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'''Linux-libre'''(リナックス・リブレ、{{IPAc-en|ˈ|l|ɪ|n|ə|k|s|_|ˈ|l|iː|b|r|ə}})は[[オペレーティングシステム]][[カーネル]]で、[[Linuxカーネル]]の修正バージョンから続いている[[GNUプロジェクト]]のパッケージである<ref>{{cite web|title=Linux-libre|url=http://directory.fsf.org/wiki/GNU_Linux-libre|author=[[フリーソフトウェア財団]]|date=2013|accessdate=5 January 2014}}</ref>。このプロジェクトの目的は、[[ソースコード]]を含まなかったり、ソースコードが[[難読化コード|難読化]]されていたり、[[プロプライエタリソフトウェア|プロプライエタリなライセンス]]の元にリリースされていたりするようなソフトウェアを全てLinuxカーネルから除去することで、完全に[[フリーソフトウェア|フリー]]なカーネルを作ることである。
'''Linux-libre'''(リナックス・リブレ、{{IPAc-en|ˈ|l|ɪ|n|ə|k|s|_|ˈ|l|iː|b|r|ə}})は[[オペレーティングシステム]][[カーネル]]で、[[Linuxカーネル]]の修正バージョンから続いている[[GNUプロジェクト]]のパッケージである<ref>{{cite web|title=Linux-libre|url=http://directory.fsf.org/wiki/GNU_Linux-libre|author=[[フリーソフトウェア財団]]|date=2013|accessdate=5 January 2014}}</ref>。このプロジェクトの目的は、[[ソースコード]]を含まなかったり、ソースコードが[[難読化コード|難読化]]されていたり、[[プロプライエタリソフトウェア|プロプライエタリなライセンス]]の元にリリースされていたりするようなソフトウェアを全てLinuxカーネルから除去することで、完全に[[フリーソフトウェア|フリー]]なカーネルを作ることである。


Linuxカーネルのうちソースコードがない部分は[[バイナリ・ブロブ]]と呼ばれ、主に[[プロプライエタリソフトウェア|プロライエタリ]]な[[ファームウェア]]がそれに該当する。バイナリ・ブロブは通常再配布可能であるが、ユーザーによる改変や、[[リバースエンジニアリング]]は通常許可されていない。
Linuxカーネルのうちソースコードがない部分は[[バイナリ・ブロブ]]と呼ばれ、主に[[プロプライエタリソフトウェア|プロライエタリ]]な[[ファームウェア]]がそれに該当する。バイナリ・ブロブは通常再配布可能であるが、ユーザーによる改変や、[[リバースエンジニアリング]]は通常許可されていない。


==歴史==
==歴史==

2020年12月23日 (水) 22:23時点における版

Linux-libre
Linux-libreの公式マスコットであるFreedo
ブート中のLinux-libreカーネル3.0.66-1
開発者 Free Software Foundation Latin America
プログラミング言語 C言語およびアセンブリ言語
OSの系統 Unix系
初版 2008年2月20日 (16年前) (2008-02-20)[1]
最新安定版 6.12.1-gnu[2] ウィキデータを編集 - 2024年11月22日 (2日前) [±]
リポジトリ ウィキデータを編集
使用できる言語 英語
カーネル種別 モノリシック
ライセンス GPL v2
ウェブサイト fsfla.org/svnwiki/selibre/linux-libre/index.en.html
テンプレートを表示

Linux-libre(リナックス・リブレ、[ˈlɪnəks ˈlbrə])はオペレーティングシステムカーネルで、Linuxカーネルの修正バージョンから続いているGNUプロジェクトのパッケージである[5]。このプロジェクトの目的は、ソースコードを含まなかったり、ソースコードが難読化されていたり、プロプライエタリなライセンスの元にリリースされていたりするようなソフトウェアを全てLinuxカーネルから除去することで、完全にフリーなカーネルを作ることである。

Linuxカーネルのうちソースコードがない部分はバイナリ・ブロブと呼ばれ、主にプロライエタリファームウェアがそれに該当する。バイナリ・ブロブは通常再配布可能であるが、ユーザーによる改変や、リバースエンジニアリングは通常許可されていない。

歴史

Linuxカーネルは1996年にバイナリ・ブロブを含めて始動した[6]。バイナリ・ブロブを取り除く作業はgNewSenseのfind-firmwareおよびgen-kernelとして2006年に開始された。BLAG英語版 Linuxディストリビューションは2007年にバイナリ・ブロブの除去と共にこの作業をさらに推し進め、Linux-libreが生まれた[7][8]

Linux-libreはFree Software Foundation Latin America (FSFLA) により初めてリリースされ、完全にフリーなLinuxディストリビューション用の価値あるコンポーネントとしてフリーソフトウェア財団 (FSF) が支持した[9]。Linux-libreは2012年3月にGNUプロジェクトのパッケージとなった[10]アレシャンドリ・オリヴァがこのプロジェクトのメンテナである。

プロプライエタリ・ファームウェアの除去

Linux-libreのマスコットであるFreedoとGNUロゴ

方法

除去プロセスはdeblob-mainと呼ばれるスクリプトを使用することで達成された[11]。deblob-mainはgNewSense用に使用されるスクリプトに影響されている。Jeff MoeはBLAG Linux and GNUディストリビューションで使用できるように、このスクリプトを後に修正した。他にも別のスクリプトとして、deblob-checkと呼ばれるものもある[12]。これはカーネルソースファイル、パッチまたは圧縮されたソースファイルにプロプライエタリと疑われるソフトウェアが含まれているどうかをチェックするために使用される。

効果

フリーソフトウェアのみのシステム実行を第一に意図された効果とは別に、ユーザーの調査や修正が許可されないデバイスファームウェアを実際に除去してみると、肯定的な効果と否定的な効果が両方生ずることになる。

利点にはバグ、セキュリティ問題や(バックドアのような)悪意のある操作に対する検査ができず、またそれらが判明した場合でもLinuxカーネルメンテナーだけでは修正できないデバイスファームウェアを除去することが挙げられる。バイナリ・ブロブが入っているシステムは悪意のあるファームウェアにより危険にさらされる可能性があり、さらにメーカーが提供するファームウェアのセキュリティ検査ができなければ、たとえ無害なバグであっても起動しているシステムの安全性を低める可能性がある[13]

カーネルからプロプライエタリ・ファームウェアを除去することの欠点には、それにより結果として、フリーソフトウェアにより代用ができない特定のハードウェアが機能しなくなることが挙げられる。これは特定のサウンドカードビデオカードTVチューナーカード、そして(特に無線用の)ネットワークカードに影響する。可能であれば、b43やcarl9170[14]、ath9k_htc[15]といった無線カードドライバ用のopenfwwf[16]のような、フリーソフトウェアの代替ファームウェアが代用品として提供される。

ハードウェア

Linux-libreは自身がサポートする、プロプライエタリなドライバやファームウェアを必要としないデバイス用に、corebootのようなフリーのドライバを使用する[17][18]。フリーソフトウェア財団の "Respects Your Freedom" (RYF) コンピュータハードウェア製品の認証プログラムは、ユーザーの自由とプライバシーを尊重するハードウェアの作成と販売を奨励し、ユーザーによる自身のデバイスの制御を保証することを目指している[19]

利用

バイナリ・ブロブを除去したLinuxカーネルのソースコードとプリコンパイルされたパッケージは、Linux-libreスクリプトを使用するディストリビューションから直接利用可能である。Freed-oraはFedoraカーネルをベースとしたRPMパッケージを用意し維持するサブプロジェクトである[20]Debian (Lenny)[21] やUbuntu(Hardy、IntrepidやJaunty)[22]のようなDebianの派生ディストリビューション用にプリコンパイルされたパッケージもある。

ディストリビューション

Parabola GNU/Linux-libreはデフォルトのカーネルとしてLinux-libreを使用する。

Linux-libreをデフォルトのカーネルとするディストリビューションを以下に示す。これらのOSはGNU FSDGにも適合する。

Linuxをデフォルトのカーネルとして使用し、代わりのカーネルとしてLinux-libreを推薦するディストリビューションを以下に示す:

関連項目

脚注

  1. ^ blag-announce (February 20, 2008). “[blag-devel linux-libre]”. November 4, 2014閲覧。
  2. ^ "6.12.1-gnu"; 閲覧日: 2024年11月22日; 出版日: 2024年11月22日.
  3. ^ Index of /pub/linux-libre/freesh/dists/freesh/main/binary-riscv64”. linux-libre.fsfla.org. February 7, 2019閲覧。
  4. ^ Index of /pub/linux-libre/freesh/dists/freesh/main/binary-ppc64el”. linux-libre.fsfla.org. February 7, 2019閲覧。
  5. ^ フリーソフトウェア財団 (2013年). “Linux-libre”. 5 January 2014閲覧。
  6. ^ Free Software Foundation Latin America (FSFLA) (2010年). “Take your freedom back, with Linux-2.6.33-libre”. 2015年4月25日閲覧。
  7. ^ Alexandre Oliva (2009年). “Linux-libre and the prisoners' dilemma”. 2015年4月25日閲覧。
  8. ^ jebba (2008年). “BLAG :: View topic - Linux Libre BLAG forums”. 2015年4月25日閲覧。
  9. ^ Free Software Foundation. “Linux (BLOB free version)”. Free Software Directory. December 6, 2011閲覧。 “[...] in the interest of freedom, we are providing a link to a version of the kernel in which this proprietary code has been removed so that it is entirely free software”
  10. ^ Oliva, Alexandre (19 March 2012). "GNU Linux-libre 3.3-gnu is now available" (Mailing list). info-gnu. 2012年8月7日閲覧
  11. ^ Free Software Foundation Latin America. “How it is done”. Linux-libre, Free as in Freedo. December 6, 2011閲覧。
  12. ^ fsfla - Revision 8200: /software/linux-libre/scripts”. Free Software Foundation Latin America. December 6, 2011閲覧。
  13. ^ Delugre, Guillaume (21 November 2010). Reversing the Broacom NetExtreme's Firmware (PDF). hack.lu. Sogeti. 2012年4月18日閲覧
  14. ^ en:users:drivers:carl9170 [Linux Wireless]”. kernel.org. 2015年11月7日閲覧。
  15. ^ en:users:drivers:ath9k_htc [Linux Wireless]”. kernel.org. 2015年11月7日閲覧。
  16. ^ OpenFWWF - Open FirmWare for WiFi networks”. unibs.it. 2015年11月7日閲覧。
  17. ^ http://aligunduz.org/gNewSense/
  18. ^ http://www.fsf.org/resources/hw/
  19. ^ Respects Your Freedom hardware product certification
  20. ^ Free Software Foundation Latin America. “Linux-libre's Freed-ora project”. December 6, 2011閲覧。 “Freed-ora is a sub-project that prepares and maintains 100% Free RPMs that track Fedora's non-Free kernels”
  21. ^ Millan, Robert (23 April 2009). "Linux-libre for Debian Lenny". [Debian Mailing Lists] Announcements for developers (Mailing list). 2009年5月12日閲覧This is to announce that Debian packages of Linux-libre [...] are now available for Lenny users who want to use them [...]
  22. ^ Gunduz, Ali. “Uncle Gnufs' World Famous Home Baked Free Kernel Shoppe”. aligunduz.org. December 6, 2011閲覧。
  23. ^ Dragora overview dragora.org
  24. ^ jaromil (10 September 2008). "[LAT] hello, dyne:bolic -rt and freeeee". [Fundacion Software Libre America Latina] Linux-audio-tuning (Mailing list). 2011年12月6日閲覧
  25. ^ GNU Guix Reference Manual: GNU Distribution”. 6 November 2015閲覧。
  26. ^ ftp://musix.ourproject.org/pub/musix/deb/kernel/2.6.26-libre-rt” (Spanish). Indice de ftp://musix.ourproject.org/. December 6, 2011閲覧。
  27. ^ Documentation | Trisquel GNU/Linux - Run free!”. 2016年3月5日閲覧。
  28. ^ Arch Linux (June 19, 2014). “AUR (en) linux-libre”. AUR. July 9, 2014閲覧。
  29. ^ Fossi, Damian (August 24, 2009). “Linux-libre: Resumen del proyecto” (Spanish). Forja. December 6, 2001閲覧。
  30. ^ O'Kelly, Tim (April 14, 2009). “Bug 266157”. Gentoo's Bugzilla. Gentoo Linux. December 6, 2011閲覧。
  31. ^ Licenses: Common Setups”. Gentoo Wiki. Gentoo Linux (August 6, 2012). August 8, 2012閲覧。

外部リンク