弾]]などの多種多様な弾頭が供給されることもなかった。


[[1979年]]からの[[アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)|アフガニスタンにおける作戦行動]]においては、この長射程を活かしてRPG-7を装備する[[ムジャーヒディーン]]に対するアウトレンジ攻撃などで活躍した。[[ソ連崩壊]]後のロシア空挺軍においても[[チェチェン紛争]]などで使用されていると思われるが、外見がRPG-7にそっくりなこともあって詳細は不明である。
[[1979年]]からの[[アフガニスタン紛争 (1978年-1989年)|アフガニスタンにおける作戦行動]]においては、この長射程を活かしてRPG-7を装備する[[ムジャーヒディーン]]に対するアウトレンジ攻撃などで活躍した。[[ソビエト邦の崩壊]]後のロシア空挺軍においても[[チェチェン紛争]]などで使用されていると思われるが、外見がRPG-7にそっくりなこともあって詳細は不明である。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2020年12月26日 (土) 00:01時点における版

RPG-16
RPG-16
種類 対戦車ロケット擲弾発射器
製造国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ロシアの旗 ロシア
仕様
種別 無反動砲
口径 58mm
使用弾薬 PG-16V HEAT弾
装弾数 1発
全長 1,104mm(発射状態)
645mm(分解時)
重量 10.3kg(光学照準器二脚付き)
2.1kg(PG-16V HEAT弾)
銃口初速 130m/秒
有効射程 800m
歴史 
設計年 1968年
配備期間 1970年-現在
配備先 ロシア空挺軍
関連戦争・紛争 ソ連のアフガニスタン侵攻
チェチェン紛争(?)
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RPG-16ロシア語: РПГ-16)は、ソビエト連邦で開発された携行用対戦車ロケット擲弾発射器

名称は、ロシア語で「携帯式対戦車擲弾発射器」を意味する「РПГ:Ручной Противотанковый Гранатомётルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート)」の英字綴りである「Ruchnoy Protivotankoviy Granatomet」の頭文字をとった略称から作られた。英語の訳表記では「Rocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)」と綴られるが、これは、バクロニムであり、厳密には誤りである。

概要

RPG-16は、1960年代末にソ連空挺軍用に特別に開発された。外見はRPG-7の空挺軍仕様であるRPG-7Dに酷似しており、パラシュート降下時に邪魔にならないように砲身を前後で2分割することが可能である。

RPG-7との外見上の違いは二脚が装備されていることと、グリップが2本(砲身の前方にトリガー付き1本、中央部に保持用1本)から中央部のトリガー付き1本に減らされたこと、砲身とグリップの間に前後に長い撃発機構が配置されている点である。照準装置には光学照準器のPGO-16(2.7x)を装着できるが、発射筒上部に固定照準器も設置されている。

RPG-16は射距離の延伸と命中精度の向上を重視して設計されており、発射筒の口径はRPG-7の40mmから58mmに増大されている。また、唯一のRPG-16用弾頭であるPG-16V HEAT弾[1]の直径はRPG-16の発射筒と同じ58mmであり、装填時には弾頭のすべてが発射筒内部に格納されるほか、ロケットブースターもRPG-7用の弾頭に比べて強化されており、砲口初速と最高速度の向上が図られた。

これらの改良によって、RPG-16の有効射距離は800mにまで延伸[2]し、命中精度も向上した。しかし砲身内部に弾頭をすべて収めるという構造上、後から弾頭の大型化による威力向上を図ることは不可能であるうえ[3]ERA対策に有効なタンデムHEAT弾や屋内の敵への攻撃に有効なサーモバリック弾頭榴弾などの多種多様な弾頭が供給されることもなかった。

1979年からのアフガニスタンにおける作戦行動においては、この長射程を活かしてRPG-7を装備するムジャーヒディーンに対するアウトレンジ攻撃などで活躍した。ソビエト連邦の崩壊後のロシア空挺軍においてもチェチェン紛争などで使用されていると思われるが、外見がRPG-7にそっくりなこともあって詳細は不明である。

関連項目

出典

  1. ^ 300mmまでの均質圧延鋼装甲を貫通可能
  2. ^ この数字はソ連・ロシア製のRPG シリーズの中でも最長であり、兵員2名で運搬する口径73mmのSPG-9無反動砲に匹敵する(RPG-2の有効射距離は100-150m。RPG-7やRPG-18以降のRPG シリーズの有効射程距離は200-500m)
  3. ^ HEAT弾の威力は弾頭直径に比例するため、同一の技術で製造されたHEAT弾なら直径が大きいほうがより分厚い装甲を貫通できる

外部リンク