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「ディスプレイサーバ」の版間の差分

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=== SurfaceFlinger ===
=== SurfaceFlinger ===
[[SurfaceFlinger]]は[[Android]]用に[[Google]]によって開発されたディスプレイサーバーです。
[[SurfaceFlinger]]は[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]用に[[Google]]によって開発されたディスプレイサーバーです。


Androidのコンポーネントは、全て"surface"にレンダリングされます。"surface"は、アプリケーションによって生成され、SurfaceFlingerによって管理されるキューにいれられます。<ref>{{cite web|url=https://developer.android.com/reference/android/view/Surface.html|title=Android Developer: Surface|accessdate=2020-03-08|publisher=}}</ref><ref>{{cite web|url=https://source.android.com/devices/graphics/arch-sf-hwc.html|title=Android Developer: SurfaceFlinger and Hardware Composer|accessdate=2020-03-08|publisher=}}</ref>
Androidのコンポーネントは、全て"surface"にレンダリングされます。"surface"は、アプリケーションによって生成され、SurfaceFlingerによって管理されるキューにいれられます。<ref>{{cite web|url=https://developer.android.com/reference/android/view/Surface.html|title=Android Developer: Surface|accessdate=2020-03-08|publisher=}}</ref><ref>{{cite web|url=https://source.android.com/devices/graphics/arch-sf-hwc.html|title=Android Developer: SurfaceFlinger and Hardware Composer|accessdate=2020-03-08|publisher=}}</ref>

2020年9月6日 (日) 09:54時点における版

ディスプレイサーバはグラフィカルユーザーインターフェースを構成する基本コンポネートで、ウィンドウマネージャを実装します。単純なウィンドウマネージャーはウィンドウの描画のみを行いますが、コンポジットウィンドウマネージャの場合より多くのことを行います。

ディスプレイサーバは、主にクライアントの入出力とオペレーティング・システム、ハードウェアとを調整するプログラムです。 ディスプレイサーバーはクライアントと 通信プロトコル(ネットワークケーブルなど)を介して通信します。

ディスプレーサーバーは、GUI、特にウィンドウシステムの重要なコンポーネントの一つです。

利用可能なプロトコル

X11

X.Org サーバは、X11プロトコルを介してクライアントと通信します。

X.Org Serverは、通常、LinuxBSDなどのUnixベースのカーネルの上で実行されるディスプレイサーバーの一つです。 X.Org Serverは、ユーザーの入力やクライアントからデータを受け取り、処理・合成し、LinuxだとDRMgem、KMSなどのカーネルコンポーネントに出力します。 カーネルコンポーネントは受け取ったデータをフレームバッファに書き込み、画面に表示されます。 XはGLXに依存します。

X11の実装例の一つとして、 X Windowシステムがあります。実際に使われているものとしては、X.Org サーバーおよび Xlib、XCBなどがあります。 X.Org サーバはディスプレイサーバですが、実際の実装は、MutterやKwinといったコンポジットウィンドウマネージャに依存しています。

有名なX11プロトコルを実装したディスプレイサーバーの例としては、 X.Org サーバーXFree86XQuartzCygwin/Xなどがあります。クライアント向けのライブラリとしてはXlibやXCBがあります。

 xevと呼ばれるUnixコマンドは、ウィンドウを作成し、ウィンドウに発生したイベントの情報(リサイズやキーボードからの入力、マウスクリックなど)を送信するようディスプレイサーバーに要求し、受け取った情報をコンソールに出力します。

Wayland

Waylandのプロトコル

Waylandのプロトコルを実装するディスプレイサーバーは、Waylandコンポジットと呼ばれます。 Waylandコンポジットは、クライアントに対する入出力を処理します。X11とは違い、コンポジットも担当します。Waylandを実装したものとしては、 WestonMutterKwinEnlightmentなどがあります。

Waylandコンポジットは、Waylandディスプレイサーバープロトコルを使用してクライアントと通信します。このプロトコルは、EGLレンダリングAPIのフレームバッファを利用し、クライアントが直接データーを出力できるように定義されています。また、ディスプレイサーバーは、どのウィンドウが最上部に位置するか、つまりユーザーが何を見えるのかを判断し、ディスプレイに表示します。また、evdevからクライアントへの情報の伝達にも責任を負います。

WaylandはFedoraなどいくつかのLinuxディストリビューションで採用されています。[1]また、Waylandはモバイルにも適しており、TizenやSalifish OSといったスマートフォンやタブレット向けのプロジェクトでも採用されています。

Waylandの実装はMITライセンスで提供されているlibwayland-clientとlibwayland-serverを使うことで使用可能です。

また、WaylandをChrome OSに実装するプロジェクトが進行中です。[2]

Mir

Mirは、Ubuntuのディスプレイサーバーに採用されることを目的にCanonicalによって開発されましたが、2017年にUbuntuのディスプレイサーバーはWaylandに変更されました。Mirは、X11やWaylandに使われているものとは異なる、独自のMirディスプレイサーバープロトコルを使用しますが、X11プロトコルもサポートします。[3]

Mirの実装は、GPLv3でライセンスされたlibmir-serverとlibmir-clientのもとで利用することができます。

SurfaceFlinger

SurfaceFlingerAndroid用にGoogleによって開発されたディスプレイサーバーです。

Androidのコンポーネントは、全て"surface"にレンダリングされます。"surface"は、アプリケーションによって生成され、SurfaceFlingerによって管理されるキューにいれられます。[4][5]

また、Android特有のものとして、デバイスのメモリの割当や仲裁、ファイル記述子の同期といったメモリ管理を行う"Gralloc"があります。Grallocは、GBMやNvidiaのEGLStreamsなどと競合します。Grallocのハードウェア抽象化レイヤ(HAL)は、"surface"の基礎となるバッファを割り当てるために使用されます。

Androidでコンポジットを行うとき、SurfacesはSurfaceFlingerに送られ、OpenGL ESを使用して合成が行われます。

HWCはAndroid3.0にて導入され、開発が続いています。HWCの主要な目的は、 ハードウェアを用いた合成時の効率を上げることです。HALの実装は各端末により異なり、通常はOEMが担当します。

Quartz

Apple社のmacOSの描画エンジンです。Quartzは、ディスプレイサーバーの機能とウィンドウシステム内のウィンドウマネージャの機能を実装しています。

Desktop Window Manager(DWM)

Desktop Window Managerは、Windows Vista以降のMicrosoft Windowsに導入されました。GUIの描画にハードウェアアクセラレーションを使用します。DWMは、"Windows Aero"の機能である透明化や、3Dのウィンドウ切り替えなどを行います。 DWMはWindows Server2008でも使用可能ですが、"Desktop Experience"を有効にし、互換性のあるグラフィックドライバをインストールする必要があります。

脚注

  1. ^ Why Wayland Anyway?”. Goings On. Matthias Clasen. 2016年6月17日閲覧。
  2. ^ Ozone Overview”. 2017年8月20日閲覧。
  3. ^ ThomasVo5 (2013年3月4日). “[Updated Mir – An outpost envisioned as a new home]”. tvoss@work. 2017年8月5日閲覧。
  4. ^ Android Developer: Surface”. 2020年3月8日閲覧。
  5. ^ Android Developer: SurfaceFlinger and Hardware Composer”. 2020年3月8日閲覧。

関連項目