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「ラーダ型潜水艦」の版間の差分

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== 開発 ==
== 開発 ==
1980年代末、ロシアの[[ディーゼル・エレクトリック]]潜水艦の系列の後継として、設計主任のユーリ・コルミリーチュンの元、[[ルビーン海洋工学中央設計局]]で設計が始まった。[[ソ連崩壊]]により開発は遅れたが、[[1997年]]に1番艦「サンクトペテルブルク」が起工。その後もロシアの経済停滞で建造は遅れたが、2004年10月に進水。2005年6月30日、公試中の「サンクトペテルブルク」が、[[サンクト・ペテルブルク]]国際武器見本市でメディア向けに公開され、本型の全貌が明らかになった<ref name=sekai648>「メディア初公開! ロシア新型潜水艦「サンクト・ペテルブルク」」 『[[世界の艦船]]』第648集([[2005年]]10月号) [[海人社]] P.12〜13</ref>。
1980年代末、ロシアの[[ディーゼル・エレクトリック]]潜水艦の系列の後継として、設計主任のユーリ・コルミリーチュンの元、[[ルビーン海洋工学中央設計局]]で設計が始まった。[[ソビエト邦の崩壊]]により開発は遅れたが、[[1997年]]に1番艦「サンクトペテルブルク」が起工。その後もロシアの経済停滞で建造は遅れたが、2004年10月に進水。2005年6月30日、公試中の「サンクトペテルブルク」が、[[サンクト・ペテルブルク]]国際武器見本市でメディア向けに公開され、本型の全貌が明らかになった<ref name=sekai648>「メディア初公開! ロシア新型潜水艦「サンクト・ペテルブルク」」 『[[世界の艦船]]』第648集([[2005年]]10月号) [[海人社]] P.12〜13</ref>。


== 設計 ==
== 設計 ==

2020年12月25日 (金) 23:42時点における版

ラーダ型潜水艦
サンクトペテルブルクで満艦飾で航行する「サンクトペテルブルク」2010年
基本情報
種別 潜水艦
建造所 アドミラルティ造船所サンクトペテルブルク
運用者  ロシア海軍
建造期間 1997年-
就役期間 2010年-
計画数 8隻
建造数 1隻完工
前級 キロ型潜水艦
要目
排水量 潜行時2,700英トン (2,700 t)
浮上時1,765 t
長さ 72 m (喫水線上: 67 m)
7.1 m
吃水 6.5 m
推進器 永久磁石モータによる電気推進
長寿命化蓄電池
D49ディーゼル機関2基
1軸
2,700馬力
速力 潜行時21ノット、浮上時10ノット
航続距離 650海里
航海日数 45日
潜航深度 300 m
乗員 34人 (または38人)
兵装 533mm魚雷発射管6基
魚雷 SSM18発
RPK-6/SS-N-16 Vodopad/Stallion SUBROC英語版[1]
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ラーダ型潜水艦(ラーダがたせんすいかん、Lada class submarine)は、ロシア海軍通常動力型潜水艦である。

名称

ラーダ型NATOコードネームであり、ロシア海軍の計画名は677型潜水艦Подводные лодки проекта 677 "Лада")である。同様に1番艦であるサンクトペテルブルクに由来して、ペテルブルク級 (または「サンクトペテルブルク級」または「ペテルブルク級」)とも呼ばれ、輸出版は、アムール型潜水艦(Amur class)と呼ばれる。

開発

1980年代末、ロシアのディーゼル・エレクトリック潜水艦の系列の後継として、設計主任のユーリ・コルミリーチュンの元、ルビーン海洋工学中央設計局で設計が始まった。ソビエト連邦の崩壊により開発は遅れたが、1997年に1番艦「サンクトペテルブルク」が起工。その後もロシアの経済停滞で建造は遅れたが、2004年10月に進水。2005年6月30日、公試中の「サンクトペテルブルク」が、サンクト・ペテルブルク国際武器見本市でメディア向けに公開され、本型の全貌が明らかになった[2]

設計

ラーダ型の模式図

ラーダ型潜水艦は、"第4世代"のディーゼル・エレクトリック潜水艦として開発され、キロ型潜水艦までの従来の潜水艦に比べ、新しい艤装を有している。

艦体

ソ連の通常動力型潜水艦が船体の大型化の傾向を示していた中で、本型はキロ級潜水艦より小型になった。

それまでのソ連の通常動力型潜水艦と同様、予備浮力に余裕を持たせるために複殻構造をとっている[2]。艦内配置も通常動力型潜水艦に典型的なもので[2]、艦首にソナー・魚雷発射管室を備え、セイル直下に発令室を、後方に居住区と機関室を有する。一方、それまで船体にあった潜水舵は司令塔に装備された。

建造された艦の機関はディーゼル・エレクトリックだが、艦体を10m延長して燃料電池区画を挿入することで、燃料電池「クリスタール27E」と呼ばれるAIP機関の搭載も可能である。

装備

魚雷発射管は6門有し、艦首上方に集中配置されている。艦首中心には、ソ連の潜水艦で初めて魚雷搭載用のハッチを有している[2]。魚雷発射管からは、長魚雷はもちろんのこと、ノヴァトール設計局が開発した3M54E1「クラブS」対艦ミサイル、「クラブ」の対潜型である91RE1対潜ミサイルも発射できる。なお、一部でP-800「オニクス」を搭載する、などと書かれているが、オニクスは533mm発射管から撃ち出せず、船体中央部に対艦ミサイル垂直発射機区画を挿入しない限り、本級への搭載は不可能である。

射撃統制装置として、新開発のリティリ戦闘制御自動システムを備える。2本の潜望鏡は、ソ連の潜水艦として初めて内殻非貫通型のタイプのものである[2]

建造

本型は、2006年末までに3隻が起工されている。なお一部で、4隻が起工されていると書かれているが、これは、2006年11月に起工した3番艦セヴァストーポリが、当初、ペトロザボーツクという艦名を予定していた事から来る誤解である。2006年7月末、RIAノーヴォスチ通信は、「間もなく3番艦ペトロザボーツクが起工される」と報じたが、3番艦の起工は予定より遅れて11月にずれ込み、艦名も、ロシア海軍の過去の栄光に因んだ都市であるセヴァストーポリに変更された。

1番艦のサンクトペテルブルクは2004年10月に最新世代のロシア製ミサイルと魚雷とソナーを備えて進水し、2005年11月29日から洋上試験を始めた。報告によると2010年4月22日に試験を完了して同年にロシア海軍に配備された[3]。しかし、サンクトペテルブルク就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚したことなどから、2005年7月28日に起工された2番艦クロンシュタットと2006年11月10日に起工された3番艦セヴァストーポリの建造は凍結された。その後改設計を経て[4]2013年7月には2番艦[5]、3番艦の建造が再開された[6]。予定ではクロンシュタットは2017年、ヴェリーキエ・ルーキ(元セヴァストーポリ)は2018年に引き渡すこととなっていたがこれは2016年に延期が発表され2019年に引き渡されることが発表された[7]

2009年時点でロシア海軍は計8隻のラーダ型潜水艦を調達する計画である[8]

派生型

輸出仕様のアムール型の模型

いくつかの機能を省いたアムール(Амур型:名称はアムール川に由来)が輸出向けに設計された。アムール型は、950型と1650型の2種類に分類される。ロシア側の報道によると、船体に施された新型の対ソナー用コーティングを特色とし、航続距離は拡張され、新型の対艦及び対潜兵器を搭載する新型潜水艦との事である。中国やインドなどの国が興味を示しているものの発注を受けておらず、建造された艦は1隻もない。

同型艦

艦番号 艦名 建造所 起工 進水 就役 備考
B-585 サンクトペテルブルク アドミラルティ造船所 1997年
12月26日
2004年
10月28日
2010年
4月24日
2010年
5月8日編入[9]
B-586 クロンシュタット 2005年
7月28日[10]
B-587 ヴェリーキエ・ルーキ 2006年
11月10日
元セヴァストーポリ
2015年再起工

仕様

形式: ラーダ (アムール-1850) アムール-1650 アムール-950 (アムール-550)
排水量 (浮上時): 1765 t 1900 t 1765 t 1150 t 550 t
排水量 (潜航時): 2300 t 2600 t 2300 t 1550 t 700 t
全長: 66,70 m 72 m 66,70 m 58,8 m 46 m
全幅: 7,1 m 5,65 m 4,4 m
全高: 6 m 2,5 - 3 m
ディーゼル機関の出力: 2 × 1250 kw
電動機の出力: 1 × 4100 kw
潜航時速度: 21 ノット 20 ノット 18 ノット
浮上時速度: 11 ノット
最大潜航深度: 300 m
潜航日数: 45日 60日 45日 30日 20日
毎時3knでの電動機推進での航続距離: 650 海里 350 海里 250 海里
毎時7knでのディーゼル推進での航続距離: 6000 海里 3000 海里 1500 海里
乗員: 35 名 45 名 35 名 18 名 18 名
魚雷発射管数: 6 4
魚雷または
SS-N-27ミサイル:
18 6 8
機雷: 24 - 12 1
SS-N-26ミサイル発射装置: - 10 -

1 = 推定

脚注

外部リンク

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