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[[1987年]]に、[[静岡県]][[浜松市]]にある[[ピアノ]]メーカーの[[クロイツェルピアノ]]と、鍵盤工場の中村鍵盤製作所の協力の下、[[アップライトピアノ]]を改造して作られた試作機「'''ラピアン'''」が完成した<ref group="注釈">クロマトーンは、[[クロマティック]][[アコーディオン]]や、ヤンコピアノとは生い立ちが全く違うため別物である。</ref>
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[[1990年]]にアタッチメントタイプの「'''ラピアンキット'''」を発表。[[2000年]]に「'''ホールトーンレボリューション'''」、[[2003年]]に「'''クロマトーンCT-312'''」が発表された([[キーボード (楽器)|電子キーボード]])。その後、[[2010年]]に[[iPad]]版アプリケーション「'''Chromatone for iPad'''」、[[2012年]]に[[Android]]版アプリケーション「'''Chromatone for Android'''」を発表した。
[[1990年]]にアタッチメントタイプの「'''ラピアンキット'''」を発表。[[2000年]]に「'''ホールトーンレボリューション'''」、[[2003年]]に「'''クロマトーンCT-312'''」が発表された([[キーボード (楽器)|電子キーボード]])。その後、[[2010年]]に[[iPad]]版アプリケーション「'''Chromatone for iPad'''」、[[2012年]]に[[Android (オペレーティングシステム)|Android]]版アプリケーション「'''Chromatone for Android'''」を発表した。


== 特徴 ==
== 特徴 ==

2020年9月6日 (日) 09:15時点における版

クロマトーン
クロマトーン(CHROMATONE CT-312)

クロマトーン(CHROMATONE)は、大川ワタルがムトウ音楽メソッドを基に開発した、従来の鍵盤楽器とは異なった鍵盤配列(全音階配列+半音階配列)の楽器用鍵盤である。

歴史

1987年に、静岡県浜松市にあるピアノメーカーのクロイツェルピアノと、鍵盤工場の中村鍵盤製作所の協力の下、アップライトピアノを改造して作られた試作機「ラピアン」が完成した[注釈 1]

1990年にアタッチメントタイプの「ラピアンキット」を発表。2000年に「ホールトーンレボリューション」、2003年に「クロマトーンCT-312」が発表された(電子キーボード)。その後、2010年iPad版アプリケーション「Chromatone for iPad」、2012年Android版アプリケーション「Chromatone for Android」を発表した。

特徴

1オクターヴの中にある12の音はそれぞれが平等で独立した音であるという考え方から、で使う鍵盤(黒鍵)の色による区別がない。12調の全ての調において、弾き方が同じになるように作られている。

見た目は独立したボタンがたくさん並んでいるようであるが、縦列のボタンは連動しており同鍵盤となっている。この鍵盤が互い違いに半音階で配置されているため、縦列は同じ音となり、鍵盤上部に半音階配列、下部に全音配列の組み合わせとなっている。[1]

演奏におけるメリット、デメリット

メリット

  • 移調・転調において運指が同一のため、ピアノに比べてフレーズやコードの運指パターンが1/12となる。
  • 視覚と聴覚における音と音の距離が一致するため、距離感が明確になり、より直感的に演奏することが容易になる。
  • ピアノに比べ構造上鍵盤が小さめにつくられているため、手の小さい女性でもオクターヴ奏法が容易である。
  • 半音階と全音階でのグリッサンド奏法の使い分けができる。

デメリット

  • 普及していないので、どこでも弾くことはできない。
  • 教えている場所が少ない。
  • 機種の選択肢がない。

エピソード

  • 1987年、「ラピアン」が世界発明EXPOにてグランプリを受賞[2][3]
  • 1989年シンセサイザーの創始者、ロバート・モーグ博士は「ラピアン」に大変な興味を示し、来日した際には自ら開発者を取材した。その後開発者を連れ、アトランタでラピアンのプレスレセプションを自ら行った[4]
  • 山田尚勇東大名誉教授)は、1988年にラピアンの独自性と斬新なアイディアを絶賛し、次世代キーボードとして自身の東大講義の中でも紹介した[1]
  • 浜松市楽器博物館に「Wholetone Revolution」が展示されている。[5]
  • クロマトーンに使用されているメカニズムは「楽器用鍵盤のキートップ」として特許公開されている[注釈 2]

開発製品

ラピアン(RAPIAN)
1987年製造。クロマトーンの初期型で、アップライトピアノのプロトタイプ
ラピアンキット
1990年製造。ピアノ鍵盤の上に貼り付けて使用するアタッチメントタイプ。
Wholetone Revolution(ホールトーンレボリューション)
2000年製造。61鍵のMIDIシンセサイザーをベースにした、88鍵タイプのクロマトーン。ボディはコルグのN5、基盤は88keyであるN1であるため、部品供給はコルグが行い、組立は鈴木楽器製作所が行った。[2]
CHROMATONE CT-312(クロマトーン CT-312)
2003年製造。61鍵の電子キーボードをベースにした、71鍵タイプのクロマトーン。

脚注

注釈

  1. ^ クロマトーンは、クロマティックアコーディオンや、ヤンコピアノとは生い立ちが全く違うため別物である。
  2. ^ 特許公開番号 2004-325613 (P2004-325613A)

出典

  1. ^ a b 大川ワタル『いますぐ五線譜を捨てなさい ~「ムトウ音楽メソッド」で、日曜ミュージシャンになろう!~』宝音出版、2009年6月10日、26-28頁。ISBN 9784990473402 
  2. ^ a b ムトウ音楽メソッドヒストリー|音楽教育現場にこそ、正しい音楽メソッドを”. 株式会社tokyo yusyo. 2017年3月5日閲覧。
  3. ^ クロマトーン紹介 千葉テレビ放送制作「MusicFocus」2011年9月21日放送
  4. ^ Dr.Moog ラピアン(RAPIAN)/クロマトーン(chromatone)を語る - YouTube
  5. ^ Sound Lab 2.0

外部リンク