小型武器
小型武器(こがたぶき)は、武器の区分のひとつである。火器のうち、兵士一名ないしは複数名による運搬が可能な物を指す。
定義
[編集]以下を総称して「小型武器」と称する(1997年に出された国連小型武器政府専門家パネルでの報告書による。括弧内は同報告書よりの引用)。なお、"Small Arms"という言葉には「小火器」「軽兵器」「弾薬及び爆発物」を含む武器・兵器を包括する概念としての用法と、「兵士一人で携帯、使用が可能な武器」のカテゴリーを指す二つの用法がある。また、この定義における小火器は、一般的に使われる小火器の意味とは異なる。
「小火器(Small arms)」=兵士一人で携帯、使用が可能なもの
- 回転式(リボルバー)および自動式拳銃(Revolvers and self-loading pistols)
- ライフル銃およびカービン銃(Rifles and carbines)
- 短機関銃(Sub-machine-guns)
- アサルトライフル(Assault rifles)
- 軽機関銃(Light machine-guns)
「軽兵器(Light weapons)」=兵士数名で運搬、使用が可能なもの
- 重機関銃(Heavy machine-guns)
- 擲弾発射筒(グレネードランチャー)(Hand-held under-barrel and mounted grenade launchers)
- 携帯対空砲(Portable anti-aircraft guns)
- 携帯型対戦車用砲および無反動砲(Portable anti-tank guns, recoilless rifles)
- 携帯型対戦車ミサイルおよび発射装置(Portable launchers of anti-tank missile and rocket systems)
- 携帯型対空ミサイルおよび発射装置(Portable launchers of anti-aircraft missile systems)
- 口径100mm以下の迫撃砲(Mortars of calibers of less than 100mm)
「弾薬及び爆発物(Ammunition and explosives)」
- 小型武器用弾薬筒(Cartridges (rounds) for small arms)
- 軽兵器用弾薬およびミサイル(Shells and missiles for light weapons)
- 対空・対戦車用可動式砲弾およびミサイル(Mobile containers with missiles or shells for single-action anti-aircraft and anti-tank systems)
- 対人・対戦車用手榴弾(Anti-personnel and anti-tank hand grenades)
- 地雷(Landmines)
- 爆発物(Explosives)
問題点とその対応
[編集]まず、小型武器の特性を纏めると以下のようなものが挙げられる。
- 小型・軽量である(=運搬が容易)
- 取り扱いが容易(=誰でも使用することができる)
- 殺傷能力が高い(一人当たりの戦闘力が格段に上がる)
- 安価である(費用対効果、価格の両方において)
- 生産に際し、高度な技術を必要としない
以上の理由から、小型武器は世界中の紛争地域で使用され、甚大な被害をもたらして来た。また、冷戦期においては、米ソ両大国が自国側への支援として大量の武器支援を行い、AK-47をはじめとする小型武器が世界中に出回ることとなった。このような状況下、小型武器による人的被害は増加の一途を辿り、国際連合のコフィー・アナン事務総長は、小型武器を「事実上の大量破壊兵器」と呼んだ。
日本の対応
[編集]日本はあまり知られていないが、軍事目的によらない武器を多数輸出している。猟銃、弾薬など非軍事目的の小型武器をアメリカ、ベルギー、フランスに輸出している事が、スイスのジュネーブ高等国際問題研究所が発表した2004年版の「小型武器概観」で判明した。
その規模は、輸入で世界第4位、輸出で世界第9位である。日本国産で唯一の大口径小銃で、警察にも狙撃銃として採用されている豊和M1500は、国内よりもむしろ海外での評価が高く、コストパフォーマンスの良い猟銃として人気がある。