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[[2017年]]7月6日に、[[黒羽根利規]]との交換トレードにより[[横浜DeNAベイスターズ]]へ移籍することが発表された<ref>{{Cite web|url=http://www.baystars.co.jp/news/2017/07/0706_05.php|title=黒羽根利規選手と北海道日本ハム エドウィン・エスコバー選手のトレードについて|accessdate=2017年7月6日|date=2017年7月6日|publisher=横浜DeNAベイスターズ}}</ref>。背番号は'''62'''。NPBの球団と契約した外国人選手が、契約1年目のシーズン中に、交換トレードでNPBの他球団へ移籍するのは史上初の事例である。新外国人選手の交換トレードがシーズン中に成立した背景には、捕手に故障者が相次いでいる日本ハム側の事情に「好調でありながら一軍公式戦への出場機会に恵まれないエスコバー<ref name="kuriyama">{{Cite web|url=http://www.sanspo.com/baseball/news/20170706/fig17070618450005-n1.html|title=日本ハム・栗山監督、トレードのエスコバーに「何もしてあげられなかったけど、良かったと思う」|accessdate=2017年7月6日|date=2017年7月14日|publisher=サンケイスポーツ}}</ref>・黒羽根<ref group="注">トレード成立時点のDeNAには、一軍の公式戦に出場できない[[育成選手制度 (日本プロ野球)|育成選手]]を含めて7人の捕手が在籍。一軍の捕手陣が2016年から[[戸柱恭孝]]・[[ |
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移籍後は、7月8日の対中日戦([[ナゴヤドーム]])8回裏に[[セントラル・リーグ]]公式戦へ初登板<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/1852269.html|title=DeNAエスコバー「よかった」新天地デビュー|accessdate=2017年7月8日|date=2017年7月14日|publisher=日刊スポーツ}}</ref>。7月12日の対[[広島東洋カープ]]戦([[MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島]])では、先発の[[濵口遥大]]が左肩の違和感を訴えて3回表で降板したため、4回表から急遽登板すると3イニングを無失点に抑えた。その後も救援で4試合に登板したが、先発への再転向を視野に7月下旬から二軍で調整すると、8月6日の対広島戦([[横浜スタジアム]])から先発投手として一軍へ復帰。しかし、この試合で移籍後初黒星を喫する<ref>{{cite news|url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/07/kiji/20170806s00001173386000c.html|title=日本ハムから新加入のDeNAエスコバー 初黒星も先発ローテ残った |publisher=[[スポーツニッポン]]|date=2017-08-07|accessdate=2017-08-08}}</ref>と、以降の公式戦では[[セットアッパー]]格の救援投手として登板を重ねていた。8月23日の対広島戦(横浜)では、同点で迎えた延長10回表からの登板で1イニングを無失点に抑えた後に、その裏のチームのサヨナラ勝ちによって移籍後初勝利。NPBの同一シーズンにセ・パ両リーグの公式戦で勝利を記録した投手は、2004年の[[田中充 (投手)|田中充]]<ref group="注">[[千葉ロッテマリーンズ]]の左投手としてパ・リーグ公式戦で1勝を挙げてから、シーズン途中の[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルトスワローズ]]移籍を経て、ヤクルトの投手としてセ・リーグ公式戦で1勝を記録。</ref>以来13年振りであった<ref>{{cite news|title=DeNA 10年ぶり!連夜のサヨナラ 劇打の梶谷「自分も便乗できた」|newspaper=スポーツニッポン|date=2017-08-24|url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/24/kiji/20170823s00001173279000c.html|accessdate=2017-08-24|publisher=[[スポーツニッポン]]}}</ref>。結局、レギュラーシーズンの一軍公式戦では、日本ハム時代より多い27試合の登板でチームの2年連続[[2017年のセントラル・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ(CS)]]進出に貢献した。[[ポストシーズン]]では、監督の[[アレックス・ラミレス]]による小刻みな継投策の下で、ワンポイント・リリーフからロング・リリーフまで幅広く起用。CS全体で8試合中5試合、[[福岡ソフトバンクホークス]]との[[2017年の日本シリーズ|日本シリーズ]]で6試合中4試合に登板した。11月4日の日本シリーズ第6戦([[福岡ヤフオク!ドーム]])では、同点で迎えた延長10回裏から登板したが、11回裏に2連続与四球で1死1・2塁のピンチを招いて降板。代わった[[三上朋也]]が2死1・2塁から[[川島慶三]]にサヨナラ安打を浴びて敗戦投手となり、チームは19年振りのシリーズ制覇を逃した。11月17日には、翌年も1年契約でチームに残留することが発表された<ref>{{Cite web |url=http://www.baystars.co.jp/news/2017/11/1117_08.php |title=2018年シーズン 契約選手について |
移籍後は、7月8日の対中日戦([[ナゴヤドーム]])8回裏に[[セントラル・リーグ]]公式戦へ初登板<ref>{{Cite web|url=https://www.nikkansports.com/baseball/news/1852269.html|title=DeNAエスコバー「よかった」新天地デビュー|accessdate=2017年7月8日|date=2017年7月14日|publisher=日刊スポーツ}}</ref>。7月12日の対[[広島東洋カープ]]戦([[MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島]])では、先発の[[濵口遥大]]が左肩の違和感を訴えて3回表で降板したため、4回表から急遽登板すると3イニングを無失点に抑えた。その後も救援で4試合に登板したが、先発への再転向を視野に7月下旬から二軍で調整すると、8月6日の対広島戦([[横浜スタジアム]])から先発投手として一軍へ復帰。しかし、この試合で移籍後初黒星を喫する<ref>{{cite news|url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/07/kiji/20170806s00001173386000c.html|title=日本ハムから新加入のDeNAエスコバー 初黒星も先発ローテ残った |publisher=[[スポーツニッポン]]|date=2017-08-07|accessdate=2017-08-08}}</ref>と、以降の公式戦では[[セットアッパー]]格の救援投手として登板を重ねていた。8月23日の対広島戦(横浜)では、同点で迎えた延長10回表からの登板で1イニングを無失点に抑えた後に、その裏のチームのサヨナラ勝ちによって移籍後初勝利。NPBの同一シーズンにセ・パ両リーグの公式戦で勝利を記録した投手は、2004年の[[田中充 (投手)|田中充]]<ref group="注">[[千葉ロッテマリーンズ]]の左投手としてパ・リーグ公式戦で1勝を挙げてから、シーズン途中の[[東京ヤクルトスワローズ|ヤクルトスワローズ]]移籍を経て、ヤクルトの投手としてセ・リーグ公式戦で1勝を記録。</ref>以来13年振りであった<ref>{{cite news|title=DeNA 10年ぶり!連夜のサヨナラ 劇打の梶谷「自分も便乗できた」|newspaper=スポーツニッポン|date=2017-08-24|url=http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/08/24/kiji/20170823s00001173279000c.html|accessdate=2017-08-24|publisher=[[スポーツニッポン]]}}</ref>。結局、レギュラーシーズンの一軍公式戦では、日本ハム時代より多い27試合の登板でチームの2年連続[[2017年のセントラル・リーグクライマックスシリーズ|クライマックスシリーズ(CS)]]進出に貢献した。[[ポストシーズン]]では、監督の[[アレックス・ラミレス]]による小刻みな継投策の下で、ワンポイント・リリーフからロング・リリーフまで幅広く起用。CS全体で8試合中5試合、[[福岡ソフトバンクホークス]]との[[2017年の日本シリーズ|日本シリーズ]]で6試合中4試合に登板した。11月4日の日本シリーズ第6戦([[福岡ヤフオク!ドーム]])では、同点で迎えた延長10回裏から登板したが、11回裏に2連続与四球で1死1・2塁のピンチを招いて降板。代わった[[三上朋也]]が2死1・2塁から[[川島慶三]]にサヨナラ安打を浴びて敗戦投手となり、チームは19年振りのシリーズ制覇を逃した。11月17日には、翌年も1年契約でチームに残留することが発表された<ref>{{Cite web |url=http://www.baystars.co.jp/news/2017/11/1117_08.php |title=2018年シーズン 契約選手について |
2020年10月29日 (木) 03:40時点における版
横浜DeNAベイスターズ #62 | |
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2017年10月29日、福岡ヤフオク!ドームにて(日本シリーズ第2戦) | |
基本情報 | |
国籍 | ベネズエラ |
出身地 | バルガス州バルガス市カルアオ区ラ・サバナ |
生年月日 | 1992年4月22日(32歳) |
身長 体重 |
6' 2" =約188 cm 225 lb =約102.1 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2008年 アマチュア・フリーエージェントとしてテキサス・レンジャーズと契約 |
初出場 |
MLB / 2014年8月27日 NPB / 2017年4月2日 |
年俸 | 1億6,000万円(2020年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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エドウィン・ホセ・エスコバー・エルナンデス(Edwin Jose Escobar Hernandez, 1992年4月22日 - )は、ベネズエラ出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。横浜DeNAベイスターズ所属。
NPBにおける左投手の球速の最速記録(160km/h)保持者。
実父のホセ・エスコバーは元メジャーリーガー(内野手)。親族にもアメリカプロ球界の選手経験者が多く、東京ヤクルトスワローズに所属するアルシデス・エスコバー、ピッツバーグ・パイレーツ傘下に所属するビセンテ・カンポス、元メジャーリーガーのケルビム・エスコバーは、いずれも従兄に当たる[2]。アトランタ・ブレーブスに所属するロナルド・アクーニャも、親族の1人である[3]。
経歴
プロ入りとレンジャーズ傘下時代
2008年7月2日にテキサス・レンジャーズと契約。
2009年、ルーキー級アリゾナリーグ・レンジャーズでプロデビュー。13試合に登板し、2勝5敗、防御率5.00だった。
ジャイアンツ傘下時代
2010年4月1日にベン・スナイダーとのトレード[注 1]で、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[4]。移籍後はA-級セイラムカイザー・ボルケーノズで14試合に登板し、2勝4敗・防御率4.86だった。
2011年はA級オーガスタ・グリーンジャケッツで開幕を迎え、4試合に出場したが、4月24日に左手の故障で離脱。6月にルーキー級アリゾナリーグで復帰。15試合に登板し、2勝4敗・防御率5.09だった。
2012年はA級オーガスタで22試合に登板し、7勝8敗、防御率2.96だった。オフの11月20日にジャイアンツとメジャー契約を結び[5]、40人枠入りした。
2013年3月15日にA+級サンノゼ・ジャイアンツへ異動し[6]、そのまま開幕を迎えた。A+級サンノゼでは16試合に登板し、3勝4敗・防御率2.89だった。7月にAA級リッチモンド・フライングスクウォーレルズへ昇格。AA級リッチモンドでは10試合に登板し、5勝4敗・防御率2.67だった。
2014年3月18日にAAA級フレズノ・グリズリーズへ異動した。開幕後はAAA級フレズノで20試合に登板し、3勝8敗・防御率5.11だった。7月にはフューチャーズゲームに選出された。
レッドソックス時代
2014年7月26日にジェイク・ピービーとのトレードで、ヒース・ヘンブリーと共にボストン・レッドソックスへ移籍[7]。同日にAAA級ポータケット・レッドソックスへ異動した。AAA級ポ-タケットで2試合に登板後、8月10日にメジャーへ昇格[8]。親子2代にわたる昇格を果たしたが、登板機会のないまま、翌11日にAAA級ポータケットへ降格した。8月27日に再び昇格する[9]と、同日のトロント・ブルージェイズ戦で、3点ビハインドの8回裏からメジャーリーグデビュー。1イニングを無安打無失点に抑えた[10]。翌28日に、AAA級ポータケットへ再び降格[11]。9月17日に3度目の昇格を果たした[12]が、1試合の登板でシーズンを終えた。MLBの公式戦には、救援で通算2試合に登板。防御率4.50を記録した。
2015年にはMLB公式戦への登板機会がなく、2016年4月20日に球団から戦力外を宣告された[13]。
ダイヤモンドバックス時代
2016年4月29日にウェイバー公示を経てアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ移籍した[14]。移籍後はローテーションに入り、2試合に先発したが、結果を残せず中継ぎに回った[15]。
インディアンス時代
2016年11月18日にウェイバー公示を経てクリーブランド・インディアンスヘ移籍した[16]。2017年1月10日に自由契約となった[17]。
日本ハム時代
2017年1月11日に、北海道日本ハムファイターズへの入団契約に合意したことが発表された[18]。背番号は42。
レギュラーシーズンでは、4月2日に埼玉西武ライオンズとの開幕カード第3戦(札幌ドーム)で、先発投手として一軍公式戦デビュー。しかし、4回1/3を投げて5失点で敗戦投手になると、およそ1ヶ月間の二軍調整を余儀なくされた。5月中旬から、救援要員として一軍に復帰。5月14日の対千葉ロッテマリーンズ戦(東京ドーム)では、先発投手のルイス・メンドーサが5回表2死に球審の秋村謙宏から危険球宣告を受けて退場したことに伴って緊急登板し、打者2人から3球で1死を取って降板した。その後チームが勝ち越したことにより、一軍初勝利を挙げた[19]。しかし、以降はヤディル・ドレイクの加入などもあり、外国人枠との兼ね合いで7月3日に出場選手登録を抹消された[20]。結局、パシフィック・リーグの公式戦には14試合に登板。先発登板は前述の1試合のみで、1勝2敗、防御率5.64という成績を残した。
DeNA時代
2017年7月6日に、黒羽根利規との交換トレードにより横浜DeNAベイスターズへ移籍することが発表された[21]。背番号は62。NPBの球団と契約した外国人選手が、契約1年目のシーズン中に、交換トレードでNPBの他球団へ移籍するのは史上初の事例である。新外国人選手の交換トレードがシーズン中に成立した背景には、捕手に故障者が相次いでいる日本ハム側の事情に「好調でありながら一軍公式戦への出場機会に恵まれないエスコバー[20]・黒羽根[注 2]に活躍の場を与える」という双方の目的が重なったことが挙げられる。DeNAでは当初金銭との交換による黒羽根の移籍を求めたとされている[22]が、一軍の左腕救援陣の層が薄いことから、ロングリリーフもこなせるエスコバーとの交換トレードに落ち着いた。
移籍後は、7月8日の対中日戦(ナゴヤドーム)8回裏にセントラル・リーグ公式戦へ初登板[23]。7月12日の対広島東洋カープ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)では、先発の濵口遥大が左肩の違和感を訴えて3回表で降板したため、4回表から急遽登板すると3イニングを無失点に抑えた。その後も救援で4試合に登板したが、先発への再転向を視野に7月下旬から二軍で調整すると、8月6日の対広島戦(横浜スタジアム)から先発投手として一軍へ復帰。しかし、この試合で移籍後初黒星を喫する[24]と、以降の公式戦ではセットアッパー格の救援投手として登板を重ねていた。8月23日の対広島戦(横浜)では、同点で迎えた延長10回表からの登板で1イニングを無失点に抑えた後に、その裏のチームのサヨナラ勝ちによって移籍後初勝利。NPBの同一シーズンにセ・パ両リーグの公式戦で勝利を記録した投手は、2004年の田中充[注 3]以来13年振りであった[25]。結局、レギュラーシーズンの一軍公式戦では、日本ハム時代より多い27試合の登板でチームの2年連続クライマックスシリーズ(CS)進出に貢献した。ポストシーズンでは、監督のアレックス・ラミレスによる小刻みな継投策の下で、ワンポイント・リリーフからロング・リリーフまで幅広く起用。CS全体で8試合中5試合、福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズで6試合中4試合に登板した。11月4日の日本シリーズ第6戦(福岡ヤフオク!ドーム)では、同点で迎えた延長10回裏から登板したが、11回裏に2連続与四球で1死1・2塁のピンチを招いて降板。代わった三上朋也が2死1・2塁から川島慶三にサヨナラ安打を浴びて敗戦投手となり、チームは19年振りのシリーズ制覇を逃した。11月17日には、翌年も1年契約でチームに残留することが発表された[26]。
2018年には、公式戦の開幕から一軍のセットアッパーに定着。外国人枠との兼ね合いで一軍と二軍を往復しながらも、一軍公式戦53試合の登板で、4勝3敗13ホールド、防御率3.57を記録した。シーズン終了後の11月17日には、翌年も1年契約でチームに残留することが発表された[27]。
2019年には、6月9日の対西武戦(横浜)では、NPBの一軍公式戦に登板した左投手としては最速タイ記録の160km/hを、ストレートで2度計測した[28]。レギュラーシーズンでセ・リーグトップの74試合に登板。33ホールド、38ホールドポイント(33ホールド+5救援勝利、いずれもチームトップでリーグ3位)、防御率2.51という好成績で、チームのシーズン2位と2年振りCS進出に大きく貢献した。阪神とのCSファーストステージ(横浜)でも全3試合に登板したが、第1戦・第3戦と黒星を喫し、チームはステージ敗退に至った。最大で3試合実施されるファーストステージで、1人の投手が同一シーズンに2敗を記録した事例は、エスコバーが初めてである[29]。11月18日に、球団との間で2021年までの2年契約を締結した[30][31]。
選手としての特徴
左腕から繰り出す平均球速約154km/h[32]、最速160km/hのストレート[33]と140km/h台のスライダー[34]が武器の速球派投手。稀にチェンジアップやツーシームなどの変化球も使用する[35]。2019年シーズンでは、ストレートで奪った空振り三振数が(救援投手ながら)NPB2位の56個を記録した[32]。
家族
実父のホセは、13年にわたるマイナーリーグ生活を経て、1991年にクリーブランド・インディアンスで遊撃手としてMLB公式戦にデビュー。メジャーリーガーとしての生活はこの年だけだった[36]が、インディアンス傘下のマイナーチームにアレックス・ラミレスが所属していた。当時新人だったラミレスによれば「ホセは素晴らしい遊撃手だった」という[2]。
エスコバー自身は、日本ハム時代の2017年3月にオープン戦でDeNAと対戦した際に、DeNAの一軍監督を務めるラミレスと初めて対面。自己紹介を兼ねて、前述したホセとの間柄を明かした。同年7月にDeNAへ移籍した際には、「とにかく一生懸命(野球に)取り組みながら、野球を楽しめ」という表現で、ラミレスから激励を受けている[2]。
エスコバー家からはホセを皮切りに、2018年の時点で16人以上のメジャーリーガーを輩出。エドウィンや現役のメジャーリーガーが全員ベネズエラに帰国する毎年12月には、4チームによるソフトボール大会を一家総出で開いているという[3]。
詳細情報
年度別投手成績
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | BOS | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 8 | 2.0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4.50 | 0.50 |
2016 | ARI | 25 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 4 | .333 | 116 | 23.2 | 33 | 4 | 12 | 3 | 4 | 17 | 0 | 0 | 21 | 19 | 7.23 | 1.90 |
2017 | 日本ハム | 14 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | .333 | 117 | 22.1 | 31 | 2 | 13 | 0 | 3 | 19 | 0 | 0 | 22 | 14 | 5.64 | 1.97 |
DeNA | 27 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 2 | 7 | .250 | 147 | 34.0 | 33 | 4 | 11 | 0 | 1 | 33 | 1 | 0 | 15 | 13 | 3.44 | 1.29 | |
'17計 | 41 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 | 7 | .286 | 264 | 56.1 | 64 | 6 | 24 | 0 | 4 | 52 | 1 | 0 | 37 | 27 | 4.31 | 1.56 | |
2018 | 53 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 3 | 0 | 13 | .571 | 223 | 53.0 | 47 | 4 | 22 | 3 | 2 | 54 | 0 | 0 | 24 | 21 | 3.57 | 1.25 | |
2019 | 74 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 4 | 0 | 33 | .556 | 306 | 75.1 | 60 | 7 | 24 | 2 | 2 | 88 | 1 | 0 | 23 | 21 | 2.51 | 1.12 | |
MLB:2年 | 27 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 4 | .333 | 124 | 25.2 | 34 | 4 | 12 | 3 | 5 | 19 | 0 | 0 | 22 | 20 | 7.01 | 1.79 | |
NPB:3年 | 168 | 2 | 0 | 0 | 0 | 11 | 12 | 2 | 53 | .478 | 793 | 184.2 | 171 | 17 | 70 | 5 | 8 | 194 | 2 | 0 | 84 | 69 | 3.36 | 1.31 |
- 2019年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
記録
- MLB
- オールスター・フューチャーズゲーム選出:1回 (2014年)
- NPB
- 投手記録
- 初登板・初先発登板:2017年4月2日、対埼玉西武ライオンズ3回戦(札幌ドーム)、4回1/3を5失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、1回表に浅村栄斗から空振り三振
- 初勝利:2017年5月14日、対千葉ロッテマリーンズ9回戦(東京ドーム)、5回表2死に2番手として救援登板、1/3回無失点
- 初ホールド:2017年8月12日、対阪神タイガース16回戦(横浜スタジアム)、7回表に3番手として救援登板、1回無失点
- 初セーブ:2017年10月3日、対中日ドラゴンズ24回戦(横浜スタジアム)、9回表に5番手で救援登板・完了、1回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2017年7月12日、対広島東洋カープ14回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、5回表にクリス・ジョンソンから空振り三振
背番号
- 71 (2014年)
- 43 (2016年)
- 42 (2017年 - 同年途中)
- 62 (2017年途中 - )
脚注
注釈
- ^ スナイダーは前年のルール・ファイブ・ドラフトでレンジャーズへ移籍したが、25人枠を外れたため、規約で元の所属であるジャイアンツへ返還された。その際にジャイアンツは2万5000ドルをレンジャーズに払わなければいけないが、支払いを拒否し、ウェーバー公示を経てエスコバーとのトレードを提案した。
- ^ トレード成立時点のDeNAには、一軍の公式戦に出場できない育成選手を含めて7人の捕手が在籍。一軍の捕手陣が2016年から戸柱恭孝・髙城俊人・嶺井博希で事実上固定されていることに加えて、3人とタイプの異なる俊足の西森将司が二軍の正捕手格として控えていたことから、かつて一軍の正捕手であった黒羽根でも一軍復帰の可能性は低かった。
- ^ 千葉ロッテマリーンズの左投手としてパ・リーグ公式戦で1勝を挙げてから、シーズン途中のヤクルトスワローズ移籍を経て、ヤクルトの投手としてセ・リーグ公式戦で1勝を記録。
出典
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- ^ “DeNA“日本最速左腕”エドウィン・エスコバーがパリーグをパワーで圧倒!増し続けるマウンドでの存在感”. リアルライブ. (2019年6月20日) 2020年1月3日閲覧。
- ^ “DeNAを支える陽気な鉄腕エスコバー。「毎日投げるよ」の言葉と後半戦。”. Number Web. (2019年7月7日) 2020年1月3日閲覧。
- ^ 「2014メジャーデビュー全234選手リスト」『月刊スラッガー』2015年3・4月合併号 日本スポーツ企画出版社 74頁
関連項目
- メジャーリーグベースボールの選手一覧 E
- ベネズエラ出身のメジャーリーグベースボール選手一覧
- 親子メジャーリーグ選手一覧
- 中南米出身の日本プロ野球外国人選手一覧#ベネズエラ
- 北海道日本ハムファイターズの選手一覧
- 横浜DeNAベイスターズの選手一覧
外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- 個人年度別成績 E.エスコバー - NPB.jp 日本野球機構