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[[バルト三国]]と呼ばれる[[エストニア]]・[[ラトビア]]・[[リトアニア]]では、ソ連からの独立以降急速に各民族語([[エストニア語]]・[[ラトビア語]]・[[リトアニア語]])が使用される機会が増えている。もちろんソ連崩壊後30年程しか経過しておらず、またロシア系住民が多い地域などではロシア語が今でも使われるが、ソ連時代と比べるとロシア語はそれほど使われなくなっていると言える。特にこの3カ国が[[2004年]]に[[欧州連合|EU]]に加盟してからは、[[英語]]や[[ドイツ語]]がより広く学ばれるようになっている。ただし、ソ連時代後期にロシア語人口がラトビア語人口を逆転するのではないかと言われたラトビアでは、独立回復後に制定した[[国籍]]法で国籍取得要件にラトビア語の習得を義務付けたという経緯がある。これによって多くのロシア系住民をロシアへ移住させる事に成功したが、国籍を与えられない[[残留ロシア人]]の権利が阻害されているとするロシア政府からの抗議を受け、さらに[[欧州委員会]]からもこの言語規定が市民の平等を定める[[欧州憲法]]に違反しているという指摘を受けた。2018年4月には、教育法が改正され、ロシア系住民が通う学校であっても、小学校は50%以上、中学校は80%、高校は100%の科目をラトビア語で教育することが義務付けられた<ref name="sankei1809">[https://www.sankei.com/smp/world/news/180929/wor1809290021-s1.html 旧ソ連圏で相次ぐ“ロシア語離れ” 反露感情、ロシアの地位低下を反映か]産経新聞 2018年9月30日</ref>。 |
2020年12月25日 (金) 23:07時点における版
ロシア語 | |
---|---|
русский язык | |
発音 | IPA: [ˈru.skʲɪj jɪ.ˈzɨk] |
話される国 |
ロシア アゼルバイジャン アルメニア ウクライナ ウズベキスタン エストニア カザフスタン キルギス タジキスタン ジョージア トルクメニスタン ベラルーシ モルドバ ラトビア リトアニア |
地域 | 東ヨーロッパ・北アジア・カフカス・中央アジア |
話者数 | 約1億8000万人 |
話者数の順位 | 8 |
言語系統 | |
表記体系 | キリル文字 (ロシア語アルファベット) |
公的地位 | |
公用語 |
ロシア アブハジア 南オセチア 国際連合 |
統制機関 | ロシア科学アカデミー[1] |
言語コード | |
ISO 639-1 |
ru |
ISO 639-2 |
rus |
ISO 639-3 |
rus |
ロシア語(ロシアご、русский язык、[ˈruskʲɪj jɪˈzɨk] ( 音声ファイル))は、インド・ヨーロッパ語族のスラヴ語派東スラヴ語群に属する言語。露語とも略される。ロシア連邦の公用語。ロシア連邦の国語表記には、キリル文字を使用する。近縁の言語にウクライナ語とベラルーシ語がある。
概要
ロシア語はヨーロッパで最も母語話者が多い言語であり、母語話者数では世界で8番目に多く、第二言語の話者数も含めると世界で4番目に多い。国際連合においては、英語、フランス語、中国語、スペイン語、アラビア語と並ぶ、6つの公用語の1つである。
歴史
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スラヴ祖語
聖キュリロス(キリル)と聖メトディオス
古ロシア語
ロシア語の起源については諸説あるが、東スラヴ人が使っていた古東スラヴ語(10世紀 - 15世紀)から発展したという説が最もよく知られている。13世紀にキエフ大公国が崩壊した後、ルーシの地はモンゴル帝国に支配(タタールのくびき)されており、現代ロシア語にも財政や金融に関わる単語を中心に、タタール語などのテュルク諸語やモンゴル語の影響が残っている。その後、北東ルーシの辺境(現在のヨーロッパ・ロシア)でモスクワ大公国が成立し、この国の公用語がロシア語として独自に発展していった。
ロシア帝国の時代には、1708年にピョートル1世によってアルファベットが単純化されたのを皮切りに、ロシア語の改革が盛んとなった。18世紀後半にはミハイル・ロモノーソフが初めてロシア語の文法書を著し、標準語の形成に大きく寄与した。19世紀初頭にはアレクサンドル・プーシキンによって近代的な文語が確立した。また、宮廷は西欧諸国を模範として近代化を進めたことから、大量の専門語彙がオランダ語、フランス語、ドイツ語などから取り入れられた。その一方で、当時の上流階級はフランス語を日常的に使用しており[1]、19世紀の小説(レフ・トルストイの『戦争と平和』など)はフランス語を交えて書かれた作品が多い。
ソ連時代
ソビエト連邦ではロシア語が事実上の公用語であり、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国を除くソビエト連邦構成共和国において共通語として機能していたが、公式には公用語は存在しなかった。レーニンがオーストロ・マルキシズムやカウツキーの影響のもと、1914年の論文『強制的な国家語は必要か?』において国家語の制定を批判した。また、自身も少数民族グルジア人の出自を持つスターリンも民族問題の専門家として民族語奨励政策を採用した結果、ソ連は、ロシア語をその崩壊にいたるまで正式な公用語の地位につけることはついになかった(ちなみに、オットー・バウアーから借用した「形式は民族的、内容は社会主義的な文化の建設」というスターリンのテーゼはまず言語問題にまつわる1925年の演説『母語による教育』において現れた)。それゆえ、ロシア語が公的に国家語化したのはロシア連邦成立後である[2]。
1918年には、アレクセイ・シャフマトフが準備していたアルファベット改革案がボリシェヴィキによって実行に移され、現在のロシア語の正書法が成立した。ただし、Ёはこの時点でまだ正式なアルファベットとして認められておらず、正式に組み入れられたのは1942年のことである。なお、1964年にもソ連科学アカデミーによって正書法の改革案が作られたが、こちらは実施されなかった。
ソ連崩壊後
1991年末のソビエト連邦の崩壊で、ソ連を構成していた各共和国はそれぞれ独立し、それまでロシア語との併用という形を採っていたそれぞれの民族語が第一の公用語へと昇格したが、その後の言語状況に関しては様々である。
バルト三国と呼ばれるエストニア・ラトビア・リトアニアでは、ソ連からの独立以降急速に各民族語(エストニア語・ラトビア語・リトアニア語)が使用される機会が増えている。もちろんソ連崩壊後30年程しか経過しておらず、またロシア系住民が多い地域などではロシア語が今でも使われるが、ソ連時代と比べるとロシア語はそれほど使われなくなっていると言える。特にこの3カ国が2004年にEUに加盟してからは、英語やドイツ語がより広く学ばれるようになっている。ただし、ソ連時代後期にロシア語人口がラトビア語人口を逆転するのではないかと言われたラトビアでは、独立回復後に制定した国籍法で国籍取得要件にラトビア語の習得を義務付けたという経緯がある。これによって多くのロシア系住民をロシアへ移住させる事に成功したが、国籍を与えられない残留ロシア人の権利が阻害されているとするロシア政府からの抗議を受け、さらに欧州委員会からもこの言語規定が市民の平等を定める欧州憲法に違反しているという指摘を受けた。2018年4月には、教育法が改正され、ロシア系住民が通う学校であっても、小学校は50%以上、中学校は80%、高校は100%の科目をラトビア語で教育することが義務付けられた[3]。
モルドバにおいては、ロシア語が国内共通語と法定されてきたが、2018年6月に失効が確認された[3]。
また、ロシア影響圏からの離脱を模索するウクライナやジョージアでも、ロシア語ではなくウクライナ語やグルジア語がより広範に使われている。ウクライナでは、西部を中心に従来よりほとんどウクライナ語のみが使用されている地域がある一方で、ウクライナ語とロシア語両方が使われている地域もあり、また東部やクリミア半島ではロシア語の使用者が大勢である地域もあり、地域によっては将来的にもロシア語は当分使われ続けると推定されている。一方で、都市部を中心に伝統的にウクライナ語とロシア語の混交が起こっていたが、ソ連の崩壊以降、それまでロシア語が優勢であった地域を中心にウクライナ語にロシア語の要素が混じった「スールジク(混血)」と呼ばれる混交言語が広まりを見せている。現在でも、ウクライナ西部を除く広範囲でロシア語は使用、理解されており、ロシア語をウクライナ語に次ぐ第二公用語に加える動きもあるなど、今までのロシア語排除の動きから転換点を迎えようとしている。
ジョージアもまた長年ロシア語による支配を受けてきた国であった。ジョージア政府はロシア語教育を廃止し、ロシア語読みに基づいた国名である日本語の「グルジア」を英語読みの「ジョージア」に変更することを要請しており(グルジア語名では「サカルトヴェロ」)、日本政府も承諾している。また、ロシアに多くのジョージア人が住んでいることなどからロシア語は今でもよく使われている。
それ以外の地域に関しては、今でもロシア語が幅広く使われ続けている。ベラルーシやカザフスタン・キルギス・ウズベキスタン・トルクメニスタンなどでは非ロシア人でもロシア語しか喋れない人も多く、また多民族が入り混じって生活する中央アジア諸国では、ロシア語が民族を超えた共通語として使われている。カフカース地域、及びモルドバでも、現地人同士の日常会話には現地語が用いられることが増えてきたものの、ロシア語で会話する人々は少なくない。なお、ロシアとの統合に積極的なアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の独裁体制が続くベラルーシでは、ベラルーシ語とロシア語が公用語に指定されているが、隣国ウクライナとは逆にロシア語使用が奨励され、本来の民族語であるベラルーシ語が軽視される傾向にある。
ポーランドやブルガリアなど旧共産圏諸国では、共産主義体制ではロシア語が広く学習されていたが、民主化後は英語やドイツ語(歴史的にはチェコやハンガリーなど、オーストリア帝国の支配下にあった国も少なくない)など西欧の言語に押されて、ロシア語学習は下火になった。またバルト三国や東側諸国はハンガリー動乱やプラハの春などでソ連軍による民主化弾圧などがあったために、かつて第一外国語だったロシア語を使う事も拒んでいる者もいる。
一方、ウラジーミル・プーチン政権で経済の立て直しに成功したロシアがBRICsと呼ばれる経済成長地域の一つに加わり、天然資源を核にした諸外国との経済関係が再び拡大すると共に、ロシア語の需要は再び高まりつつある。バルト三国などでもロシア語に対するマイナスイメージもソ連時代を経験していない若い世代を中心に徐々に薄れてきており、ロシア語は英語やドイツ語などと共に、ビジネスなどで必要な言語ととらえる人も増えてきている。また、宇宙開発においては国際宇宙ステーションの公用語になるなど、英語と並んで必要不可欠な言語の1つとなっている。
ロシア国内では急速な資本主義化や新技術の導入に伴い、今まで存在しなかった概念や用語が大量に導入された。これにロシア語の造語能力が追いつかず、特に英語を中心とした外来語がそのままロシア語に導入される例が多くなっている。
- 例:コンピュータ - ロシア語では外来語のкомпьютер(カンピユーテル)がスラヴ語的なвычислитель(ヴィチスリーチェリ=数字出力物)より頻出。компьютерでは本来のロシア語発音では「イェ」になる「е」が「エ(э)」と発音される点にも、外来語的な特徴がよく表れている。
各国におけるロシア語の状況
公用語
【事実上独立した地域】
【国際機関】
日本
18世紀には、すでに「北槎聞略」という書物があり、「大黒屋光太夫」の口述による、キリル文字、一部のロシア語の単語、文などの記載も見られる[4]。本格的なロシア語研究が始まるのは、1804年から1811年にロシア使節からもたらされた公文書の翻訳が必要となった江戸幕府の命により、蘭語通詞の馬場貞由(左十郎)らがゴローニン事件によって松前藩に幽閉されていたヴァシーリー・ゴロヴニーンから学んだのが最初[5]。
1868年に成立した明治政府は文明開化政策の規範を欧米諸国に取り、イギリス・ドイツ・フランス・アメリカなどから多くの技術や思想を導入したが、西欧よりも産業発展が遅れていたロシアはその対象から外れたため、通常の学校教育での採用では英語・ドイツ語・フランス語に次ぐものとして扱われた。その中で東京外国語学校では1873年の第一次創設から魯(露)語学科が設置され[6]、東京商業学校への統合を経て1899年に再設置されると二葉亭四迷が露語学科の教授として就任して、同校はロシア語やロシア文学の研究拠点となっていった。また、開港地としてロシア領事館が置かれた函館などから布教が広がった日本ハリストス正教会もキリスト教(正教会)の聖職者育成とともにロシア語教育が重視され、ゴロヴニーンの『日本幽囚記』で日本に興味を持ったニコライ(イヴァン・カサートキン)が日本大主教としてロシアから派遣された後の1891年に建設された東京復活大聖堂(ニコライ堂)に設けられた正教神学校では昇曙夢が活躍して、自身を含んだロシア文学研究者の育成に貢献した。
一方、南下政策をとるロシア帝国は大日本帝国にとって仮想敵国の筆頭にあり、実際に1904年からは日露戦争も戦われ、1905年からは陸上国境で接するようになったため[7]、日本軍にとってロシア語を習得する必要は一貫して高く、陸軍の教育機関である陸軍幼年学校や陸軍大学校、海軍の海軍大学校ではロシア語が科目に含まれた。陸軍の東郷正延や海軍の井桁貞敏らは第二次大戦後のロシア語教育でも大きな役割を担った。
1920年には早稲田大学文学部に露文学科が設置され[8][9]、1921年設立の大阪外国語学校[10]や1925年設立の天理外国語学校[11]でも当初からロシア語の学科が置かれたが[12]、1917年に起こったロシア革命の結果でソビエト連邦が成立すると日本とは新たな緊張関係が生まれた。ソ連の国家イデオロギーである社会主義や共産主義は天皇制を報じる日本では危険思想とみなされ、その事実上の公用語であるロシア語学習者は「アカ」などの蔑称で呼ばれることが多く、1937年には早稲田大学の露文学科が閉鎖された[8]。また正教会はロシア本国ではソ連政府による弾圧、日本ではソ連(ロシア)への利敵者とみなされる偏見という二重の苦境に立ち、その影響力とともにロシア語教育への余力も減退した。一方、日本が勢力を伸ばした満州では実務面でもロシア語教育の必要性が高く、1920年にハルピン市に設置された日露協会学院は後にハルピン学院となり、1940年からは満州国立大学となったが、1945年8月のソ連対日参戦とそれに続く第二次世界大戦での日本の敗北で消滅した。赤軍(ソビエト連邦軍)に降伏した日本軍の将兵はシベリア抑留の対象となってソ連国内[13]の収容所に連行されて、赤軍が進駐した満州や朝鮮半島北部、ソ連が日本からの領土編入を宣言したサハリン南部(南樺太)や千島列島南部[14]ではソ連軍人や一般国民と混住状態になった日本人が日常的にロシア語を使う状況となったが、民間人は一部の残留者を除いて1948年までに日本へ帰国し、シベリア抑留者の送還も1956年に終了して、この状態は短期間で終わった。
1946年に早稲田大学の露文学科は再開され[8]、1949年にはソ連との友好促進を目指す民間団体として(旧)日ソ親善協会が設立されてロシア語教室が開催されるなど、戦後のロシア語教育は東西冷戦の影響も受けながら徐々に拡大された。1956年10月に日ソ共同宣言で両国間の国交回復が決まると同年11月からNHKラジオでロシア語講座が開講され、1957年には同年に日ソ親善協会から改称した日ソ協会系の日ソ学院によってロシア語能力検定試験が開始された。同年はスプートニク1号による史上初の宇宙飛行も行われ(スプートニク・ショック)、ソ連の高い自然科学力を背景にした理工系教員からの要望を受けて1962年には東京大学の教養学部に在籍する1年生と2年生の一部を対象にロシア語が第二外国語に加えられ[15]、ソ連政府からの独立性を維持した正教会系のニコライ学院を含め、高等・専門教育ではロシア語教育の機会が増えていった。
1960年代までは上記のようにロシア語の研究論文を読む必要がある自然科学系の研究者、共産主義を支持する人々を中心にロシア文化への関心は比較的高かったが、レオニード・ブレジネフ体制下でのソ連文化の硬直化や科学技術の停滞、中ソ対立などにも影響された日本共産党や日本社会党などの日本の左派(革新)政党とソ連共産党の関係の混乱などを背景にソ連(ロシア)への関心は低下した。1985年にソ連で始まったペレストロイカによって経済交流や文化的関心は高まり、ロシア語学習者も一時的に増加したが、1991年のソ連崩壊前後の経済混乱はその熱を冷まし、1996年には19世紀からの伝統を持っていたニコライ学院が閉校に追い込まれた[16]。
その後は日ソ学院が改称してロシア語能力検定試験の主催を続ける東京ロシア語学院や、こちらも改称しながら同学院との友好関係を維持する日本ユーラシア協会の独自講座、ロシア連邦教育科学省の認定試験として日本対外文化協会が窓口となって行われているロシア語検定試験(ТРКИ)、各大学で続けられるロシア語・ロシア文学関係の講座、それにNHKの語学番組改革の中で2017年からEテレで始まった「ロシアゴスキー」やラジオ第2放送の「まいにちロシア語」の放送などで日本におけるロシア語教育が継続されているが、放送大学におけるロシア語講座開設が2007年度限りで終了するなど、その退潮傾向は続いている。
ロシアとの交流は北海道や日本海側の一部の地域を除くと盛んではなく、経済的なつながりも中国や韓国、アメリカ合衆国より薄い。そのため、日本(特に西日本)においてロシア語の重要性は低い。英語や中国語、朝鮮語に比べて語学教材も恵まれておらず、改訂も進まない結果、内容がソ連時代のままである教材も少なくない。
しかし、上記のように第二次世界大戦後も日本とソ連は軍事的対立が続き、冷戦終結とソ連崩壊後も日ロ間では領土問題などでの対立が残ったほか、漁船操業や国際協力などでの実務的必要もあることから、海上保安庁では第二外国語として中国語・朝鮮語と並びロシア語が学ばれており、自衛隊でも第二外国語として学ばれているほか、北海道の一部の高校では地理的に近いということもありロシア語の授業が行われている。さらに稚内や根室、紋別や新千歳空港ではロシア語表記の看板が見られるなど、隣国としてのロシアの姿が実感できる。同様に、新潟東港を通じての対ロ貿易の日本海側拠点である新潟市でも日本語の他英語とロシア語を併記した看板を見ることができる。新潟市ではこれ以外にもロシア語スピーチコンテストを行うなどしている。同じく対露貿易の多い富山県伏木富山港周辺でもロシア語表記の看板が見られ、新潟県や富山県でもロシア語の授業を開講する高校がある。
使用話者が多いためか、今でも日本の多くの大学の第二外国語でロシア語を学ぶことができるものの、日本人(特に西日本在住者)でロシア語を学ぶ人々は少ない。
ロシア語の学科がある主な大学は以下の通り。このうち1994年に設立されたロシア極東連邦総合大学函館校は他校とは違って日本の教育制度の中では専修学校として扱われ、外国大学の日本校として指定されている。一方、ロシアではウラジオストクにある極東連邦大学の正式な分校として扱われ、本校への留学も含んだロシア語教育が重点的に行われている。
- 札幌大学
- 筑波大学
- 上智大学
- 津田塾大学
- 東京外国語大学
- 創価大学
- 新潟国際情報大学
- 静岡県立大学
- 中京大学
- 富山大学
- 大阪大学
- 同志社大学
- 京都産業大学
- 京都外国語大学
- 神戸市外国語大学
- ロシア極東連邦総合大学函館校
旧ソ連圏
ウクライナ東部や南部(クリミア半島も含む)ではロシア語が広く使われている。ヨーロッパ連合加盟国となったラトビア、エストニア、リトアニアなどの旧ソ連諸国でも、公用語にこそなっていないもののロシア系住民を中心に広く使われているがEUの公用語には加わっていない。2018年には、ロシアに対する反感や地位低下を背景に、ウクライナ、ラトビア、モルドバ、そしてカザフスタンでロシア語離れの動きがあるとも報じられている[17]。
イスラエル
1999年のデータではイスラエルへの旧ソ連からの移民は75万人にのぼり、ロシア語のテレビ・ラジオ放送局もある。イスラエルの公用語はヘブライ語だけだが公用語ではない英語にならび移民の影響でロシア語も広く使われている。
文字
ロシア語では以下の33個のキリル文字が用いられている。音価は固有語におけるもののみに限って紹介するが、外来語の中では延長線上の軟音化・硬音化が行われる場合もある。またロシア語における母音弱化は非常に複雑な変化をもたらすため、この表では概ねそれに触れない。
大文字 | 小文字 | 文字の名称 (ロシア語) |
文字の名称 (ラテン文字転写) |
文字の名称 (読み) |
硬音 音価 (IPA) |
軟音 音価 (IPA) |
発音上の注意等 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
А | а | а | a | ア | /a/ | Яに 同じ |
|
Б | б | бэ | be | ベ | /b/ | /bʲ/ | |
В | в | вэ | ve | ヴェ | /v/ | /vʲ/ | 語末では [f] と発音 またしっかりしていない発音では特に母音に挟まれた в は「ワ」に似たような音価 [ʋ] などで発音されることがある |
Г | г | гэ | ge | ゲ | /g/ | /gʲ/ | 形容詞・代名詞の活用の語尾の中では в と読むものがある また特定の感動詞や教会スラブ語由来の言葉では伝統的に [ɣ] で発音される |
Д | д | дэ | de | デ | /d/ | /dʲ/ | 軟音は実際に舌端音の [d̻ʲzʲ] といったように発音される |
Е | е | е | je | イェ | Эに 同じ |
/je/ | 「イェ」に近い 外来語では不規則的に子音後で硬音化するものがある |
Ё | ё | ё | jo | ヨ | Оに 同じ |
/jo/ | 「ヨ」に近い(母音の実際の音価は [ɵ] ) 多くの場合トレマ無表記で E と同じく書かれるが読み方には影響しない |
Ж | ж | жэ | zhe | ジェ | /ʐ/ | - | そり舌気味で発音される [z] 日本語にないが、例えば中国語の「肉」(ròu) の発音 [ʐoʊ̯˥˩] の [ʐ] はこれに近い ※正書法における жж や зж は伝統的に別の、唯一固有の文字を持たない基本音素 /ʑː/ を表すものが多い(例: жжет [ʑːɵt]、езжу [ˈjeʑːʊ]、但し разжать 等はこの音素を含んでいないため [rɐˈʐːatʲ])。20世紀以来に本来 [ʑː] と読むべきところを「書かれたまま」 [ʐː] と読むのが普及したため、この音素はロシア語話者の間では珍しくなっている。日本語に喩えて音を説明すると「家事」[ka̠ʑi] の [ʑ] がやや長めに発音された感じになる。 |
З | з | зэ | ze | ゼ | /z/ | /zʲ/ | 同じスラヴ語派のポーランド語と違って軟音化のときは [zʲ] になる程度であって、日本語の「家事」[ka̠ʑi] における子音 [ʑ] にまでなることはない |
И | и | и | i | イ | Ыに 同じ |
/i/ | |
Й | й | и краткое | i kratkoje | イ クラトコイェ[18] | - | /j/ | 半母音の [j](短い「イ」)[19] |
К | к | ка | ka | カ | /k/ | /kʲ/ | 日本語と違って、「き」が「ち」のような発音 [ci] になるといった訛り方に相当する現象はロシア語には存在せず、ロシア語話者にもっぱら ть や ч に聞こえ誤解を招き得る |
Л | л | эль | el' | エル | /ɫ/ | /lʲ/ | 硬音はアメリカ英語の L の発音に、軟音はイタリア語・フランス語・ドイツ語における L の発音にそれぞれ似ている |
М | м | эм | em | エム | /m/ | /mʲ/ | |
Н | н | эн | en | エヌ | /n/ | /nʲ/ | 硬音は常に、環境によらず「ナ」の子音 [n] であり、日本語の「ン」とは実際にかなり違う 特に多くの言語とは対照的に [ŋ] になることさえない |
О | о | о | o | オ | /o/ | Ёに 同じ | アクセントがない場合は a と同じく発音する(ただし радио [ˈradʲɪo] のような例外もある) |
П | п | пэ | pe | ペ | /p/ | /pʲ/ | |
Р | р | эр | er | エル | /r/ | /rʲ/ | 巻き舌 [r] で発音される。軟音化すると口蓋化した [rʲ] になり、発音の仕組みの特徴から [r] に対して [rʲ] は若干ふるえにくい。 |
С | с | эс | es | エス | /s/ | /sʲ/ | 同じスラヴ語派のポーランド語と違って軟音化のときは [sʲ] になる程度であって、日本語の「シ」の子音 [ɕ] にまでなることはない |
Т | т | тэ | te | テ | /t/ | /tʲ/ | 軟音は実際に舌端音の [t̻ʲsʲ] といったように発音される |
У | у | у | u | ウ | /u/ | Юに 同じ | 日本語の「う」よりも口を丸めて発音 |
Ф | ф | эф | ef | エフ | /f/ | /fʲ/ | 英語や中国語にも見られる音声 [f] 日本語の「フ」の子音 [ɸ] ではない 文字としてもっぱら外来語に登場する |
Х | х | ха | kha | ハ | /x/ | /xʲ/ | 「カ」のように発音される「ハ」であるが、軟音化すると日本語の標準的な「ヒ」の子音とさほど変わらない |
Ц | ц | цэ | tse | ツェ | /ʦ/ | - | 「ツァ」「ツ」「ツォ」 |
Ч | ч | че | che | チェ | - | /ʨ/ | 「チャ」「チュ」「チョ」 |
Ш | ш | ша | sha | シャ | /ʂ/ | - | そり舌気味で発音される [s]。日本語にないが、例えば中国語やサンスクリット(梵語)における音素 /ʂ/ はこのような音である(例: 中国語「上海」shànghǎi [ʂâŋ.xài]、梵語 कृष्ण [ˈkr̩ʂɳɐ] 「クリシュナ」などの [ʂ] ) |
Щ | щ | ща | shcha | シシャ(シチャ) | - | /ɕː/ | 「ッシ」(「シ」の子音 [ɕ] に似ているが、やや長め) |
Ъ | ъ | твёрдый знак | tvjordɨj znak | トヴョルドゥイズナク | - | - | 硬音記号、非口蓋化する[20][21] |
Ы | ы | ы | ɨ | ウィ | /ɨ/ | - | カタカナ表記にも関わらず、あくまで「イ」でも「ウ」でもない単純母音である 日本語に無く、例えば中国語の「吃」(chī) の発音 [tʂʰɨ˥] の母音 [ɨ] はこのような音である |
Ь | ь | мягкий знак | mjagkij znak | ミャグキイズナク[22] | - | - | 軟音記号、口蓋化する[20][23] |
Э | э | э | e | エ | /e/ | - | 日本語の「え」よりも広めに発音される(実際の音価は [ɛ] ) 文字としては主に外来語に使用 |
Ю | ю | ю | ju | ユ | Уに 同じ |
/ju/ | 「ユ」 両側に軟子音に挟まれてはさらに軟母音化して [ʉ] と発音 |
Я | я | я | ja | ヤ | Аに 同じ |
/ja/ | 「ヤ」 両側に軟子音に挟まれてはさらに軟母音化して [æ] と発音 |
アクセント・発音
- 日本語のアクセント(高低アクセント)とは異なり、強弱アクセントである。アクセントのある音は長く、強く発音する。
- 疑問詞のない疑問文では、一番聞きたい部分の単語のアクセントでイントネーションを上げて発音する。
- Wの音素が無く、Vの音素で置き換えられる。ただし発音のまま文字があてられたものもある。(例:Туалет トゥアリェートゥ←toilette(フランス語より))
- 子音йは通常、母音の後以外には置かないが、特に外来語では Йокога́ма(ヨコガマ=横浜)のように単語の先頭に置くこともある。
- 軟子音・母音(口蓋化した発音)と硬子音・母音(口蓋化のない発音)が明確に区別される。
- 硬子音の前の軟子音は硬音化し、軟子音と前と単語の末尾にある硬子音は軟音化する。但し、接続詞や助詞は直後の単語と連結して発音される。
- ёには必ずアクセントがある(アクセントがなくなった場合、文字上はеに変化する)。
- у以外の母音はアクセントが無いと音が弱化する。アクセントの前後、位置で音は変わる。а, оは[ə]、иとэは[ɪ](и скло́нно к э「イがエに傾く」)、яとеは[jɪ]になる(ただし、厳密には音節によって弱化の度合いが異なり、従って実際の発音も異なる)。そのため、アクセントのない о, е はそれぞれ「ア」、「イ」のように聞こえる(例: хорошо́ ハラショー)。ロシアにおける標準語の発音とされるが、元はモスクワの方言であり、地方や個人によっては о, е をそのまま「オ」、「イェ」で発音することもある。また、е, и の発音が「ヤ」気味になる方言が存在する。
- 西欧語にはない [zn] や [nr] など、子音連続が多様である
- 例: зна́ние [zna-](知識)
- 語頭に現れるもの
- зв, зд, зн, зл, зм, зр, мгл, мгн, мл, мн, нр... など
- 一部の子音は派生語などで規則的に別の子音に変化する。
- г - ж など
- 音素[j]は母音が後に続き、かつアクセントがある場合、摩擦音が生じ[ʝ]で発音される傾向がある。
- 正書法の規則により、г ,к, х, ж, ч, ш, щ の後には я, ы, юを置かず、代わりにそれぞれ а, и, у を用いる。ただし、この規則が適用されないケースもある。
文法
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文
主語がない無人称文(ru:Безличные предложения)がある。無人称文では意味上の主語は与格で表される。
不定人称文(ru:Неопределённо-личные предложения)では動詞は三人称複数となる。
普遍人称文(ru:Обобщённо-личные предложения)では動詞は二人称単数となる。
名詞
名詞は、男性、中性、女性の3つの性に分かれている。ロシア語の名詞は、例外はあるものの総じて、男性名詞(単数)は子音、-й, ьで、女性名詞は-а, -я, -ь で、中性名詞は-о, -е, -мяで終わる。そのため、名詞の性の判別が比較的容易である。これに加えて名詞は言葉の意味によって、人や動物を表す活動体とそれ以外のものを表す不活動体に分けられる。
数は、複数形の場合、男性及び女性名詞は語尾の硬・軟で-ыと-иで終わり、中性名詞は-аと-яで終わる。歴史的には、他にハサミやズボンなど、二つ一組のものに用いられる組数(双数)があったが、現在は数詞との結合の中にその痕跡を残すのみである。
名詞の格は主格、生格、与格、対格、造格、前置格の6種類である。一部には呼格(例:Боже! 神よ!)、処格、物主格(притяжательный падеж)、分離格(разделительный падеж)が残る。格変化は語尾によって表され、性・数・体に合わせて変化を見せる。例外的に語尾が変化しない名詞もあるが、ほとんどは語順で格を示す必要がないため、語順は比較的自由に変えられる。
他にも大きな特徴として出没母音がある。これは語形変化に合わせて出現あるいは消滅する母音であり、主にо, еが用いられる。例えば、пирожок(ピロシキ)を複数形にすると、最後のоが消滅してпирожкиになる。
名詞の格変化の基本パターンは以下の通りであるが、重音の移動、出没母音や正書法の制約などによる不規則変化も多いほか、外来語などに不変化の名詞もある。
語尾は子音(самолёт 飛行機) | 語尾は子音(студент 男子大学生) | 語尾は -й(музей 博物館) | 語尾は -ь(словарь 辞書) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | |||||
主格 | самолёт | самолёты | студент | студенты | музей | музеи | словарь | словари | ||||
生格 | самолётa | самолётов | студентa | студентов | музея | музеев | словаря | словарей | ||||
与格 | самолёту | самолётaм | студенту | студентaм | музею | музеям | словарю | словарям | ||||
対格 | самолёт | самолёты | студентa | студентов | музей | музеи | словарь | словари | ||||
造格 | самолётом | самолётaми | студентом | студентaми | музеем | музеями | словарём | словарями | ||||
前置格 | самолёте | самолётaх | студенте | студентaх | музее | музеях | словаре | словарях |
語尾は -а(машина 車) | 語尾は -а(рыба 魚) | 語尾は -я(станция 駅) | 語尾は -ь(тетрадь 手帳) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | |||||
主格 | машина | машины | рыба | рыбы | станция | станции | тетрадь | тетради | ||||
生格 | машины | машин | рыбы | рыб | станции | станций | тетради | тетрадей | ||||
与格 | машине | машинам | рыбе | рыбам | станции | станциям | тетради | тетрадям | ||||
対格 | машину | машины | рыбу | рыб | станцию | станции | тетрадь | тетради | ||||
造格 | машиной | машинами | рыбой | рыбами | станцией | станциями | тетрадью | тетрадями | ||||
前置格 | машине | машинах | рыбе | рыбах | станции | станциях | тетради | тетрадях |
語尾は -о(вино ワイン) | 語尾は -е(море 海) | 語尾は -мя(имя 名前) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | ||||
主格 | вино | вина | море | моря | имя | имена | |||
生格 | вина | вин | моря | морей | имени | имён | |||
与格 | вину | винам | морю | морям | имени | именам | |||
対格 | вино | вина | море | моря | имя | имена | |||
造格 | вином | винами | морем | морями | именем | именами | |||
前置格 | вине | винах | море | морях | имени | именах |
数詞とそれに関連する名詞は特殊な変化をみせる。1 は単数主格だが、2-4 は単数生格、5以上が複数生格をとる。2-4 の単数生格は古い双数形の名残りである。
男性名詞(сантиметр センチ) | 女性名詞(деревня 村) | 中性名詞(яблоко リンゴ) | 複数名詞(сани 橇) | |
---|---|---|---|---|
1 | один сантиметр | одна деревня | одно яблоко | одни сани |
2 | два сантиметра | две деревни | два яблока | двое саней |
5 | пять сантиметров | пять деревень | пять яблок | пятеро саней |
12 | двенадцать сантиметров | двенадцать деревень | двенадцать яблок | двенадцать саней |
22 | двадцать два сантиметра | двадцать две деревни | двадцать два яблока | двадцать двое саней |
人称代名詞
単数 | 複数 | 再帰 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
一人称 | 二人称 | 三人称 | 一人称 | 二人称 | 三人称 | ||||||||
男性 | 女性 | 中性 | |||||||||||
(日本語) | 私 | 君 | 彼 | 彼女 | それ | 私たち | あなた、あなたたち | 彼ら、彼女ら、それら | 自分自身 | ||||
主格 | я | ты | он | она | оно | мы | вы | они | |||||
生格 | меня | тебя | его | её | его | нас | вас | их | себя | ||||
与格 | мне | тебе | ему | ей | ему | нам | вам | им | себе | ||||
対格 | меня | тебя | его | её | его | нас | вас | их | себя | ||||
造格 | мной (мною) |
тобой (тобою) |
им | ей (ею) |
им | нами | вами | ими | собой (собою) | ||||
前置格 | мне | тебе | нём | ней | нём | нас | вас | них | себе |
- его の г は「в」と発音する。
- 三人称の生格・与格・対格・造格は、前置詞があると、前に н を付けることがある(例:у него、с неё)。
敬称としての вы は、文中でも Вы のように大文字で書き始めることがある。なお、ロシア語ではほとんどの動詞が語尾から人称と数がわかるので、特に必要がなければ主格人称代名詞は省略できる(例:Читаю книгу. 「(私は)本を読む」)。
動詞
動詞は1回限りの動作や、その開始と終了がはっきりと意識できるひとまとまりの動作など(日本語で言えば「食べてしまう」「読み切る」のような)を表す完了体(совершенный вид)と、進行・継続・反復する動作または動作そのものなど(「食べている」「読む」のような)を表す不完了体(несовершенный вид)(未完了体とも)の2つの体(相 (言語学)参照)に分類され、多くの動詞で対になっている。一部には対になる体をもたないものや、完了体でもあり不完了体でもあるものなど、変則的な動詞も存在しているが、いずれにも属さない動詞は存在しない。
時制は、単純に過去・現在・未来の3つだけである。基本的に全ての動詞は過去形と現在形しかもたない(唯一の例外は英語のbe動詞に当たる быть であって、過去形・現在形・未来形の3形態をもつ)。現在形は主語の人称・数により、過去形は性・数によって変化する。未来形は完了体と不完了体で表現の方法が異なり、完了体の場合は、その現在形がそのまま意味上の未来を表すのに対し、不完了体では助動詞 быть の未来形との結合で表される。
動詞の過去形の語形変化の基本パターンは1つしかないが、不規則なものがある。
一般(читать 読む) | 特殊(идти 行く) | 語尾は -ся(строиться 建設する) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | ||||
男性 | он читал | они читали | он шёл | они шли | он строился | они строились | |||
女性 | она читала | она шла | она строилась | ||||||
中性 | оно читало | оно шло | оно строилось |
動詞の現在形の語形変化の基本パターンは2種類があるが、不規則なものも多い。
第一式変化(читать 読む) | 第二式変化(смотреть 見る) | 語尾は -ся(строиться 建設する) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
単数 | 複数 | 単数 | 複数 | 単数 | 複数 | ||||
一人称 | я читаю | мы читаем | я смотрю | мы смотрим | я строюсь | мы строимся | |||
二人称 | ты читаешь | вы читаете | ты смотришь | вы смотрите | ты строишься | вы строитесь | |||
三人称 | он/она/оно читает | они читают | он/она/оно смотрит | они смотрят | он/она/оно строится | они строятся |
単数 | 複数 | |
---|---|---|
一人称 | я буду | мы будем |
二人称 | ты будешь | вы будете |
三人称 | он/она/оно будет | они будут |
コピュラ動詞(…である)быть の現在形は基本的には明示されない(例:Я чайка. 「私はかもめ」)。かつては、主語の人称と数に一致した быть が用いられていたが、そのような機能は現在の быть からはほぼ完全に失われており、現在形が用いられる局面は、所有を表す場合に限定されると言っても過言ではない。その際には、所有される側が文法的な主語に当たるので、быть の三人称単数形 есть(例:У меня есть сын.「私には息子がいる(私の許には息子がいる)」)を用いることになる。所有される側が複数の場合、以前は быть の三人称複数形に当たる суть を使用していたが、現在では数に関係なく есть を使う傾向にあるようである。
さらに、есть は存在だけを問題としているので、存在することが前提となっている場合は不要になる(例:У меня маленький сын. 「私には小さな息子がいる」→息子の有無についてではなく、それがどのような息子なのかが問題となっている)。
なお、否定の表現(…がない、…がいない)は нет を使い、存在を否定する名詞を生格に変える(例:У меня нет сына. 「私に息子はいない」)。この нет は、не есть の音便形であり、"Да(はい)"、"Нет(いいえ)" の "Нет" とは、別物である。
動詞が変化したものとして形動詞(西欧語の分詞のように形容詞の働きをする)や副動詞(副詞の働き)がある。ся動詞と呼ばれる一群の動詞(語尾に再帰代名詞 ся がつく)はフランス語などの再帰動詞と同様に用いられ、また相互の動作や受動表現にも用いられる。
第一式変化(читать / прочитать 読む) | 第二式変化(смотреть / посмотреть 見る) | 語尾は -ся(строиться / построиться 建設する) | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
不完了体 | 完了体 | 不完了体 | 完了体 | 不完了体 | 完了体 | ||||
能動形現在 | читающий | смотрящий | строящийся | ||||||
能動形過去 | читавший | прочитавший | смотревший | посмотревший | строившийся | построившийся | |||
受動形現在 | читаемый | смотримый | |||||||
受動形過去 | прочитанный | посмотренный | |||||||
прочитан | посмотрен | ||||||||
副動詞 | читая | прочитав | смотря | посмотрев | строясь | построившись |
形容詞
形容詞は名詞と同様に性・数・格によって変化し、限定的用法(名詞につく場合)はそれらが一致する。叙述的用法では語尾が短い「短語尾形」も用いられる。
格変化
形容詞の格変化の基本形は以下の通りである。なお、ロシア人の形容詞型の姓(チャイコフスキー、トルストイなど)も同じ格変化になる。
単数 | 複数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 中性 | ||||
主格 | новый | новая | новое | новые | ||
生格 | нового | новой | нового | новых | ||
与格 | новому | новой | новому | новым | ||
対格 | новый または нового | новую | новое | новые または новых | ||
造格 | новым | новой | новым | новыми | ||
前置格 | новом | новой | новом | новых | ||
短語尾形 | нов | нова | ново | новы |
単数 | 複数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 中性 | ||||
主格 | синий | синяя | синее | синие | ||
生格 | синего | синей | синего | синих | ||
与格 | синему | синей | синему | синим | ||
対格 | синий または синего | синюю | синее | синие または синих | ||
造格 | синим | синей | синим | синими | ||
前置格 | синем | синей | синем | синих | ||
短語尾形 | синь | синя | сине | сини |
- 男性および複数の対格は、名詞が活動体であれば生格と同じになり、不活動体であれば主格と同じになる。
方言
- 北部の方言
- 中部(中間)の方言
- 南部の方言
- その他
ロシア領時代からアラスカに残存するロシア語方言
アラスカがロシアの領土であった時代にニニルチク(露: Нинилчик)村に定住して現地の民族と融合したロシア人は、1867年のアラスカ購入以降ロシアとの接触が減少し、さらには1917年の十月革命によるロシアの共産化によって接触機会が完全になくなったため、標準語のロシア語から完全に隔離された状態で約100年にわたって独自の発達を遂げてきた。シベリアの方言、英語、エスキモー諸語、アサバスカ諸語の単語が混ざり、中性名詞が消えていて、女性名詞もかなり少なくなっている。2013年現在、ニニルチク村では英語が使われていて、ロシア語を覚えている住人はわずか20人であり、全員が75歳以上となっている[24]。
文例
日本語 | ロシア語 | 備考 |
---|---|---|
こんにちは | ひとつめのвは黙字。 | |
やあ! | 親しみを込めた「こんにちは」 | |
やあ! | 親しみを込めた「こんにちは」 | |
はじめまして | 名前を言った後に言う | |
おはよう | ||
こんにちは | ||
こんばんは | ||
お休みなさい | ||
さようなら | 「また会いましょう、また会うときまで」 | |
さようなら | 当分会えない場合 | |
さようなら | 「また明日」 | |
ありがとう | ||
すばらしい | ||
はい | ||
いいえ | ||
すいません 、ごめんなさい | 「許してください」の意。 | |
どういたしまして | 「全くない」という意味。(英語: Not At All) | |
お名前は? | ||
私は…です。 | 「…」の部分は名前 | |
私はあなたを愛しています。 | тебяを取って最後に名詞の対格を持ってくると「~が好きです」という意味になる。 | |
おかえりなさい | ||
喜んで | 英語: With pleasure | |
残念ながら | К сожалению. | |
幸いなことに | К счастью. | |
夕食はいつか? | Когда ужин? | |
これをロシア語で何という? | Как это по-русски? |
日本語かなのキリル文字表記
あ列 а |
い列 и |
う列 у |
え列 э |
お列 о |
ゃ列 я |
ゅ列 ю |
ょ列 ё | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
あ行 |
あ а |
い и |
う у |
え э |
お о | |||
か行 к |
か ка |
き ки |
く ку |
け кэ |
こ ко |
きゃ кя |
きゅ кю |
きょ кё |
さ行 с |
さ са |
し си |
す су |
せ сэ |
そ со |
しゃ ся |
しゅ сю |
しょ сё |
た行 т |
た та |
ち ти |
つ цу |
て тэ |
と то |
ちゃ тя |
ちゅ тю |
ちょ тё |
な行 н |
な на |
に ни |
ぬ ну |
ね нэ |
の но |
にゃ ня |
にゅ ню |
にょ нё |
は行 х |
は ха |
ひ хи |
ふ фу |
へ хэ |
ほ хо |
ひゃ хя |
ひゅ хю |
ひょ хё |
ま行 м |
ま ма |
み ми |
む му |
め мэ |
も мо |
みゃ мя |
みゅ мю |
みょ мё |
や行 й |
や я |
— | ゆ ю |
— | よ ё |
— | — | — |
ら行 р |
ら ра |
り ри |
る ру |
れ рэ |
ろ ро |
りゃ ря |
りゅ рю |
りょ рё |
わ行 |
わ ва |
— | — | — | を о |
— | — | — |
が行 г |
が га |
ぎ ги |
ぐ гу |
げ гэ |
ご го |
ぎゃ гя |
ぎゅ гю |
ぎょ гё |
ざ行 дз |
ざ дза |
じ дзи |
ず дзу |
ぜ дзэ |
ぞ дзо |
じゃ дзя |
じゅ дзю |
じょ дзё |
だ行 д |
だ да |
ぢ дзи |
づ дзу |
で дэ |
ど до |
ぢゃ дзя |
ぢゅ дзю |
ぢょ дзё |
ば行 б |
ば ба |
び би |
ぶ бу |
べ бэ |
ぼ бо |
びゃ бя |
びゅ бю |
びょ бё |
ぱ行 п |
ぱ па |
ぴ пи |
ぷ пу |
ぺ пэ |
ぽ по |
ぴゃ пя |
ぴゅ пю |
ぴょ пё |
撥音 | ん н/м |
— | — | — | — | — | — | — |
母音の後に続く「い」は и ではなく й を用いる。例えば
ロシア語由来の日本語外来語
()内は、ロシア語での本来の意味である。
- アジト - агитпункт(扇動本部)
- イクラ - икра(魚卵)
- インテリ(インテリゲンツィア、インテリゲンチャとも) - интеллигенция(知識層)
- ウォッカ - водка(ジャガイモの蒸留酒)
- カチューシャ - Катюша(女性名・エカテリーナの愛称。※ヘアバンドを意味するものは日本独自の呼称)
- カンパ - кампания(キャンペーン)
- グラスノスチ - гласность(情報公開)
- コミンテルン - Коминтерн ← Коммунистический интернационал(国際共産党・第三インター)
- コルホーズ - колхоз ← коллективное хозяйство(集団農場)
- コンビナート - комбинат (企業集団)
- サモワール - самовар(ロシア式湯沸かし器)
- ステップ - степь(草原)
- セイウチ - сивуч(トド)
- ソビエト(ソヴィエト、ソヴェトとも) - Совет(会議)
- ソフホーズ - совхоз ← советское хозяйство(ソビエトの農場)
- ソユーズ - союз(ソビエト連邦とロシアの宇宙船。本来は同盟、連合の意)
- タイガ - тайга(密林)
- チェルノーゼム - чернозём(黒土:地理用語)
- ツァーリ(ツァーとも) - царь(皇帝・王)
- ツンドラ(サーミ語からロシア語を経由) - тундра
- テトリス - тетрис(コンピュータゲーム)
- トーチカ - точка(点、地点)
- トロイカ - тройка(3つ組、3頭立ての馬車)
- トロツキスト(しばしば軽蔑の意味をこめて) - троцкист
- ノーメンクラトゥーラ- номенклатура(支配的階級に属する人々)
- ノルマ - норма(生産や製造の基準量)
- バラライカ - балалайка
- ピロシキ - пирожки
- ヴ・ナロード - в народ(人民の中へ)
- ペチカ - печка(暖炉、ストーブ)
- ペレストロイカ - перестройка(建て直し)
- ポドゾル - подзол(シベリア地方に見られる酸性土壌:地理用語)
- ボリシェヴィキ(ボルシェヴィキとも) - большевики(多数派)
- メンシェヴィキ(メニシェヴィキとも)- меньшевики(少数派)
ロシア語から日本語に入った単語は、18世紀以降の両国間の接触によってロシアの文物が日本に紹介されたものと、1917年のロシア革命とその後のソビエト体制の成立によって社会主義(共産主義)思想と共に日本に導入されたものの2種類が多い。前者は日常生活の中で使用されている例があるが(イクラなど)、後者はむしろソ連・ロシア社会の特定の組織や現象を指す固有名詞としてとらえられるものが多い(コルホーズ、ペレストロイカなど)。ただし、後者にもロシアから離れ、日本社会の事象を説明するときに使われる用語もある(コンビナート、ノルマなど)。
文字 в [v] は、古くから入った外来語の場合「ワ・ウィ・ウ・ウェ・ウォ」と転写し、比較的新しいものは「ヴァ・ヴィ・ヴ・ヴェ・ヴォ」と転写する。ただし、女性の姓末尾の -ва は現在でも「ワ」と転写する慣用が残っている(例:マリア・シャラポワ)。
日本語由来のロシア語単語
- Дзюдо́ - 柔道
- Карате́/каратэ́ - 空手道
- Джи́у-джи́тсу/джи́у-джи́цу/дзюдзю́цу - 柔術
- Сумо́ - 相撲
- Камика́дзе - 特攻隊(神風特攻隊から)
- Ка́та - 柔道や空手の形
- Кимоно́ - 着物
- Ге́йша - 芸者
- Кабу́ки - 歌舞伎
- Ха́йку - 俳句
- Та́нка - 短歌
- Цуна́ми - 津波
- Са́кура - 桜
- Бонса́й - 盆栽
- Са́йра - 秋刀魚
- Иваси́ - 鰯
- Саке́ - 日本酒
- Су́ши - 寿司
- Самура́й - 侍、武士
- Ката́на - 日本刀
- Хараки́ри - 切腹(腹切りから)
- Ни́ндзя - 忍者
- Кайдзе́н - 改善
- Банза́й/бандза́й - 万歳
- Минта́й - スケトウダラの地方別名から
- Ри́кша - 力車
- Фудзия́ма - 富士山の誤読
- Иокога́ма - 横浜(「ヤカガーマ」古い時期の表記でハ行音にхでなくгを使用している)
- Аниме́ - アニメ
- Ма́нга - 日本の漫画
- Ота́ку - おたく
- Кава́ий - 可愛い(形容詞)
- Хента́й - ヘンタイ
- Яку́дза - ヤクザ、暴力団
- Мика́до - ミカド (ゲーム)
- Тата́ми - 畳
- Орига́ми - 折り紙
日本語からロシア語への単語移入は、日本文化の文物がロシアで紹介された時に単語が使われる場合が多く、技術用語や学術用語では例が少ない。
参考文献
- 杉山秀子、『日本におけるロシア語教育(戦前)』、駒澤大学外国語部論集(55)、137-152、2001-09
脚注
- ^ 岩間他(1979), pp. 260-261.
袴田茂樹. “第5回 ロシア人と外国語――欧米文化に復帰するロシア人”. TMU CONSULTING. 2012年11月27日閲覧。 - ^ 田中克彦『「スターリン言語学」精読』、岩波書店、2000年、171頁
- ^ a b 旧ソ連圏で相次ぐ“ロシア語離れ” 反露感情、ロシアの地位低下を反映か産経新聞 2018年9月30日
- ^ 桂川甫周『北槎聞略・大黒屋光太夫ロシア漂流記』亀井高孝校訂、岩波書店(岩波文庫)1993年(平成5年)、148~156頁、273~332頁
- ^ ロシア語の黎明期渡辺雅司、ロシア語ロシア文学研究15号、1983-09
- ^ 公的なロシア語教育の起源は1871年に外務省が設置した「独魯清語学所」で、これは東京外国語学校に統合された。
- ^ 同年のポーツマス条約で日本が南樺太を領有してサハリンをロシアと南北分割し、続く1910年の韓国併合で日本領となった朝鮮北東端の日本海沿岸部分がロシアの沿海地方と豆満江河口部で接した。
- ^ a b c “概要”. 早稲田大学文学学術院文学部 ロシア語ロシア文学コース . 2020年12月13日閲覧。
- ^ 杉山は1916年を同大学露語学科の設置年としている。
- ^ 戦後の学制改革で大阪外国語大学となり、2007年に大阪大学へ統合。ロシア語教育の部署は同大学外国語学部ロシア語専攻としてその後も残存。
- ^ 現在の天理大学。2020年現在ではロシア語やロシア文学の単独学科はなく、同大学国際学部地域文化学科ヨーロッパ・アフリカ研究コースにロシア語担当の教員が在籍。
- ^ 杉山、138p。
- ^ 一部はソ連とともに日本と戦ったモンゴル人民共和国領内の収容所へ送られた。
- ^ 千島列島南部の国後島や択捉島、北海道東方の色丹島などでは日本政府が領有権の残存を主張している(北方領土問題)。
- ^ 西原史暁、「ロシア語、第二外国語となる―戦後の東京大学の場合」、2011年2月6日公開、2020年12月13日閲覧。この時点では理科一類(工学部系)と理科二類(理学部・農学部・薬学部系)の学生のみ。後に全6科類の学生に対象が拡大。
- ^ “東京物語 Токио Моногатари - ニコライ堂”. ロシア語通訳協会. 2020年12月13日閲覧。
- ^ “旧ソ連圏で相次ぐ“ロシア語離れ” 反露感情、ロシアの地位低下を反映か”. 産経新聞. (2018年9月29日) 2018年9月30日閲覧。
- ^ アクセントのないоは[ɐ~ə]、еは[ɪ~ɪ̯ə~ə]に弱化するため、正確にはイ クラトカヤ[ˈi ˈkratkəɪ̯ə]。
- ^ 半母音の й は、主に母音の後ろでのみあらわれ、日本語のヤ、ユ、ヨのように [j] の音の後ろに母音が続く場合は е, ё, ю, я を用いる。
- ^ a b 硬音の子音は微妙に「ウ」の音感、軟音の子音は微妙に「イ」の音感を伴う。
- ^ 硬音記号は、現在では軟母音で始まる単語の前に硬子音で終わる接頭辞が付加される場合(例: под + ехать → подъехать)にしか用いられない。ただし日本語をロシア語式に音訳する際、[n]と後続の母音を分けて発音することを明示する必要がある場合など(例:欽一の「きんいち」が「きにち」にならないようにする)、外国語の表記に用いることがある。
- ^ к、т、чの前のгは/х/となるため、正確にはミャフキイズナク[ˈmʲæxʲkʲɪɪ̯ znak]。
- ^ 軟音記号はそれが伴う直前の子音が軟音であることを現す。
- ^ アラスカでロシア語の方言発見、ロシアNOW、2013年5月30日
- ^ ソ連科学アカデミー東洋学研究所『和露大辞典』ニコライ・コンラド監修、1976年、ナウカ、裏表紙の表の表記に基づいた。
関連項目
- Wikipedia:外来語表記法/ロシア語
- 欧州連合の言語 - ロシア語は同連合の公用語に指定されていないものの、同連合に加盟する旧東側諸国の一部において広く使用されている
- ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
- ロシア文学
- ロシア語の人名