「創竜伝」の版間の差分
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第1巻が[[1987年]]8月に刊行<ref>初版では巻数を示す「1」は無く、単なる『創竜伝』だった。</ref>されて以降、年1 - 2冊のペースで刊行されていたが次第に減速し、11巻 - 13巻はほぼ3年に1冊のペースとなった。13巻が[[2003年]]6月に刊行されたのを最後に、長らく続巻は出ていなかった。未完というわけではなく続きを書く意思は作者にあるようで、[[2006年]]1月には作者がマネジメントを任せている「らいとすたっふ」社のブログで一度は「14巻が年内に執筆される」と公式発表された<ref>[http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2006/01/post_fe56.html とある作家秘書の日常: 新年のご挨拶]より</ref>こともある。(この際は2007年5月に撤回された<ref>[http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/05/13_0a49.html とある作家秘書の日常: 『創竜伝』文庫版13巻が出ました。]より</ref>)。この撤回から約12年後となる[[2019年]]10月、第14巻が約16年ぶりに刊行となった。そして14巻帯において2020年夏に刊行を予定している15巻での完結が予告されていたが、延期されて12月に刊行され完結した。 |
第1巻が[[1987年]]8月に刊行<ref>初版では巻数を示す「1」は無く、単なる『創竜伝』だった。</ref>されて以降、年1 - 2冊のペースで刊行されていたが次第に減速し、11巻 - 13巻はほぼ3年に1冊のペースとなった。13巻が[[2003年]]6月に刊行されたのを最後に、長らく続巻は出ていなかった。未完というわけではなく続きを書く意思は作者にあるようで、[[2006年]]1月には作者がマネジメントを任せている「らいとすたっふ」社のブログで一度は「14巻が年内に執筆される」と公式発表された<ref>[http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2006/01/post_fe56.html とある作家秘書の日常: 新年のご挨拶]より</ref>こともある。(この際は2007年5月に撤回された<ref>[http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2007/05/13_0a49.html とある作家秘書の日常: 『創竜伝』文庫版13巻が出ました。]より</ref>)。この撤回から約12年後となる[[2019年]]10月、第14巻が約16年ぶりに刊行となった。そして14巻帯において2020年夏に刊行を予定している15巻での完結が予告されていたが、延期されて12月に刊行され完結した。 |
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上記のような経緯で約30年以上続く刊行期間の結果、現実世界では「昭和」「平成」「令和」と3つの時代をまたいだ作品となったこともあり、時代設定も最初と後期(第13巻ごろ)では異なる(第1巻では1990年代中盤だったが、途中から21世紀に変更されている)。また、初期の巻では[[ソビエト連邦]]が存続している設定だったが、8巻(以降)では現実同様に1991年末に[[ソ連崩壊]]が起こった設定に変更されている。 |
上記のような経緯で約30年以上続く刊行期間の結果、現実世界では「昭和」「平成」「令和」と3つの時代をまたいだ作品となったこともあり、時代設定も最初と後期(第13巻ごろ)では異なる(第1巻では1990年代中盤だったが、途中から21世紀に変更されている)。また、初期の巻では[[ソビエト連邦]]が存続している設定だったが、8巻(以降)では現実同様に1991年末に[[ソビエト連邦の崩壊]]が起こった設定に変更されている。 |
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== 登場人物 == |
== 登場人物 == |
2020年12月25日 (金) 23:30時点における版
『創竜伝』(そうりゅうでん)は、田中芳樹の伝奇アクション小説。講談社ノベルス、YA!ENTERTAINMENT、文庫から出版されている他、これを原作としたOVAや漫画も製作されている。
概要
四海竜王の子孫であり転生した姿でもある四人兄弟が、現実の現代社会とは似て非なるパラレルワールドを舞台として人界や天界の悪と戦っていく物語。 田中の作品で現代(1980年代後期以降。詳しくは後述)の日本が舞台になった作品のなかでも、とりわけ社会に対する批判的な視点が文章の随所において時にシニカルに、時にはかなり直接的に表現されている。この文中において言及されている内容は、読者がモデル(元ネタ)を類推できるものが多く、右傾化する現代日本への警告を意図しているとの説もある[誰によって?]。
- 刊行ペースについて
第1巻が1987年8月に刊行[1]されて以降、年1 - 2冊のペースで刊行されていたが次第に減速し、11巻 - 13巻はほぼ3年に1冊のペースとなった。13巻が2003年6月に刊行されたのを最後に、長らく続巻は出ていなかった。未完というわけではなく続きを書く意思は作者にあるようで、2006年1月には作者がマネジメントを任せている「らいとすたっふ」社のブログで一度は「14巻が年内に執筆される」と公式発表された[2]こともある。(この際は2007年5月に撤回された[3])。この撤回から約12年後となる2019年10月、第14巻が約16年ぶりに刊行となった。そして14巻帯において2020年夏に刊行を予定している15巻での完結が予告されていたが、延期されて12月に刊行され完結した。
上記のような経緯で約30年以上続く刊行期間の結果、現実世界では「昭和」「平成」「令和」と3つの時代をまたいだ作品となったこともあり、時代設定も最初と後期(第13巻ごろ)では異なる(第1巻では1990年代中盤だったが、途中から21世紀に変更されている)。また、初期の巻ではソビエト連邦が存続している設定だったが、8巻(以降)では現実同様に1991年末にソビエト連邦の崩壊が起こった設定に変更されている。
登場人物
竜堂兄弟
東京都中野区にて亡祖父から受け継いだ洋館に住む四人兄弟。常人を遥かに上回る身体能力を持つが、彼ら自身は一市民として平穏な生活を望む。しかし、一族伝来の反骨心と家訓に従い、自身と家族を脅かす輩には断固とした態度で向かい合う。その身には超常の存在・竜種の血が流れており、その中でも竜王たる一族・敖家の117代目だと伝えられる。兄弟は全員1月17日生まれ。
声優は(アニメ / CDドラマ1(1995年) / CDドラマ2(1996年~1997年))の順。
- 竜堂 始(りゅうどう はじめ)
- 声 - 堀秀行 / 速水奨 / 宮本充
- 長男、23歳。共和学院高校の世界史教師兼学院理事だったが、第1巻で退職することになり作中では浪人中。読書が趣味というよりそれがないと落ち着かない“活字中毒者”。頑固で厳しい勤勉家だが、家族思いの一家の大黒柱。本作における語り部。前世は東海青竜王敖広。
- 東海青竜王 敖広(とうかいせいりゅうおう ごうこう)
- 姓は敖、名は広、字は伯卿(はくけい)、号は東海青竜王。竜種の長。重力を司る。騎獣は青臞疏(せいかんそ)。
- 竜堂 続(りゅうどう つづく)
- 声 - 飛田展男 / 置鮎龍太郎 / 同左
- 次男、19歳。共和学院大学人文学部西洋史学専攻。美形だが毒舌家で、敵対する相手には冷徹極まりない。自称「卑怯が大好き」「嫌いな人間の苦痛には無限に耐えられる」性格。小さい頃から兄を尊敬し、基本的に兄の決めたことにしか従わない[4]。茉理にも頭が上がらない。前世は南海紅竜王敖紹。
- 元々兄弟の中では一番の洒落者だが、OVAでは左ハンドルのオープンカーを所有しており、運転手を務める。東京湾で廃車にされた時にはかなり怒っていた[5]。
- 南海紅竜王 敖紹(なんかいこうりゅうおう ごうしょう)
- 姓は敖、名は紹、字は仲卿(ちゅうけい)、号は南海紅竜王。炎と冷気を司る。騎獣は紅飛廉(こうひれん)。
- 竜堂 終(りゅうどう おわる)
- 声 - 中村大樹 / 石川英郎 / 同左
- 三男、15歳。共和学院高校1年生(OVA版では中学3年生)。喧嘩好きな腕白坊主。身体能力の冴えは兄弟随一で得意技はヘリ落とし。大食漢で、食に対しては才能以上のものを発揮する[6]。始からはよく“小遣い抜きの刑”をくらい、敵味方問わず“食べることに関する懐柔策”にもひっかかるが、卑怯な真似は大嫌いで真っ正直すぎる器の大きさは始と並ぶと認められている。前世は西海白竜王敖閏。恵広史とCLAMPの漫画版では主人公格。
- 西海白竜王 敖閏(せいかいはくりゅうおう ごうじゅん)
- 姓は敖、名は潤、字は叔卿(しゅくけい)、号は西海白竜王。風と音を司る。騎獣は白麒麟(はくきりん)。
- 竜堂 余(りゅうどう あまる)
- 声 - 山口勝平 / 緑川光 / 石田彰
- 四男、13歳。共和学院中学1年生[7]。兄弟の中ではおっとりしていておとなしいタイプ。続同様に兄である終をサポートするが、時として無邪気に終をヘコませる影の毒舌家。兄弟のうち最初に覚醒した。時間と空間を超越できる「夢」を見る能力がある。また、度々陥る夢遊病に似た状態では宙に浮いて移動し、超能力を発揮する。前世は北海黒竜王敖炎。
- 北海黒竜王 敖炎(ほっかいこくりゅうおう ごうえん)
- 姓は敖、名は炎、字は季卿(きけい)、号は北海黒竜王。雨と雷を司る。騎獣は火眼黒狻猊(かがんこくしゅんげい)。潜在能力は最大。
竜堂兄弟の仲間
- 鳥羽 茉理(とば まつり)
- 声 - 玉川紗己子 / 水谷優子 / 松井菜桜子
- 四兄弟の父方の従姉妹、18歳。勝気で明るい性格。男所帯な竜堂家の家事を一手に引き受けてくれる大恩人。作中で危機に陥るたび、無意識に自身がまとめる鳥たちを呼び寄せて助かってきた。前世は太真王夫人。OVA版では彼女がナレーションを務める。
- 太真王夫人(たいしんおうふじん)
- 西王母の末娘にして仙女。“鳥たちの女王”。青竜王とは淡い恋仲であり、天界の住人たちの好意的な冷やかしのネタにされる。
- 蜃海 三郎(しんかい さぶろう)[8]
- 声 - 玄田哲章 / - / 立木文彦
- 四兄弟と行動を共にする元新聞記者。共和学院のOB。始の先輩で虹川の友人。荒事は苦手だが記者としての経験などから情報収集に優れ、それが一行の役に立っている。
- 虹川 耕平(にじかわ こうへい)[8]
- 声 - 安西正弘 / - / 家中宏
- 四兄弟と行動を共にする元刑事。共和学院のOB。蜃海と水池の友人。童顔だが体格の良い大男で腕っぷしはそこそこ。水池の言動に呆れながらもしっかりツッコミを入れる。
- OVA版では恰幅の良い甘党でコメディリリーフ的な扱いが多い。
- 水池 真彦(みずち まさひこ)[8]
- 声 - 矢尾一樹 / - / 森川智之
- 四兄弟と行動を共にする元陸上自衛官。虹川の元バイト仲間。防衛大を出た幹部自衛官だったが、歯に衣着せぬ物言いと人をおちょくったような性格から、自衛官時代から敵が多かった。竜堂兄弟の戦車ジャックに協力して奪取した90式戦車・鋼鉄竜(アイアンドラゴン、命名は余)を操縦した。戦車が川に沈んでからは別行動をとり虹川の家に転がり込んだ。本人によると親兄弟もいない天涯孤独の身の上。
- OVA版では原作1巻にあたる東富士演習場での騒ぎから登場しており、横田基地を破壊して人身に戻って寝ていた終と余を保護するなど、蜃海・虹川より出番は多い。
- 松永 良彦(まつなが よしひこ)
- 品種不明の小犬。水池の後をついて来て、適当に名づけられた。茉理の優秀な“ボディーガード”で、余とは良い友好関係を築いている。
- 天狗(てんこう)
- 赤城王(二郎真君)の飼い犬。主によって天宮に送り込まれ、天軍から反逆の嫌疑を掛けられて天宮に幽閉されていた黒竜王に出会う。
- 黄 世建(ホアン シェーチェン)
- 通称「黄老(こうろう)」。抗日戦争の英雄。竜堂兄弟の祖父・司の友人。反骨精神に優れ、自由闊達で明朗な老人。
- 恵広史の漫画版では竜泉郷の住人として登場。ときおり外界に出て華僑や中国系マフィアの指導者として活動するなど、弟である黄大人と統合されている。
- 黄 泰明(ホアン タイミン)
- 通称「黄大人(ホアンターレン)」。黄老の弟で華僑の指導者。アメリカで逃亡中の竜堂兄弟一行を助ける。中国本土の収容所に捕らえられた実兄・世建の救出を依頼する。
竜堂一族
- 竜堂 司(りゅうどう つかさ)
- 声 - - / - / 小室正幸
- 竜堂兄弟と茉理の祖父。物語開始時点で既に故人となっている。共和学院の創始者。意思が強く、柔軟な考えの持ち主。兄弟にとっては育ての親でもあり、大きな影響を与えた(特に始)。
- 戦時中に中国奥地を一年がかりで旅した末に一族の故郷である「竜泉郷」に辿り着く。その後、思想犯として逮捕・勾留されたがチフスを発病したため病院に移されるが、この時に受けた拷問によって片目と片足が不自由になった。OVA版ではチフスの影響もあって健康を害した。
- 鳥羽 靖一郎(とば せいいちろう)
- 声 - 青森伸 / - / 沢木郁也
- 茉理の父親。共和学院の現学院長。共和学院を大きくしようと卑屈に政治家に頭を下げ、教師や生徒に対しては尊大かつ傲慢。そのため竜堂兄弟と対立することもある、しかし本来は気が小さく、かつ他人の影響を受けやすい性格。代議士の古田重平の影響で人格を貶めたが、かつて司の存命中は、司の影響でいっぱしの教育家を気取っていた。
- 鳥羽 冴子(とば さえこ)
- 声 - 吉田理保子 / - / 田中敦子
- 茉理の母親、竜堂司の娘。共和学院の常任理事であり、女子短期大学学長と幼稚園園長を兼任している。作品冒頭では夫と共に学院乗っ取りを企てているとされたが、靖一郎と比べ冷静沈着で、意志が強い。夫の小物ぶりには呆れつつもフォローをしている。
船津一派
- 船津 忠巌(ふなづ ただよし)
- 声 - 大塚周夫 / - / 大木民夫
- 「鎌倉の御前」と呼ばれる日本政財界の黒幕。原作では90を越えて100歳近い老人。竜泉郷への旅に同行するなど司とはちょっとした因縁がある。竜泉郷で竜種の血を得る事[9]によって人外の力を得ており、世界を支配する四人姉妹も一目置いていた。さらなる力を得るために竜堂兄弟を狙うが、北海黒竜王に覚醒した余に敗れ死亡する。
- 戦時中、特高警察に捕まった司にチフス菌付の毛布を差し入れて発病させている。恵広史のコミック版では幕末生まれの150歳とされた。
- 小早川 奈津子(こばやかわ なつこ)
- 船津忠巌の娘。父親が得た竜種の力を受け継いでおり、人並み以上の身体・考え・欲を持っているが、極めて俗な性格で自身の判断基準に基づいて行動し敵味方関係なく引っ掻き回すトラブルメーカー。竜堂兄弟にとっては、ある意味四人姉妹や牛種を遥かに上回る敵だが、現在は諸事情で竜堂兄弟と共同戦線を張っている。通称(自称?)は「天使のなっちゃん」。
- 古田 重平(ふるた じゅうへい)
- 声 - 亀井三郎 / - / 村松康雄
- 船津の配下で、典型的な悪徳代議士として登場。作中では「党内きっての武闘派」「学の無い奴」と評されている。竜堂兄弟の捕獲を命じられていたが全く歯が立たず、船津に見限られ始末される。
- 古田 義国(ふるた よしくに)
- 声 - 笹岡繁蔵 / - / 矢尾一樹
- 重平の次男(OVAでは長男)。興国大学4年生で裏口入学者。徒党を組んだ暴力大学生。兄は義国よりも出来はいいようだが、作中では未登場。父共々船津に始末される。
- 高林 健吾(たかばやし けんご)
- 声 - 徳丸完 / - / 津田英三
- 船津の配下で、現職の内閣官房副長官。粗野な成り上がり者である古田に対して、東大卒・官僚出身のエリート。古田に代わり竜堂兄弟の捕獲を命じられるが失敗し、古田同様に船津に見限られ始末される。
- 恵広史の漫画版では船津の死後も生き残り、首相の側近として登場する。
- 勝岡 寛太(かつおか かんた)
- 船津忠巌の孫。「日本から漢字を廃止する会」とやらの会長をしているが、実際は自分の頭が悪くて漢字が読めないだけ。台詞もすべてひらがなで表記されている。
四人姉妹(フォー・シスターズ)
- ランバート・クラーク
- 四人姉妹の新当主。全ての家の血を引く男だが、その影響で牛頭人身の怪物となる。厭世的かつ刹那的な人物で、ミューロン家の娘との結婚を切っ掛けに四姉妹大君の首座に就くが、後述の魔物・共工に取り憑かれる。イギリスでの戦いを経て憑依からは解放された。
- 恵広史の漫画版では共工に取り憑かれる以前から四兄弟に匹敵する能力の持ち主として描かれた。
- 大君(タイクーン)
- 声 - 中庸助(マリガン)、北川米彦(デュパン)、真地勇志(ミューロン)、増田有宏(ロックフォード) / - / 中庸助
- 四人姉妹のそれぞれの財閥の長を指す敬称。本名も素性も不明で、初期の頃は黒幕的で意味深な雰囲気を漂わせたが、クラークの登場により影を薄めた。
- 語源は日本語の「大君」であり、江戸幕府の将軍の外交上の呼称に由来する。英語では「大君=Tycoon」は「大物」「実力者」を意味する。
- ダグラス・W・ヴィンセント
- 声 - 八奈見乗児 / - / -
- アメリカ大統領補佐官。大統領のお目付け役であり、ホワイトハウスと四人姉妹の連絡役。
- ウォルター・S・タウンゼント
- 声 - 岡部政明 / - / 牛山茂
- 四人姉妹の極東地区総支配人。四人姉妹に盲従しているが、大君たちからは「小物」と評されている。
- レディL(パトリシア・セシル・ランズデール)
- 声 - 戸田恵子 / - / 島津冴子
- マリガン国際財団東京赤坂分室の室長。哲学博士号を持ち、かつ弁護士でもある才色兼備の女性。竜堂兄弟に敵対しながらも彼ら竜種の生きざまに心を惹かれ、それが元で味方に射殺される。
その他
- ユージン・フォレスター
- 声 - 村越伊知郎 / - / -
- アメリカ大統領。西側世界の盟主だが、実は四人姉妹の傀儡。
- 田母沢 篤(たもざわ あつし)
- 声 - 滝口順平 / - / 小林清志
- 日本医薬界の重鎮。一見するとガマガエルのような容姿をもつ老人。かつて関東軍の軍医として捕虜の生体実験を行っており、現在は知的好奇心と研究意欲以上に「人間を生きたまま解剖すること」に執着している。竜堂兄弟の血と身体能力に興味を示し、解剖するため付け狙う。
- OVA版では船津が差し入れた毛布に塗布したチフス菌の提供者だが、発病したおかげで獄中死せずに済んだとうそぶき、始が覚醒する原因となる。恵広史の漫画版では「生体手術を繰り返している」と設定され、容姿が20代の青年に変更されている。
- 首相
- 声 - 緒方賢一 / - / 田原アルノ
- 日本国首相。作中では「私立大学卒業」「歴代の首相の中で、唯一上目遣いがよく似合う」と馬鹿にされている。続・終・余・茉理らに拉致された挙句、アメリカの山中で置き去りにされる。その後も日本に起きた富士山噴火をはじめとした問題[10]に不手際を重ね、造反した官房副長官に病気を理由に始末されかかるが口八丁で誑かした若い医師と共に脱出したところで偵察中だった終・余に遭遇。相も変わらず自分の腹は傷まない報酬を提示して助けを求めるが、若い医師も含めて見捨てるのも気が進まないと竜堂・小早川連合(別名・京都幕府)に合流する。
- 幹事長
- 声 - 伊藤栄次 / 梅津秀行 / -
- 日本国与党の幹事長。本来は首相になるはずだったが、首相の説得で渋々就任を断念したため、首相との折り合いは非常に悪い。
- 元首相
- 日本国元首相。政界に隠然たる勢力を持つが小早川奈津子の前では腰が低く、下僕同様に扱われている。
天界
- 玉帝(ぎょくてい)
- 声 - 中田浩二 / - / 北村弘一
- 天界の支配者。四海竜王の主君でもある。竜種と牛種の力を削ぐために殷周革命を引き起こす。
- 西王母(せいおうぼ)
- 声 - 中西妙子 / - / 兵藤まこ
- 太真王夫人の母親。崑崙山に宮殿を構え、数多くいる女仙を統轄する。母性を司る温和な女性だが、決して甘やかしたりはしない。その徳・地位は高く、天帝ですら一目置く。
- 瑶姫(ようき)
- 西王母の四女で茉理の前世の姉。姉妹の中でも行動派で仙界の者たちと共に竜堂兄弟に協力している。特に終とは気が合うらしく、いつか仙界を巡る冒険に行こうと約束している。
- 共工(きょうこう)
- 声 - 中嶋聡彦 / - / -
- 竜種の分流。人頭蛇身の悪神で、牛種と手を組み人界を支配しようと企む。大君を支配し、ランバート・クラークにとり憑いた。
- OVA版と恵広史の漫画版では、黒幕として登場する。
- 蚩尤(しゆう)
- 声 - 藤本譲 / - / 小室正幸
- 牛種の首領。殷周革命の際、竜種に敗れる。四人姉妹を操り人界を支配しようと目論む。竜堂兄弟と同じく、これから生まれるランバートの息子として転生するらしい。
- 欽ヒ(きんひ、ヒは「丕に鳥」)
- 共工に代わって派遣されてきた牛種の手先で、余の夢の中では「討逆都元帥」を名乗って水晶宮を攻めた。
用語
- 天界
- 仙界
- 人界
- 竜泉郷
- 牛種
- 天界において竜種と対立する一族。殷周革命は玉帝の命によって引き起こされた、竜種と牛種の代理戦争でもあった。
- 四人姉妹(フォー・シスターズ)
- ロックフォード、マリガン、ミューロン、デュパンの四大財閥の総称[11]。西側世界を経済的に支配しており、牛種とも繋がっている。
書籍情報
- 講談社ノベルス、新書版
- 創竜伝 1 超能力四兄弟(1987年7月29日発行) ISBN-10 ISBN 4-061813196 ISBN-13 ISBN 978-4061813199
- 創竜伝 2 摩天楼の
四兄弟 (1988年4月5日) ISBN-10 ISBN 4061813587 ISBN-13 ISBN 978-4061813588 - 創竜伝 3 逆襲の
四兄弟 (1988年11月5日) ISBN-10 ISBN 406181396X ISBN-13 ISBN 978-4061813960 - 創竜伝 4
四兄弟 脱出行(1989年4月5日) ISBN-10 ISBN 4061814249 ISBN-13 ISBN 978-4061814240 - 創竜伝 5
蜃気楼都市 (1989年12月26日) ISBN-10 ISBN 4061814591 ISBN-13 ISBN 978-4061814592 - 創竜伝 6
染血の夢 (1990年6月15日) ISBN-10 ISBN 4061814826 ISBN-13 ISBN 978-4061814820 - 創竜伝 7 黄土のドラゴン(1991年9月5日) ISBN-10 ISBN 4061815288 ISBN-13 ISBN 978-4061815285
- 創竜伝 8 仙境のドラゴン(1992年4月10日) ISBN-10 ISBN 406181611X ISBN-13 ISBN 978-4061816114
- 創竜伝 9 妖世紀のドラゴン(1994年11月25日) ISBN-10 ISBN 4061817949 ISBN-13 ISBN 978-4061817944
- 創竜伝 10 大英帝国最後の日(1996年5月16日) ISBN-10 ISBN 4061818643 ISBN-13 ISBN 978-4061818644
- 創竜伝 11 銀月王伝奇(1997年12月5日) ISBN-10 ISBN 4061819747 ISBN-13 ISBN 978-4061819740
- 創竜伝 12 竜王風雲録(2000年8月17日) ISBN-10 ISBN 4061821261 ISBN-13 ISBN 978-4061821262
- 創竜伝 13 噴火列島(2003年6月6日) ISBN-10 ISBN 4061823019 ISBN-13 ISBN 978-4061823013
- 創竜伝 14 月への門(2019年10月9日) ISBN-10 ISBN 4065173817 ISBN-13 ISBN 978-4065173817
- 創竜伝 15 旅立つ日まで(2020年12月23日) ISBN-10 ISBN 4065220637 ISBN-13 ISBN 978-4065220634
この内、「蜃気楼都市」と「銀月王伝奇」は本編と直接の関係が無い番外編、「竜王風雲録」は古代中国を舞台とした過去の話になっている。カバー・挿絵イラストは新書が天野喜孝、文庫版ではCLAMPが描いている。
他メディアへの展開
アニメ
キティ・フィルムと講談社の制作により、1991年~1993年に全12話のOVAとして発売。その後フジテレビ他一部放送局にて全話が放送された。原作1~4巻に相当するが、ラストは原作と異なる。
スタッフ
- 製作 - 多賀英典、村上光一、三樹創作
- 企画 - 落合茂一、岡正、鈴木良平
- プロデューサー - 田原正利、内田耕一、水尾芳正
- アシスタントプロデューサー - 角田研、木下雅弘
- 監督 - 出崎統、鹿島典夫、鳥海永行、御厨恭輔
- シリーズ構成 - 遠藤明範
- キャラクターデザイン - 村田俊治
- ゲストキャラクターデザイン - 前島健一
- メカデザイン - 佐山善則
- 美術 - 河野次郎、伊藤主計、田中資幸
- 美術設定 - 木村真二、田中精美
- 色指定 - 若菜陽子、遠藤浩、小暮優子、松下友紀子、木原悦郎、西村省吾
- 効果 - 井上裕
- 特殊効果 - 柴田睦子、干場豊、西山誠、木原悦郎
- 録音 - 室克己
- 編集 - 掛須秀一、吉田博、松尾浩、井上和夫、西出榮子
- 音響監督 - 明田川進
- レイアウト - 青木悠三
- スペシャルアニメーター - 板野一郎
- 音楽 - 難波弘之(サウンドトラック盤:ビクター音楽産業)
- アニメーション制作 - キティ・フィルム三鷹スタジオ
- 制作協力 - アウベック
- 制作 - キティ・フィルム、フジテレビ、講談社
主題歌
各話リスト
話数 | サブタイトル | 監督 | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 総作画監督 | 作画監督 | 美術監督 | 撮影監督 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 狙われた四兄弟 | 出崎統 | 遠藤明範 | さきまくら | うえだしげる | 村田俊治 | 谷口守泰 | 小林七郎 | 遠藤公祐 |
第2話 | 竜泉郷の伝説 | 外池省二 | 山口美浩 岡田聡(助手) |
- | |||||
第3話 | 黒竜王顕現 | あかほりさとる | 窪秀巳 | ||||||
第4話 | 東京湾狂騒曲 | 鹿島典夫 | 荒川稔久 | 窪秀巳 鹿島典夫 |
山口美浩 | 窪秀巳 | 窪秀巳 石丸賢一 | ||
第5話 | 華麗なる代理人 | 遠藤明範 | 白土武 | 川端蓮司 | 長野伸明 石丸賢一 |
月岡敦夫 | |||
第6話 | 摩天楼の紅竜王 | 渡辺誓子 | 石踊宏 篠幸裕 |
酒井伸次 | 宍倉敏 | 福田和矢 | 都島雅義 | ||
第7話 | 四兄弟の逆襲 | 鳥海永行 | あかほりさとる | 鳥海永行 | 玉野陽美 | 菊池城二 | 徳重賢 | ||
第8話 | 鋼鉄竜暴走 | 遠藤明範 | |||||||
第9話 | 烈風の白竜王 | ||||||||
第10話 | 四兄弟脱出行 | 御厨恭輔 | 神戸一彦 | 簧原雅人 | 御厨恭輔 | BEAK.EUN-HEE | HONG.SUNG-HWA KWAK.YOUNG-JIN |
LEE.HEUN-HO CHUN.HEUN-HO | |
第11話 | 天翔る青竜王 | 遠藤明範 | 青木悠三 | ||||||
第12話 | 天空の四竜王 | 簧原雅人 |
漫画
- 『水都の四兄弟 創竜伝・外伝』 作画・CLAMP
- 角川書店『ミステリーDX』1994年2月号~4月号にが連載されたが、諸事情により未完。
- 『創竜伝』 作画・恵広史
- 講談社『マガジンSPECIAL』2004年6月号~2006年1月号連載。単行本5巻(全20話)。英国でランバート・クラーク(共工)を倒して完結。4兄弟が覚醒する順番は原作と同様だが、終の覚醒場所、水地・虹川・蜃海と出会った状況、小早川奈津子が登場しないなど、異なる部分も多数ある。2014年に文庫版が全2巻で発売された。
ドラマCD
番外編である原作5巻相当分が1995年10月、原作1巻~4巻相当分が1996年10月~1997年6月に発売。前者と後者では発売元や声優などが異なる。レーベルは前者がアニメイトフィルム、後者がキングレコードとなっている。
朗読版
『銀河英雄伝説』や『アルスラーン戦記』など、田中芳樹作品を多数朗読化しているスマートフォンサイト「キクボン」にて、朗読版が配信されている。朗読者は下山吉光であり、公式の朗読とされている。
脚注
- ^ 初版では巻数を示す「1」は無く、単なる『創竜伝』だった。
- ^ とある作家秘書の日常: 新年のご挨拶より
- ^ とある作家秘書の日常: 『創竜伝』文庫版13巻が出ました。より
- ^ このことについては兄弟の父親「継(つなぐ)」が憤慨したとの逸話がある。
- ^ 原作では始。車も祖父から引き継いだ8年落ちの国産セダンで、首都高速に置いてきた際にも「まだ乗れたのに」という程度だった。
- ^ もっとも、兄弟そろって食べる量自体は大差ない。
- ^ 前述の誕生日からすると2年生なはずだが1年生とされている。
- ^ a b c 蜃(シン)、虹(コウ)、蛟(ミズチ)はいずれも竜の眷族であり、前世では竜王に仕える将軍であった(水池真彦の先祖は、江戸時代までは姓を「蛟」と書いていたとの事)。
- ^ 原作では竜泉郷の住人(女性)の血。恵広史のコミック版では司の左腕と右眼。
- ^ この噴火も牛種側の策略で起きた物。
- ^ モデルとなったのは、四大財閥の総称としてはセブン・シスターズ、各財閥はロックフェラー家、モルガン家(JPモルガン・チェース)、メロン財閥、デュポン。
関連項目
外部リンク
- らいとすたっふ - 田中芳樹のマネージメント、及び作品の著作権管理会社
- kikubon(キクボン)- 創竜伝の朗読版を配信中。