コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「コア・ブースター」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
関連項目: リンク修正
Cewbot (会話 | 投稿記録)
113行目: 113行目:
|型式番号=FXA-08GB
|型式番号=FXA-08GB
|所属=地球連邦軍
|所属=地球連邦軍
|建造=[[アナハイム・エレクトロニクス]]
|建造=[[アナハイム・エレクトロニクス]]
|全長=16.03m
|全長=16.03m
|全幅=14.67m
|全幅=14.67m

2020年11月7日 (土) 11:25時点における版

コア・ブースター(CORE-BOOSTER)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。初出は、1979年放送のテレビアニメ機動戦士ガンダム』を再編集した劇場版3部作のうち、1981年に公開された第2作目『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』。

作中の軍事勢力の一つである「地球連邦軍」の戦闘機の一つ。ガンダムなどの人型ロボット兵器「モビルスーツ(MS)」のコクピット兼脱出ユニットである小型戦闘機「コア・ファイター」に大型ブースターを装着した機体で、宇宙と空中の両方で運用が可能。

メカニックデザインは、富野喜幸(現・富野由悠季)監督のラフをもとに大河原邦男がクリーンアップを行った。

概要

テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』に登場するGファイターに相当する機体で、こちらは分離合体機能を廃した現実的なスタイルの航空機としてデザインされた。Gファイターはスポンサーの意向を反映した玩具的なデザインとギミックが採用されており、テレビでこの機体を登場させたことに富野は不満を抱いていた。しかし、劇場アニメ化に際してセイラ・マススレッガー・ロウの乗機であり、フラウ・ボゥが通信士を務める要因にもなったGファイターを単純にカットするわけにもいかず、代替としてコア・ブースターが考案された経緯がある[要出典]

機体解説

諸元
コア・ブースター
CORE-BOOSTER
型式番号 FF-X7-Bst
所属 地球連邦軍
開発 ハービック
全高 6.75m[1]
(ランディング・ギア含む)
/5.5m[2]
全長 13.8m[1]/22m[2]
全幅 12.6m[1]/16m[2]
全備重量 18.3t[1]/110t[2]
装甲材質 ユニバーサル・ジュラルミン[1]
ハイパーチタニウム[1]
エアロ・セラミックIII他[1]
推進機関 熱核ジェット×双発
熱核ロケット×4発
出力 1,880kW[3](260,000馬力)[2]
推力 58,000kg[3]
最高速度 マッハ5.38[1]/マッハ5.2[2]
武装 25ミリ多銃身機関砲×4
メガ粒子砲×2[1]
多弾頭弾×2[1]
ミサイル×4[1]

コア・ファイターは他の戦闘機と比較し10倍以上の処理能力を持つメイン・コンピューターを有し、それゆえに多目的戦闘機としての汎用性も高かったものの、機体の小ささから制約が多く、基本設計にある潜在性能を十分に生かしきれなかった。そこで開発されたのが、コアファイターに装着し武装と積載燃料を増加させるコア・ブースターである[4]

ブースターユニットの設計にあたり、参考となったのはGスカイ、およびGスカイイージーである。Gスカイは支援戦闘爆撃機として開発されていたが、コア・ブースターでは純粋な戦闘機に仕上がった[4]。推進器はジェット/ロケットのハイブリッドで、大気圏内外双方で運用可能。元々は宇宙空間用として開発されていたため、空間での使用は良好である[5][注 1][注 2]。緊急時には空中でブースター部分を切り離すことも可能である[1]

改良案を提案したのはコアファイターの製造元であるハービック社で、見積りを含めた計画案が承認されると即座に2機分の試作改良キットが作られ、第13独立部隊ホワイトベースに配備される[7]一年戦争時に計16機が生産され、うち6機が実戦に参加する[4]

武装・装備
コアファイター部に格納されるペンシル型空対空ミサイルは、合体の折に主翼が折り畳まれることからロックされる[4]
25ミリ多銃身機関砲
コアファイター部の機首に装備[4]
メガ粒子砲
動力源の反応炉を利用したビーム砲[4]。ビームライフルタイプを採用する[8]
ミサイルランチャー
機体両脇に装備[9]
爆弾倉
機体下部から多弾頭弾を投下可能[9]

劇中での活躍

『哀・戦士編』ではオデッサ作戦にてナンバリングなしの1機が初投入され、ニュータイプの可能性があるとして抜擢されたセイラ・マスが搭乗。黒い三連星のオルテガのドムを撃破する。

『めぐりあい・宇宙編』ではスレッガー・ロウ機(機体番号005)とセイラ・マス機(006)の2機が登場し、ホワイトベースの主戦力として多大な活躍をするが、スレッガー機は地球連邦軍のソロモン攻略戦の際にビグ・ザムへ体当たりを仕掛けるも撃墜される。セイラ機はア・バオア・クー攻略戦まで戦い抜くが、その終盤に放棄される。

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「オデッサ編」から登場。オデッサ攻略に参加するホワイトベースに1機配備され、スレッガーが搭乗する。アニメ版とは異なり大型機関砲を装備しており、ジオン公国軍のドップ部隊を多数撃墜する。また、ガンダムを乗せて飛行するサブフライトシステムとしての運用も可能。戦場が宇宙に移行してからは、武装がメガ粒子砲に変更される。

コア・ブースタープラン004

諸元
コア・ブースタープラン004
CORE BOOSTER PLAN-004
型式番号 FF-X7Bst PLAN004
所属 地球連邦軍
全長 不明
重量 不明
武装 25ミリ機関砲×4
ペンシル型ミサイル×4
メガ粒子砲×2
バルカン砲×2

メカニックデザイン企画『MSV-R』に登場。コア・ブースターの試作案の1つ。

開発開始から3か月後に2機の試作機がジャブローでロールアウトし「FF-X7Bst PLAN004」の開発ナンバーが与えられた。本機はエンジンを換装することで大気圏内外での行動が可能であり、大気圏外と高速時において主翼が基部から90度折れ曲がる機構が採用され、本体下面にある4基の兵装ステーション内2基には通常バルカン砲ユニットが選択されている。コア・ファイターは主翼が展開した状態でドッキングしているため、ペンシル型空対空ミサイルも使用可能。試作された2機はジャブローとルナツーに1機ずつ送られて各種飛行試験が行われ連邦軍を満足させる性能を見せたものの、制式採用には至らなかった。しかし、本機で得られたデータはのちのジェット・コア・ブースターやコア・ブースターIIに活用されることとなる[10]

劇中の活躍
漫画『機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では紅く塗装された機体が登場する。リミア・グリンウッドは「レッドバロン」と呼ばれた第一次世界大戦時のパイロットにあやかって、と述べるが、右翼の「RB」のマーキングはジョニー・ライデンのものとなっている[注 3][注 4]。コア・ブースターに限らず、「V作戦」関連の情報は一年戦争から10年が経過した時期でも大部分は機密指定されたままであり、本機はゴップ議長の手配で機密が解除されたという。

ジェット・コア・ブースター(コア・イージー)

OVA機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に登場(型式番号:FFB-7Bst[11])。

コア・ファイターの機首部分を流用し、コア・ブースターをもとに新規設計した胴体部を持つ戦闘爆撃機。可変カナード翼ベクタードノズルを持ち、高い運動性を誇る[12]。コア・ブースターの空軍仕様である本機は運用領域を大気圏に限定しているため、推進機関はジェットエンジンに換装されている。その一方で、コア・ファイターの機首とアビオニクスを流用していることから在来機と比較し電子戦機器は高価である[13]

製造元のハービック社は大量受注を見越して生産ラインを整えていたが、突然の終戦によって負債を抱えた[13]

武装
機体左上部に機関砲を1門装備[13][注 5]。胴体腹部には兵装ステーションが設けられ、ここに大型スマート爆弾をはじめとする各種爆弾・ミサイルを装備できる[12]
呼称
資料によって「コア・イージー」とするもの[12]、「ジェット・コア・ブースター」とするもの[13]で表記ゆれがみられる。
劇中の活躍
『第08MS小隊』第7話では雪山に不時着したジオン軍モビルアーマー(MA)「アプサラスII」の捜索に従事。ノリス・パッカード大佐が操縦するドップと遭遇し、空中戦の末に撃墜される。第10話ではジオン軍の秘密基地があると推定される山岳に対し編隊で爆撃を敢行。このとき、量産型ガンタンク部隊の砲撃を誘導していた1機が、ノリス操るグフカスタムのヒートサーベルによる斬撃を受けて撃墜される。

コア・ブースターII インターセプトタイプ

OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -黙示録0079-』に登場(型式番号:FF-X7-Bst-II[15])。

迎撃能力に特化したバリエーション機。大気圏外から侵入してきた敵を高高度で迎撃するため、左右のポンツーンにブースターを装備しており、プロペラントタンクを兼ねた大型ブースターやプロペラントタンクを取り付けることが可能。また、主翼形状も変更されている。右エンジンユニットには30ミリガトリング砲を装備[15]。行動半径は広く、航空目標に対しても高い攻撃力を発揮する。一方でメガ粒子砲が装備されていた個所は装甲板で塞がれ、機関砲と電子戦ポッドが設置された。数機が運用され、連邦軍の制空権維持に貢献した[16]

劇中での活躍
一年戦争末期、ジャブローからの連邦軍宇宙艦隊の打ち上げ阻止目的で投入されたジオン軍の試作兵器モビルダイバー「ゼーゴック」を至急迎撃するため使い捨て式のロケットブースターを装備し出撃。ゼーゴックおよびその回収機であるガウ攻撃空母の撃墜に成功する。

タイニーコア・ブースター

漫画『アウターガンダム』に登場。地球連邦宇宙軍の迎撃戦闘機で、機体サイズはコア・ファイターより一回り大きい程度にまで縮小されている。作中で確認できる武装はミサイル6発のみで、宇宙空間以外で運用されている場面はない。星一号作戦前の地球連邦軍第七艦隊に配備されており、ジオン軍の機動要塞への攻撃に参加する。

コア・ブースター(ORIGIN版)

安彦良和の漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』に登場。

本作におけるコア・ファイターは、ガンダムとは無関係に宇宙・地上両方での運用可能な純粋な戦闘機として連邦軍に正式採用されており、WB隊に限らずジャブロー防衛隊やオデッサ・ディ参加部隊にも配備・運用されている。ジオン軍のドップとは比較にならない高性能に加えて魚雷攻撃も可能であり、折り畳み翼でもない。このコア・ファイターにブースターユニットを装着し、MSを乗せての飛行も可能な高出力の大型戦闘機としたものが、本作におけるコア・ブースターである。

オデッサ・ディの直前にWB隊に配備され、スレッガー・ロウ中尉の搭乗機となる。機体背部にはMS搭乗用のデッキ部分があり、把手も備える。地球上では重力による最大負荷がかかるが、無重力の宇宙空間ではその限りでなくMSの機動運用機として、後年に登場するベースジャバーシャクルズといったサブフライトシステムの先駆け的な役割を担う。パイロット慣熟訓練を受けたセイラ・マス曹長も、この機体に搭乗した。スレッガー機はアニメ版同様にビグ・ザムに特攻したが、セイラ機はア・バオア・クー攻略戦がMSによる揚陸作戦となったため、出番がなかった。

コア・ブースターII(ガンダム試作0号機)

コア・ブースター(Gコア)

諸元
コア・ブースター(Gコア)
型式番号 FXA-08GB
所属 地球連邦軍
建造 アナハイム・エレクトロニクス
全長 16.03m
全幅 14.67m
全備重量 27.25t
推力 535.000kg
推力比(19.63)
武装 ミサイルランチャー×4
ビームカノン(12MW)×2
ビームスマートガン (56MW)(オプション)

雑誌企画『ガンダム・センチネル』では、Sガンダムのコア・ファイターである「Gコア(型式番号:FXA-08GB)」を使用したコア・ブースター(型式番号:FXA-08GB-Bst)が、作品自体には登場しないものの、いくつかデザインされている。

Ex-Sガンダムの本体に装着されている、バックパックのブースターユニットをGコアに接続した物が基本である。接続自体はほぼ無改造で行うことができ、簡単なセッティング変更のみで対空、対地、戦闘、爆撃、迎撃、超長距離航行など多彩な任務に対応可能な汎用性を持つ。

大気圏内用に主翼を装備したタイプや、宇宙空間での長距離、長時間活動用として、Sガンダムのビーム・スマートガンを装備しGコアとブースターユニットの間に、プロペラントタンクを搭載したタイプ(型式番号:FXA-08GB[Bst]Ex)がデザインされている。これはエクステンディッドタイプと呼ばれ、大推力を活かして、Bst-Sガンダムや改造型Ζプラス(ハミングバード)といった超高速機との編隊行動を組むことが想定された機体である。

標準で12MWのビームカノンを2門装備し、火力においても十分な性能がある。各種用途に合わせ、ハードポイントにミサイル類を搭載することも可能である。

またコア・ブースターやウェイブライダーの操縦訓練機として、コア・ファイターと共通の機首を持つ大型戦闘機「ワイバーン」が登場する。

コア・ブースター(Vガンダム)

宇宙世紀0153年が舞台のテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』では、ヴィクトリーガンダムのコア・ファイターに、Vダッシュガンダムのバックパック部分の増加装備であるオーバーハングパックを装着した形態がコア・ブースターと呼ばれている。

コア・ブースター(ウイニングガンダム)

ガンプラバトル」を題材としたテレビアニメ『ガンダムビルドファイターズトライ』では、ウイニングガンダムの飛行形態がコア・ブースターと呼ばれている。これは後継機であるスターウイニングガンダムにも受け継がれ、スターウイニングガンダムではさらに後部に強化バックパックを装着した「メガ・コア・ブースター」形態も設定されている。

脚注

注釈

  1. ^ 熱核ジェット・ロケットのハイブリットであるとする資料[6]、熱核融合ロケットエンジンとする資料も見られる[7]
  2. ^ 試作プランの段階では、コアファイターの主翼を活用しブースターユニットを小型化することで大気圏内仕様に限定したものや、安定翼を持たず機体外側にロケットエンジンを装備したものも存在した[5]
  3. ^ マンフレート・フォン・リヒトホーフェンの機体はジョニー・ライデンの元ネタの1つである。
  4. ^ 『ジョニー・ライデンの帰還』3巻2ページでは「リヒトホーフェンカラー」と記載されている。
  5. ^ デザインを担当した山根公利による設定画の添え書きにおいては、元のコアファイターに存在した機首部のバルカンは塞がれているとされる[14]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 『ロマンアルバム・エクストラ 機動戦士ガンダムII 哀 戦士編』(徳間書店、1981年9月)67頁。
  2. ^ a b c d e f 『講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(講談社、1982年1月)
  3. ^ a b 「特別付録 SUPPLEMENT CD-ROM」『ガンダム タクティクス モビリティフリート0079 公式ガイドブック』勁文社、1997年9月、付録CD-ROM。ISBN 476692794X
  4. ^ a b c d e f 『機動戦士ガンダムモビルスーツバリエーション3 連邦軍編』講談社、1984年7月、2006年7月(復刻版)、115-117頁。ISBN 978-4063721775
  5. ^ a b 『模型情報別冊 MSバリエーションハンドブック2』バンダイ、1983年5月、6頁。
  6. ^ 『機動戦士ガンダム 艦船&航空機大全集 増補改訂版』アスキー・メディアワークス、2015年3月、88頁。ISBN 978-4-04869-313-4
  7. ^ a b 「068 コア・ブースター」『機動戦士ガンダムMSV COLLECTION FILE 宇宙編』講談社、1999年11月。(ISBN 4-06-346550-0)
  8. ^ ガンダムセンチュリー』みのり書房、1981年9月、銀河出版、2000年3月(復刻版)、50頁。ISBN 4-87777-028-3
  9. ^ a b 『機動戦士ガンダム宇宙世紀 vol.2 大事典編』ラポート、1998年9月、127頁。(ISBN 4-89799-294-X)
  10. ^ 『機動戦士ガンダムMSV-R 連邦編』角川書店、2012年3月、132-133頁。ISBN 978-4041202104
  11. ^ マスターアーカイブモビルスーツRX-78ガンダム : VOLUME1』ソフトバンククリエイティブ株式会社、ソフトバンククリエイティブ、2011年12月21日、62頁。ISBN 9784797366181OCLC 768731645https://www.worldcat.org/oclc/768731645 
  12. ^ a b c 『NEO COMICS 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 フィルムコミック 8 軍務と理想』辰巳出版、1998年9月、108頁。(ISBN 4-88641-334-X)
  13. ^ a b c d 「132 ジェット・コア・ブースター」『機動戦士ガンダム MSV コレクションファイル[地球編]』講談社、2000年6月。ISBN 978-4063465518
  14. ^ 山根公利『山根公利 メカ図鑑』エムディエヌコーポレーション、2008年1月、134-135頁。ISBN 978-4844359609
  15. ^ a b 『機動戦士ガンダム MS IGLOO グラフィックファイル』アスキー・メディアワークス、2009年12月、106-107頁。ISBN 978-4-04-868177-3
  16. ^ 『機動戦士ガンダム MS IGLOO 完全設定資料集』エンターブレイン、2007年5月、146-149頁。ISBN 978-4757734081

関連項目