「修正ユリウス暦」の版間の差分
→グレゴリオ暦との関係: 実際の数に変更。。 |
|||
127行目: | 127行目: | ||
* [http://www12.plala.or.jp/m-light/technical/Moon2.htm ●月に関係する用語] |
* [http://www12.plala.or.jp/m-light/technical/Moon2.htm ●月に関係する用語] |
||
{{暦 |
{{暦}} |
||
{{Chronology}} |
{{Chronology}} |
||
{{デフォルトソート:しゆうせいゆりうすれき}} |
{{デフォルトソート:しゆうせいゆりうすれき}} |
2020年9月23日 (水) 21:59時点における版
修正ユリウス暦(しゅうせいユリウスれき、英語: Revised Julian Calendar)は、1923年5月にコンスタンディヌーポリ(コンスタンティノープル)で開かれた公会において、幾つかの正教会の教会に受け入れられたとされる暦である。
導入
公会において新暦(修正ユリウス暦)は、ユリウス暦1923年9月30日(グレゴリオ暦1923年10月13日)の翌日を、修正ユリウス暦の1923年10月14日と定め、グレゴリオ暦と月日を合わせる形式が採られた。1582年のグレゴリオ暦への改暦のときの省いた日数が10日間だったのに対して3日間多くなっているが、これはグレゴリオ暦では平年となっている1700年、1800年、1900年をユリウス暦では閏年としているためである。また、グレゴリオ暦とは異なる置閏法も導入された。
置閏法
修正ユリウス暦における置閏法は、
- 4で割り切れる年を閏年とする。
- ただし100で割り切れる年については、更に900で割ったときの余りが200か600である年のみを閏年とし、それ以外は平年とする
である。
この置閏法は、セルビア人・クロアチア人・スロベニア人王国(ユーゴスラヴィア王国)を代表して会議に出席していた天文学者、ミルティン・ミランコビッチ(Milutin Milanković)の提案によるものであった。これによれば1年の平均の長さは365.242 222 222…日となり、当時の平均太陽時の長さである365.242 198 781 25日と比べて約2.025秒しか違わず、グレゴリオ暦では1年の平均の長さを365.2425として1年に26.821秒の差異を生ずるのに対して精度は高い。しかしながら春分年は若干長めとなっているため、数千年のうちに修正ユリウス暦も、グレゴリオ暦と同様に3月21日に春分を合わせることが出来なくなる。また1日の長さは100年で1.7ミリ秒増加しており(潮汐加速による)、1年あたりの日数は1000年につきに約0.0001日ほど短くなる。このことは、長い期間でみれば、修正ユリウス暦は平均太陽時を基礎にしたとしても、正確ではなくなることを意味する。
グレゴリオ暦との関係
1923年の時点でグレゴリオ暦と日付を合わせたため、当面はグレゴリオ暦と一致する。2800年にグレゴリオ暦では閏年となるが、修正ユリウス暦では閏年とはならず、この年の2月28日の次の日から修正ユリウス暦とグレゴリオ暦の間にはずれが生じる。2900年には逆にグレゴリオ暦が平年であるのに対して修正ユリウス暦は閏年となり、この年の3月1日以降は一致する。以後、断続的に日付が合致する時期と合致しない時期を経て、5200年2月28日以降は合致することはなくなる。
キリスト紀元 (西暦) |
グレゴリオ暦 | 修正ユリウス暦 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年の 種類 |
閏年の 累計回数 |
年の 種類 |
閏年の 累計回数 | ||
1923年 (基準) |
平年 | 0 | 平年 | 0 | 日付は完全に一致する。 |
2000年 | 閏年 | 20 | 閏年 | 20 | |
2400年 | 閏年 | 117 | 閏年 | 117 | |
2800年 | 閏年 | 214 | 平年 | 213 | 2月28日までは同じ。 |
2900年 | 平年 | 238 | 閏年 | 238 | 3月1日以降は同じ。 |
3200年 | 閏年 | 311 | 平年 | 310 | 2月28日までは同じ。 |
3300年 | 平年 | 335 | 閏年 | 335 | 3月1日以降は同じ。 |
3600年 | 閏年 | 408 | 平年 | 407 | 2月28日までは同じ。 |
3800年 | 平年 | 456 | 閏年 | 456 | 3月1日以降は同じ。 |
4000年 | 閏年 | 505 | 平年 | 505 | 2月28日までは同じ。 |
4200年 | 平年 | 553 | 閏年 | 553 | 3月1日以降は同じ。 |
4400年 | 閏年 | 602 | 平年 | 601 | 2月28日までは同じ。 |
4700年 | 平年 | 674 | 閏年 | 674 | 3月1日以降は同じ。 |
4800年 | 閏年 | 699 | 平年 | 698 | 2月28日までは同じ。 |
5100年 | 平年 | 771 | 閏年 | 771 | 3月1日以降は同じ。 |
5200年 | 閏年 | 796 | 平年 | 795 | 2月28日までは同じ。 |
5600年 (参考) |
閏年 | 893 | 閏年 | 892 | 1日分のズレを 維持したままである。 |
採用・不採用
修正ユリウス暦を受け入れている正教会は、コンスタンディヌーポリ総主教庁、アレクサンドリア総主教庁、アンティオキア総主教庁、ギリシャ正教会、キプロス正教会、ルーマニア正教会、ポーランド正教会、ブルガリア正教会(1963年導入)である。
修正ユリウス暦を導入せずユリウス暦を使い続けている教会は、エルサレム総主教庁、ロシア正教会、セルビア正教会、ウクライナ正教会、グルジア正教会、旧暦派である。ロシア正教会が復活大祭(移動祭日)の計算にも、固定祭日の計算にも、ユリウス暦を使い続けていたにも関わらず、ミランコヴィチは1923年10月には新暦が導入されたと述べた。
公会はさらに、復活大祭についての新しい計算方法についても決定したが、全ての正教会はこの計算方法を受け入れず、復活大祭の日を決定するにあたってはユリウス暦を使い続けている。ただしフィンランド正教会とエストニア使徒正教会のみはグレゴリオ暦を用いて復活大祭を祝い、固定祭日の決定にもグレゴリオ暦を使っている。
関連項目
出典・外部リンク
- Revised Julian Calendar - OrthodoxWiki 18:24, April 21, 2010 (UTC)の版からの注釈つき翻訳(最終段落のみ抄訳)が本記事の初版。
- ●時間・周期・暦
- ●月に関係する用語