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2020年12月21日 (月) 03:27時点における版
かさい よしゆき 葛西 敬之 | |
---|---|
生誕 |
1940年10月20日(84歳) 兵庫県 |
出身校 | 東京大学法学部 |
肩書き |
東海旅客鉄道名誉会長 学校法人海陽学園理事長 宇宙政策委員会委員長 財政制度等審議会財政制度分科会臨時委員 |
葛西 敬之(かさい よしゆき、1940年10月20日[1] - )は、日本の実業家、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)名誉会長[2]、学校法人海陽学園理事長[3]、宇宙政策委員会委員長、財政制度等審議会財政制度分科会臨時委員[要出典]。兵庫県出身で、東京都育ち[4]。東京都杉並区在住
人物
1963年、東京大学法学部卒業後に日本国有鉄道へ入社。静岡鉄道管理局(現・JR東海静岡支社)や仙台鉄道管理局(現・JR東日本仙台支社)で総務部長を務めたのち、経営計画室主幹や職員局次長を歴任。労組対策に力を注いだ。1987年の分割民営化後はJR東海に配属され、取締役総合企画本部長に就任。1990年、同社副社長に昇格。その後28年間に渡り代表取締役を務める。1995年代表取締役社長、2004年代表取締役会長。2014年、JR東海の代表取締役会長から、[5]代表権のある名誉会長へ異動した。代表権のある会長・社長とともに、トロイカ体制へ移行したと報じられた[6][7]。2020年6月、30年以上続けてきた取締役を退任し名誉会長となる[8]。
来歴
- 東京都立西高等学校卒業[9]。
- 1963年:東京大学法学部を卒業後[10]、国鉄に入社[10]。
- アメリカ・ウィスコンシン大学マディソン校大学院留学[10][11]、1969年:卒業[新聞 1](経済学修士号取得[11])。
- 1987年:国鉄分割民営化により発足したJR東海の取締役総合企画本部長[1]。
- 1988年:JR東海常務取締役総合企画本部長[1]。
- 1990年:JR東海代表取締役副社長[1]。
- 1995年:JR東海代表取締役社長[1]。
- 2004年:JR東海代表取締役会長[1]。
- 2006年
- 政府の東京電力に関する経営・財務調査委員会委員。
- 原子力損害賠償支援機構運営委員会委員。
- 内閣府宇宙政策委員会委員長。
- 2013年12月:正論大賞受賞[12]。
- 2014年4月:JR東海代表取締役名誉会長に就任した[1]。旭日大綬章を受章[13]。
- 2018年4月:JR東海取締役名誉会長就任
- 2020年6月:JR東海名誉会長就任
その他、東京大学、皇学館大学、名城大学などの客員教授や特別招聘教授を務め、産経新聞の「正論」[11]、読売新聞にコラムを連載するなど様々な分野で活動中である。財界を代表する「親米保守」の論客である。トヨタ自動車、東海旅客鉄道、中部電力の共同出資による全寮制男子校海陽学園の理事長も務めている。
発言
- 新幹線遅延における発言
2000年9月11日およびその翌日にかけての東海豪雨で、JR東海は東海道新幹線の無理な運転続行を強行したため、のぞみ20号(博多発東京行)が22時間21分遅れで終点の東京駅に到着するという、開業以来最悪の遅延を記録した。そのほかにも東京ー米原駅の間で70本近い列車が団子状態でストップし、全面的に不通となった。
最終的に5万人を超える乗客が車内に取り残され、一夜を明かす事態となったことについて、JR東海はもっと早く運転を見合わせするべきだったという批判に晒された。葛西はその数日後に開かれた社長定例会見で、「あれは未曾有の大災害が原因で、正常で適切な運行だった」と発言し、会社として大きな批判を浴び、後の会見で「多くの乗客にご迷惑をおかけしました」と謝罪した[14]。
- 中国への新幹線技術移転に反対する発言
川崎重工業が海外への積極的なビジネスチャンスを求めて、当時の川重大庭浩会長、大橋忠晴社長、のちに同川重社長となる長谷川聰らと組み、中華人民共和国(中国)への新幹線車輌技術(東北新幹線はやて車輌技術)を提供したのが、井手正敬や葛西と共に「国鉄改革3人組」の一人に挙げられるJR東日本の松田昌士会長だった。
しかし、川重側の契約の杜撰さもあって、中国側に国家ぐるみで新幹線車輌技術を盗まれ米国やアジア諸国への売り込みを許したばかりでなく、契約の拡大解釈ないし詭弁の類いで米国などへ国際特許出願までをも許してしまったとされている。この松田昌士に対して、終始一貫して中国への新幹線技術移転に反対する発言をしていた葛西とは、好対照をなしていたと評されている[15][16][17]。
政治観
- 2010年9月の国家公安委員会の会議において、「極端な『民族主義・排外主義的主張』に基づき、『外国人参政権反対』などと訴える市民運動が各地で展開され、反対勢力とのトラブル事案もみられることから、各都道府県警察で諸対策を実施している」旨が報告された。葛西はこの種の運動について、「こうしたグループは『国家』の意義・役割を軽視するマスコミに国民の知る権利が抑圧されてきた中で、インターネットを利用して『声なき声』を取り上げた象徴的なものだ」、「暴力的でもなければ『極端な民族主義・排外主義』でもない」、つまり「右翼団体」ではなく右派系市民グループだ、との見解を示した。また、左翼運動については「左翼についても、これまでのそれぞれのセクトというような形ではなくて、散発的にゲリラ的な者がインターネットを通じて活動するような世の中になる恐れがあり、既にテロリストの組織がそういうふうになっている傾向がある。その意味で、日本は今いろいろな意味で転換期にあると思う」と述べた[18]。
スキャンダル
- 1991年9月13日、新潮社FOCUSにて大学教授夫人と都内のホテルの一室に入る様子が報道される[19]。
- 1992年6月12日、講談社FRIDAYで不倫相手とされた女性宅の警備費用をJR東海が負担していることが報じられた[19]。
エピソード
著書
- 『人生に座標軸を持て-自分の価値は自分で決める』(1999年4月30日 ウェッジ)ISBN 4900594296
- 『未完の「国鉄改革」-巨大組織の崩壊と再生』(2001年2月8日 東洋経済新報社)ISBN 4492061223
- 『国鉄改革の真実 - 「宮廷革命」と「啓蒙運動」』(2007年7月1日 中央公論新社)ISBN 4120038491
- 『明日のリーダーのために』(2010年4月20日 文春新書)ISBN 4166607480
- 『飛躍への挑戦 東海道新幹線から超電導リニアへ 』(2017年3月29日 ワック)ISBN 4898314546
脚注
- ^ a b c d e f g 東海旅客鉄道株式会社第28期有価証券報告書p.42
- ^ 代表取締役および役員の異動について (PDF) 東海旅客鉄道株式会社 平成24年5月15日
- ^ “メッセージ”. 学校法人海陽学園 海陽中等教育学校. 2020年6月23日閲覧。
- ^ “葛西敬之(2)家族 父に俳句や和歌教わる 負けず嫌いな一面、母譲り”. 日本経済新聞. (2015年10月2日) 2017年6月13日閲覧。
- ^ “「代表取締役名誉会長」は何する人ぞ?”. 東洋経済新報社 (2013年12月26日). 2016年1月7日閲覧。
- ^ “JR東海社長に柘植副社長 葛西氏は名誉会長に”. 日本経済新聞. (2013年12月16日) 2016年1月7日閲覧。
- ^ “代表権3人、トロイカ体制 JR東海、リニア・海外展開にらむ”. 産経新聞. (2013年12月17日) 2016年1月7日閲覧。
- ^ “JR東海 葛西敬之名誉会長が取締役退任 国鉄改革「3人組」の一人”. 毎日新聞. 2020年5月15日閲覧。
- ^ “葛西敬之(6)東大入学 安保闘争学内で討論会 「何の効果もない」参加やめる”. 日本経済新聞. (2015年10月6日) 2017年6月13日閲覧。
- ^ a b c 「【時代のリーダー】葛西敬之・JR東海副社長」『日経ビジネス』2009年3月10日
- ^ a b c “【第29回 正論大賞】 (1) ≪大賞≫JR東海会長・葛西敬之氏 (3/3)”. 産経ニュース (産経新聞). (2013年12月10日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “正論大賞 葛西敬之氏 新風賞に吉崎達彦氏”. 産経WEST (産経新聞). (2013年12月9日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “春の叙勲4104人 旭日大綬章に葛西氏ら”. 日本経済新聞. (2014年4月29日) 2015年10月5日閲覧。
- ^ “大阪第二運輸所分会 交差点No.313”. JR東海労働組合. 2018年5月12日閲覧。
- ^ “計算高い川崎重工が「対米新幹線計画」に便乗 2010年6月号 BUSINESS[ビジネス・インサイド]”. FACTA (2010年6月). 2020年8月8日閲覧。
- ^ “中国、日本の新幹線技術を国際特許出願…なぜ川崎重工は技術を流出させたのか”. ビジネスジャーナル編集部. エキサイトニュース (2013年6月28日). 2020年8月8日閲覧。
- ^ “中国をつけ上がらせた親中派の財界人&経済人列伝【3】 JR東日本&川崎重工「中国の新幹線はJRの技術の盗用」”. ビジネスジャーナル編集部. ビジネスジャーナル (2012年10月9日). 2020年8月8日閲覧。
- ^ “国家公安委員会定例会議(平成22年9月2日)”. 国家公安委員会. 2014年8月16日閲覧。
- ^ a b “JR東海「葛西敬之名誉会長」の研究”. ZAITEN (財界展望新社). (2017年4月)
- ^ 葛西敬之『明日のリーダーのために』文藝春秋〈文春新書〉、2010年4月、58-59頁。ISBN 978-4166607488。
新聞記事
外部リンク
- 21世紀に求められるリーダーとは? -トップリーダーと学ぶワークショップ
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