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「ヤクト・ドーガ」の版間の差分

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[[宇宙世紀]]0090年代に開発された、ネオ・ジオンのNT専用試作型MS。当時のネオ・ジオンは生産能力をNZ-333 [[α・アジール]]に振り向けていたことから、本機は量産機であるAMS-119 ギラ・ドーガの[[ムーバブルフレーム]]をもとに設計された<ref name="144_n03_qp" />。
[[宇宙世紀]]0090年代に開発された、ネオ・ジオンのNT専用試作型MS。当時のネオ・ジオンは生産能力をNZ-333 [[α・アジール]]に振り向けていたことから、本機は量産機であるAMS-119 ギラ・ドーガの[[ムーバブルフレーム]]をもとに設計された<ref name="144_n03_qp" />。


[[アナハイム・エレクトロニクス]]のグラナダ工場が開発を担当し<ref name="eb3-68">『ENTERTAINMENT BIBLE.3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、68頁。</ref>、前駆となる[[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)|ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)]]<ref name="144_n03_qp">プラモデル『1/144 MSN-03 ヤクト・ドーガ(クエス・パラヤ専用機)』付属説明書、バンダイ、1988年4月。</ref>を経て完成した。
[[アナハイム・エレクトロニクス]]のグラナダ工場が開発を担当し<ref name="eb3-68">『ENTERTAINMENT BIBLE.3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、68頁。</ref>、前駆となる[[ギラ・ドーガ#ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)|ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)]]<ref name="144_n03_qp">プラモデル『1/144 MSN-03 ヤクト・ドーガ(クエス・パラヤ専用機)』付属説明書、バンダイ、1988年4月。</ref>を経て完成した。


ギラ・ドーガ自体は[[サイコミュ]]の搭載を想定した設計ではなかったため、新開発の[[サイコフレーム]]を採用することでサイコミュ機器の小型化と同時に追従性を高め<ref name="eb3-68" />、特定の部分では要求性能を達成した<ref name="hguc_n03_qa">プラモデル『HGUC MSN-03 ヤクト・ドーガ(クェス・エア専用機)』付属説明書、バンダイ、2007年10月。</ref>。また、ギラ・ドーガの1.6倍の出力を発生するジェネレーターを採用し、アビオニクス配置も改変<ref name="eb3-68" />。同時に[[チタン合金セラミック複合材|チタン合金]]からガンダリウム合金製装甲材への変更といった改修によって<ref name="144_n03_qp"/>、通常のMSと比較しても高い性能を発揮するに至った<ref name="eb3-68" />。しかしながら、ギラ・ドーガをベースとしたためにバランスが悪化したうえ<ref name="allms2015"/>{{Refnest|group="注"|ただし、これはサイコフレームによって補われている<ref name="allms2015">『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月、355頁。(ISBN 978-4048650960)</ref>。}}、本機の性能値はシャアが要求するものには至らなかったことから新たにサザビーが開発され<ref name="hguc_n03_qa" />、ヤクト・ドーガは2機が試作されるに留まった<ref name="eb3-68" />。
ギラ・ドーガ自体は[[サイコミュ]]の搭載を想定した設計ではなかったため、新開発の[[サイコフレーム]]を採用することでサイコミュ機器の小型化と同時に追従性を高め<ref name="eb3-68" />、特定の部分では要求性能を達成した<ref name="hguc_n03_qa">プラモデル『HGUC MSN-03 ヤクト・ドーガ(クェス・エア専用機)』付属説明書、バンダイ、2007年10月。</ref>。また、ギラ・ドーガの1.6倍の出力を発生するジェネレーターを採用し、アビオニクス配置も改変<ref name="eb3-68" />。同時に[[チタン合金セラミック複合材|チタン合金]]からガンダリウム合金製装甲材への変更といった改修によって<ref name="144_n03_qp"/>、通常のMSと比較しても高い性能を発揮するに至った<ref name="eb3-68" />。しかしながら、ギラ・ドーガをベースとしたためにバランスが悪化したうえ<ref name="allms2015"/>{{Refnest|group="注"|ただし、これはサイコフレームによって補われている<ref name="allms2015">『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月、355頁。(ISBN 978-4048650960)</ref>。}}、本機の性能値はシャアが要求するものには至らなかったことから新たにサザビーが開発され<ref name="hguc_n03_qa" />、ヤクト・ドーガは2機が試作されるに留まった<ref name="eb3-68" />。

2020年11月7日 (土) 11:25時点における版

ヤクト・ドーガ (JAGD DOGA) は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)のひとつ。初出は1988年公開のアニメーション映画機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下『CCA』)。

新生ネオ・ジオン軍の主力量産機ギラ・ドーガの発展型で、特殊な能力を持つ「ニュータイプ」および「強化人間」用に開発された試作機。当初はネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルの専用機となるはずだったが、性能不足からその役目をサザビーに譲り、完成した2機は部下の強化人間ギュネイ・ガスとニュータイプの少女クェス・パラヤ(クェス・エア)にそれぞれ与えられた。それぞれ塗装や頭部形状、携行武装が異なるが、性能的な違いはない。

劇中でギュネイ機は主人公アムロ・レイが搭乗するνガンダムに撃墜されるが、クェス機は損傷しつつも残存し、『CCA』の後の時代を描いた『機動戦士ガンダムUC』のアニメ版などでは「袖付き」仕様に改修されて再登場している(パイロットは異なる)。

機体解説

諸元
ヤクト・ドーガ
JAGD DOGA
型式番号 MSN-03
全高 21.0m[1]
頭頂高 21m[2]
本体重量 28t[2]
28.6t(「袖付き」仕様)[3]
全備重量 64.6t[2]
65.2t(「袖付き」仕様)[3]
装甲材質 ガンダリウム合金[2]
出力 3,340kW[2]
推力 17,000kg×2[2]
13,000kg×2[2]
11,000kg×2[2]
総推力:82,000kg[1]
76,000kg(「袖付き」仕様)[3]
センサー
有効半径
20,500m[2] / 16,400m[1][注 1]
20,500m(「袖付き」仕様)[3]
武装 ビーム・アサルトライフル(ギュネイ機)
メガ・ガトリングガン(クェス機)
ビーム・マシンガン(「袖付き」仕様)
ヒート・ナイフ付ビーム・サーベル
ファンネル×6 / 2または3(「袖付き」仕様)
ミサイル×6
メガ粒子砲内蔵シールド
搭乗者 ギュネイ・ガス
クェス・エア(クェス・パラヤ)
ジェダ・ジェスカリオト
ゼクスト・アーデ(「袖付き」仕様)
その他 アポジモーター×17[2]

宇宙世紀0090年代に開発された、ネオ・ジオンのNT専用試作型MS。当時のネオ・ジオンは生産能力をNZ-333 α・アジールに振り向けていたことから、本機は量産機であるAMS-119 ギラ・ドーガのムーバブルフレームをもとに設計された[4]

アナハイム・エレクトロニクスのグラナダ工場が開発を担当し[5]、前駆となるギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)[4]を経て完成した。

ギラ・ドーガ自体はサイコミュの搭載を想定した設計ではなかったため、新開発のサイコフレームを採用することでサイコミュ機器の小型化と同時に追従性を高め[5]、特定の部分では要求性能を達成した[6]。また、ギラ・ドーガの1.6倍の出力を発生するジェネレーターを採用し、アビオニクス配置も改変[5]。同時にチタン合金からガンダリウム合金製装甲材への変更といった改修によって[4]、通常のMSと比較しても高い性能を発揮するに至った[5]。しかしながら、ギラ・ドーガをベースとしたためにバランスが悪化したうえ[7][注 2]、本機の性能値はシャアが要求するものには至らなかったことから新たにサザビーが開発され[6]、ヤクト・ドーガは2機が試作されるに留まった[5]

武装

ビーム・アサルトライフル
ギュネイ機が携行。複合センサーとレーザー・センサーを装備し、精密照準射撃と速射の切り替えが可能となっている[2]。比較的小口径ながら標準的な威力をもち、軽量で取り回しやすい[8]。センサー横にグレネード・ランチャーを装備[9]。エネルギー・パックはバーチカル式[10]
メガ・ガトリングガン
クェス機が携行。「ビーム・ガトリングガン」とも呼ばれる[2]。4本の銃身をもち[2]、それらが回転することによってメガ粒子の圧縮チャンバーに掛かる負担の一部を逃し、従来よりも長いビームの連射が可能となっている[6]。エネルギーの消費量は多いが、凄まじい破壊力を誇る[2]
ヒート・ナイフ付ビーム・サーベル
左腰のスラスター・ユニットに装備[2]。鍔の部分に着脱式の[8]ヒート・ナイフを装備しているのが特徴[2]
ファンネル
両肩のスラスター内蔵シールド(「ショルダー・シールド」[2]または「ファンネル・ポート・シールド」とも呼ばれる[8])に3基ずつ懸架される、サイコミュ誘導式の小型ビーム砲端末。従来のファンネルに比べ稼働時間や運動性は格段に向上しており[4]、サイコフレームの採用により追従性と即応性も向上している[5]。また、エネルギーCAPシステムの大容量化により出力はビット並みの[8]10.6メガワットを誇る[5]。通常は円筒形だが、戦闘時には砲身が前方に伸び、後方のカバーが展開してスラスターが露出する。サザビーも同型のものを装備するが、本機ではファンネルの再使用は想定されていない[11]。しかし、「袖付き」仕様ではジェガンを攻撃した後、明らかにスラスター内蔵シールドに再び収容されている。
ミサイル
ショルダー・シールド裏側に小型のものを3発ずつ装備。3連装のミサイル・ランチャーとも呼ばれるが[8]、弾体は完全に露出している。通常は下向きに装備されているが、ショルダー・シールドの基部が回転するため、水平発射なども可能[10]。敵機の接近に対してや、近距離戦闘での牽制に使用される[10]
メガ粒子砲内蔵シールド
表面に4基のメガ粒子砲を内蔵する攻防一体の兵装で、接近戦で威力を発揮する[5]ハンマ・ハンマのものを原型にメガ粒子砲をコンパクト化しているが[2]、1基当たりの出力は9.3メガワットと大幅に向上している[5](標準的な威力とする資料もある[8])。ビーム用のエネルギーや収束装置を利用して、敵のビームの威力を減免することも可能[8]
当初はさらに3基のインコムも搭載されているが、本機のサイコミュ・システムではファンネルとの同時使用が不可能であったため、インコムを除去したタイプが装備されている[4]

ギュネイ・ガス機

試作2号機[9]。エメラルド・グリーンと金色を基調とし、モノアイ・スリットの上部左右に眼のマーキングが施されている。5th(フィフス)・ルナ落下作戦では、アムロ・レイの駆るリ・ガズィに苦戦するも5thの核パルス推進器を守りきり、作戦を成功に導く。ルナツー占拠の際はクェスのヤクト・ドーガに随伴し、ジェガン8機をまたたく間に撃破する。また、アクシズ攻撃の第1陣として突入してきたリ・ガズィを戦闘不能にしたうえ、パイロットのケーラ・スゥを捕獲し、殺害する。その後、ラー・カイラムからアクシズへ放たれた核ミサイルを、ファンネルで全弾撃墜する。

最終決戦ではクェスのα・アジールとともにνガンダムに挑むも、パイロットの技量と機体性能の両面で圧倒され、背後を取られたクェスを救おうと無理な姿勢で攻撃に出た際、バズーカとシールドを囮にした戦法に隙を突かれ、ビーム・ライフルの直撃を受けて撃破される。

ジェダ・ジェスカリオト機

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』に登場。宇宙世紀0090年にレウルーラに搭載されている。武装はギュネイ機と共通だが、頭部形状がやや異なり、モノクロで塗色は不明だが塗り分けも異なる。

ジェダ・ジェスカリオト中尉が搭乗しDガンダム・サードと交戦、ビーム・サーベルでコックピットを貫いて一度は勝利するが、機体と敵パイロットは奇跡的に無事であり、そのまま再戦するも人員救助のため停戦となる。その後は不明。

クェス・パラヤ(クェス・エア)機

ギュネイ機の頭頂部にある大型アンテナがなく、後頭部に飾りツノを装備[9]、モノアイ・シールドの周囲が縁取られている。塗装は赤と銀色を基調とする。シャアの乗機として赤く下地処理されるが予備機となり[6]、シャアを追ってネオ・ジオン入りしたクェスの乗機とされ、慣熟訓練後にルナツー占拠作戦で実戦参加する。父・アデナウアー・パラヤの乗る連邦軍のクラップ級巡洋艦のブリッジを破壊した際、その寸前に同艦から放たれたミサイルにより右腕を破損する。作戦終了後はムサカに帰還するが、クェスはアクシズに先行したシャアを追って破損したままの本機で発進する。その後、クェスはα・アジールに搭乗するため、本機は残置される。

講談社より1991年4月に刊行された『ガンダムマガジン』第4号掲載のコミック「νガンダム秘話 ネオ・ジオンの亡霊」では、クェス機と同型の「赤いヤクト・ドーガ」が登場。パイロットはNT少女である。宇宙世紀0094年に地球へ単独降下し、その後半年間地球に潜伏していたが、連邦軍のマサダ中尉率いる掃討部隊と交戦し、νガンダムと相討つ。漫画でもクェス専用機として運用されていたことを示唆しているが、同一機体かは明言されていない。

「袖付き」仕様

機動戦士ガンダムUC』に登場。ネオ・ジオン残党「袖付き」が、残存したクェス機を修復・改修した機体[12]。初出であるアニメ版、漫画版『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』及び小説『機動戦士ガンダムUC 不死鳥狩り』の各作品で、一部仕様や作中での扱いが大きく異なる。

機体色はライト・カーキとグレーを基調に変更され、胸部と手首には「袖付き」特有のエングレービング調の装飾が施されている。「袖付き」の財政難から純正パーツの補充ができなかったため、破損した右腕や一部の武装はベース機であるギラ・ドーガのもので代用している。バックパックもギラ・ドーガのものに換装されているが、こちらは破損ではなく運用面での都合を考慮しての変更となっている。武装は指揮官用ギラ・ドーガのビーム・マシンガン、左肩のファンネル2基。『バンデシネ』ではファンネルの数が3基に増えており、左腕にシールドを装備している[13]

各作品でパイロットの描写はないが、アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』では、フロンタル親衛隊のゼクスト・アーデ少尉がパイロットを務めたとされている。

アニメ版ではメガラニカ周辺宙域戦で登場。ファンネルによるオールレンジ攻撃で、ネェル・アーガマ隊のジェガンD型を葬っている。この直後、ファンネルを肩のラックに帰還させるシーンが描かれている。

『バンデシネ』ではネェル・アーガマへと肉薄し、ガランシェール隊のギラ・ズールに撃破される描写となっている。

『不死鳥狩り』では、アニメ版で設定されたシナンジュ用の巨大MAネオ・ジオング」のコア・ユニットとして登場。小説版の世界観でもネオ・ジオングは存在するが、「フロンタルのもとに届かなかった」という設定となり、運搬中に発生した戦闘にて、本機を臨時のコア・ユニットとすることで起動させてユニコーンガンダム3号機 「フェネクス」と交戦し、撃破される。

ヤクト・ドーガ量産型

スーパーロボット大戦シリーズ』『バトルロボット烈伝』に登場するゲームオリジナルMS。敵NT部隊の配属機であり、緑色に塗装されている。外見はクェス機に酷似し、武装はギュネイ機と同一仕様である。

デザイン

メカニックデザイン出渕裕が担当。ザクIIマラサイなどの流れを汲むギラ・ドーガの基本構造を流用している設定だが、両肩のシールドと腰部と脚部を中心にボリュームアップしシルエットにより大きく趣を異にする。猛禽類のようにも見える頭部は、ローマのガレー船のイメージでデザインしたという[14]

バギ・ドーガ

諸元
バギ・ドーガ
BAGI DOGA[15]
型式番号 MSN-X4
頭頂高 18.5
本体重量 21.7t
全備重量 48.3t
装甲材質 ガンダリウム合金
出力 3,110kW
センサー
有効半径
16,400m
武装 銃剣型ビームライフル
モビル・ビット×2
スプゥン・ビット×8(ピクセル)

漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム(誌面掲載時ACT.6~ACT.8)』に登場する機体。新生ネオ・ジオンのニュータイプ用実験機で、ギラ・ドーガとヤクト・ドーガの中間にあたり、旧フラナガン機関の流れをくむ研究所が開発した[16]

ゲーマルク量産型キュベレイが、ファンネルの装備数と戦果が比例しなかった事例を反省して開発された機体[17]。半自立式の「モビルビット(「ビー・ビット」という別名の記載もある[17][18])」という、昆虫のような姿のサイコミュ兵器を胴体に2基搭載している。それぞれウィルトンとウィルティーノというニックネームがつけられていて、ウィルトンが対人掃討用、ウィルティーノが敵艦中枢の破壊用とされている[17]

武装一覧には「スプゥン・ビット(ピクセル)」という武装も記載されているが、具体的にどれかは明らかでない[注 3]。また携行武装として銃剣のような形状のビームライフルが設定されている(劇中未登場)。

サイコ・ギラ・ドーガ(サイコ・ドーガ)

小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』に登場する機体(型式番号:MSN-03-2)。作中での表記は「サイコ・ドーガ」となっているが、後発の『CCA-MSV』に「サイコ・ドーガ(型式番号:NZ-222)」という同名の別機体が登場したため、混同を避けるためか後の書籍資料ではこの名前で呼ばれることが多い。機体の姿は、小説中での言及以外では月刊ニュータイプ1988年6月号に掲載された出渕裕の描き下ろしカラー・イラストのみで、上半身が白色であることなどが伺える。後にトレーディングカードゲームガンダムウォー」にて全身が描き下ろされた。コミカライズ版『ベルトーチカ・チルドレン』では、柳瀬敬之によって作画設定資料が描かれている[19]

劇中では2機登場し、ともにグラーブ・ガス(映画でのギュネイ・ガスに当る人物)が搭乗する。1号機は5thルナ戦でアムロのリ・ガズィの攻撃で大破。その後、シャアがあえて回収せず5thルナに放置、ロンド・ベルに鹵獲される。ラー・カイラムの整備クルーが機体を調査しサイコフレームが使われているのを発見、サイコフレームが取り出され、Hi-νガンダムに組み込まれる。2号機は最終決戦で、ベルトーチカ・イルマの乗ったリ・ガズィと遭遇するが、ベルトーチカに宿ったアムロの子供の声に動揺した所をグレネード(カセット文庫版ではミサイル)で撃墜される。

脚注

注釈

  1. ^ ギラ・ドーガと同数値。
  2. ^ ただし、これはサイコフレームによって補われている[7]
  3. ^ 劇中で他に使用した武器として、肩に装着された球形のパーツを遠隔操作武器として撃ち出している場面があり、設定画で確認できる装備数がスプゥン・ビットと一致している。

出典

  1. ^ a b c 『ENTERTAINMENT BIBLE.3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、52-53頁。(ISBN 978-4891890193)
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r プラモデル『1/144 MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)』付属説明書、バンダイ、1988年1月。
  3. ^ a b c d 『機動戦士ガンダムUC メカニック&ワールド ep7』双葉社、2014年10月、 61頁。(ISBN 978-4575464825)
  4. ^ a b c d e プラモデル『1/144 MSN-03 ヤクト・ドーガ(クエス・パラヤ専用機)』付属説明書、バンダイ、1988年4月。
  5. ^ a b c d e f g h i 『ENTERTAINMENT BIBLE.3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】』バンダイ、1989年6月、68頁。
  6. ^ a b c d プラモデル『HGUC MSN-03 ヤクト・ドーガ(クェス・エア専用機)』付属説明書、バンダイ、2007年10月。
  7. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS大全集2015』メディアワークス、2015年6月、355頁。(ISBN 978-4048650960)
  8. ^ a b c d e f g プラモデル『HGUC MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス専用機)』付属説明書、バンダイ、2007年10月。
  9. ^ a b c 『ニュータイプ100%コレクション10 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』角川書店、1988年5月、56-57頁。
  10. ^ a b c プラモデル『RE/100 MSN-03 ヤクト・ドーガ(ギュネイ・ガス機)』付属説明書、バンダイ、2018年9月。
  11. ^ プラモデル『マスターグレード MSN-04 サザビー』付属説明書、バンダイ、2000年7月。
  12. ^ 『グレートメカニックDX29』、双葉社、2014年6月、12頁、ISBN 978-4-575-46481-8 
  13. ^ 『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』第15巻、角川書店、2016年4月、15頁。(ISBN 978-4041041499)
  14. ^ 『出渕裕メカニカルデザインワークス1』ムービック、2000年8月、14頁。(ISBN 978-4896014907)
  15. ^ 『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+線画設定集]』アスキー・メディアワークス、2012年12月、66頁。(ISBN 978-4048912150)
  16. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 』バンダイ、1989年6月20日初版発行、122頁。
  17. ^ a b c 『模型情報』1989年3月号、バンダイ、43頁。
  18. ^ 『ENTERTAINMENT BIBLE .3 機動戦士ガンダム MS大図鑑【PART.3 アクシズ戦争編】 』バンダイ、1989年6月20日初版発行、50頁。
  19. ^ 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』第1巻、角川書店、2014年11月、188-189頁。(ISBN 978-4041022863)

関連項目