「クロスボーン・バンガードの機動兵器」の版間の差分
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最大の特徴は、駆動用の核融合ジェネレーターを外装化することで、出力を機体各所に分散して高出力を確保している点である。頭部のゴーグルセンサー(俗に[[メガネ]])には、ハイブリッドセンサーと呼ばれる宇宙戦闘で距離感や立体的な解析能力を持ち合わせる優れた複合式センサーを搭載している。 |
最大の特徴は、駆動用の核融合ジェネレーターを外装化することで、出力を機体各所に分散して高出力を確保している点である。頭部のゴーグルセンサー(俗に[[メガネ]])には、ハイブリッドセンサーと呼ばれる宇宙戦闘で距離感や立体的な解析能力を持ち合わせる優れた複合式センサーを搭載している。 |
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腕の先は作業用トーチと簡素な[[マニピュレーター]]が直付けになっているが、すでにデナン・ゾンとほぼ変わらないたくましいシルエットと、外装の作りや機体各部の姿勢制御スラスターなど、外観も戦闘用MSと遜色ないものに仕上げられている。ただしこの時点でジェネレータは自社製品ではなく、[[アナハイム・エレクトロニクス |
腕の先は作業用トーチと簡素な[[マニピュレーター]]が直付けになっているが、すでにデナン・ゾンとほぼ変わらないたくましいシルエットと、外装の作りや機体各部の姿勢制御スラスターなど、外観も戦闘用MSと遜色ないものに仕上げられている。ただしこの時点でジェネレータは自社製品ではなく、[[アナハイム・エレクトロニクス]]から調達したものが搭載されていた{{Sfn|モビルスーツハンドブック|1992|p=17}}。 |
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宇宙世紀0115年に量産計画を発表、0121年のMSショーに出展された{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。本機はブッホ社がMS事業に参入するために開発した機体として公称され、「空間作業から警備まで幅広く運用できる民間用MSの決定版」として、従来機に匹敵する性能を持ちながら小型化による運用コストの低減が謳われた{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。実際にはすでに開発が進んでいたデナン・ゾンを民生用に改装したものであり、ジェネレータなどをデチューンし、デュアルセンサーをゴーグルで覆うなどの隠蔽処置が行われた{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。本機の量産を行うことを名目に、ブッホ社はアナハイム・エレクトロニクス社や[[宇宙世紀の企業#ヤシマ重工|ヤシマ重工]]などから部品の大量調達を行い、クロスボーン・バンガードのMS製造に転用した{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。 |
宇宙世紀0115年に量産計画を発表、0121年のMSショーに出展された{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。本機はブッホ社がMS事業に参入するために開発した機体として公称され、「空間作業から警備まで幅広く運用できる民間用MSの決定版」として、従来機に匹敵する性能を持ちながら小型化による運用コストの低減が謳われた{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。実際にはすでに開発が進んでいたデナン・ゾンを民生用に改装したものであり、ジェネレータなどをデチューンし、デュアルセンサーをゴーグルで覆うなどの隠蔽処置が行われた{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。本機の量産を行うことを名目に、ブッホ社はアナハイム・エレクトロニクス社や[[宇宙世紀の企業#ヤシマ重工|ヤシマ重工]]などから部品の大量調達を行い、クロスボーン・バンガードのMS製造に転用した{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=353}}。 |
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機体色は紅色と黒鉄色。頭部はビギナ・ギナのものに類似したバイザー型センサーを採用し、両側頭部にアンテナを備える。 |
機体色は紅色と黒鉄色。頭部はビギナ・ギナのものに類似したバイザー型センサーを採用し、両側頭部にアンテナを備える。 |
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従来のシェルフ・ノズルに変わり、[[アナハイム・エレクトロニクス |
従来のシェルフ・ノズルに変わり、[[アナハイム・エレクトロニクス]](以下、AE)からもたらされた新技術であるヴェスバーを導入している{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=322}}(CVは以前よりAEとの関係が深く、同社によるSFP([[シルエットフォーミュラプロジェクト]])の内容を把握しており、また同時にサナリィによる[[フォーミュラ計画|F計画]]の概要を入手していた{{Sfn|1/100 ビギナ・ゼラ|1992}})。 |
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サナリィ製のF91に装備されていたヴェスバーは、内蔵コンデンサーによって本体から分離した状態でも数射程度の使用が可能であった。しかし、このビギナ・ゼラに装備されたヴェスバーは、AE製の[[シルエットフォーミュラプロジェクト#シルエットガンダム|RXF91]]同様に開発スタッフがそのコンデンサーの存在を解明できなかったために撤去されており{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=322}}、基部から取り外して使用することは不可能であるものの{{Sfn|1/100 ビギナ・ゼラ|1992}}、上下2基構成のセンサーを搭載することでF91で大きな問題となっていた照準精度の低さが大幅に改善されており、信頼性の高い武装となっている{{Sfn|1/100 ビギナ・ゼラ|1992}}。AMBACおよび推力向上の観点においても非常に有効であり{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=322}}、ジョイントとして使用されているクランク構造やロケット・モーターの設置によってF91をもしのぐ高機動性能を達成している。ただし、制御系にバイオ・コンピューターを採用していないため、F91のような最大稼動モードは設定されていない。 |
サナリィ製のF91に装備されていたヴェスバーは、内蔵コンデンサーによって本体から分離した状態でも数射程度の使用が可能であった。しかし、このビギナ・ゼラに装備されたヴェスバーは、AE製の[[シルエットフォーミュラプロジェクト#シルエットガンダム|RXF91]]同様に開発スタッフがそのコンデンサーの存在を解明できなかったために撤去されており{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=322}}、基部から取り外して使用することは不可能であるものの{{Sfn|1/100 ビギナ・ゼラ|1992}}、上下2基構成のセンサーを搭載することでF91で大きな問題となっていた照準精度の低さが大幅に改善されており、信頼性の高い武装となっている{{Sfn|1/100 ビギナ・ゼラ|1992}}。AMBACおよび推力向上の観点においても非常に有効であり{{Sfn|ガンダム辞典v1.5|2009|p=322}}、ジョイントとして使用されているクランク構造やロケット・モーターの設置によってF91をもしのぐ高機動性能を達成している。ただし、制御系にバイオ・コンピューターを採用していないため、F91のような最大稼動モードは設定されていない。 |
2020年11月7日 (土) 11:33時点における版
クロスボーン・バンガードの機動兵器は、アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』および関連作品に登場する「クロスボーン・バンガード(以下CV)」に所属するモビルスーツ (MS) およびモビルアーマー (MA) などの機動兵器の解説を記述する。表記は型式番号順。
『F91』劇中および『シルエットフォーミュラ91』に登場するCV製MSのメカニックデザインは大河原邦男。
なお、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のシリーズに登場する「宇宙海賊クロスボーン・バンガード」に所属する兵器については、機動戦士クロスボーン・ガンダムの登場兵器であつかうものとし、本記事では掲載しない。
モビルスーツ
映画作品『機動戦士ガンダムF91』に登場したモビルスーツのデザインは大河原邦男が担当した。大河原は自著において、コスモ・バビロニアという単語から古代バビロニアやチグリス・ユーフテラスの彫刻や美術をモチーフにしたと語っている[1]。
デッサ・タイプ
小説版『F91』でその存在が示唆され(名称は「デンナ・タイプ」)[2]、「B-CLUB」の誌上企画でデザインおよび追加設定が掲載された。
ブッホ・コンツェルンの航空機部門ブッホ・エアロダイナミックス社が開発した機体。従来の20メートル級MSを小型軽量化することで、さらなる性能向上が可能との研究結果をもとに、宇宙世紀0108年7月に試作1号機が完成した[3]。作業用MSとして一般公開されていたが、実際は兵器転用を前提としており[4]、デナンシリーズ以降の戦闘用MSの原型となる。
最大の特徴は、駆動用の核融合ジェネレーターを外装化することで、出力を機体各所に分散して高出力を確保している点である。頭部のゴーグルセンサー(俗にメガネ)には、ハイブリッドセンサーと呼ばれる宇宙戦闘で距離感や立体的な解析能力を持ち合わせる優れた複合式センサーを搭載している。
腕の先は作業用トーチと簡素なマニピュレーターが直付けになっているが、すでにデナン・ゾンとほぼ変わらないたくましいシルエットと、外装の作りや機体各部の姿勢制御スラスターなど、外観も戦闘用MSと遜色ないものに仕上げられている。ただしこの時点でジェネレータは自社製品ではなく、アナハイム・エレクトロニクスから調達したものが搭載されていた[5]。
宇宙世紀0115年に量産計画を発表、0121年のMSショーに出展された[6]。本機はブッホ社がMS事業に参入するために開発した機体として公称され、「空間作業から警備まで幅広く運用できる民間用MSの決定版」として、従来機に匹敵する性能を持ちながら小型化による運用コストの低減が謳われた[6]。実際にはすでに開発が進んでいたデナン・ゾンを民生用に改装したものであり、ジェネレータなどをデチューンし、デュアルセンサーをゴーグルで覆うなどの隠蔽処置が行われた[6]。本機の量産を行うことを名目に、ブッホ社はアナハイム・エレクトロニクス社やヤシマ重工などから部品の大量調達を行い、クロスボーン・バンガードのMS製造に転用した[6]。
優秀な試験結果を残したことから、デナン・ゾンやベルガ・ダラスといった必要な機能を選定した機体が開発された[7][注 1]。
デナン・ゾン
デナン・ゾン DEN'AN ZON | |
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型式番号 | XM-01 |
頭頂高 | 14.0m |
本体重量 | 7.9t |
全備重量 | 17.4t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 3,880kW |
推力 | 17,310kg×2 8,520kg×2 4,460kg×4 69,500kg(総推力) |
武装 | 腕部デュアルビーム・ガン×2 ビーム・サーベル×1 ショットランサー(ヘビーマシンガン×2内蔵)×1 ビーム・シールド×1 |
搭乗者 | クロスボーン・バンガード一般兵 |
その他 | アポジモーター×84 |
CVが開発した初期の機体で[8]、一般格闘戦用MS[7]に区分される。一般機はグレー、「黒の戦隊」所属機は黒色と薄紫色を基調に塗装されている[9]。
CVはあらかじめ立てた戦略に応じた機体を開発しており、企業や組織としての妥協を排除したMS製造をおこなっている。精製技術の進歩により、高価な特殊装甲材を用いずにガンダリウム合金に匹敵する強度と重量を備える[10]。
頭部のハイブリッドセンサーはガンダムタイプに匹敵する索敵能力をもち、射撃照準用サブセンサーをバックパックに配している[11]。ジェネレーターを背面側に露出させ、バックパックで蓋をするという構造の工夫により、機体サイズの割りに大型高出力のジェネレーターが搭載可能となり、地球連邦軍のジェガン系列を凌駕するパワーウェイトレシオを実現している[10]。
ゼブラゾーン事件では、ネオ・ジオン残党が潜伏するゼブラゾーンにて試験運用が行われ、偽装のために、頭部にはザクをイメージさせるモノアイのバイザーが装着される。
- 武装・装備
- 劇中での活躍
- 『機動戦士ガンダムF91』冒頭でコロニーに潜入する機体が登場。本編では一般機のほか、黒の戦隊が運用する機体も登場する。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では、終盤に従来機をしのぐ未知の勢力の強敵として登場する。
デス・ガンズ隊所属機
漫画『機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ フォーミュラ91の亡霊』に登場。
クロスボーン・バンガードの精鋭部隊「デス・ガンズ隊」が使用する機体。隊長機であるガンマッド少佐機は両側頭部にブレードアンテナを装備し、デナン・ゲーのビーム・ライフルを装備している[13]。
フロンティアIの制圧作戦に参加したが、サナリィの機密書類を抹消する任を帯びた連邦軍ウォルフ少尉の駆るクラスターガンダムと交戦となり、撃破される。[13]
ダークタイガー隊仕様
ダークタイガー隊に配備されたデナン・ゾンで、機体色は赤に変更されている。クロスボーン・バンガードの機体であることを偽装するため、頭部に取り付けるためのモノアイカメラ式のゴーグルも用意される。モーリス・オバリー少尉の機体ではショットランサーが試作品となっており、訓練用のため穂先がゴムとなっている[14]。
ケトル・ゾン
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』に登場する機体で、デナン・ゾンをベース機体しているが、カスタマイズが進んでおり、一般パイロットにはかなり扱いづらい。複合武器である『ソード・ガン』と弾を受け流しやすい曲面形の盾『ポッド・シールド』を装備している。
元々は傭兵ジャン・ドーヴァンの使用していた機体だが、ルナツーでの戦いでジャンがF89に搭乗したため、父であるフランク・オズが使用した。
デナン・ゲー
デナン・ゲー DEN'AN GEI | |
---|---|
型式番号 | XM-02 |
頭頂高 | 13.9m |
重量 | 19.2t |
本体重量 | 7.1t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 4,020kW |
推力 | 17,790kg×2 11,030kg×2 8,700kg×2 1,340kg×4 80,400kg(総推力) |
武装 | 腕部ビーム・ガン 肩部3連グレネードラック ビーム・サーベル×2 ビームライフル ビームシールド |
搭乗者 | ザビーネ・シャル(ブラックバンガード機) ボブルス クロスボーン・バンガード一般兵 |
その他 | アポジモーター×76 |
一撃離脱戦法を前提に開発された機体。CVはデナン・ゾンの制式採用後、すぐさま戦術に応じた機体の開発に入った[15]。本機はデナン・ゾンの汎用性をさらに一歩進め火力の向上を行ったモデルで、本格的な攻撃用MSとしてデナン・ゾンに続いて大量生産された[15]。機体配色はデナン・ゾンと同様。頭部はデナン・ゾンと同じくハイブリッド・センサーを持ち、側頭部にはアンテナが張り出している。周辺被害を考慮して火力を抑えたデナン・ゾンとは対照的に、ショットランサーを廃止しビーム・ライフルや肩部3連グレネードなど標準的な武装を装備、敵機を確実に撃破することを目的としている。運用上はデナン・ゾンの支援機として位置付けられているが[16]、出力や推力ではこちらが上回っている。操作性も良好であり、訓練用としても運用されている[要出典]。資料によって一般兵用とする記述と[16]、汎用性の高さから士官クラスでも使用したとする記述が存在する[17][15]。
- 劇中での活躍
- 『機動戦士ガンダムF91』最初のMS戦闘では、大型のジェガンを機動性で翻弄し圧倒する場面が描かれる。セシリー・フェアチャイルド(ベラ・ロナ)が訓練用として最初に搭乗するMSであり、ザビーネ・シャルもベルガ・ギロスの修復中は代用として黒の戦隊(ブラックバンガード)仕様の機体に搭乗する。
エビル・S
エビル・S EBIRHU S | |
---|---|
型式番号 | XM-03 |
頭頂高 | 13.2m |
本体重量 | 6.8t |
全備重量 | 16.7t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 3,090kW |
推力 | 22,540kg×2 11,390kg×2 67,860kg(総推力) |
武装 | 4連ショットクロー(ヘビーマシンガン×4内蔵) 肩部3連グレネードラック ビーム・サーベル ショットランサー ビームスプレーガン シールド |
搭乗者 | クロスボーン・バンガード一般兵 |
その他 | アポジモーター×66 |
偵察任務を目的に開発された機体。ベース機のデナン・ゾンよりもさらに小型で、CV全体としても最小サイズである[16]。機体色はデナン・ゾンに準ずる。CVでは格闘型・戦闘型のMSに偵察用MSを加えて運用することがあるほか、ダギ・イルスと小隊を組むことも多い[16]。単機での偵察行動も行える[18]。 肩に装備された偵察ポッドを飛ばし情報を収集、実際に敵と遭遇した場合は、戦闘を行いそのデータを採取する。本来は戦闘行動を目的としていないが、不意の事態に備えた各種隠し武装を装備している[16]。索敵レーダーに影響を与えるビーム・シールドは装備せず実体式シールドを携行する。カメラアイのハイブリッド・センサーはほかのデナン・シリーズとは異なり、角張り細長い形状である。
ベルガ・ダラス
ベルガ・ダラス BERUGA DALAS | |
---|---|
型式番号 | XM-04 |
頭頂高 | 15.8m |
本体重量 | 9.3t |
全備重量 | 22.1t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 4,530kW |
推力 | 22,500kg×2 8,950kg×3 3,460kg×6 92,610kg(総推力) |
武装 | ビームサーベル×1 ショットランサー(ヘビーマシンガン×2内蔵)×1 ビームシールド×1 |
搭乗者 | ドレル・ロナ クロスボーン・バンガード一般指揮官 |
その他 | アポジモーター×82 |
デナン・ゾンを指揮官用に発展させたベルガシリーズの第一弾。デナン・ゾン同様に近接戦闘用として設計された[19]。ロナ家を中心とする貴族階級は、ほかの一般兵との機体の区別を早くから要求しており、この命を受けて指揮官機として開発された経緯がある[20]。 CVの指揮官用MSは古代バビロニア王国の神像をモチーフとしており、ベルガ・シリーズは頭飾付きのバビロニアの兜を模した頭部に統一されている。ドレル機は紫を主体としたカラーリングで、一般機も同様の配色となる。
デナン系と異なるフレームを採用し[19]、外付けジェネレーター直結の独立スラスターを組み合わせ、AMBACシステム兼用のシェルフ・ノズルをもつ[19]。本機では、個々のスラスター3基の組み合わせが2組装着されている。これにより従来機に比べ圧倒的な機動性と運動性を発揮する。デナン系に比べ先鋭的な調整がされており、エース級パイロットでなければ乗りこなせない反面、最初期の機体のため性能はベルガ・ギロスに劣る[19]。
背中にはビームフラッグが装備されている[21]。これは背中から散布した酸化燃料触媒に荷電粒子ビームを照射することによって文字や図案が書き込めるというもので[21]、通信がし難い高ミノフスキー粒子散布区域において命令を伝達する用途のほか、敵に対する示威行為にも使用される[21]。触媒は一定時間燃焼した後、拡散して燃え尽きる[21]。
武装は右腕部にアタッチメント方式で装備された他機より大型のショットランサー[19]とビーム・サーベル、ビーム・シールドの3つ。シェルフ・ノズルはゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』において、機体から分離した後に内蔵された機銃で攻撃する兵器として使用されている。基本小隊はベルガ・ダラスを指揮官機として、随伴機にデナン・ゾン2機となる。
- 劇中での活躍
- 映画『機動戦士ガンダムF91』本編では、おもにドレル・ロナの専用機が序盤から中盤に登場し活躍。劇中序盤にシーブックの駆るガンタンクR-44と交戦し、撃破している。またフロンティアIへの威力偵察の際には命令を反故しコロニー内に侵入、シーブックやビルギットらスペースアークの部隊や連邦駐留軍の部隊と交戦し、僚機3機に損害を受け撤収している。一般機としても多数が登場している。ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』では終盤にかけてラスボスに次ぐ強敵として登場した。
ベルガ・ギロス
ベルガ・ギロス BERUGA GIROS | |
---|---|
型式番号 | XM-05 |
頭頂高 | 15.7m |
本体重量 | 9.1t |
全備重量 | 22.7t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 4,790kW |
推力 | 21,820kg×2 8,950kg×3 3,460kg×8 98,170kg(総推力) |
武装 | ビームサーベル ショットランサー(ヘビーマシンガン×4内蔵) ビームシールド |
搭乗者 | ザビーネ・シャル(ブラックバンガード機) クロスボーン・バンガード一般指揮官 |
その他 | アポジモーター×73 |
ベルガ・ダラスの性能向上を目的として開発された機体[19]。指揮官用の機体であり、ベルガ・ダラスとは多くのパーツが共有化されている[22]。優秀なパイロットにのみ与えられる高性能機[23]。シェルフ・ノズルをさらに改良し、不必要なアポジモーターを排除しスラスターの配置を見直したことで機体の軽量化と機動性の向上がなされている。対MS戦を想定してセンサーも強化され、アンテナも通信機能を強化した高性能タイプを採用している[12]。武装のショットランサーは固定式から取り外し可能なタイプとなり、各種武装に対応可能となった[12]。また、マシンキャノンも4門に増加している[19]。背部のシェルフ・ノズルは各個に分散可能で、ミサイルのような兵装として使用できる[22]。一般機のほか、黒と紫を基調としたブラックバンガードのザビーネ・シャル専用機が存在する[24]。ザビーネ機のビームフラッグはCVの紋章でなく、シャル家の紋章が描かれているが、これはエリート選抜部隊である黒の戦隊(ブラックバンガード)隊長の特権である[要出典]。
- 劇中での活躍
- 映画全般では黒の戦隊(ブラックバンガード)であるザビーネ・シャルの愛機として登場。フロンティアIにおいて地球連邦軍に寝返ったアンナマリーのダギ・イルスと交戦して撃破するも、左肩を損傷したため修理に入るのを最後に登場しない。
- 漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』では、「戦鬼」の異名を持つシュテイン・バニィール中尉が搭乗。パーソナルカラーである金色に塗装されており、コスモ・バビロニア建国戦争において、MS5機、戦艦1隻を撃墜する戦果を挙げる。
ベルガ・ギロス・パワードウェポンタイプ
メカニックデザイン企画『F91-MSV』に登場。
ベルガ・ギロスを対艦用の爆撃機とした機体。脚部に艦橋遮蔽型の戦艦をも一撃で撃沈し得る対艦用ミサイルを装備。背部のシェルフノズルはブースターパック(推力8950kg)へと換装されている。大型のスラスターユニットを装着することで航続距離が延長された[25]。また、このブースターパックには衛星攻撃を目的としたミサイル・ASAT (Anti SATellite weapon)を内蔵している[26]。
この呼称は『ガンダムマガジン』掲載時のもので[26]、「ベルガ・ギロス 武装強化型」と記載する資料[27]、「ベルガ・ギロスカスタム」と記述する資料も見られる[28]。
ベルガ・バルス
ベルガ・バルス BERUGA BALUS' | |
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型式番号 | XM-05B |
頭頂高 | 15.6m |
本体重量 | 9.4t |
全備重量 | 27.6t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 5,410kW |
推力 | 16,580kg×1 9,580kg×4 8,950kg×3 3,160kg×8 107,190kg(総推力) |
武装 | ビーム・サーベル×1 ショットランサー(ヘビーマシンガン×4)×1 ビーム・シールド×1 |
搭乗者 | シェルフ・シェフィールド |
その他 | アポジモーター×73 |
漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場。
ベルガ・ギロスの改良機でありベルガシリーズの最終型[28]。ダーク・タイガー隊に配備された機体は赤色の配色となっている。すべての面でベルガ・ギロスを上回る性能を発揮し、ウィング状に形作られたシェルフノズルが特色である。バナナ型マガジンを二列に並べた機銃を持つショットランサーを携帯している[14]。
- 劇中での活躍
- シェルフ・シェフィールド大尉の愛機として登場。ネオガンダム1号機のG-バードでビームシールドの基部を破壊されるが、本体への直撃はまぬがれる。その後は反撃に転じ、ショットランサーでG-バードを破壊する。
ダギ・イルス
ダギ・イルス DAHGI IRIS | |
---|---|
型式番号 | XM-06 |
頭頂高 | 15.0m |
本体重量 | 9.7t |
全備重量 | 22.5t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 3,620kW |
推力 | 25,540kg×2 11,030kg×2 8,950kg×3 99,990kg(総推力) |
武装 | 腹部3連拡散ビーム砲×1 ビーム・サーベル×1 ビーム・ライフル×1 シールド×1 |
搭乗者 | アンナマリー・ブルージュ クロスボーン・バンガード一般兵 |
その他 | アポジモーター×87 |
エビル・Sと同様に偵察任務に特化された機体。主に指揮官機として運用される[29]。CVのMSの特徴であるハイブリッド・センサーは装備せず、ゴーグルタイプのカメラアイを持つ。並みのMSをはるかに上回る情報処理能力をもち、単純比較で通常のMS(デナン・ゾンクラス)5、6機分の領域捜索が可能とされる[30]。 超長距離用センサーが全身に配置されており、条件次第では数千キロの範囲を数センチ単位で走査可能[29]。新開発のドップラー・レーダーを持ち移動中でも高精度の索敵を実現した[29]。連邦軍側のMS同様バックパック、両腕、両足の6か所にハードポイントを備えている[30]。
ジェネレーターはベルガ・ダラスと同型のものを採用[31]、バイパスしたエナジーを利用することで、発展機のビギナ・ギナを超える推力を得ている[31]。技術的にはベルガシリーズから分化したもので、戦闘用としても高い性能を発揮する[31]。
- 武装・装備
- 劇中での活躍
- アンナマリー・ブルージュの乗機として登場。黒の戦隊の随伴機として活動するが、ザビーネへの反発からのちに地球連邦軍に投降し、無傷のまま連邦軍に捕獲される。本来濃緑色の機体の色をクリーム色に再塗装し連邦軍機として参戦するが、一度目の戦闘でザビーネのベルガ・ギロスに損傷を与えるも撃墜される。
ダギ・イルス・パワードウェポンタイプ
『F91-MSV』に登場。ダギ・イルスの早期警戒・指揮管制型。レーダーを強化するため、F91搭載型に匹敵するバイオコンピューターを搭載。両脚部には3基のノズルを持つスラスターユニット(推力8950kg)を装備。背部にはプロペラントタンク兼AMBACユニットを備える。また、左腕には120mm機関砲を設置[32]。偵察という目的を効果的に行うため、航続距離の延長に主眼を置いて開発された[33]。
B-CLUBの「月刊MSジャーナル」および「ホビージャパンF91ハンドブック」にも掲載。ダギ・イルスに長距離偵察型オプションを装備している。余剰電力のほとんどを探査機材の電子戦装備に使用するため、ビームライフルの携行は不可。代わりの兵装として左腕に固定型ヘビーライフルを備えるが、火力は貧弱なものとなっている。単独での長距離偵察への投入を想定し背部にAMBAC兼用のプロペラント・タンクを持つ。本機はCVのコスモ・バビロニア建国時にフロンティアサイドから月面近郊まで単独偵察を行い、連邦軍艦隊の動向を本国へ伝えていたとされる[29]。
「ダギ・イルス・パワードウェポンタイプ」とする呼称は『ガンダムマガジン』掲載時のもので[32]、「ダギ・イルス 長距離偵察型」と記述する資料も見られる[27][29]。
ビギナ・ギナ
ビギナ・ギナ VIGNA GHINA | |
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型式番号 | XM-07(またはXM-07A) |
頭頂高 | 15.8m |
本体重量 | 8.9t |
全備重量 | 22.5t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 4,790kW |
推力 | 22,950kg×2 8,950kg×2 4,490kg×8 99,720kg(総推力) |
武装 | ビーム・サーベル×2 ビーム・ライフル ビーム・ランチャー ビーム・シールド |
搭乗者 | ベラ・ロナ アンナマリー・ブルージュ |
その他 | アポジモーター×87 |
ダギ・イルスをベースに開発された指揮官用の高機動試作機。ベルガ系の技術フィードバックを行い、貴族・高級士官用[34]MSとして制作された[35]。クロスボーン・バンガードのシンボルという側面を持ち[36]、ベラ専用の機体として配備[36]された。シェルフ・ノズルを発展させた「フィン・ノズル」と呼ばれる外装式推進システムをもつ。8基のスラスターが360度方向に独立可動することで高い機動性を発揮し、ジェネレータ直結のため伝達ロスが少なく効率的な稼働が可能となっている[37]。また、AMBAC作動肢としても機能する[38]。メインスラスターの設計変更により、プロペラントの積載量も増量した[39]。カメラ・ゴーグルの仕様は、ダギ・イルス同様のタイプを採用。ジェネレータはベルガ・ギロスと同型[35]で、総合性能はF91に匹敵する[40]。バリエーション機としてビギナ・ゼラが存在し、同時期に開発された。
ゲーム『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』、『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT』では射撃武装として原作の設定にはないショットランサーを装備している。
- 武装・装備
- 劇中での活躍
- ベラ・ロナに専用機として与えられ、慣熟飛行中にガンダムF91と遭遇。交戦中、胸部装甲を破損。F91のパイロットがシーブックであることを確信したベラは交信を試み、その後ベラは機体ごと連邦軍に投降する。スペース・アークにて額のエンブレムの消去、破損した胸部装甲の修復と整備が行われる。CVをあざむくため、連邦軍から敵と認識される危険を承知で敢えて機体コードを変えずに出撃し、フロンティアIでのバグ掃討に出撃後、元凶であるガル・ブラウを沈める。ラフレシアとの戦闘突入後は機動性を生かしビーム・ランチャーとビーム・ライフルで応戦。テンタクラー・ロッドをビーム・サーベルで切断するなど健闘するが、機体を切断され大破する。F91はこの残骸をビーム・ランチャーで狙撃することでラフレシア攻略の糸口とする。
- 漫画『機動戦士ガンダムF91プリクエル』では、フロンティアIV侵攻以前にアンナマリーがテスト・パイロットを務め、C・Vのドック「洗濯板」付近の宙域で、ミノフスキー粒子散布下を想定し無線やレーダー類を切って模擬戦をおこなう。バックパックにはフィン・ノズルではなく、片側4発のシェルフ・ノズルを装備している。
ビギナ・ギナ(ベラ・ロナ・スペシャル)
『MS HAND BOOK』よりイラストが描かれており、『F91-MSV』に分類されるMS。型番はXM-07S[41]。全身が赤色に塗装されており、金色の装飾が施されている。ゴーグルの形状が実戦参加仕様のものと異なり、丸眼鏡タイプのデュアル・アイを採用しているのが特徴。
ビギナ・ギナII
『ガンダムマガジン』No.5が初出で、「F91-MSV」に分類される(形式番号:XM-07B)。
コスモ・バビロニア建国戦争時にF91のデータを入手したブッホ・コンツェルンが、ビギナ・ギナをベースに開発した機体だが[42][43]、経緯や開発時期に関しては不明な点が多い[44]。頭部はツイン・アイに2対のV字アンテナなど、ガンダム・タイプに近い意匠となっている。シェルフ・ノズルに替わってF91のヴェスバーに似た形状のウィング・ノズル(「フレキシブル・ウィング・ノズル」とも[44]、1基当たりの推力は6,160キログラム×5)を装備しており[43]、火力はF91におよばないものの機動性は引けを取らない[42]。また、F91のようなショルダー・フィンを左右2枚もつ[43]。ビーム・シールドは出力強化型で[43]、携行武装はヘビー・マシンガン2門と一体化したショット・ランサー[43]。ビギナ・ゼラとの共通点も見られ、関連が指摘される[44]。
塗装は赤を基調に一部黒とグレーで塗られており、「レッド・バンガード」に配備される予定であったとされるが[43][44]、そのような部隊は確認されておらず詳細は不明。デザイナーの大河原邦男は「パイロットはドレル・ロナがふさわしいかな」とコメントしており[43]、これを踏襲して、ドレル専用機だったとも伝えられるが詳細不明とする資料もあり[42]、ゲーム『SDガンダム GGENERATION OVER WORLD』の公式サイトでもパイロットがドレルになっている[45]。
ビギナ・ギナII(木星決戦仕様)
『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』に登場。 ギリ専用に改修された機体。左腕の出力強化型ビームシールドは撤廃され、代わりにギリが使い慣れた木星帝国のクァバーゼに付けられていたスネークハンド(触手状のアーム・マシンウィップの先端に、丸鋸状のビーム・ソーを装備させた武器)を装備、5発の核弾頭ミサイルが装着されたショットランサーを携行する。
ビギナ・ゼラ
ビギナ・ゼラ VIGNA ZIRAH | |
---|---|
型式番号 | XM-07G |
頭頂高 | 15.6m |
本体重量 | 9.1t |
全備重量 | 21.2t |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材 |
出力 | 4,980kW |
推力 | 9,580kg×4 8,950kg×3 3,180kg×8 92,400kg(総推力) |
武装 | ビーム・サーベル×2 ヴェスバー×2 ビーム・ライフル×1 ビーム・シールド×1 |
搭乗者 | シェルフ・シェフィールド |
その他 | アポジモーター×51 |
『シルエットフォーミュラ91』に登場。
ダギ・イルスを基に開発した火力強化型。ビギナ・ギナと並行して開発された。
機体色は紅色と黒鉄色。頭部はビギナ・ギナのものに類似したバイザー型センサーを採用し、両側頭部にアンテナを備える。
従来のシェルフ・ノズルに変わり、アナハイム・エレクトロニクス(以下、AE)からもたらされた新技術であるヴェスバーを導入している[40](CVは以前よりAEとの関係が深く、同社によるSFP(シルエットフォーミュラプロジェクト)の内容を把握しており、また同時にサナリィによるF計画の概要を入手していた[46])。
サナリィ製のF91に装備されていたヴェスバーは、内蔵コンデンサーによって本体から分離した状態でも数射程度の使用が可能であった。しかし、このビギナ・ゼラに装備されたヴェスバーは、AE製のRXF91同様に開発スタッフがそのコンデンサーの存在を解明できなかったために撤去されており[40]、基部から取り外して使用することは不可能であるものの[46]、上下2基構成のセンサーを搭載することでF91で大きな問題となっていた照準精度の低さが大幅に改善されており、信頼性の高い武装となっている[46]。AMBACおよび推力向上の観点においても非常に有効であり[40]、ジョイントとして使用されているクランク構造やロケット・モーターの設置によってF91をもしのぐ高機動性能を達成している。ただし、制御系にバイオ・コンピューターを採用していないため、F91のような最大稼動モードは設定されていない。
デュアルセンサーとブレードアンテナを採用しガンダムタイプに酷似した頭部エクステリアも用意されており、MS開発技術者のガンダム信仰によるものとも、CVの戦略の一環としてプロパガンダに用いる構想があったともいわれている[46]。
試作機がCVのダーク・タイガー隊に配備され、ゼブラゾーンの軍事衝突において実戦投入された。
- 劇中での活躍
- CVのMS試験部隊「ダーク・タイガー」を率いるシェルフ・シェフィールド大尉に実用評価試験機として供与される。AE製のネオガンダム1号機との交戦で小破、撤退する。
ビギナ・ゼラ アインツェルカンプ
ネオガンダムのプラモデルに付属の『MS HAND BOOK』より。ビギナ・ゼラの量産機に特殊作戦用の追加装備を施したMS[47]。 サブフライトシステム兼用の大型シールド、ショットランサー、ビームライフルを装備し、バックパックはベルガ系と同様のシェルフノズルに換装されている[47]。 ベルガ系列の量産機と同様の紫を基調としたカラーリングを採用している。シールドはF90IIのIタイプに採用された大型ブースターに近似しており、ネオガンダムとの一騎打ちを想定している[47]。
前述『MS HAND BOOK』のプラモデル作例では、大型シールドがガンダムF90のジャンクパーツを多用して作られている。
ビギナ・ロナ
ビギナ・ロナ VIGNA RONAH | |
---|---|
型式番号 | XM-07R |
武装 | ビームシールド・サーベル ヘビーマシンガン バスターランサー ヴァリアブル・メガビームランチャー |
ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』に登場するゲームオリジナルの機体。
ロナ家を護衛する親衛隊の専用機としてコスト度外視の高性能機として開発が行われ、ビギナシリーズをもとにビギナ・ゼラなどの運用データを用いて設計されたとされている。 ショットランサーを7連装式にしたバスターランサーや、ヴェスバーをもとに改良して手持ち式となったヴァリアブル・メガビームランチャーなどを装備し、高い火力を実現している。
また、ガンダムF91と同様のフェイスカバー機構を搭載しており、頭部のデュアルカメラを保護しているカメラシールドも同様に開放することができる。しかし、これらの機構がガンダムF91やクロスボーン・ガンダムの様に頭部ユニットの冷却を目的としたものであるかなど、詳しい設定は明かされていない。
モビルアーマー
ラフレシア
『F91』に登場。原案は同作の監督である富野由悠季が最後の敵メカととして考えていた「メドザック」(石垣純哉による最終ラフ画稿が2020年に自身のTwitterで公開された。名称は「メドザック・バスース」と記されている[48])であるが、富野曰く「メドザックはすごすぎる」ということで次回作(未発表)に回すことになり、メドザックを基本に富野がラフスケッチを描いた[49]。この時点でコンセプトと基本デザインは完成している。大河原が過労で入院したために石垣がラフをもとに第1稿を描き[50]、最終的なクリーンアップは退院した大河原がおこなった[49]。
- 設定解説
ラフレシア Lafressia[51] | |
---|---|
型式番号 | XMA-01[51] |
全高 | 37.5m[51] |
本体重量 | 184.6t[51] |
全備重量 | 263.7t[51] |
装甲材質 | チタン合金ハイセラミック複合材[51] |
出力 | 31,650kW[51] |
推力 | 52,020kg×5[51] 43,350kg×5[51] 28,900kg×20[51] 1,054,850kg(総推力) |
武装 | メガビームキャノン×5[51] メガ粒子砲×5[51] 拡散ビーム砲×8[51] テンタクラーロッド×125[51] Iフィールドジェネレーター |
搭乗者 | カロッゾ・ロナ |
その他 | アポジモーター×40(本体)[51] |
- CVの最高司令官にしてコスモ貴族主義の名の下で「無差別の粛正」を旨とする「鉄仮面」ことカロッゾ・ロナ大将の研究課題「ラフレシア・プロジェクト」の遂行のために開発された、試作型MA。
- 制御はカロッゾ・ロナの頭脳と接続した脳波コントロールで行われる[51]。これはカロッゾがクロスボーン・バンガードに参画する以前から研究していた思考機器操作の研究の発展形にあり、ネオ・サイコミュとも呼ばれる[52]。また、制御系にはバイオコンピュータを導入[53]。パイロットとの接続は光ファイバーで行われ、コクピットは有視界戦闘のためキャノピー方式となる[54]。また、先端部にビームライフルとチェーンソーを併せ持つテンタクラーロッドを125本装備[51][注 2]。このテンタクラーロッドはグフのヒートロッドのように、電撃攻撃も可能である[54]。また、ラー・カイラム級戦艦を一撃で撃破可能なメガ粒子砲や、敵のビーム攻撃やMSの核融合炉の爆発にも耐え得るIフィールドジェネレーターを備える[54]。巨大な花を想起させるMAである[55]。
- 劇中での活躍
- カロッゾが搭乗して地球連邦軍の援護艦隊を一瞬で壊滅させ、彼の実子ベラ・ロナの搭乗するビギナ・ギナを中破させる。しかしガンダムF91との戦闘では「質量を持った残像」を捉えきれず、撃破される。
- 映像ではどのように撃破されたのかは不明であり、確認できるのは「F91がラフレシアのコックピットにビームランチャーをほぼ密着させる→すでに爆発を始めているラフレシアのコクピットにラフレシアのビームが撃たれている」という場面だけである。
- この解釈は関連書籍でも別れており、ラフレシアのコクピット前に残ったF91の残像に対しテンタクラー・ロッドが攻撃を行い、ラフレシアのコクピットを撃ち抜いたものとした資料[58][59][60]がみられる。一方で、小説版では「F91が至近距離からラフレシアのコックピットにヴェスバーを撃った。ラフレシアの前に現れたF91の残像に対しテンタクラーロッドが攻撃を仕掛けていたため、ラフレシアに対し攻撃したように見えた」と説明されている[61]。但し劇場版ではこのシーンの前にヴェスバーは2基とも喪失している為該当しない。
ラフレシア・プロジェクト
カロッゾの研究課題や余剰人口抹殺計画とされている。劇中ではバグをコロニー内に放ち、フロンティア1の市民を虐殺する。機械による無作為の虐殺の利点として、劇中で「誰も良心を痛めることのない良い計画」とカロッゾは語るが、本計画は彼が極秘裏に進めていたものであり、ザビーネ・シャル以下の他の幹部たちはおろか、ザムス・ガルの艦長ジレ・クリューガーですら詳細を知らされていなかった。ただしカロッゾ本人は「人類の9割を殺せと命じられればこうもなろう」と発言しており、彼よりも上の意向が存在していることを示唆している。カロッゾに命令を下せられるような人物はマイッツァー・ロナしかおらず、またマイッツァーは小説版で人口削減について話し合い、プロジェクトについても知っている。
エビル・ドーガ
ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズに登場するCVのMAである。
エビル・ドーガ Ebirhu Doga | |
---|---|
型式番号 | XMA-02 |
武装 | 大型メガ粒子砲 ファンネル バグ |
- 設定解説
- U.C.0093年以降、ブッホ・コンツェルンがジャンク回収業を行っていた折に第二次ネオ・ジオン抗争において新生ネオ・ジオン軍が廃棄したα・アジールの残骸を秘密裏に回収、U.C.0106年のクロスボーン・バンガード結成の傍ら開発した機体[56]。
- 自社のデナンタイプのMSの技術と掛け合わせて開発した。ファンネルを主兵装として搭載しており、これはネオ・サイコミュシステム制御により一般パイロットでもあつかうことが可能となっている。またラフレシアで用いられていたバグのコントロールシステムも搭載されている。製作総指揮のカロッゾ・ロナが戦死した事から実戦投入は見送られる[56]。
その他
バグ
『F91』に登場。デザインはラフレシアと同様の経緯で、富野のラフスケッチから石垣を経て、大河原によってクリーンアップされた[49]。
- 設定解説
バグ(親バグ) Bug | |
---|---|
全長 | 3.9m 3.0m(直径) |
本体重量 | 1.6t |
全備重量 | 3.2t |
装甲材質 | チタン合金、炭素繊維複合材 |
出力 | 750kW×2 |
推力 | 375kg×16 6,000kg(総推力) |
武装 | 高速チェーンソー×24 レーザートーチ×24 子バグ×3 (6) |
子バグ | |
全長 | 0.6m |
武装 | スラッシュブレード×16 (8) ディストラクショングレネード×2 (1) |
- 円盤型の自律型対人感応殺傷兵器。コロニーの施設を必要以上に傷付けずに制圧すべく、人間の熱感知、二酸化炭素反応、動体センサーなどを使用して人間のみをターゲットとするよう設計されている[52]。通称『親バグ』と呼ばれる4m弱の移動体はミノフスキークラフトとバーニアによって浮遊・飛行・回転し、24基のチェーンソーによって高速回転しながらターゲットを車両や設備ごと切り刻む[52]。チェーンソーはガンダリウム合金の装甲さえ切り裂く強力なものとなっている。
- 親バグユニットが入りこめないシェルター内部などへは内部に収容した小型円盤ユニット、通称『子バグ』を放出することで対応。子バグは小型レーザーと8枚のブレードを回転させることで建造物などへ潜入を行い、必要に応じて自爆用の爆薬で攻撃する[52]。制御自体は自律行動に基づく機械的で単調なものとなっており、回避運動は取らない、もしくは取れないようで、対象に向かうことで自機の破壊が確実でも構わず突撃する。
- 劇中の活躍
- コスモ・バビロニア建国戦争時に、フロンティアサイドの住民に対して使用される。ジレ・クリューガーによれば、フロンティアIで稼働させたバグの能力は「初動は完璧で、増殖さえ予定通りならフロンティア1の300万人口の掃除は、2~3日で完了する」とカロッゾ・ロナに説明している。カロッゾは上記の「テスト」がこのまま良好であれば、ただちにバグを月と地球に降下させようと語り、誰の良心も痛めることがないいい作戦だと評価した。バグの稼働には大電力が必要であり、ザムス・ガルの船首部分であるガル・ブラウを分離させ、コロニー(フロンティア1)外部の核融合発電所に固定することによって使用した。
- 劇中では戦艦ザムス・ガルに秘密裏に搭載されており、一部の者を除いてその存在を知らされてはいなかった。フロンティアIVに篭城した抵抗勢力に対して使用され、コズモ・エーゲスを始め多くのレジスタンスや一般人を殺傷する。さらにはMSにすら襲いかかり、ビルギット・ピリヨの搭乗するヘビーガンのコックピットを爆破し撃墜する。
- 小説版『機動戦士Vガンダム』では、ウッソ、カテジナ、カルル達が民家に隠れていた所で、正体不明の機械に襲われる。その機械はアポジ・モータに似た音をさせながら動いた後、ビームロータの音をさせながら遠ざかっていった。それをウッソは「クロスボーン・バンガード時代につかわれたビットとかバグというのに似ていた」と語るが、詳細は不明[62]。小説版『∀ガンダム』(改題『月に繭 地には果実』)では、月の運河に設置された巨大荷電粒子砲「カイラス・ギリ」の防衛兵器として多数配備されている。『マガジンZ』連載の曽我篤士画の漫画版『∀ガンダム』にも登場しているが、これは親バグ子バグともハロに偽装された姿となっており、より対人兵器としての性格を強めたものとなっている。ギンガナム軍により月面都市ゲンガナムに潜入したロランたちに対する追手として放たれる。
脚注
注釈
出典
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参考文献
- 書籍
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- 大河原邦男『メカニックデザイナーの仕事論 ヤッターマン、ガンダムを描いた職人』光文社、2015年8月。ISBN 978-4-334-03874-8。
- ムック
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- 雑誌
- 『ガンダムマガジン No.5』講談社、1991年5月。
- 小説
- 富野由悠季『機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード』 上巻、角川書店、1991年2月。ISBN 4-04-410134-5。
- 富野由悠季『機動戦士ガンダムF91 クロスボーン・バンガード(下)』角川書店、1991年2月。ISBN 978-4044101350。
- 富野由悠季『機動戦士Vガンダム1 ウッソ・エヴィン』角川書店、1993年3月。ISBN 4044101477。
- 漫画
- 加登屋みつる、岩村俊哉『Gレジェンドコミックス ガンダム短編集2』講談社、2006年7月。ISBN 978-4063721782。
- 長谷川裕一『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』 第3巻、角川書店、2007年12月。ISBN 978-4-04-715005-8。
- フィルムコミック
- 『機動戦士ガンダムF91 劇場用アニメ映画フィルムコミック』旭屋出版、1998年3月。ISBN 4751101250。
- プラモデル付属説明書
- 『1/100 F91 No.2 ビギナ・ギナ』バンダイ、1990年12月。
- 『1/100 デナン・ゾン』バンダイ、1991年1月。
- 『1/100 ベルガ・ギロス』バンダイ、1991年3月。
- 『1/100 ダギ・イルス』バンダイ、1991年3月。
- 『1/100 ビギナ・ゼラ』バンダイ、1992年7月。
- 『RE/100 1/100 ビギナ・ギナ』バンダイ、2018年6月。
- プラモデル付属冊子
- 『モビルスーツハンドブック(1/100 機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ No.5 ネオガンダム 付属冊子)』バンダイ、1992年3月。
- ウェブサイト
- “F91-MSV■登場MS&キャラクター|SDガンダム ジージェネレーション オーバーワールド”. バンダイナムコゲームス公式サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2012年9月21日閲覧。
- “RE/100 1/100 ビギナ・ギナII”. バンダイホビーサイト. BANDAI SPIRITS. 2019年5月31日閲覧。