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「食戟のソーマ」の版間の差分

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: 声 - [[坂本真綾]]
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: WGOの全執行官を統括する特等執行官(ブックマスター)にしてえりなの実母。
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: えりなと同じく「神の舌」の持ち主だが、その鋭すぎる味覚故に現状の料理に絶望し、遠月離れ過去る。
: えりなと同じく「神の舌」の持ち主だが、その鋭すぎる味覚故に現状の料理に絶望し、まともに食事摂ることができなくなっしまっ。栄養補給は点滴で行っている、それが切れると倒れてしまうほど身体は衰弱している。
: この症状を発症したことで遠月を離れており、家族とも疎遠になっている。
; アン
; アン
: 声 - [[堀江由衣]]
: 声 - [[堀江由衣]]
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: 審査のためにWGOの教本を大量に持ってきたが、内容は全て頭の中に入っているという。また日本の慣用句辞典など料理に関係ない本も多く混ざっている。酒に弱く一口含んだ程度で呂律が回らなくなるが、味覚と神経がより鋭敏になり、深く味を見極め厳正な審査を行えるという特殊な性質を持つ。
: 審査のためにWGOの教本を大量に持ってきたが、内容は全て頭の中に入っているという。また日本の慣用句辞典など料理に関係ない本も多く混ざっている。酒に弱く一口含んだ程度で呂律が回らなくなるが、味覚と神経がより鋭敏になり、深く味を見極め厳正な審査を行えるという特殊な性質を持つ。
: 中枢美食機関側と反逆者の連帯食戟の審査員として招かれ、デコラたちの途中参加に驚きつつも中立の立場で審査を行った。
: 中枢美食機関側と反逆者の連帯食戟の審査員として招かれ、デコラたちの途中参加に驚きつつも中立の立場で審査を行った。
: BLUEでは真凪の世話と全体の進行を担当している。
; デコラ
; デコラ
: 声 - [[小林ゆう]]
: 声 - [[小林ゆう]]

2020年8月31日 (月) 12:02時点における版

食戟のソーマ
ジャンル 少年漫画料理・グルメ学園
漫画
原作・原案など 附田祐斗
作画 佐伯俊
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表号 2012年52号 - 2019年29号
巻数 全36巻
話数 全315話
その他 協力:森崎友紀
漫画:食戟のソーマ L'etoile-エトワール-
原作・原案など 附田祐斗・佐伯俊・森崎友紀(原作)
伊藤美智子(ストーリー)
作画 昭時大紀
出版社 集英社
掲載誌 少年ジャンプ+
レーベル ジャンプ・コミックス
発表期間 2015年2月20日 - 2019年6月21日
巻数 全8巻
話数 全47話
ヴォイスコミック
原作 附田祐斗、佐伯俊、森崎友紀
放送局 テレビ東京VOMIC公式サイト
番組 サキよみジャンBANG!
発表期間 2013年7月5日 - 7月26日
話数 全4話
ゲーム:食戟のソーマ 最饗のレシピ
対応機種 iOSAndroid
発売元 バンダイナムコエンターテインメント
メディア ダウンロード
発売日 2015年8月17日
ゲーム:食戟のソーマ 友情と絆の一皿
対応機種 ニンテンドー3DS
発売元 フリュー
メディア 3DSカード、ダウンロード
発売日 2015年12月17日
レイティング CEROC(15才以上対象)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

食戟のソーマ』(しょくげきのソーマ)は、原作:附田祐斗、作画:佐伯俊による日本漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて2012年52号から2019年29号まで連載された[1]。名門料理学校「遠月学園」を舞台に、下町の定食屋の息子である料理人の少年・幸平創真の活躍と成長を描く料理・グルメ漫画

2015年2月より、ウェブコミック配信サイト少年ジャンプ+』(集英社)で本作のスピンオフ漫画が連載されたほか、同年4月からはテレビアニメが放送を開始し、合計5期製作されている[2]

単行本第1巻は発売直後から予想を上回る売れ行きを見せ、異例の速さで10万部の重版がかかり、発売2週間で20万部を超す勢いとなった[3]。テレビアニメ化以降も順調に売上を伸ばし[4]、本連載完結時点で累計発行部数は1900万部以上に達している[5]

第9回全国書店員が選んだおすすめコミック第3位、みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2018グルメ漫画部門・大賞[6]を受賞。

作風

名門料理学校「遠月学園」を舞台に、下町の定食屋の息子である料理人の少年・幸平創真(ゆきひら そうま)の活躍と成長を描く料理・グルメ漫画。料理対決や登場する料理の意外性に加え、登場人物が料理を食べた時に放つリアクションがお色気要素に近い大仰なものであることが特徴である。

タイトルの「食戟」とは、作中の用語で(独自のルールに則った)料理対決を意味する。

本作品の企画は、作者と編集のバカ話から偶然生まれた[7]。『少年ジャンプNEXT!』(集英社)2012 SPRING巻頭カラーに50ページで読切版が掲載された後、『週刊少年ジャンプ』(集英社)2012年52号より連載が開始された[8][9]。2013年4・5合併号掲載の第5話以降は料理研究家の森崎友紀が協力しており[10]、食のアイデアなどを提供している。お手軽なものから本格的なものまで、紹介されるレシピもこの作品の魅力の1つとなっている[3]

単行本では、作中に登場した料理の一部レシピや連載時点では氏名不詳だったキャラクターのプロフィールが紹介されている。

あらすじ

下町の定食屋の息子・幸平創真は、家業を手伝いながら、父・幸平城一郎を越えるべく料理修業に励む日々を過ごしていた。ところが、中学校卒業後は家業を継ごうと考えていた創真をよそに、城一郎は店を数年閉めると宣言して海外に渡る。城一郎の命により、超名門料理学校「遠月茶寮料理學園」の高等部に入学した創真は、持ち前の料理のノウハウを駆使して料理人として成長していく。

遠月学園への入学と初めての食戟(第1巻 - 第2巻)
創真は、学園の実力者・薙切えりなが審査員を務める編入試験を受験する。試験では「卵料理」を課され、創真は「化けるふりかけごはん」を作る。合格レベルに達しているにもかかわらず、彼女のプライドに傷をつけたことで目をつけられ、私情で不合格判定を下されてしまう。だが、えりなの祖父にして学園の総帥・薙切仙左衛門は創真の実力を認め、えりなの判定を取り消して創真を正式に編入させる。一方、落ちこぼれの少女・田所恵は調理演習の授業で創真とペアになったおかげで、退学処分を免れる。学生寮「極星寮」へ入寮した創真は、「遠月十傑」の1人・一色慧から、遠月学園の勝負「食戟」について知らされる。
創真は遠月学園に多数存在する研究会の1つ「丼物研究会」(通称:丼研)の部室を訪れる。丼研は勢力拡大を続けるえりなの圧力によって、廃部の危機に陥っていた。創真は丼研部長・小西寛一に代わり、えりなの派閥との「食戟」の相手を引き受ける。対戦相手は、ミートマスターと呼ばれる肉料理のスペシャリスト・水戸郁魅。「郁魅が勝てば丼研は廃部、創真は退学」「創真が勝てば郁魅が丼研に入る」という条件の下で創真が入学して初の食戟が行われ、「ゆきひら流シャリアピンステーキ丼」を披露した創真が勝利する。郁魅はえりなに見捨てられ、条件どおりに丼研に入ることとなる。
宿泊研修(第3巻 - 第5巻)
創真たち高等部1年生は、課題に合格しなければ即退学という地獄の合宿に臨む。合宿1日目、卒業生乾日向子の課題で創真は自分と同じくイタリアの大衆食堂で厨房に立っていた双子の兄弟タクミ・アルディーニイサミ・アルディーニと出会い、勝負を挑まれるが、勝負はうやむやに終わる。合宿2日目、卒業生である講師・四宮小次郎の課題で、恵が退学を言い渡されてしまう。その理由は、レシピ通りに作るという課題で恵が不測の事態に対処しようと、提示されたレシピに手を加えたためだった。四宮の正論ではあるが高圧的な姿勢に異を唱えた創真は、彼に「食戟」を挑む。卒業生たちのリーダー格・堂島銀の計らいで、恵・創真と四宮は非公式の「食戟」を行うことになる。創真がサポートに回り恵がメインとなった2人の料理は審査員の卒業生たちを唸らせるが、結果は四宮の勝利に終わる。しかし、堂島の勧めで恵の料理を食した四宮が考えを改めたことにより、恵の退学処分は取り消される。
合宿4日目、卵を使った朝食の新メニュー作りという課題はビュッフェ形式で審査が行われ、えりな、タクミ、恵らは順調に課題の200食に合格していく。しかし、ビュッフェに不向きな「ミニスフレオムレツ」をメニューに選んだ創真は、制限時間残り30分でわずか8食という窮地に陥る。城一郎からの教えを思い出した創真は、状況を整理して現状打破の対策を練り、客の目の前で調理を行う「ライブクッキング」を披露することで客の関心を集め、制限時間寸前で合格する。そして、合格者の中にはえりなの秘書である新戸緋沙子とえりなの従妹薙切アリスとその側近である黒木場リョウの姿もあった。
合宿終了後、連休を利用して実家に帰省した創真は、駅の商業施設のリニューアルと大手唐揚げ専門店「もず屋」に押されて寂れていた地元商店街を「すみれ印の唐揚げロール」で立て直すが「もず屋」のフードコンサルティングを担当していた遠月十傑第九席・叡山枝津也から、自身の経歴を傷つけたとして宣戦布告を受ける。
秋の選抜(第6巻 - 第13巻)
1学期が終わり、1年生の優秀な生徒のみ出場できる「秋の選抜」に創真をはじめ極星寮のメンバーやライバルたちも順当に出場を果たしたころ、城一郎が極星寮を訪れる。翌朝、城一郎との料理勝負に負けた創真は、「秋の選抜」の予選テーマ「カレー料理」の参考としてその専門家・汐見潤を紹介される。肝心の汐見の協力は得られなかったものの、彼女の助手でカレー料理を得意とする生徒・葉山アキラのカレーを食べた創真は、選抜に備えて自己流のカレー作りを始める。
予選本番では各自が趣向を凝らすが、日本一のカレーメーカー「ハウビー食品」の千俵姉妹をはじめとする、あらゆる料理に精通する審査員たちにはまるで受け入れられず、大半の生徒が低評価を受けてしまう。それでも一部の生徒たちは高評価を叩き出し、Bブロックではアリス、緋沙子、タクミ、恵の4名、Aブロックでは葉山、創真、黒木場、美作昴の4名が本戦へ出場する。
本戦一回戦では第一試合の「弁当」で創真がアリスを破り、第二試合の「ラーメン」で恵が黒木場に破れ、第三試合の「ハンバーガー」で葉山が緋沙子を破り、第四試合の「スイーツ」で美作がタクミを「食戟」形式で破る。そして準決勝第一試合では、洋食のメイン1品の「ビーフシチュー」対決で創真が「食戟」形式で美作を破る。しかし、第二試合は葉山と黒木場への判定が拮抗してしまう。そこで、審査員を務めた堂島の提案で2人とも決勝へ上がり、史上初の三つ巴の決勝戦が行われる。決勝のテーマは秋が旬の魚「サンマ」となるが、創真は目利きの時点で葉山や黒木場に劣ってしまう。やがて、3人がそれぞれ趣向を凝らす決勝戦を制したのは、己の顔が見える料理を作った葉山だった。
スタジエール(第13巻 - 第14巻)
秋の選抜から数日後、高等部1年の生徒たちは園外への実地研修「スタジエール」へ赴く。創真の最初の研修先は緋沙子と同じ洋食店「洋食の三田村」となるが、そこは客の数に対応できていないなど問題が多い店であった。現状のままで満足する緋沙子とこのままではダメだという創真の意見の対立を経て、自分たちが去った後の店の現状を考えた末に店のシステムを大幅に変更することで2人は本来の店を取り戻し、合格となる。一方、恵の研修先はえりなと同じフランス料理店となるが、えりなはあっという間に厨房を掌握する。そして、恵も料理の改善点を指摘したことでえりなから認められ、合格となる。
次の研修先として、四宮が新たに出店した「SHINO'S TOKYO」へ派遣された創真は、当初は膨大な仕事量ゆえに厨房の動きにもついていけなかったが、徐々に慣れてプレオープン最終日の新作コンペでは料理を認められ、合格となる。そして、他の高等部1年のメンバーも全員合格となる。
月饗祭(第14巻 - 第16巻)
スタジエールから数日後、秋の選抜で本戦に進出した8名と現遠月十傑のメンバーが一堂に会する「紅葉狩り会」が開かれる。創真はそこで十傑メンバーに「食戟」を挑むも相手にされなかったが、第八席・久我照紀から「何か一つでも料理で勝てる物があれば食戟を受ける」との条件を取り付ける。
学園祭「月饗祭」の準備期間に入り、各々が模擬店の準備に取りかかる。中華料理研究会を牛耳る久我の激辛麻婆豆腐に衝撃を受けた創真は、同じ中華料理で久我の店に対抗することを決め、台湾の定番屋台料理「胡椒餅」で出店するも、豪華な四川料理を揃える久我の店に客足を奪われ、初日の売上で中央エリアの最下位かつ赤字を出してしまう。その後も最終日まで中華研がトップを維持していたが、4日目に創真は胡椒餅と麻婆豆腐の素材を流用した「時限式麻婆カレー麺」で久我に挑む。美作や郁魅、アルディーニ兄弟らの協力を得て中華研を超える売上を出し、久我に一矢報いる。
創真が中華研に勝利した翌日に、創真を気に入った二席・小林竜胆は創真と恵を一席・司瑛士の店に招待する。二人は気弱な態度とは裏腹に自分の料理に絶対の自信を持つ司の圧倒的な実力を知る。
同時刻、えりなの店へ彼女の父・薙切薊が現れる。えりなは過去の記憶が甦り薊の支配に屈しかけるが、店を訪れた創真によって事無きを得る。だが、薊は十傑メンバーの過半数を手中に収め、仙左衛門を総帥の座から引きずり下ろし、彼の後任に就く。
薊政権誕生 中枢美食機関発足(第16巻 - 第18巻)
薊政権誕生後、創真のもとに仙左衛門が現れ、自分が城一郎を通して創真の遠月学園への入学を勧めたことや、薊がえりなに対して異常な教育をした過去やその危険性を伝えた上でえりなを救ってほしいと懇願する。その頃、えりなは薊によって幼少時と同様に行動の自由を奪われ追い詰められていたが、付き人を解任された緋沙子から事情を聞いたアリスや黒木場らによって屋敷から脱出、逃亡の末に極星寮に辿りつき匿われる。
えりなが極星寮に身を寄せて数日後、薊は遠月大改革の幕開けとして学園におけるゼミ、同好会、愛好会などの全ての自治勢力を解散し中枢美食機関(セントラル)の設立を宣言する。
学園に存在する自治勢力に中枢美食機関から解散が通達される中、極星寮には九席・叡山が部下を引き連れ解散および、創真達の退去を勧告。創真達は食戟で勝利することで決定を覆そうとするが、反抗勢力の一人である甲山鉄次が審査員を買収し八百長を仕掛けた叡山に敗北、叡山は創真達に薊政権による食戟の形骸化を宣言する。寮の解散・退去が迫る中、創真は自分や寮生達が料理を極める場である極星寮を守るため、圧倒的に不利な状況を承知の上で叡山に食戟を申し込む。叡山が仕組んだ妨害に遭いつつも、創真はこれまで培った料理で八百長策を打ち破り見事勝利する。
数日後、薊は一色、女木島、久我の三名の十傑評議会からの追放を宣言。同時に学園に残る自治勢力を淘汰するべく機関による残党狩りが行われようとしていた。
残党狩り(第18巻 - 第20巻)
薊がえりなの様子を見に極星寮を訪れた翌日、創真達は「残党狩り」が行われる各会場に三人一組で偵察に赴く。各会場で機関の勝利が告げられる中、創真、恵、タクミが向かったD会場では十傑四席・茜ヶ久保ももと九席・叡山を先頭に十傑予備軍の楠連太郎らによって学園の強豪である各研究会・同好会が次々と敗北、解体を余儀なくされていた。そしてD会場、最後の試合では、最先端料理研究会の主将となっていたアリスの代役である黒木場と楠とのテーマ食材「鮭」の食戟が執り行われる。両者の品の出来はほぼ互角だったが、秋の選抜からの成長を見せつけた黒木場に軍配が上がった。
翌日、創真は第一席・司が講師を務めた講義で彼のサポートに回り、その働き振りを評価され中枢美食機関に勧誘される。最初は断った創真だが、自身の機関入りと司の第一席の地位をかけた食戟を挑まれ、鹿肉をメインとしたフレンチ料理で対決する。隠れて様子を伺っていたえりなと緋沙子が審査員となり判定は司の勝利となるが、様々な理由から賭けは無効となる。
進級試験(第20巻 - 第23巻)
司との勝負から数日後、残党狩りで恵や郁魅が機関に対して勝利を勝ち取る中、学園から進級試験の概要が発表される。機関からの事実上の処刑宣告ともいえる内容に多くの生徒が抵抗を諦めてしまう中、えりなは創真に城一郎との出会いや自分の迷いを話す。創真はえりなに対して編入試験でのリベンジとして鶏卵の天ぷらを使用した天丼を作りあげる。創真の料理を食べて迷いを振り切ったえりなは翌日、気落ちする極星寮の面々に進級試験において自らサポートをすることを宣言する。
1週間後、えりなによるスパルタ講義を乗り切った創真たちは進級試験の舞台である北海道に到着する。一次試験・二次試験では共に中枢美食機関派の試験官による露骨な嫌がらせを受けるも、講義で仕込まれた北海道の食材の知識を活かして全員が欠けることなく突破を果たす。しかし、三次試験は「十傑との料理対決」というかつてない難所となり、さらに創真の対戦相手に選ばれた刺客は、中枢美食機関に恭順し十傑に加わった葉山だった。堂島の立会いの下、「熊肉」をテーマとした揚げ物対決はほぼ互角だったが、皿に込められた「情熱」の差で創真に軍配が上がった。それと同時に葉山の退学が決定し、別ルートで試験を受けていた仲間たちもことごとく十傑に敗北、残ったのは創真とえりなのほか、対戦相手である小林の手心で通過した恵とタクミの4人だけだった。仲間たちの理不尽な退学を撤回する策として「十傑席次を賭けた食戟」を薊に申し込み却下される中、城一郎・仙左衛門・堂島が現れ、城一郎が自分自身を担保とした「連隊食戟」を提案したことで薊の了承を取り付けることに成功する。
連隊食戟(第23巻 - 30巻)
堂島が恵とタクミに在籍時の自分と城一郎の過去を話した後、チームワーク強化の為、幸平親子・えりなと堂島・恵・タクミの紅白戦が仙左衛門の提案により会話禁止と言うルールの元で行われ、互いを実力を認め合った。後日、連隊食戟のルール決めのため創真たちは薊率いる現十傑と対峙、そこでえりなは十傑の座を返上し反逆者チームに付く事を宣言。1か月後、決戦の地である礼文島にて創真・えりな・恵・タクミに元十傑の一色・久我・女木島さらに美作を加えた8人が中枢美食機関に挑む。
反逆者連合のリーダーを務めるえりなの提案で3対3の対決が決まり、1st BOUTでは中枢美食機関側には紀ノ国と新十傑に加わった白津・鏑木の3名。反逆者チームは創真・一色・女木島の3人が出場する。創真の相手は六席の紀ノ国となるが、テーマ食材を決めるくじ引きで紀ノ国の得意料理である「そば」を引いてしまい、創真の圧倒的不利な状況でスタートを迎えてしまう。それでも逆境を跳ね返し見事勝利を収め、一色・女木島も勝利し1戦目は反逆者チームが全勝する。
続けて行われた2nd BOUTは、司と久我・小林と女木島・斎藤と美作の対決となる。各自奮戦したものの、結果は十傑側の全勝。残り5対5のタイに持ち込まれてしまうが、主力である司と小林の体力を大きく消耗させる。翌日の3rd BOUTは創真と斎藤が「バター」、恵と茜久保が「りんご」、タクミと叡山が「牛肉」でそれぞれ対決を迎える。恵は惜しくも敗れるも創真とタクミが勝利し再び反逆者チームが勝ち越す。4th BOUTでは突如薊が審査員に割って入り、えりなが茜久保を下すも、一色とタクミは司と小林に敗れる。
4th BOUTを終え、残るは反逆者チームが創真とえりな、中枢美食機関は司と小林の2名ずつとなる。そこへ仙左衛門が現れ、試合形式を個人戦からチーム戦にし、一方が前菜、もう一方がメインを担当するコース料理で勝負する形式にすることを提案。翌日のFINAL BOUTでは創真が前菜、えりながメインを務め、司と小林を破り反逆者チームが勝利する。

登場人物

担当声優は特記がない限りテレビアニメ版。

主要人物

幸平 創真(ゆきひら そうま)
声 - 松岡禎丞 / 小野友樹(VOMIC)[11]
本作の主人公。大衆食堂「食事処 ゆきひら」の跡取り息子。遠月学園高等部1年生→2年生(第92期生[12])。「遠月十傑評議会」の第一席。極星寮303号室[注 1]の寮生。
身長173cm(入学時171cm)。体重57kg。11月6日生まれ。血液型はB型。好きなこと、洗濯。好きなもの、広い風呂。
左眉にある切り傷と赤髪が特徴の少年。普段はマイペースで飄々とした性格だが、料理人として非常に高い情熱とプライドを持ち[注 2]、どんな逆境や強敵に対しても物怖じすることなく立ち向かい、時には相手に言い訳のしようのない鋭い発言をすることもある。実家の「ゆきひら」を誇りに思っており、店を侮辱されると強い怒りを露にする。また、自分が認めた人物には劣勢な状況であろうと見放さずに積極的に協力しようとする仲間思いな一面を持つ。強気な発言と向こう見ずな行動により周囲の反感を買うこともあるが、並外れた料理への情熱と仲間思いの人柄に惹かれ、男女を問わず好感を抱く者も多い。初対面の者でも屈託なく接し、誰もが認める実力者と親交を結ぶなどコミュニケーション能力は高いが恋愛事には疎く、自分に好意を持つ真由美や郁魅の想いには気付いていない。
ゲテモノを振る舞うなど破天荒な面が目立つ一方で、一色のふんどしや夏期と冬期の極端な変化をするイサミに突っ込みを入れるなど、一般人の感性も持ち合わせ、時折本人以上に破天荒な中華研などに突っ込みを入れている。
幼少期からの長年の経験から、大衆料理を得意としており若くして大人顔負けの実力を持ち、遠月への入学時点で他の学生のレベルを超えている。また食材の価値にこだわらず、常識にとらわれない創作料理も得意とするが、初対面の人間や親しい者にも遠慮なく失敗作の新作ゲテモノ料理を薦めたがる父・城一郎譲りの悪癖を持つ。料理を出す時には「おあがりよ!」、相手が料理を食べて大仰なリアクションを見せた時には「御粗末!」という決め台詞をそれぞれ用いる。料理中は「ゆきひら」の店名が書かれたシャツを着用し、手拭いを鉢巻のように巻く。また美作曰く、創真の出刃包丁はかなりの業物とのこと。
3歳のころから料理の修業を積み、父であり、店主でもある城一郎を越えるべく日々料理修行を重ねていた。小6の時に初めて城一郎に料理勝負を挑んだが、1度も勝てず中学卒業の時点で489回の敗北を喫した。城一郎から見て創真には特別料理人の才能があるわけではなかったが、自分の才能を卑下することなく前向きに自分に足りない部分に向き合う強さを持っていた。修行時代に培った様々な経験は、遠月学園入学後も随所で発揮されている。四宮からは底なしの知識欲と好奇心が長所であり、それが他の者が探そうとも思わない一歩を踏み出させると評価されている。一色は「創真を認めることは努力していない自分を認めることになる」と、創真の実力を正当に評価しない遠月の生徒の風潮を遠回しに批判している。
中学卒業と同時に本格的に家業を継ぐことを考えていたが、城一郎が突然店を閉めて海外へ行ったため、城一郎の意向に従って遠月学園に編入する。編入試験で自分が作った料理をえりなに「不味い」と言われたことで、彼女に「美味い」と言わせることを目標のひとつとするようになる。
始業式での編入生挨拶の場で「客の前に立ったことが無い連中に負けるつもりはない」と強気な発言をしたことから、事実上の宣戦布告と見なされて多くの生徒たちに敵視される。当初は遠月学園に関する知識がなく、ごく普通の「お料理教室」程度に考えていたため料理学校に行くことを疎ましく思っていたが、遠月学園のさまざまな試練や多くのライバルたちの存在を目の当たりにしたことで、考えを改めるようになる。
学園内におけるさまざまな体験を通して「十傑評議会」や卒業生からも実力を認められ、「秋の選抜」の出場権を獲得した。1学期終了後、城一郎が元遠月学園十傑第二席であったことを知り、改めて遠月学園の頂点に立つ決意を固めた。秋の選抜前、予選のお題である「カレー料理」を研究するため、城一郎から紹介されたスパイスの研究をしている汐見のゼミを訪問し、スパイスに精通している葉山と出会い、互いに強い対抗意識を抱くようになる。
秋の選抜Aブロック予選では、過去の失敗や敗北を克服して作り出した「ゆきひら謹製カレーリゾットオムライス」で葉山に対抗し、5人の審査員のうち3人は自分に高得点を挙げたが、総得点は葉山の94点にわずか1点届かず、Aブロックを2位タイで予選通過する。
本選一回戦第一試合の「弁当」対決ではアリスと対戦し、アリスの分子美食学を駆使した弁当に駄菓子から発想を得た「ゆきひら流進化系のり弁」で完勝する。一回戦の全試合終了後には美作から準決勝で自身と食戟をするように要求され、賭けの対象として美作にはこれまで奪ってきた包丁100本を要求し、自分がもし負ければ料理人を辞めると宣言する。さらに試合で作る料理をかつて父に初めて認められたビーフシチューにすると大胆に予告し、自身の取材に来た新聞部の早津田に味見役を頼み、試作を開始する。試合本番では自分の試作を完全に把握して独自のアレンジを加えていく美作に対し、それまで歩んできた経験によって組み合わせた「ゆきひら流ビーフシチュー秋の選抜スペシャル」で美作を下し決勝に進出する。
葉山と黒木場との三つ巴の決勝戦では、「サンマ」というお題に対して目利きで2人に差をつけられ苦悩するも、仲間の手助けによりサンマを熟成させて旨味を増加させる手法に至り、ふみ緒の晩酌からを使ってサンマを熟成させる「糠サンマ」にたどり着く。決勝本番では「サンマの炊き込みごはん」と二杯目で豆乳ベースの出汁を使ったおじやにすることで完成する「サンマの炊き込みごはんおじや風」を披露したが、葉山には及ばず準優勝となった。これをきっかけに、城一郎の後を追うだけでなく、自分にしか作れない唯一無二の料理を作ることを目指す決意を固めた。
スタジエールでは、最初の研修先「洋食の三田村」で緋沙子と共に店の対応に追われる。持ち前の要領の良さでその日を乗り切ることに成功するも、このままでは事態の解決にはつながらないと考え、店長の三田村に完全予約制の導入を提案し、第一の研修に合格する。第二の研修では、合宿で知り合った四宮の新店舗「SHINO'S TOKYO」に赴く。当初は慣れないコース料理の仕事量の多さに苦戦し厨房の動きについていけなかったが、徐々に技術を吸収していく。プレオープン最終日の新作コンペではフレンチの技術を駆使した「フレンチ風親子丼」を披露し、四宮からはクオリティが低いと評されたが四宮のアドバイスを取り入れることで新作メニュー「うずらの詰め物 リゾットと卵〜生意気小僧風〜」として採用され、合格した。その後も順調に全ての研修に合格した。
スタジエール後に開かれた「紅葉狩り会」で現遠月十傑と対面し打倒十傑の決意をさらに高め、遠月学園の学園祭「月饗祭」では中華料理を得意とする第八席久我と同じく中華で勝負を挑む。初日では激辛な四川料理で客を魅了する久我の店に圧倒され赤字を出してしまい、2・3日目も全く届かなかったが、冷静に客層を分析し4日目に肉団子を使った中国の鍋料理「獅子頭(シーズートゥ)」の要素を盛り込んだ「時限式麻婆カレー麺」で久我に対抗。さらに、美作たちの協力を得て4日目の売上は久我を上回った。
中枢美食機関発足後、極星寮を潰すと宣告しに来た叡山に対し、自分たちの料理を究めるための城を守るため八百長が行われているとわかった上で食戟を申し込む。始めは叡山の八百長策に乗った審査員からはまるで相手にされなかったが、口八丁で叡山や審査員達を説き伏せテーマ食材「さつま地鶏」に対しパルメザンチーズを使用した羽根突き餃子にトマトケチャップベースの甘酢あんかけを使用した「ゆきひら流羽根チーズ付き手羽先餃子」で勝利を勝ち取ると、中枢美食機関に対し改めて宣戦布告した。数日後、恵・タクミと共に中枢美食機関の残党狩りを視察するため食戟の会場に潜入し、黒木場と中枢美食機関代表・楠との食戟を見届けた。翌日の講義で臨時講師を務めた第一席の司から自分の助手として中枢美食機関に誘われ、第一席の地位をかけた司からの食戟に受けて立つ。テーマの鹿肉に対し「鹿もも肉の炭火焼き〜栗のソース〜」を披露したが司に敗北する。だが、司が創真の独創的過ぎる料理から自分では制御できないという理由で中枢美食機関入りを取り下げたことで創真にとっては不本意ながら勝負はなしになった。
進級試験開始前、えりなから相談を持ちかけられ冷凍卵を使った「鶏卵の天ぷら丼」を振る舞い、本人は無自覚だが編入試験のリベンジを果たした。1次試験・2次試験では中枢美食機関側からの露骨な妨害にあうもえりなから学んだ知識を元に乗り切り、3次試験では新たに十傑となった葉山と対決することになる。助っ人して現れた久我や中華研の協力を得てテーマの熊肉に対し旨みと臭みが強い骨に近い部位をふんだんに使った「メンチカツ」を披露。揚げ物単体では葉山の「フライドベア」に劣ったが、キハダ蜂蜜とバルサミコ酢をキャラメリゼさせたソースとの組み合わせで葉山に追いつき、料理に込める情熱の差で葉山へのリベンジを達成した。他の仲間のほとんどが十傑に敗れ退学となってしまったことで、自分達が十傑の席を奪い退学を撤回させるため十傑に全面対決を挑む。
連隊食戟では1st BOUTに出場し第六席の紀ノ国との勝負となり、偶然にも彼女が最も得意とする「そば」対決となる。気温の低さによるそば粉の状態に変化に気づき[注 3]、カップ焼きそばをヒントに香りが強い三番粉を油で焼いた「ゆきひら流・焦がし蕎麦」で勝利する。翌日の3rd BOUTでは斎藤と「バター」での勝負となり、恵やタクミと互いの作業をサポートしながら調理を行う。斎藤が繰り出す料理に気圧されるも、恵のりんごバターやタクミのチーズ、さらに多くの強者との研鑽の証を取り込んだ「ゆきひら流香ばしバターピラフ稲荷寿司」で斉藤に勝利する。FINAL BOUTではじゃんけんで負け不本意ながら前菜を務める。調理中に何度もえりなに味見を頼むことで徐々に完成度を高めていき、前菜の「パテ・ド・カンパーニュ」をマンガ肉風に表現した必殺料理「時限式・生意気小僧風原始肉」を披露。料理単体の出来は薊も認めたが、前菜としては0点と評される。えりなからも咎められたが、司に対抗するには互いの皿がぶつかり合うようなコース料理にし、自分の料理を超えられなければこの勝負には勝てないとえりなに檄を入れ、勝利を勝ち取った。えりなから空位となった十傑第一席に指名された。
原作者・附田祐斗Twitterで、母親は既に故人でありそれが創真の現在の人格を構築させた要素の一つとなっていると語っている[13]
薙切 えりな(なきり えりな)
声 - 種田梨沙(第1期・第2期) 、 金元寿子(第2期OVA・第3期)[14] / 中原麻衣(VOMIC)[11]
本作のメインヒロイン。遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。遠月学園総帥。
身長162cm。3月23日生まれ。3サイズはB88-W56-H87。血液型はAB型。好きな歌はアマリリス。好きな遊びはトランプ(特に七並べ)。
長い金髪に豊満なプロポーションを持つ美少女。神の舌(ゴッドタン)とまで呼ばれる優れた味覚を持つ。恵まれた境遇や才能から、極度なまでのプライドの高さや、エリート意識を持っている[15]。高飛車かつ我侭な性格だが、子供っぽい一面もあり、味の評価の仕方がかなり独特。その性格は幼少時からのもので、旧知である従姉妹のアリスからも、我が儘をされたことからあまり快く思われていない。そのため、付き人の新戸以外に親しい友人はいなかった模様。
料理には高級な食材による美食を追及した徹底的なセレブ思考の品のみ求めており、大衆食堂に出てくる庶民的な料理や食材等は頑なに否定している。これは幼少期に父・薊から「自分が認めた料理以外は屑だ」と刷り込み教育を施されたことに起因している。それ以前は比較的明るい性格だったが、薊の教育によって現在のような性格となり仙左衛門によって薊が追放されてからは、アリスや緋沙子といった周囲の人間の尽力で少しずつ感情を取り戻していった。以前は薊を前にすると委縮し震え上がるなどその精神的な支配からは長らく逃れられていなかったが、極星寮での影響や仙左衛門の助言で真っ向から反抗するなどその支配から逃れることができた。また極星寮の面々との付き合いを通じ、それまで疑わなかった自分の料理観にも変化が生じており、連帯食戟では仲間が作っていた料理を「神の舌」で至高の領域に達した料理を次々と披露する。
その恵まれた才能から幼児でありながら日本中の有名店に味見役を任され、下した評価が料理界での運命を決定づけるほどである[16]。その才能は乳児のころから人間離れしており、「目隠しして利き塩を行い、名称を全て言い当てた」「離乳食は学園の主任講師を総動員して作らせたものしか口にしなかった」など、数々の逸話を持つ。また調理の実力も非常に優れており、卒業生の堂島からも「遠月学園開闢以来最高傑作の化け物になれる素材」と評されるほどで、その実力は学外にも広く知れ渡っている。幼少時から余りに正確な舌を持つが故に多くの料理の味見をしてきたが中には質の悪い料理もあった。その繰り返しによる疲弊で以前は楽しかった料理への情熱もなくなり、アリスにすら料理への情熱を失ったことを打ち明けなかった。その時期に城一郎と出会い、彼の料理と「答えが分かっていたら楽しくない」という彼の言葉に感銘を受ける。以来「才波様」と呼んで一方的な憧れを抱き、一緒に撮った写真を今も肌身離さず持ち歩いているが、彼のプライベートまでは知らず、後に創真の父であることを知った際には深いショックを受けていた。
中等部を首席で卒業し[16]、さらに史上最年少で「十傑評議会」第十席の地位を手にする。学園では強い影響力を持つ派閥を束ねている。学内では、自分の嗜好に合わない料理の研究会を「活動実績が乏しい」等を建前に「食戟」によって次々と潰していくことで勢力を広げているが[17]、恵のように自分と対立する恐れのない者に対しては好意的に接する場合もある。
自らが試験監督を務めた高等部の編入試験で、大衆食堂の息子として見下していた創真の実力を知りプライドを傷付けられる。以後、創真を目の敵にするようになり、会うたびに嫌味を飛ばすが、マイペースな創真からはほとんど意に介されておらず、よく空回りしていた。一方で創真の料理には抗いがたい魅力を感じており、創真自身に対しても強い関心を抱いている。進級試験前に創真の料理を味わったことで、彼に対しての態度は大きく変化し、いっしょに2年生になることを望むほど軟化している。
宿泊研修の合宿も参加するが課題をことごとく余裕でクリアしていく。宿泊研修のビュッフェ課題の「卵料理」ではカラスミパウダーをマフィンにまぶした「女王のエッグベネディクト」を提供し、407食と参加学生唯一の400食超えで課題達成した。
「秋の選抜」では評議会の一員として選抜を運営する立場であるため、選手としては参加しなかった。スタジエールでは1軒目で恵と同じフランス料理店に研修し、瞬く間に厨房の権限を掌握して見せた。月饗祭では緋沙子と共に山の手エリアに完全予約制の店を開店し初日の売り上げは2位を獲得した。
薊が新総帥に就任すると再びえりなを孤立させようとする薊から様々な教育を押し付けられると同時に緋沙子と引き離され、屋敷からも自由に出れなくなるが、事情を知ったアリスにより屋敷から連れ出されると、偶然極星寮に辿り着き一時身を寄せることになる。緋沙子が恵らにえりなの過去を話したことですぐに受け入れられ、徐々に吉野たちと親交を深めていく。極星寮を訪れた薊と創真の会話を偶然聞き、創真が尊敬する城一郎の息子であることを知った。
進級試験開始前、薊から教えられた料理観が正しいのか迷っていることを創真に打ち明け、その際に出された創真の料理のおかげで自分のやりたかったことを思い出し吹っ切れる。翌朝には進級試験に怯える極星寮生を中心とした反逆者勢に檄を飛ばし、試験会場となる北海道の食材の知識をスパルタ教育で授けた。試験本番では中枢美食機関の贔屓で創真らと引き離されるも、特別レッスンが功を奏し二次試験まで全員を突破させる。三次試験で緋沙子らが十傑に敗れてしまい、彼女らの退学撤回のための連隊食戟を挑む際には、再会した城一郎や仙左衛門の後押しもあって、薊の呪縛を振り払う意味を込め席次を返上し、改めて反逆者チームの一員として戦うことを表明した。
連隊食戟では反逆者連合の事実上のリーダーを務め、出場者のメンバー決めを担っている。4th BOUTにて茜久保と「黒糖」で対決する。ギリシャヨーグルトと黒糖餡を使ったどら焼き風パンケーキ「スフレ・レジェ・ドゥ・グラース[注 4]」で勝利した。FINAL BOUTではメインを務める。前菜としてはあまりにも常識外れの料理を作った創真から挑戦状を叩きつけられ、当初の予定を大幅に変更し、創真のゲテモノ料理「ゲソのピーナッツバター」を取り入れた特製親子丼「楽園から飛び立つ真の美食(ル・ブラ・ヴェリタブル) ~不良娘風~」で薊を唸らせ連隊食戟に勝利した。
空位となった十傑第一席に創真を指名し、創真からは薊に代わる遠月学園新総帥に指名された。一部からは不満の声が上がるも持ち前のカリスマ性でまとめ上げている。数か月後、日本各地で起きる裏社会の料理人「ノワール」が起こした騒動に対し、創真ら十傑メンバーを派遣した。
田所 恵(たどころ めぐみ)
声 - 高橋未奈美
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。「遠月十傑評議会」の第十席。極星寮302号室の寮生。
身長154cm。12月19日生まれ。3サイズはB79-W55-H81。血液型はO型。好きな本、ルドルフとイッパイアッテナ。好きなスポーツは卓球。
三つ編みのおさげ髪が特徴の少女。あがり症に悩む気弱な性格で、パニックに陥ると、出身の方言が出ることがある。あがり症が原因で授業ではなかなか本来の実力を発揮できずにいるが、料理の腕前は決して悪くなく、後に堂島を含む卒業生たちには料理を食べた者の心を癒す心遣いホスピタリティ)の才能を高く評価されている。自分の腕に自信を持てるようになって以降、郷土料理をベースにした料理を披露していく。作中では元々高い実力を持つ創真とは対照的に、料理人として(ひいては人として)の成長が最も顕著に描かれている。学園では郷土料理研究会に所属している。
特技は卓球で、ラケットを持つと目付きや口調が別人のように攻撃的になり、動きも素早くなる。友人の榊によると、小学生時代には数々の大会で優勝し、「東北の跳び兎」の異名を持つ天才卓球少女として名を馳せていたという。また、スポーツの名門校である青森玉田付属中学からもスカウトされたことがあり、地元で知らぬ者はいなかったという。卓球のスタイルは前陣速攻型。小学生の頃から少女漫画を愛読しており、あるスポ根卓球少女漫画にはまったことが趣味として卓球を始めたきっかけ。このことはあまり知られていない。
東北地方の小さな港町の出身で、実家は小さな料理旅館「荘恵園」を営んでいる。7歳の頃に旅館の板前が腰痛を悪化させたことにより余興として行っていた鮟鱇の吊るし切りができなくなるという話を聞き、旅館を助けるために町の漁師たちに吊るし切りを教わった過去を持つ。それを境に料理の腕を上達させて村の大人たちも敵わないほどになり、地元の漁師たちにも可愛がられている。12歳の時に母親の勧めで単身上京し、遠月学園中等部に入学する。高等部への進級試験の成績が最下位で退学処分寸前だったが、成り行きで創真とペアを組んで参加した調理演習の授業でA評価を得て、危機を脱する。それ以来、創真を信頼するようになり、同じ寮生ということもあり、行動を共にすることが多くなる。当初は敵を作りやすい創真に苦手意識を持っていたが、一度危機から助けられてからは彼の並外れた実力に信頼を置くようになり、積極的に創真に協力するようになる[注 5]
宿泊研修2日目の四宮の課題では、不測の事態に対処するためにやむを得ず提示されたレシピに手を加えるが、これを良しとしない四宮に退学処分を言い渡されてしまう。これに創真が異を唱え、堂島の計らいで創真と共に四宮と非公式の食戟を行い「虹のテリーヌ」で勝負する。食戟には敗北したものの、堂島の配慮により四宮が考えを改めたことで退学を免れた。その後は、創真の力に頼ることなく、自力のみで合宿の課題を切り抜ける。
宿泊研修のビュッフェ課題の「卵料理」では「一口サイズの朝食おでん」を提供する。野菜等他の具材をうずらの卵のサイズに揃えた心遣いが徳蔵達に好印象を与え、「ナチュラルチーズの久作」からは孫に嫁いでくれと言われていた。卒業生達の人気は高く、最も自分の店への勧誘を受けていた。
これらの経験を通して料理人としての真の才能が開花してからは普段の授業も急速に成績が上昇し、1学期末には「秋の選抜」への出場権を与えられた。Bブロック予選では、地元の野菜を使った「鮟鱇のどぶ汁カレー」で88点を獲得し、Bブロック4位で予選通過した。本戦一回戦第二試合の「ラーメン」対決では、黒木場の濃厚系ラーメンに対してこづゆをベースにした淡麗系の「こづゆ鶏醤油ラーメン」で勝負し、敗れはしたが観客たちから健闘を称えられた。
スタジエールでは1軒目でえりなと同じフランス料理店に研修し、最初は皿洗いを任されていたが、皿洗い中に客によってソースや野菜が残っていることに着目し、ソースを別に皿に移して自由にかけられる方式を提案する。えりなからも同意を得られたことで、研修に合格した。その後も順調に全ての研修に合格した。
月饗祭では一色や郷土料理研究会の誘いを断り、久我に挑戦状を叩きつけた創真に協力した。薊の総数就任後、薙切邸から家出してきたえりなを極星寮にかくまう。叡山による極星寮取り壊しには断固拒否し、吉野らと協力し叡山が差し向けた刺客に抵抗した。残党狩りでは郷土研代表として中枢美食機関代表の熊井を破り郷土研存続を勝ち取った。進級試験では三次試験でタクミと同様第二席の小林との勝負になったが、彼女の翻意により無事に合格する。そして、退学処分になった仲間たちを救う為に、連隊食戟では反逆者側の一員として挑むことを決意する。連帯食戟の数週間前の特訓にて、宿泊研修で一悶着あった四宮と再会し、最初は退学を言い渡されたトラウマが蘇るも四宮の檄で立ち直り、野菜を活かすことを伝授された。2日目の3rd BOUTに参戦し茜久保と「りんご」での勝負となる。四宮から伝授されたフランス料理の技法「モンテ・オ・ブール」でりんごバターを仕上げ、さらにタクミが使った針生姜を仕込んだりんごのコンフィチュールを組み合わせたどら焼きを披露。敗れはしたが審査員の一人アンは恵に一票を投じ、恵の予想外の料理は茜久保に動揺を与えた。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第十席になり、十傑の権限を使い数か月海外を回り自身の料理を磨いた。
2013年12月2日に発売された『週刊プレイボーイ』同年50号には、女優の優希美青が田所恵に扮した姿のグラビアが掲載された[18][19]
タクミ・アルディーニ
声 - 花江夏樹
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第七席イタリアフィレンツェにある大衆食堂「トラットリア・アルディーニ」の跡取り息子[20]
身長168cm(入学時)。体重54kg。7月19日生まれ。血液型はA型。好きな休日の過ごし方は美術館へ行くこと。好きな女性のタイプは所作の美しい人。
日本人の父とイタリア人の母を持つハーフ[20]の美少年。一見するとクールな雰囲気だが、実際には創真に負けず劣らずプライドが高い熱血的な性格で、極度の負けず嫌い。学園内での女性人気は高く、編入してわずか1か月でファンクラブが発足し、その会員数は秋の選抜の時点で87名に達しているという。
イタリアの両手持ち包丁「メッザルーナ[注 6]」を使った、軽快な調理が持ち味のイタリア料理を得意としている[20]。日本食など専門外のレベルも非常に高く、限られた状況下でも機転を利かせ、独自にアレンジした料理を作り出す。料理を出す時などの決めセリフには「グラッツェ」などのイタリア語を使う。アニメ版では「味の地平を斬り拓く者」の異名をつけられた。
5歳の頃から料理修業を始め、若くして料理人として非常に高い才能を発揮していたが[21]、同世代で自分と互角に渡り合える料理人がいないことに心が冷めていた[21]。中等部2年時に日本人の叔父からの薦めで双子の弟・イサミと共に来日し、遠月学園に編入した[20]。高校編入初日の挨拶で事実上の宣戦布告を行った創真には激しい対抗心を燃やしており、何かと張り合おうとするが、タイミングを逃すなどをして、よく空回りしている。
宿泊研修で初めて創真と対面し、料理勝負を挑む。だが、決して彼のことを嫌悪しているわけではなく、宿泊研修で創真が最大の危機に陥った時には焦りの表情を見せ、また彼が制限時間寸前で危機を乗り切った時には自身も安堵の表情を見せており[22]、ライバルとして創真の存在を必要としている様子が伺える。また、倉真のマイペース振りに振り回されることもあるが、何だかんだで気の合う部分も多く、彼と一緒に行動したり彼の言葉に賛同したり援護することも多い。秋の選抜予選後の祝勝会で極星寮を訪れて以来イサミと共によく極星寮に出入りしている。
宿泊研修のビュッフェ課題の「卵料理」ではフリッタータをサラダに和えた「インサラータ・フリッタータ」を提供し200食達成した。
秋の選抜Bブロック予選では、和とイタリアンを組み合わせた「カレーパスタ」で90点を獲得し、Bブロック3位で予選通過する。本戦一回戦第四試合の「スイーツ」対決では美作と対戦する。試合直前に美作にメッザルーナにガムを吐かれたうえにイサミを侮辱されたことで、彼と食戟を行うことになる。試合ではセミフレッドを作り、自分と全く同じ工程かつアレンジを加えながら作る美作に動揺するも、土壇場で父親から渡された自家製のオリーブ油から独自の調理料「レモンカード・イタリアーノ」を生み出し、「四層のセミフレッド」を完成させる。しかし、それすらも予想していた美作の前に敗北したため、メッザルーナを奪われた。敗北後は自宅に引きこもるほどのショックを受けていたが、準決勝で美作が創真に敗れたことにより、メッザルーナの所有権は自分に戻ってくる。だが、ライバル視している創真に結果的に助けられたことへの悔しさから直接返してもらうことを拒否し、自分が正式に勝つまで彼に預けておくことを宣言し、美作に対してもリベンジを宣言した。スタジエールでは選抜での悔しさをバネに料亭「藤雨」で修行を積み、名物である牛肉の時雨煮を自分のものにし料理にさらなる磨きをかけた。
月饗祭ではイサミやクラスの女子生徒たちと目抜き通りエリアに「出張版トラットリア・アルディーニ」を出店し、初日の売上ランキングで1位を達成した。4日目には創真の模擬店に助太刀した。残党狩りでは中枢美食機関を視察するために創真・恵に同行し黒木場と楠の食戟に立ち会った。
進級試験では三次試験で恵と同様第二席の小林との勝負になったが、彼女の翻意により無事に合格する。そして、退学処分になったイサミたちを救うために、連隊食戟では反逆者側の一員として挑む。2日目の3rd BOUTに参戦し叡山と「牛肉」での勝負となる。叡山の動向を観察しアーティチョークで自分の料理を妨害する策に出ることを見抜き、逆にその策を利用し時雨煮とクアトロ・フロマッジ(4種のチーズ)を組み合わせた「双つの月が輝くピッツァ」で叡山に完勝した。4th BOUTでは「ヤリイカ」で小林と対決。南イタリアの郷土料理「カラマリ・リピエーニ」を披露し薊からも出来を評価されたが小林には及ばず敗北。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第七席になっている。

遠月茶寮料理學園

極星寮

一色 慧(いっしき さとし)
声 - 櫻井孝宏諏訪彩花(幼少期)
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第七席→第二席。極星寮206号室の寮生でもあり、現寮生たちのリーダー的存在。
身長180cm。5月2日生まれ。血液型はAB型。好きな日課、畑いじり。好きな合唱曲、旅立ちの日に。
後輩思いの穏やかな人物[23]だが、羞恥心がなくやたらと服を脱ぐ癖があり、寮内では一丁の姿で農作業をしたり、裸エプロン姿で料理を作ったり、全裸で寝るなどかなりの変わり者である。ただし、十傑の会議や秋の選抜など公式の場においてはきちんと制服を着用しており、普段を知る者からはまるで別人のように見える。宴会好きで、毎日寮の屋根裏を伝って寮生に声をかけている。(但し、女子には気を使ってパイプ管を使用している。)卓球の腕前は恵と互角に渡り合うほどであり、スタイルはカット主戦型
創真の入寮を本心から歓迎しており、その才能に期待をかけている[24]。頭脳明晰で創真をはじめ極星寮の後輩たちの能力や技術を客観的に分析し、的確に解説する役回りでもある。寮の裏にある「極星畑」の管理に自らが中心となって精を出しているが、そのため授業にはあまり出ていない[25]。また、畑で育てた野菜を利用してビジネスを行っており、婦人向けの料理教室を開いている。
実家は京都祇園にて室町時代から代々割烹店を営む和食の名門「一色家」であり、その跡取りでもある[注 7]。物心ついた頃から料理修行をはじめ、教えられたことはすぐに身につけたが、周囲からは出来て当たり前と賞賛されず、当時は料理への情熱を持てずにいた。一色家では将来跡継ぎになる者が4歳になると郷里から離れて修行するという仕来りがあり、一時期東の名門「紀ノ国家」で料理や稽古に励んでいた。紀ノ国寧々とはその頃からの顔なじみ。自分ほど器用ではなかったが必死に料理に取り組む紀ノ国の姿を見るうちに料理の楽しさを実感するようになった。紀ノ国に対しては料理を続けるきっかけを与えてくれたことを尊敬しているが、現在の型にはまった紀ノ国の料理を否定している。
得意ジャンルは和食だが、そこに様々なジャンルの調理技術を詰め込んだ創作料理が真髄[注 8]。白津からは「まるで厨房で遊んでいるかのように料理を作る」、ある美食家からは「超攻撃的和食」と称されている。更に高度な調理技術とその習得に長期の修行が必要とされるうなぎを「捌かれた」認識が遅れるほどの速度で正確に捌く凄まじい技量を持つ。入寮直後の創真との勝負では手の内を全て見せないなど掴み所がない一面があり、紀ノ国をはじめ、他の十傑からは実力を高く評価されているが、同時に本気を見せず余力を残していると見られている。
月饗祭では創真と恵以外の極星寮メンバーと共に山の手エリアに自家製の野菜を使った芋煮会を出店した[注 9]。中枢美食機関発足後は立場上表だって動けなかったが、叡山の八百長政策を創真が打ち破ることを予測していた。叡山の敗北後に薊によって女木島、久我と共に十傑の権限を剥奪されるが、権限が行使できる間に審査に関する公平性を完璧にするために「一色ルール」と称される決まりを定めていた。
進級試験では中枢美食機関に翻弄されるであろう創真たちに加勢するべく北海道へ向かい、堂島や城一郎と結託し薊を釣りだす計画に加担し、連隊食戟に反逆者チームとして参加する。1st BOUTで新十傑の白津とテーマ食材「うなぎ」で対決。極星寮の後輩を侮辱した彼に対して「全力で叩き潰す」と宣言し、後輩たちが作った食材[注 10]を活かした「ひつまぶし〜極星寮風味〜」で白津に勝利する。4th BOUTでは司と「野ウサギ」で対決。独特の臭みを持つ野ウサギに対し、和食でも繊細な椀物を選択。ジビエに昆布と蛤出汁に、野ウサギ肉と味噌の椀種で二段構えの味を表現した「特製一色汁」を披露するも敗北。司から退学を免除する代わりに中枢美食機関に入り自分の下につかないかと持ちかけられたが、丁重に断った。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第二席になっている。
吉野 悠姫(よしの ゆうき)
声 - 内田真礼
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。極星寮116号室の寮生[26]
シニヨンに纏めた髪型が特徴[27]。明るい性格をした少女で、誰とでもすぐに仲良くなれる極星寮のムードメーカー。感情の赴くままに行動することから、冷静さを失うと暴走しがちになる面もある。友人の榊の胸と自分の胸を無言で見比べることがあり、貧乳であることを気にしている。
ジビエ料理を得意としており、寮内でさまざまな禽獣(ジビエ)を飼っている[26]。夢は自分の手で新しいブランドの(仮称:極星鶏)を作り出すこと[25]。地元の猟友会と密接なパイプを持っている。アニメ版では「禽獣の森の赤ずきん」の異名をつけられた。
秋の選抜Bブロック予選では、オレンジの果肉との相性を利用した「鴨カツジビエカレー」で86点を獲得したが、予選敗退となった。選抜戦後は肉というよく似たジャンルから郁魅と気が合うようになり、極星寮で互いに試作している。
えりなが極星寮に匿われるようになってからは彼女を「えりなっち」、緋沙子を「秘書子っち」と呼んでおり、えりなの方は極星寮のメンバーの間で定着している。
榊 涼子(さかき りょうこ)
声 - 茅野愛衣
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。極星寮112号室の寮生[25]
大人っぽい雰囲気をしたロングヘアの少女。温厚で冷静沈着な性格から、暴走しがちな吉野のなだめ役になることも多い。極星寮の女子でも抜群のプロポーションの持ち主で、学園内には隠れファンがいる。
発酵食品を使った料理が得意であり、寮の近くに専用の塩麹作業場を構えている[25]
秋の選抜Aブロック予選では、醤油麹を加えた「炭火熟成納豆カレー」で86点を獲得し、審査員からは「発酵屋本舗榊一家」の異名をつけられたが、予選敗退となった。秋の選抜以降吉野同様、郁魅や極星寮に同棲するようになったえりなと親しくなっている。
伊武崎 峻(いぶさき しゅん)
声 - 村田太志
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。極星寮208号室の寮生[26]
目が前髪で隠れているミステリアスな雰囲気をした少年。寡黙でクールな性格だが、自らの料理に対する自信は高く、強い情熱を秘めている[27]。秘密主義者で、自分の実力をあまり表に出さない。極星寮に来て間もない創真と一色が勝負をした際、一色が手を抜いていたことを見抜く他にもからかわれたりと、一色との絡みは極星勢では最も多い。
燻製料理が得意で[27]、チェーンソーを使いスモークウッドを自作している[25]。燻製に使う丸太を軽々と運ぶなど腕力はかなりのもの。
秋の選抜Aブロック予選では、粗引きスパイスを使った「特製スモークカレー」で88点を獲得し、審査員からは「燻煙の貴公子(プリンス・オブ・スモーク)」と賞賛されるが予選敗退となった。スタジエールでは売上不振で倒産寸前のレストランに派遣され、苦戦を強いられたが合格はできた[注 11]
丸井 善二(まるい ぜんじ)
声 - 小林裕介
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。極星寮205号室の寮生[29]
丸い大きな眼鏡をかけており、料理に関する勉強に余念の無いインテリタイプ。若干神経質な性格で、自室がいつもきれいに片付いているため、極星寮の寮生たちが会合を開く際には自室に集まられることが多いが、決まって散らかされてしまうことから本人はそれを迷惑がっている[29]
美食に関する古典文献を研究・分析する宮里ゼミに所属しており、1年にしてエースを担っている。ずば抜けた料理センスがない凡才であることを自覚し、周囲の天才たちに追いつくためにさまざまな学識を詰め込んでいる。宮里ゼミの関係者からは「丸井氏」、「味の物知り博士」と呼ばれている。その反面、体力が非常に低く、長時間の持久力を必要とする課題を苦手としている[30][23]
秋の選抜Aブロック予選では、ヴィシソワーズ風のルーを使った「白のポタージュカレーうどん」で88点を獲得したが、予選敗退となった。スタジエールでは半死半生の状態になりながらも極星寮へ戻ってきた。
アニメでは、残党狩りにおいて小古に2-1で勝利している場面が描かれている。
青木 大吾(あおき だいご)、佐藤 昭二(さとう しょうじ)[注 12]
声 - 柳田淳一(青木)、河西健吾(佐藤)
それぞれ極星寮107号室、211号室の寮生。ガラの悪い2人組の男子生徒。黒髪の方が青木で、金髪のオールバックが佐藤。連載当初は他の寮生たちと比べて登場回数が極端に少なく、本編では長らく名前すら紹介されていなかったが、秋の選抜編から他の寮生たちの応援役として徐々に登場回数が増え始め、第116話で初めて名字のみ呼ばれた。スタジエールでは2人とも同じ研修先であった。
極星寮の寮生では秋の選抜に選ばれなかったものの、2人とも夏合宿とスタジエールに合格しており、プロから一定の評価を受ける程度の実力はある[注 13]
向上心も他の生徒に比べて非常に強く、えりなに料理を酷評されてもへこむどころか「神の舌がなんぼのモンじゃ!」と逆に闘志を燃やし、えりなが極星寮に匿われてからは吉野らも含めリベンジに励んでいる。
アニメでは1期第4話で正式に名前が紹介されている。

遠月十傑評議会

単行本第31巻時点のメンバー。物語開始時点のメンバーは#第90期卒業生を参照。

幸平 創真(ゆきひら そうま)
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第一席#幸平創真を参照。
一色 慧(いっしき さとし)
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第二席#一色慧を参照。
久我 照紀(くが てるのり)
声 - 梶裕貴[31]
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第八席→第三席。中華料理研究会(通称「中華研」)主将。
身長155cm。5月27日生まれ。血液型はO型。好きな飲み物、熱々のチャイ。好きな映画監督、ジェームズ・キャメロン。
常にテンションが高く口やかましい性格で、相手を挑発するような発言が目立つ。1年生のことは眼中になく、虎視眈々に3年生を引きずり下ろそうとしている。十傑の男子で最も低い身長を気にしており、それを指摘されると激怒する。創真のことは「幸平ちん」と呼んでいる。
中華料理の中で辛さを追求した四川料理を得意としている。激辛料理に大汗をかきながらも病み付きになって食べ続ける人を見るのが楽しくて仕方がないからという理由で、四川料理にこだわっている。一般の店にもレシピを提供しており、学外からも問い合わせが来ている。裕福な家庭に生まれ幼い頃から親に連れられて海外をいろいろ回り、小学生の頃には本格中華を食べ歩いていたという。十傑入りしてからもその権限で四川・湖南・貴州などに行きまくっているという。
元々中華料理を手広く研究していた中華研において部内で食戟を繰り返し、四川料理特化型へと変貌させた。数十人もの部員を生米を使用した中華鍋を振る鍛錬で動きを完璧なまでに揃えたり、10人同時に全く同じスピードで調理を行い「久我照紀謹製麻婆豆腐」を寸分違わず同じ味に仕上げるほどの実力を持つまでに鍛え上げていくなど、高い統率力を持つ。指導は少しのミスでも連帯責任とするなど厳しく、中華研は久我以外の全員がスキンヘッドと化している。
1年次の紅葉狩り会で上級生に挑戦状を叩きつけたが、司に惨敗を喫する。さらに自分との食戟を忘れられるという屈辱を味わったことで打倒司への思いを強くし、「翌年の月饗祭で5日連続売上1位を達成したら食戟をする」約束を交わした。2年次の紅葉狩り会で上級生との食戟を望む創真に自分に何か一つ勝ったら食戟を受けると約束し、月饗祭では中央エリアに「久我飯店」を出店。当初は赤字を出した創真をまるで相手にしていなかったが、久我飯店に並んださばききれない行列客を創真の店に奪われ、4日目の売上のみ敗北を喫し、両者痛み分けという形に終わった。
中枢美食機関発足後、十傑の会議をボイコットし続けており、叡山の敗北後に女木島、一色と共に十傑の権限を剥奪された。しかし、十傑の座を諦めてはおらず、進級試験での葉山との熊肉勝負に苦戦する創真の前に現れ中華研の総力を挙げて創真をサポートした[注 14]。その後、席次を奪い返すために連隊食戟にて、反逆者チームとして参加する。2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「緑茶」で司と対決。後に控える創真たちにつなげるため、タイマンで司を負かすというこだわりを捨て、美作のサポートを受けながら司に挑む。美作の燻製醤油をプラスした黒酢にフレンチの技巧を織り交ぜた「緑茶黒酢豚」で過去の自分との違いを見せ、敗れはしたが司の体力を大きく消耗させた。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第三席になっている。
葉山 アキラ(はやま アキラ)
声 - 諏訪部順一田村睦心(幼少期)
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第九席→第四席
身長177cm。誕生日は7月7日[注 15]。血液型はA型。好きなもの、コーヒー。好きな休日の過ごし方は原チャリで市場に行くこと。
褐色の肌と後ろに束ねた長い銀髪が特徴。クールな性格で、自分の実力に一切揺るぎない自信を持っている。スパイスを研究している汐見のゼミに、彼女の助手として所属している。汐見からも信頼され、本来は高等部2年生からしか参加できないゼミへの参加を許可されている。
汐見同様、自身もカレーやスパイスに関する豊富な知識を持つ。スパイスの配合を的確に嗅ぎ分ける非常に鋭い嗅覚の持ち主。料理において香りを最も重要視しており、作る料理の香りは審査員だけでなく観客をも虜にさせる。その類まれなポテンシャルは、えりなの「神の舌」に匹敵しうると高い評価を得ている。アニメ版では「香りの貴公子」の異名をつけられた。
物心つく前、熱帯の国のスラム街の外れへ捨てられ、親の顔や自分の本当の名前も知らないまま育つ。市場で粗悪なスパイスを強引に押し売られそうになった汐見を助けたことをきっかけに、当時彼女が参加していた葉山ゼミの教授が身元引受人となり日本に渡る。この時に「新しき料理の世界を明らかにし照らす子に」という意味を込め、アキラと名付けられた[32]。私生活に問題が多々ある汐見をフォローすることが多く常にタメ口で接しているが、スラムでの貧しい暮らしから連れ出してくれた彼女に絶大な信頼を寄せている[33]
秋の選抜を前に創真が汐見ゼミを訪れた際、汐見に代わってスパイスについての知識を披露し、自身のカレー料理の腕前を創真に見せ付けるも彼はまったく臆せず本番では超えてみせると豪語したため、互いに強い対抗意識を抱くようになる。秋の選抜Aブロック予選では、ホーリーバジルを中心としたスパイスを使った「スープのパイ包み風フィッシュヘッドカレー」で94点を獲得し、Aブロック1位で予選通過。
本戦一回戦第三試合の「ハンバーガー」対決では新戸と対戦し、ケバブを使用した「ケバブハンバーガー」で勝利する。本選二回戦の「洋食のメイン一品」では黒木場と対戦し、複数のスパイスをふんだんに織り交ぜた「鴨のアピシウス風」で高評価を得たが、判定が拮抗して引き分けの形で決勝戦に進出する。決勝の「サンマ」決戦ではオールスパイスを使用した「炙りサンマのカルパッチョ」で創真と黒木場を破り、秋の選抜優勝を達成した。
月饗祭では汐見ゼミの模擬店に参加するはずだったが、アリスが潤から店の権限を譲り受けたことで半ば強引に彼女に誘われ、黒木場と3人で模擬店を出店することになり、計画性の無いアリスに黒木場共々終始振り回された。
中枢美食機関発足後、新総帥となった薊に汐見ゼミを解体されるだけでなくそれまで築き上げた研究データやコネクションを掌握されてしまい、汐見の居場所を守るため「自分に従うなら研究場所を提供する」という薊の条件を呑み中枢美食機関に加わる。空席が生じた十傑の座を賭けたバトルロイヤルで多くの上級生らを退け暫定的に第九席に着き、薊の指示で進級試験の三次試験で創真と対決する。テーマの熊肉に対しケイジャンスパイスを使いジュニエーヴル(ネズの実)を加えたグレービーソースで彩えた「フライドベア」を披露。料理自体は互角だったが、創真と対等に向き合おうとせずそれまでの料理に込められていた「情熱」を失っていたことにより敗北し、薊との契約違反として退学となった。その後、同じく退学処分となったアリスたちと共に礼文島に入った。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第四席になっている。
黒木場 リョウ(くろきば リョウ)
声 - 岡本信彦
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第五席
身長179cm。8月20日生まれ。血液型はO型。好きな日課、筋トレ。好きな休日の過ごし方は釣り。
アリスのことを「お嬢」と呼び、彼女の忠実な側近を務める長身の少年。長めのボサボサ頭が特徴。掴み所のない不思議な雰囲気で、常にマイペースかつボーッとしていることが多い。日々ハードな筋トレをしており、片手で男を持ち上げるほどの怪力の持ち主。右手首にバンダナを巻いており、これを頭に巻くと雰囲気が一変して狂気的な顔付きになり、口調も非常に攻撃的な荒々しい口調になる[注 16]。アリス以外の異性はフルネームで呼ぶことが多い。
魚介類を使った海鮮料理を得意とし、フランス料理をアレンジした技法を多く用いる。また、アリスとの対戦で学んだ分子美食学の技術も多く取り入れている。アニメ版では「厨房の独裁者」の異名をつけられた。
幼少期は、北欧の港町にあるレストランで荒くれ者の船乗りたちを相手に料理を振るっていた。その過程でアリスと出会い、自分を気に入った彼女に誘われて側近となり、アリスと同時期に遠月学園に編入した。料理の腕は当時から非常に高く、店のオーナーから厨房での全権を任せられるほどであった。さまざまな修羅場を潜ってきたため、「厨房は戦場、料理は力」という考えを持っており、相手を屈服させる料理を重要視している。その過程で、味に対する集中力と勝負に対する執着心を身に着けたため、秋の選抜予選の会場ですら「ぬるい」と語っており、普通の授業では課題をこなす程度の料理しか作らない。出会った当初はアリスに歯が立たなかったが、何百戦の敗北を糧に2年越しで初勝利した。また、当時は常に攻撃的な性格だったが、アリスと関わるうちに大人しい一面も持つようになった。アリスとは毎日料理勝負を行っており、現在の対戦成績では勝ち越している模様。
秋の選抜Aブロック予選では、コニャックを使った「伊勢海老のフレンチカレー」で93点を獲得し、Aブロック2位タイで予選通過する。本戦一回戦第二試合の「ラーメン」対決では恵と対戦し、フランス料理の海鮮スープ「スープ・ド・ポワソン」を使って濃厚魚介系に仕上げた「スープ・ド・ポワソンラーメン」で勝利する。恵のことを最初は「ぬるい奴」と酷評していたが、彼女のラーメンを食べてからは「面白い奴」と認識を改める。本選二回戦の「洋食のメイン一品」対決では葉山と対戦し、「鰻のマトロート[注 17]」で高評価を得たが、判定が拮抗して引き分けの形で決勝戦に進出する。決勝の「サンマ」決戦ではアリスから学んだ耐熱フィルムを使った「秋サンマのカルトッチョ(紙包み焼き)」を披露したが、葉山には及ばず準優勝となった。
スタジエールでは派遣先のオーナーの不良息子をわずか1週間で更生させ、不良の溜り場であった店も不良ごと再生させた。その後に派遣されたインド料理店で、葉山に対抗するべくスパイスの活かし方を取り入れた。
中枢美食機関との食戟ではアリスが主将を務める「最先端研究会」の代表として中枢美食機関代表の楠と対決。乾燥ベーコンのパウダーを使ったシーズニングスパイス[注 18]をまばらに振ることで味の不均一さを表現した「クーリビヤック[注 19]」を披露し、秋の選抜からの成長を見せつけ楠に完勝した。
進級試験の三次試験で十傑に敗れた。連隊食戟後のえりな体制では十傑第五席になっている。
小説版ではアリスの結婚相手を決める料理審査に参加させられたが、その根底にあるのが「自由でありたい」という彼女の意思であったため、それを守るために、直前の勝負でアリスが用いたゴルゴンゾーラチーズを混ぜたサーモンのテリーヌで完勝する。同世代の友人がいなかったことから、アリスには友情にも等しい忠誠心を抱き、彼女に負けたことがきっかけで地元の漁師たちとの関係も良くなったことが明かされた。
薙切 アリス(なきり アリス)
声 - 赤﨑千夏
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。「遠月十傑評議会」の第六席。えりなの従姉妹。最先端研究会主将。
身長165cm。1月23日生まれ。血液型はO型。好きなスポーツ、アイスホッケー。好きな日課、日記をつける。
日本人の父親とデンマーク人の母親の間に生まれたハーフの北欧系美少女。ショートカットの銀髪と白い肌が特徴で、えりなに負けず劣らずの豊満なプロポーションの持ち主であり、薙切一族らしい独特な表現の持ち主でもある。父親は遠月財閥の傘下企業の1つである美食に関する総合研究機関「薙切インターナショナル」の設立者。創真同様、マイペースな性格で、えりなを振り回すことが多々ある。大人びた外見をしているが、子供っぽい一面がある。えりなを打ち負かして遠月の1年生の頂点に立つ者と宣言しており、創真にも少なからず辛辣な発言を浴びせるが本人に悪意はなく、むしろ同期の良きライバルとして彼の成長に期待をかけている節がある[34]
えりなとは5歳の時まで同じ屋敷で過ごしていた顔馴染みだが、幼い頃から類まれな才能を発揮していた彼女とは常に比較される立場にあった。そのうえ、えりなからはよくいじめられていた経験から不仲で、恨み節を口にして強い対抗心を示しているが、心底では仲良くしたいと思っている[注 20]。一方、えりなの父で叔父にあたる薊のことは自身が北欧からえりなに送っていた手紙を悉く処分したこともあって毛嫌いしている。
えりなへの強い対抗心を持つ一方、幼い頃から遠月の頂点に立つ夢を無邪気に語って料理を楽しむ姿勢は、当時料理への情熱が冷めていたえりなには眩しく見えていた。現在でも自分の思うような料理を作り、感情の向くまま泣いたり笑ったりする彼女をえりなは羨むことがある。
遠月学園に編入する以前に在籍していた「薙切インターナショナル」で仕込まれた最先端の理論に基づいた科学的な調理法分子ガストロノミー)を得意とし、奇抜かつ計算し尽くされた斬新なスタイルの料理を作り出す。また、遠心分離機や急速冷凍機など非常に高価な料理器具を多数所有している。アニメ版では「味の世界の革新者(グローバル・イノベーター)」の異名をつけられた。
7年前、分子美食学で最も権威ある国際コンクールで賞を獲った一人であり、その後もあらゆる賞を総なめにしていく。10歳になるころには特許を45も取得して20店舗もの料理店とメニュー研究の契約を結ぶなど、数々の実績を残していることから、十傑入りに最も近い存在とされている。
小説版では8歳の頃にクリスマスパーティーで父が結婚相手となる料理人を決めることになったが、それを避けるために既に付き人になっていた黒木場を料理で負かして強引に審査に参加させた。黒木場に対しては若干の異性としての意識はあるが、あくまで主と付き人の関係にとどめている。
14歳の時に遠月学園中等部に編入。初登場時の宿泊研修のビュッフェ課題の「卵料理」では殻付き・生卵・ゆで卵を模した「3つのフォルムの卵プレート」を作る。仕込んでいた材料を使いきって途中退席するが、380食とえりなに次ぐ高成績を出し、課題を達成した。
秋の選抜Bブロック予選では、さまざまな温度差を味わえる未知のカレー料理プレート「thermal sense(サーマル・センス)」で審査員を驚愕させて95点を獲得し、Bブロック1位で予選通過する。本選一回戦第一試合の「弁当」対決では創真と対戦し、「手鞠寿司」を詰め込んだ「手鞠弁当」で持ち前の高度な調理技術を見せ付けるも、肝心のテーマである「弁当ならではの魅力」を表現できていない点を審査員を務めた祖父・仙左衛門に指摘され、敗北した。
月饗祭では最初は乗り気ではなかったが、創真やえりなに触発されて出店を決意。既に出店受付が締め切られていたため、汐見ゼミから強引に店の権限を貰って黒木場と葉山を巻き込み出店する。しかし、メニューの変更を繰り返したことで食材の発注ミスを連発し、初日の売上では目抜き通りエリアの最下位となり、赤字を出してしまう。それでも、試行錯誤を繰り返し3Dプリンタで出力したスパイス入りの花のチョコ細工を使ったカレーで挽回し黒字に持っていった。
薊が総帥就任後、薊により束縛されたえりなの家出の手引きをする。中枢美食機関の残党狩りが始まった際にはかつて食戟で負かした「最先端研究会」の主将となっていたことが判明し、中枢美食機関と食戟を行うことになる。その際には薊の思い通りにさせないために食戟を受けることを決意し、代理として黒木場を出場させる。黒木場が勝利した後会場に現れた薊に対し、えりなを思い通りにさせないと改めて宣言した。
進級試験の三次試験で十傑に敗れたが、薙切家の一員としての我儘を通して北海道に残り、黒木場たちと共に連隊食戟を見守れるよう手配した。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第六席になっている。
タクミ・アルディーニ
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第七席#タクミ・アルディーニを参照。
叡山 枝津也(えいざん えつや)
声 - 杉田智和
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の第九席→第七席→第八席
身長178cm。9月26日生まれ。血液型はB型。好きな物、金。好きな犬種、柴犬。
インテリヤクザに近い外見が特徴。眼鏡を着用している。プライドが高く、自分に刃向かう者には容赦しない性格。徹底的な拝金主義者で料理人ではなく「全ての料理人を従える者」と自負している[注 21]。学園に入学した理由も「金になるから」とのこと。中等部の頃より武闘派として名を馳せており、負かした相手を従わせては次々に手下を増やし続け、高等部に進級する頃には一大勢力を築き上げていたという。
入学初年度から様々なフードコンサルティングを務め、その年に稼いだ総額はその学年全生徒の入学金をあっさりと越え、これまで手掛けた案件の数は500を超えていることから[36][注 22]、「錬金術士(アルキミスタ)」の異名を持つ。自ら食戟の場に出ることはほとんど無いにも関わらず満場一致で十傑に選出された。調理を行うイメージはあまりないが、そのコンサルティングの実績はあらゆる料理に精通している裏返しであり、竜胆から「コンサル業にのめり込まなかったら、現十傑メンバーの何人かは食われてたかもしれない」と評されるほど、料理の実力は高い。特に敵の持ち味を打ち消すことを得意としている[注 23]。タクミが調査したところ食戟で真っ向勝負を挑むことはほとんどなく、相手の長所を妨害料理で潰す、相手の苦手ジャンルでの勝負に持ち込むケースが大半である。
唐揚げ専門店「もず屋」の東京進出を手掛けていたが、創真が商店街を立て直したことで「もず屋」の売上が下落する。創真の才能に興味を示し、自分の傘下に入るように圧力をかけるが、拒否されると一変して創真を「自らのキャリアを汚した存在」と見なし、潰すことを宣言する[36]
「秋の選抜」ではテーマや開催概要などの草案の製作を担当し、予選の審査員に「ハウビー食品」の千俵姉妹を招く。本戦では創真への刺客として傘下の美作を送り込むが、計画は失敗に終わった。月饗祭では直接は出店せず他の模擬店を買収し売上を稼いでいた。
中枢美食機関発足後、極星寮を取り壊すため行動を起こし、食戟を八百長策により掌握し全学生に絶望を突きつける。創真から食戟を挑まれても正面からは相手にせず、配下を極星寮に差し向け強制退去を強行しようとする。しかし、恵らの抵抗にあい数々の脅しにも全く怯まない創真の挑戦を受け、初めて彼の前で料理を披露する。テーマ食材「さつま地鶏」に対して特に仕込みや下準備することなく即興で「海南鶏飯」を提供し、審査員を歓喜させるも、創真の「ゆきひら流羽根チーズ付き手羽先餃子」を食べた審査員たちの翻意により敗北する。創真に敗れたことで薊に自身の十傑や学園からの追放処分を進言するが、薊からは策の失敗を指摘された上で残留。楠ら機関のメンバーからは馬鹿にされるなど屈辱を味わうこととなり、創真に対して更なる復讐心を抱くようになる。
連帯食戟では2日目の3rd BOUTに参戦しタクミと「牛肉」での勝負となる。タクミが時雨煮を作ることを知ると、苦味成分シナリンを多く含む野菜アーティチョークをふんだんに使った料理「魅惑の牛ロースト~Etsuya・E・Edition~」でタクミの品の出来を妨害する策を仕掛ける。しかし、過去の自分の食戟の戦績を調査し、調理中の自身の動向を監視していたタクミに策を完全に見破られ、自分の料理をタクミの品をより高める前座に利用され、敗北した。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第八席になっている。また、創真との交流は比較的良好らしく彼に悪態付くことがあるものの、普段の会話は落ち着いている。
紀ノ国 寧々(きのくに ねね)
声 - 花澤香菜[31]
遠月学園高等部2年生→3年生の女子生徒。「遠月十傑評議会」の第六席→第九席
身長164cm。1月6日生まれ。血液型はA型。好きな場所、神社仏閣。好きな小説家、村上春樹。
丸メガネとおさげ髪が特徴。3年生進級後は髪形をストレートに変えている。口数は少ないが、時折的を射たような発言をする。性格に問題がある生徒が多い遠月では公正さを重んじており、フェアな勝負を好む。同期の一色とは幼少の頃からの付き合いであり、自分が苦労して覚えた技術をあっさり身につける一方で、本気を出さずに飄々としていることを嫌っている。第91期生最強と目されており別格とされているが、彼女自身は一色の方が上だと卑下している。
和食料理全般を得意とするが、本人は「和食だけの料理人ではない」と主張している。和食の中でもそばを「必殺料理(スペシャリテ)」にするほど得意としており、熟練された作業工程に対し薊は「そばのテキスト・ブック」と賞賛している。
実家は「江戸そば」の流儀を現代まで継承してきた超一流店の代表格である神田のそば屋。幼い頃からそば作りに必要な技術を始め、茶道・懐石料理などを含めた日本料理の髄を叩き込まれたきた和食界が擁する至宝でありサラブレッド。また和食文化の担い手である名門紀ノ国家の嗜みとして、日本舞踊・書道・薙刀など様々な日本文化の稽古に明け暮れた。地道な積み重ねを厭わず、技術を磨くことを好むタイプであるため、外で遊ぶ同年代を羨むことなくそれら全てを己の血肉にしてきた。当時料理への楽しさを見出せないでいた一色は紀ノ国の努力を重ねる姿に強い影響を受けたが、現在の紀ノ国の在り方を「物事の本質に目を向けず、教えられたことを繰り返しているだけ」と批判している。
中枢美食機関の残党狩りの食戟では各研究会に圧勝した。連帯食戟では1st BOUTに参戦し、テーマ食材「そば」で創真と対決、自身が学んできた全てを注ぎ込んだ「九割そば〜桜エビのかき揚げを添えて〜」を出すが、冬の北海道という室温が低く、そばの風味が立ちにくい条件の中でも最高のそばと教えられた一番粉にこだわり、「いつも通り」に作ってしまったために香りが立たず、環境の変化に気付き対処した創真に劣り、敗北した。この食戟を通して創真の異質さを感じており、休憩中にたまたま会った久我に吐露している。
連隊食戟後のえりな体制では十傑第九席になっている。また、創真の父親が元十傑第二席であることを知った際は誰よりも驚愕し、自分が以前に感じた異質さを確信した模様。
田所 恵(たどころ めぐみ)
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。「遠月十傑評議会」の第十席#田所恵を参照。

高等部3年(第91期生)

小西 寛一(こにし かんいち)
声 - 川田紳司
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒[17]。「丼物研究会」の主将[17]
リーゼント頭とちょび髭と革ジャンが特徴。丼物へのこだわりは本物で研究会のレシピは創真が一目置くほど[注 24]だが、小心者であるために「丼研」での人望は薄く、郁魅からもほとんど頼りにされていない。
えりなに「丼研」を潰されかけて気力を失っていたが、たまたま見学に来た創真の協力によって助けられ、廃部の危機を脱した。その後、郁魅との関係は比較的良好の様子であり、秋の選抜の予選で彼女を応援する姿は完全に「娘の運動会に来たお父さん」状態であった。
秋の選抜終了後は、選抜での郁魅の活躍もあり、部員の数が大幅に増えている。
豪田林 清志(ごうだばやし きよし)
声 - 乃村健次
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒[24]。学園創立期から続く「ちゃんこ鍋研究会」(通称「ちゃん研」)の第76代主将[24]
力士のような風貌で、語尾に「ごわす」を付けて話す。高校生相撲大会で地区優勝したことが遠スポによって報じられている[37]。調理棟の拡張と「ちゃん研」の存続を賭けた「食戟」でえりなに敗れ、近年めぼしい実績がないことを理由に「ちゃん研」を廃部にされたうえ、部室を破壊されてしまった。月饗祭の時点では同好会として再開し、薊が新総帥就任後は再び研究会となっていたが、残党狩りで敗れ再び取り壊された。その後も密かに活動をしていたが、見つかって晒し者にされる。
甲山 鉄次(かぶとやま てつじ)
声 - 野川雅史
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。串打ち研究会主将。牛、鶏、魚介とあらゆる食材を変幻自在に加工・調理し、「串打ちの鉄」の異名を持つ食戟の勝率が8割を超える実力者[28]
秋の選抜での創真の実力を評価し、スタジエールから戻った創真に食戟を挑むが、料理人としてのレベルを上げた彼の前に敗北した。
月饗祭では目抜き通りエリアに出店し、初日の売上では第2位にランクインした。
中枢美食機関設立に異を唱え、叡山に食戟を挑むが、叡山が仕組んだ八百長によって料理を食べてもらえずに敗北する。本来なら退学となるはずだったが、創真が叡山に勝利し一色によって叡山の八百長が公表されたことで彼の処分も見直されることになった。
楠 連太郎(くすのき れんたろう)
声 - 浅沼晋太郎
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。中枢美食機関の一員。
左目の目元に入れ墨を入れている。中枢美食機関に選ばれたことに対して強いプライドを持っており、尊大な態度をとっている。食戟では相手の得意分野で戦い制限も相手に委ねるスタイルで戦い、そのうえで徹底的に叩き潰すことを好んでいる。しかし、ももからは「悪趣味」、タクミからは「今まで味わってきた劣等感の裏返し」「セントラルに選ばれた事実に縋りついている」と評されている。創真からは「連たろ先輩」と呼ばれている。
低温調理の使い手で、スチームコンベクションオーブンやサラマンドル[注 25]といった最先端の加熱機器を多数所持している。火入れの全てをマスターすることで、素材特化の料理人には辿り着けない地平に行けると自負している。素材の加熱に入ると普段とは打って変わり冷静になる。
残党狩りで最先端研究会代表の黒木場と対決し、魚介類を得意とする黒木場にあえて食材テーマ「鮭」をぶつける。凍結粉砕機で作った鮭のアイスを付け合せ、オリーブオイルで鮭の水分を閉じ込めた「サーモンのコンフィ・フラム[注 26]」を披露したが、黒木場のクーリビヤックに比べ味が単一的かつ表面的であることを指摘され黒木場の成長を侮っていたことが仇となり敗北。その後空位となった十傑の座を賭けたバトルロイヤルに出場したが、3年生の実力者に敗北した。
梁井 メア(やない めあ)
声 - M・A・O
遠月学園高等部2年生→3年生の女子生徒。中枢美食機関の一員。
軽い性格で髪を左側で縛っている。楠同様中枢美食機関でない料理人を見下している。十傑第四席のももの取り巻き的存在。
二度目の残党狩りで丼物研究会代表の郁魅に敗れた。
熊井 繁道(くまい しげみち)
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。中枢美食機関の一員。
高校生離れした大柄で筋肉質な体格。楠を片手で持ち上げるほどの怪力を誇り、寡黙で必要最低限の発言しかしない。
二度目の残党狩りで郷土料理研究会代表の恵に敗れた。
小古 類(こふる るい)
遠月学園高等部2年生→3年生の女子生徒。中枢美食機関の一員。
目元が隠れ、腰まで届く長髪が特徴。常に無口。
鏑木 祥子(かぶらぎ しょうこ)
遠月学園高等部2年生→3年生の女子生徒。「遠月十傑評議会」の元第五席
身長163cm。3サイズはB79-W56-H84。好きなものは、アップルティー、テニス観戦。嫌いなものは、タバコの匂い、蜘蛛
中枢美食機関発足後のサバイバルで十傑入りした生徒の一人。2年生では現役の紀ノ国や叡山よりも上の第五席に配された。連帯食戟の1st BOUTでは元第三席の女木島と対戦するも、他の2試合と違い試合描写が全く描かれることなく惨敗した。
白津 樹利夫(しらつ じゅりお)
声 - 近藤孝行
遠月学園高等部2年生→3年生の男子生徒。「遠月十傑評議会」の元第八席
中枢美食機関発足後のサバイバルで十傑入りした生徒の一人。長髪と割れたあごが特徴。同期の一色をライバル視しており、彼の才能を尊敬し共に中枢美食機関で競い合いたいと考えている。そのため彼の普段の飄々とした振る舞いや薊への反逆行為を不満に思っている。
得意ジャンルはイタリア料理。白津家は代々イタリア領事館の食事番を任され、日伊両国でその名を轟かせている家柄。樹利夫の先代はその優れた功績から爵位を与えられたという。樹利夫自身の実力も本物で司も高く評価している。
連帯食戟の1st BOUTでテーマ食材「うなぎ」で一色と対決。メスの大型うなぎ(カピトーネ)と水分が少ないトマト「サンマルツァーノ」を使った煮込み料理「カピトーネ・イン・ウーミド」を出し高評価を得たが、調理中「お前は極星寮のようなぬるま湯にいるべきではない」と極星寮を侮辱したことが一色の逆鱗に触れてしまい、本気を出した彼の料理に敗れた。負けはしたが、本人は一色の本気の料理を味わえたことに満足げだった。
容姿や料理スタイルなど読み切りに登場したジュリオ・ロッシ・早乙女と共通点がある。

高等部2年(第92期生)

新戸 緋沙子(あらと ひさこ)
声 - 大西沙織
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。
身長161cm。10月14日生まれ。3サイズはB80-W56-H79。血液型はA型。好きな映画、ローマの休日。好きな休日の過ごし方は珍しいお茶の買い出し。
えりなの側近を務めている少女で、ボブカットの髪型が特徴。えりなに対しては同級生でありながら、「えりな様」と呼ぶなど、人一倍従順である。えりなからは高く評価され、友人としても信頼されているが、緋沙子自身は従者として一歩引いた態度をとっている。えりなと不仲であるアリスに対しては敵意を抱いている模様[注 27]。また、創真のことも長らく敵視していたが、スタジエール以降は薄れており一人の料理人として信頼している。周囲からは「秘書子」と呼ばれているが、本人は気に入っていない。長年えりなの側近を務めているため、事務作業には慣れており、電子端末の扱いにも長けている。事務作業をする際は眼鏡をかける。
えりなが極星寮に匿れて以降、恵の母性を感じ取って自分が不在の間のえりなを任せており、恵は真面目な性格である緋沙子に母性を感じている様子。
古くから続く漢方医の家系に生まれ、東洋医学の知識を料理に昇華させた薬膳料理のエキスパート。
中学2年の時にえりなの側近の座を狙う貞塚ナオとの食戟に勝利して以来、彼女から敵視されていたが、秋の選抜予選で再び勝利して格の差を見せ付けると、今度は自身が貞塚から憧れの対象として見られるようになった。
秋の選抜Bブロックでは、薬膳とカレーを融合させた「羊肉四物湯カレー」で92点を獲得し、Bブロック2位で予選通過する。本戦一回戦第三試合の「ハンバーガー」対決では葉山と対戦し、スッポンを使用した人の触覚まで刺激する「スッポンハンバーガー」を作るも敗北。試合後、遠月の頂点に立つことを目標とする葉山とは対照的に「えりなに次ぐNo.2」であることに固執する志の低さを葉山から痛烈に批判された。秋の選抜終了後、えりなに合わせる顔がないとして書き置きを残し、彼女の前から姿を消した。
スタジエールでは、最初の研修先「洋食の三田村」で創真と共に派遣されるが、手馴れた様子で店の作業をこなす創真と現場での厳しさから自分の実力のなさを実感する。何とか1日を乗り切ることに成功し店員からも褒められ自信をつけるも創真からこのままでは店の問題の解決につながらないことを指摘され、創真が提案した完全予約制の導入にのり、予約サービスなど裏業務のシステムを確立させ合格判定を貰った。その後、えりなとうまくいっていないことを創真に感付かれ、彼から「これからはえりなの後ろではなく並び立てばいい」と促され、えりなの元へと戻っていった。
スタジエールの一件で創真との関係は軟化しており、月饗祭開催直前、創真が作ろうとした麻婆豆腐定食をえりなに味見させようとした際強く引き留めようとはしなかった。月饗祭では山の手エリアに出店したえりなに手伝い、えりなが薊への恐怖に怯えていた所に創真が現れると安堵の表情を見せた。またえりなに対し「もしかしたら薊から遠月を救えるのは創真かもしれない」と答えている。
月饗祭終了後、遠月学園の総帥となった薊によりえりなの秘書を外されてしまう。意気消沈していたところにアリスと遭遇し、事情を話しアリスによるえりなの屋敷からの連れ出しに同行。えりなが極星寮に一時身を寄せることになると、恵らにえりなの過去を話した。叡山が極星寮の強制退去に着手した際にはえりなの部屋の警備に当たった。十傑による残党狩りでは、青木と佐藤と同行し紀ノ国のいるC会場を偵察した。
進級試験が控える創真らにえりながスパルタ指導を施す中、自身も講師として支援し、休憩中に提供していた五味子が十傑となった葉山との戦いテーマ食材で熊肉の匂いを抑え込む突破口となって創真を救う役目となった。三次試験で斎藤に敗れた。
水戸 郁魅(みと いくみ)
声 - 石上静香
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。「丼物研究会」部員。
身長163cm。5月4日生まれ。3サイズはB90-W57-H88。血液型はB型。好きな本、星の王子様。好きな休日の過ごし方はお菓子作り。
褐色の肌にアホ毛のあるショートカットの金髪という派手な容姿に加え、作中屈指の豊満なプロポーションの持ち主。制服を西部劇風に着崩した露出度の高い格好をしており、男子生徒からの人気も高い。勝気な性格もあって言動は男勝りだが、根は真面目で素直[注 28]。当初は肉以外の食材への配慮が薄かったが、創真に敗北してからは改善している。実家は牛肉業界の一角を支配するほどの大規模な肉の卸売業者という裕福な家庭で育ったため、金銭感覚は一般庶民とかけ離れている[38]。周囲からは肉魅(にくみ)というあだ名で呼ばれているが、本人はそれを嫌っている[17]
肉料理を得意とし、ミートマスターの異名を持つ[17]。また、食材の温度を繊細に感じ取る優れた感覚の持ち主[39]。秋の選抜予選では肉以外の食料に造詣を深め、審査員からは「肉将軍(ミートジェネラル)」と高く賞賛される。
初登場時はえりなの派閥に属しており[17]、えりなの命令により丼研を潰そうとするが、丼研の代理として創真に食戟を挑まれて自身の丼研入部と創真の退学を賭けて牛肉を使った丼料理のテーマで勝負する。A5和牛の熟成肉を惜しげもなく使った「A5和牛のロティ丼」を披露するが、肉と飯の一体感が欠けていたことで敗北する。その結果、えりなに見捨てられて約束通り丼研に入ることになったが、それがきっかけで創真に好意を寄せるようになり、彼にだけは上記のあだ名で呼ばれても良いと考えるようにもなった。
えりなとは幼い頃に何度か会ったことがあり、薙切家の重圧の中でも常に凛としていたえりなを尊敬している[注 29]。創真との食戟に敗れて以来えりなと関わる機会がなくなっていたが、進級試験でえりなに自分の思いを打ち明けたことで関係が修復された。
宿泊研修のビュッフェ課題の「卵料理」ではソース・ヴィネグレットを使った「ロコモコ丼」を提供し、200食達成する。合宿終了後の連休中には創真からの頼みで、すみれ通り商店街の立て直しに協力した。秋の選抜Aブロック予選では「東坡肉カレー丼」で86点を獲得するが、予選敗退となった。
スタジエールでは、派遣先で出会った人物から「火入れの奥義」を伝授された。また、秋の選抜以降は創真以外の極星寮の寮生たちとも打ち解けており、特に得意分野の近い吉野とは意気投合している。スタジエール後は以前よりカリスマ性が増しており、丼研に入部してきた後輩たちからも慕われている。月饗祭での模擬店の出店場所を巡っての貞塚との食戟に勝利し、初日の目抜き通りエリアの売上では第3位にランクインした。4日目には創真の模擬店に助太刀した。残党狩りでは丼研代表として中枢美食機関代表の梁井を破り丼研存続を勝ち取った。
進級試験の三次試験で茜久保に敗れた。
イサミ・アルディーニ
声 - 小野友樹
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。タクミの双子の弟で、同じく「トラットリア・アルディーニ」の跡取り息子[20]
身長182cm。誕生日は7月19日。血液型はO型。好きなこと、タクミをからかうこと。好きな女性のタイプは一緒にいて穏やかな気分になれる人。
タクミとは似ても似つかない太った体格の大柄な少年で、金髪のタクミと違い逆立った黒髪をしている。毎年夏バテで激痩せする体質で、秋冬にかけて元の体型に戻るという。短気で暴走しがちなタクミと対照的に、普段はマイペースでのんびりしており、人当たりも良い[23]
タクミと同じくイタリア料理を得意とする。調理速度はタクミよりも遅いと本人は語っているものの[40]、動きは機敏であり[注 30]、双子ならではの絶妙な連携で、タクミと共に優れた料理を作る。アニメ版では「味の地平の探求者」の異名をつけられた。
幼少期は比較的痩せており、髪の色以外はタクミと瓜二つの美少年だった。また、当時はタクミより料理の実力が低いことにコンプレックスを抱いていたが、タクミに諭されてからは2人で協力し合うようになる[41]。タクミのことを慕っているが、その奥にはいつか兄を超えたいという対抗心も抱いている[41]
秋の選抜Bブロック予選では、「トマト風味のカレーカルツォーネ」で87点を獲得したが、タクミには及ばず予選敗退となった。
スタジエール時には体型は元に戻っており、派遣先の店の新メニュー開発に参加するなど確実に実力を上げていた。
北条 美代子(ほうじょう みよこ)
声 - 瀬戸麻沙美
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。
気の強い性格で、アホ毛が特徴。長身でスタイルもいい[注 31]。非常に重い中華鍋を片手で軽々と扱う男子顔負けの腕力の持ち主。運動神経もよく、バスケで軽々とダンクシュートを決めるほど。横浜中華街で50年続く中華料理の名店「北条楼」の料理長の娘。中等部3年の時点で部門長をも黙らせるほどの腕前を持ち、卒業後は実家の店の厨房に入ることが決定しているが、部門長をはじめ男尊女卑の考えを持つ店員たちからは快く思われていない。そのため、周囲を屈服させるために料理人としての絶対的な箔を得ようと、遠月十傑第一席の座を狙っている。秋の選抜後は、従業員と少しずつ打ち解けてきている。
中華料理を得意としており、調理時はチャイナドレスを着用する。中華料理を得意とする十傑第八席の久我からたびたび中華料理研究会へ勧誘されているが、辛さ重視の彼の方針が気に入らず、中華研には入っていない。アニメ版では「鉄腕火龍小姐(アイアンドラゴンガール)」の異名をつけられた。
元遠月第一席の四宮に食戟を挑んだ恵に興味を持って接触するが、創真の協力を得ての出来事だったと知ると「見込み違いだった」と一転して侮蔑する。秋の選抜Bブロック予選では、パイナップルを上手く組み合わせたカレー炒飯「菠蘿咖喱炒飯(ボゥルオカリーチャーハン)」で87点を獲得するも、恵とは1点差で予選敗退する。だが、非力な恵が荒くれ男の漁師たちから可愛がられている様子を見て、力で男たちを黙らせるしかないと思っていた自分との違いを感じ取り、自分の敗北を素直に認めた。予選終了後には恵への態度を改め、正式に友人になることを誓い、予選を突破した恵にエールを送った。
創真とは恵の紹介で知り合い、月饗祭で久我と勝負しようと考えていた創真に彼の居城である中華料理研究会を案内した。
貞塚 ナオ(さだつか ナオ)
声 - 後藤沙緒里
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。
陰湿な性格で、非常に長い黒髪で顔の半分以上を隠し、学園の警備員からも恐れられるほど不気味な雰囲気を絶えず放っている。普段は黒髪で隠れてほとんど見えないが、素顔はかなりの美少女である。創真とはゲテモノ料理を好む者同士馬が合う[注 32]
鍋の前の魔女(ボイリング・ウィッチ)」の異名を持ち、煮込み料理を得意としている。おぞましさの中に真の旨さがあるという料理観を持ち、干物乾物などクセの強い食材にも造詣が深い。自身が所有している調理室は子供が泣いて逃げ出すような禍々しい雰囲気を放っており、たびたび異臭騒ぎを起こしている。
えりなへの盲目的な憧れと「神の舌で罵倒されたい」というマゾヒスト願望によって彼女の側近の座を狙っているため、緋沙子を敵視している。中等部2年の時にえりなの側近の座を賭けて緋沙子と食戟を行うも敗北し、その時に敗退の条件としてえりなの半径50メートル以内に接近することを禁じられるが、執着心が失われることはなく、それ以降は双眼鏡でえりなを何度も覗き見たり手紙を毎日30通送るなどのストーカー行為を続けていた。
秋の選抜Bブロックでは、くさやをアクセントに加えた「漆黒のラクサカレー」で84点を獲得したが、再び緋沙子に敗れて予選敗退する。しかし緋沙子との格の差を見せ付けられ、痛烈に罵倒されたことにより、今度は彼女を「緋沙子お姉様」と呼んでストーカー的な態度を示し始めた。
月饗祭では郁魅との出店場所を巡る食戟に敗れ、中央エリアに「暗黒干物商會」を出店した。
テレビアニメ第1期の後期エンディングアニメーションは、ナオのストーカー視点からえりなたちを描いたものとなっており、秋の選抜予選で緋沙子に敗北した回のエンディングのみ、貞塚(白)バージョンを見ることが出来る。
美作 昴(みまさか すばる)
声 - 安元洋貴渡辺明乃(幼少期)
遠月学園高等部1年生→2年生の男子生徒。
創真よりもはるかに大きな巨体と分厚い唇にドレッドロックスの髪型が特徴。「微に入り細を穿つ」がモットーであり、大柄な体格で粗暴な雰囲気に似合わず、愛用のバイクに万全な盗難対策をしたり服の裏に自ら刺繍を入れるなど、非常に繊細な作業をこなす。
周到なる追跡(パーフェクト・トレース)と称する事前に調べた相手の料理を完全にコピーし、さらにその品にオリジナルの要素を付け加えることで相手を完全に上回るという、高い技術を持つ。各種の料理にも造詣が深く、その手のエキスパートに匹敵する知識や技術を持つ[注 33]。連帯食戟ではコピー技術をさらに進化させ、瞬間的に相手の行動・思考を読み取り、自分の手元に全く同じ手順を反映させる「周到なる追跡・閃(パーフェクト・トレース・フラッシュ)」を披露した。
狙いをつけた生徒についてストーカー紛いの行為で徹底的に調べ上げたうえであらゆる手段を使って挑発し、勝負の場に引きずり出すことでこれまで99の食戟に勝利してきた。相手の料理人にとって最も大切な道具(包丁)を賭けさせることで料理人としての誇りを踏みにじるなど卑劣な性格をしており、その在り方から「KING・of・ストーカー」の異名を持つ。叡山からも「料理人としては完全なる屑」と評されている。
出自は高級レストランの跡取り息子であり、幼少期から写真で見た料理を完璧に再現できる才能を発揮していたが、父親(声 - 野川雅史)からは認められなかった。それでも父に認められたい一心でコピー料理の技術を磨き続け、ある時店の大事な客人たちを招いて行われた新作品評会で父のレシピにアレンジを加えたところ父を超えてしまったため、激怒した父に遠月学園へ厄介払いされる形で入学する(美作本人は父親が自分から逃げたと解釈している)。入学後も同様の手段を使い続けていたところを叡山に拾われ、彼の手駒となった。
秋の選抜Aブロックを4位の91点で通過し、本戦出場を決めた。本戦一回戦第四試合の「スイーツ」対決ではタクミと対戦し、試合直前にイサミを侮辱することでタクミとの試合で食戟を行うことに成功する。試合ではタクミの考えをことごとく先読みし、あらかじめ隠し味として仕込んでおいた塩レモンを使用した「美作のセミフレッド」で彼に勝利する。その後、創真のもとに現れてタクミと同様の手段で挑発して食戟を受けさせるも、彼からこれまで奪ってきた包丁100本を賭けるよう要求される。試合本番でも創真の料理を完全にコピーした「美作のビーフシチュー」で彼を追い詰めるも、それまで積み重ねてきた経験を表現した創真の前に最終的には敗北する。退学して料理人を辞めようとしたが、創真から料理人の真のあり方を示されて再起を促され、タクミからも退学しないよう釘を刺された。
月饗祭では、秋の選抜での借りを返すべく創真からの協力要請に応じ、「周到なる追跡」でコピーした創真の料理手順で模擬店の営業をサポートした。
進級試験では反逆者には加わらず通常の試験を受けていたが、連隊食戟で創真からの要請に応じ反逆者チームとして参加する。事前準備として十傑全員のトレースを行い、2nd BOUTに参戦しテーマ食材「まぐろ」で斎藤と対決。「周到なる追跡・閃」で生じた余裕の中で久我のサポートを兼ねた燻製醤油を作り、斎藤の小玉紅玉寿司にアレンジの軍艦巻きを加えた品で勝負する。ネタに筋を入れ味を広がりやすくする「隠し包丁」を入れすぎてしまった差で敗北するも、斎藤からは己の影と斬り合っているようだったと賞賛された。その日の夜、翌日の3rd BOUTに挑む創真たちのためにトレースした十傑で模擬戦を行った。
えりな新体制になってからは連隊食戟の反逆者チームのメンバー中では唯一、遠月十傑に在席していない[注 34]
川島 麗(かわしま うらら)
声 - 日高里菜
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。
リボンで結んだ長い黒髪が特徴のアイドル風美少女。高等部1年生が行う食戟の司会進行を担当しており、創真と郁魅の食戟の際にも担当した。可愛らしい仕草や台詞の言い回しによって男子生徒からの人気を集めているが、自己顕示欲が強く内心では自分以上に目立つ女子生徒を敵視するなど実際はかなり腹黒いため、女子生徒たちの怨念をかき立てることも少なくない。
秋の選抜予選では、Bブロックの司会進行を担当した。アニメ版では本戦の司会も担当した。
OVAでは普段はメイド喫茶でアルバイトしていることが明らかになり、そこでタクミにオムライスを振る舞っており、2期アニメのスタジエールでもタクミが店員となりオムライスに二人でケチャップをかける場面が追加されている。
中枢美食機関設立後は機関の思想に洗脳され、連隊食戟の司会進行を務めた際にはあからさまに薊寄りの発言をしている。
佐々木 由愛(ささき ゆあ)
声 - 日高里菜
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。
秋の選抜予選でAブロックの司会進行を担当した。麗と反対に気が弱く、高慢な態度で辛口評価を連発した千俵なつめの威圧感に気押されていた[43]
榎本 円(えのもと まどか)
声 - 大西沙織
遠月学園高等部1年生→2年生の女子生徒。丸井と同じく宮里ゼミ所属。
丸井とよく似た丸い眼鏡をかけているボブカットの少女で、宮里ゼミのエースである丸井を敬愛している。名前は単行本7巻で判明。

高等部1年(第93期生)

早津田 みつる(そうつだ みつる)
声 - 山下大輝
遠月学園中等部3年生→高等部1年生。新聞部所属。
まだあどけなさが残る少年。秋の選抜での創真の戦いぶりに感動し、遠スポの取材のため創真の下を訪れる。当初は把握している情報量の多さから創真からは美作のスパイではないかと疑われ、実際、創真についてもかなりのことを調べていた[37]
その後は試作したビーフシチューの味見役として創真の取材を行ったが、美作にデータを盗み見られた。月饗祭では創真の依頼で久我の特集記事を見せたり、彼の久我に対する宣戦布告の記事を掲載している。

学園OB

幸平 城一郎(ゆきひら じょういちろう)
声 - 小山力也(アニメ・VOMIC)[11]
創真の父で、大衆食堂「食事処 ゆきひら」の店主。38歳(第1話時点)。旧姓は才波(さいば)。
ボサボサの長髪と無精髭を生やした風貌が特徴。性格は非常にマイペースで、創真らを振り回すことが多々あるが、料理の腕前は創真を遥かに上回り、マンハッタンにある高級ホテルのVIP専用ルームで料理人を務めるほどである。創真にとっては尊敬出来るだけではなく超えるべき高き壁でもあり、彼が幼稚園児の頃から自身の料理技術や料理人としての心構えを徹底的に叩き込んでいる[注 35]。世界中を渡り歩いた経験に基づく創作料理を得意としている。
かつては遠月学園の極星寮に所属し、同期の堂島と共に極星寮の黄金期を築いた。出身は不明だが、名門出身者が言いがかりを付けていることからそれほど高い家柄ではない模様。料理の腕前は堂島より上(121戦101勝)であり、第69期生最強の料理人だったが、初めて試す料理やゲテモノ料理を食戟の場で平気で出すなど生真面目な優等生の堂島とは対照的に気まぐれでマイペースな性格で、問題行動が多かったため「十傑評議会」では堂島に次いで第二席であった。後輩の薊や学外の食通からは類まれな料理センスを持つ天才と称えられていた。しかし、高2になった頃からゲテモノ料理を作るようになり[注 36]、自分を天才と決めつけ勝負する前からあきらめる相手を容赦なく屈服させる姿から修羅と呼ばれるようになった。高3になってからも様々な学外のコンクールで優勝し世界若手料理人選手権コンクール「BLUE」でも金賞候補に挙げられていたが、周囲の期待と自分の理想との間で苦悩し続けた結果、遂にゲテモノを作ることすら出来なくなるほどに疲弊し、「BLUE」を放棄してしまった。そこへ仙左衛門に料理から離れ自分を見つめ直すことを勧められ、遠月を中退した。
中退後は世界中を回ることで料理人としてのモチベーションを取り戻し、各国の名店で腕を振るう「流浪の料理人」と呼ばれ、当時の料理雑誌には必ず名前が載るほどの有名な存在になった。それからある時を境に忽然と料理業界の第一線から姿を消し[44]、創真が物心つくころには「ゆきひら」の店主になっていた[注 37]。一方で仙左衛門とは上述の理由から個人的なコネを持ち、秘密裏に招かれては彼に料理を振舞っていた。
10年ほど前、薙切邸を訪れ仙左衛門に料理を振舞っていたときに幼い頃のえりなと出会う。どうして奇抜なのに美味しい料理を作れるのかというえりなの問いに対し「行き着く先がわかってたら楽しくないだろ」と答え、えりなに大きな影響を与えた。この考えは創真にも受け継がれている。
創真の中学卒業後、「『ゆきひら』を2、3年休業する」と宣言して失踪し、知り合いのツテをたどって海外で仕事を始める。1学期終了後(アニメでは地獄の合宿後)、極星寮に顔を出した翌朝、「秋の選抜」に出場する創真を料理勝負で激励し、予選のお題「カレー料理」に詳しい後輩の汐見を紹介して去って行った。その後仙左衛門の元を訪れ自分が掴んだ薊の不穏な動向を報告した。
月饗祭と時を同じくして、海外の地で出張中だった堂島と偶然再会し薊が遠月学園の新総帥に就任したことを知る。薊の改革を阻止するため堂島の提案で進級試験の会場に赴き、創真からの挑戦を突っぱねる薊に対し「創真たちが負ければ店を廃業し薊の下につく」という条件を出し連帯食戟を取り付けた。準備期間中には薊の行動理念の原因が自分の過去にあることを創真に明かし、彼らが十傑に勝利できるよう特訓を課す。
堂島 銀(どうじま ぎん)
声 - 子安武人
遠月リゾート総料理長兼取締役会役員[45]。遠月学園第69期卒業生。極星寮OB。
身長188cm。4月3日生まれ。血液型はA型。3サイズはB126-W90-H108。好きな日課は肉体のメンテ。
筋肉質な体格をした坊主頭の男性で[注 38]、肉体のメンテナンスを日課としている。他の卒業生たちからも一目置かれており、創真も一瞬たじろぐほどの気迫を持つ。後輩たちには厳しい言葉で説教をしながらも、人情味のある温かい態度で彼らを励まし[46][47][48]、彼らの成長を静かに見守っている。気まぐれな性格の城一郎と対照的に生真面目な優等生で、卒業後も寮母のふみ緒には毎年年賀状とお中元を贈っている[44]。ただし生真面目といっても融通の利かない堅物ではなく、時折ユーモアに富んだ言動で周囲の雰囲気を和ませ、料理の審査ではリアクションのイメージ内で女装をするなど、剽軽な一面も見せる。
在学時は「遠月十傑評議会」の第一席であり、歴代最高得点で学園の卒業試験をクリアした[45]。創真の父・城一郎とは同期生でり、第二席の城一郎と共に極星寮の黄金時代を築いた[注 39]。城一郎がスランプに陥り自主退学したことに責任を感じ、全国800件あまりの高級料理店からのオファーを断るほど落ち込んでいたが、仙左衛門の誘いを受け、次世代の料理人を導く役目を担うため現在の地位を選んだ。
宿泊研修での恵と四宮の騒動に対し、恵・創真ペアと四宮による非公式の食戟を取り仕切る。これによって、料理人としての恵の真の才能を開花させて彼女の退学危機を救ったうえ、四宮が停滞を脱するように導いた。また、研修中の創真の雰囲気から、彼が城一郎の息子であることにも気付いた[注 40]
秋の選抜本選準決勝では審査委員長を務め、黒木場と葉山の第二試合で判定が拮抗してしまった際には、あえて両者を決勝に上げ、決勝戦を創真との三つ巴で行うことを提案し、決勝戦でも引き続き審査員を務めた。その後、四宮の新しい店にスタジエールの研修生として創真を推薦した。
月饗祭の期間中は海外に出張しており、ある異国の地で偶然城一郎と再会。その時日本からの電話で薊が新総帥に就任したことを知る。その後彼自身はあくまで中立の立場を宣言し、創真の進級試験で葉山との勝負の立会人を務める。その裏で薊政権を覆すために仙左衛門と城一郎を手引きし、秘密裏に計画を練っていた。薊との交渉が成立した後、タクミと恵に自分達の過去を話し、食戟当日まで城一郎らと共に創真たちに特訓を課した。
四宮 小次郎(しのみや こじろう)
声 - 中村悠一小林由美子(幼少期)
パリのフランス料理店「SHINO'S」オーナーシェフ[45][46]。遠月学園第79期卒業生[49]。スピンオフ漫画『食戟のソーマ L'etoile-エトワール-』における主人公。
眼鏡をかけた痩身な男性。フランスにおいて、その年に最もフランス料理の発展に貢献した料理人に与えられる「プルスポール勲章」を日本人で初めて受章した実績を持つ[45][50][注 41]。毒舌家で、幼少期から非常にプライドが高く、頑固で融通の利かない性格だった。しかし、元々は厳しいながらも面倒見がいい性格で、合宿以降は以前よりも性格が丸くなり[51]、「SHINO'S」のスタッフからも慕われ[51]ている。同期の水原を始め、後輩の乾、梧桐田の3人とは在学時代から仲が良く、関守とも交流が深かった。特に前者の3人には学生時代からよくからかわれ、現在でもたびたび振り回されている。創真に対しては、彼の知識欲や好奇心、それが他人が踏み出せないような一歩を踏み出せることから、彼に期待をかけている。スタジエールを終えた創真からは「師匠」と呼ばれている[52]
肉料理に偏りがちなフランス料理において、レギュム[注 42]に新しい光を当てた料理を評価され、「野菜料理(レギュム)の魔術師」と称えられる[53]。四宮の料理を食べた者は、魔法少女のようなリアクションを見せる[53][51]
九州の田舎出身であり、上流家庭の生徒が多い遠月学園の中では珍しくそれほど裕福ではなく、料理とすら無縁の家庭だったが、幼少期に家族と行ったフレンチ料理のレストランで母親がみせた笑顔を見て、フレンチの料理人になれば母親を笑顔にできると考え、フレンチの料理人を志すようになった[33]。普段は標準語で話すが、母親との会話時には九州弁に戻る[33]
遠月在学中にはさまざまな料理コンテストに出場して優秀な成績を修め、「遠月十傑評議会」の第一席でもあった。学園卒業後、その賞金を持って単身渡仏後に6年間の修行を経て、「SHINO'S」を開店させた[46][50]。当初こそ順調だったものの、自分に嫉妬したスタッフが勝手にルセット(レシピ)を変えたことで店が経営難に陥ったという経験から、他人の意見には耳を貸さず自分しか信用しないようになった。その後、念願のプルスポール勲章を受章したものの、オーナーシェフとしての器が完成しないうちに才能だけで頂に辿り着いたことで次の目標を見失って停滞し、スランプに陥っていた[50]
宿泊研修中、自らが提示した課題「九種の野菜のテリーヌ」で不測の事態に善処しようとしたことを考慮せず恵に退学処分を下すが、それに納得しない創真に食戟を挑まれ、堂島の計らいで創真の補助を受けた恵と対決する。食戟には勝利したが堂島に停滞を見抜かれ、彼の勧めで食した恵の料理によって周りを顧みない自身の姿勢に気づき、退学を取り消した[47]。合宿終了後は三ツ星獲得を新たな目標に定め、フランスに戻っていった。
宿泊研修から数か月後、生まれ故郷である日本で自分の料理のあり方を再確認することを目的として、フランスでの反対を押し切り東京に第二店舗の「SHINO'S TOKYO」を開く[33]。オープニング準備中にスタジエールで派遣された創真と再会すると、相変わらず厳しい態度で接するも慣れないコース料理に苦戦する彼にあえて助言せず、自力で乗り越えることを期待して見守った。新作コンペでは創真の作ったフレンチ風親子丼をクオリティが低いと評しながらも、自らの手で改良し「うずらの詰め物 リゾットと卵〜生意気小僧風〜」として店の新作メニューに採用した。
連帯食戟の数週間前、堂島の誘いで北海道入りし創真や恵を特訓した[注 43]
水原 冬美(みずはら ふゆみ)
声 - 川澄綾子
イタリア料理店「リストランテ エフ」シェフ[45]。遠月学園第79期卒業生[50]
ショートヘアの小柄な女性。基本的に無表情で、皮肉っぽい台詞が多い。在学時は同期の四宮に次ぐ十傑第二席であり、四宮とは在学時代からの腐れ縁。
宿泊研修では、関守・梧桐田と同様、創真・恵ペアと四宮による食戟の審査員を務めた。研修終了後、創真とアルディーニ兄弟をリクルートしようとしたが、実家の料理店を継ぐことしか考えていない彼らからは断られた[54]。秋の選抜では準決勝の審査員を務めた。
関守 平(せきもり ひとし)
声 - 間島淳司
店「銀座ひのわ」板長[45]
細い目の男性。水原・梧桐田と同じく審査員を務めた。宿泊研修後、恵を自分の店にリクルートしようとした。
「食戟のソーマ L’etoile―エトワール―」より四宮・水原の79期生より上級生で、四宮がパリ行きを決めた時は既に自分の店を持っていた。
ドナート 梧桐田(ドナート ごとうだ)
声 - 近藤孝行
オーベルジュ「テゾーロ」シェフ[45]。遠月学園第80期卒業生[50]が2つに割れているのが特徴の男性で、水原・関守と同じく審査員を務めた。初登場時から恵に注目し、彼女を自分の店にリクルートしようとした。アニメでは在学当時からやや片言で喋る。
乾 日向子(いぬい ひなこ)
声 - 能登麻美子
日本料理店「霧のや」女将[45]。遠月学園第80期卒業生[55]
マイペースかつおっとりした雰囲気の女性。先輩の四宮に余計なことを言っては小突き回されるなど[53]、子供っぽい面がある[56][53]。在学時代は十傑第二席で「霧の女帝」の異名で恐れられるなど、料理に対しては時折冷徹な一面を見せる[55]。初対面の時から恵のことを気に入っており[注 44]、自分の店に必死にリクルートしようとするなど、公私混同になりがちな面がある[45][56]。アニメ版では角崎にも興味を見せている。
宿泊研修では、自身の課題において創真とタクミの対決の審査を行なったが、散々焦らした挙句に勝敗の判定は預かりとした。創真・恵ペアと四宮による食戟では審査員から外されたが、ちゃっかり実食していた。秋の選抜では準決勝の審査員を務めた。
角崎 タキ(つのざき タキ)
声 - 小松未可子
スペイン料理店「タキ・アマリージョ」シェフ。遠月学園第88期卒業生。
小柄だが、短気な性格で怒りっぽい毒舌家の女性。料理のマナーが悪い者に対しては「調教」と称した体罰も辞さない、過激な考えを持っている。自分と近いタイプの水原に対しては「冬美先輩」と敬意を払って接しているが、子供っぽい乾に対してはタメ口で接している。在学時は十傑第二席。
秋の選抜準決勝の審査員を務めた[注 45]
木久知 園果(きくち そのか)
声 - 西明日香
洋食専門店「春果停」シェフ。遠月学園第89期卒業生。
気弱でおとなしい雰囲気の女性だが、時折豊富な料理の蘊蓄を語る癖がある。作中の女性たちの中でもトップクラスの巨乳であり、角崎には「乳房お化け」と呼ばれるほどの豊満なプロポーションの持ち主。在学時は十傑第二席。
秋の選抜準決勝の審査員を務めたが、黒木場と葉山の第二試合では両者の出来が拮抗していたために判定を下せなかった。
海老沢 理子(えびさわ りこ)
遠月学園第70期卒業生。極星寮黄金世代の一員であり、当時は十傑第四席の地位にいた実績を持つ。
城一郎の過去編のみ登場し、城一郎とは薊や銀とよく料理勝負をしていた。
第90期卒業生
司 瑛士(つかさ えいし)
声 - 石田彰[31]
遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第一席
身長176cm。4月2日生まれ。血液型はA型。好きな色、白。好きな飲み物、コーヒー(砂糖・ミルクは無し)。
現在の十傑の頂点に君臨する立場であり一見クールな雰囲気だが、人付き合いが苦手で自分でも「人前に立つタイプじゃない」と語るほど気弱な性格で、第一席としての責任や重圧に押しつぶされそうになっている。秋の選抜でも会場の仕事は一色たちに任せて自分は裏方に回っていたが、本戦で創真や美作が食戟を立て続けに行ったことで事前処理にかなり苦労したと語っている。一方で、短すぎる人生に対して料理はあまりにも深く広いという考えを持っており、料理の腕には他人に味の有無を確かめないほどに絶対の自信を持っている。また、良くも悪くも自分の料理を極めることしか頭になく、他人への配慮を考慮しない傲慢なところがあり[注 46]、中枢美食機関の方針で大衆料理店が潰れることを仕方ないと割り切っている。いつもネクタイを肩にかけている。
得意ジャンルはフランス料理。徹底的に「自分らしさ」を捨て、素材のよさを極限にまで研ぎ澄ませた料理を重要視し、食通からは食材に傅きその身と誇りを奉じる者「食卓の白騎士(ターフェル・ヴァイスリッター)」と賞賛されている。特に「ジビエ」に造詣が深く「鹿肉」を自身のスペシャリテにしている。えりなからも感性と技術は人間業を超え、美食をつかさどる神々の領域に踏み込んでいると評されている。一方、弱気すぎる性格から他人に作業を任せられないため作業工程は全て自分で行っている。
中1の頃、遠月で生き残るため日々努力を重ね、毎日講師に何食も試作を作り、じゅうぶん美味いといわれながらも満足せず、多くの講師をノイローゼ寸前に追い込んでいたことから周囲には「講師つぶし」と呼ばれていた。1年前の紅葉狩り会で上級生に挑戦状を叩きつけた久我の挑戦を受け完勝した[注 47]。同年の月饗祭では中央エリアに出店し5日連続売上1位を達成した。第一席になってからは遠月の代表として世界中の来賓に料理を振舞うことが多くなったが、肩書きだけで自分の料理を絶賛されることに苛立ちを覚えるようになる。そこへ薊が現れ、その後何度も互いの料理観を話し合うにつれ薊の考えに共感するようになった。
中枢美食機関発足後、自らが講師を務めた講義で自分のサポートに回った創真の能力の高さを気に入り、自分の助手として中枢美食機関に誘う。創真からは断られたが、第一席の地位を条件に創真に食戟を申し込む。2種類のソースで鹿肉を彩った「ふたつの表情を見せる鹿のロースト」で創真に勝利したが、奇抜な料理を作る創真の破天荒さを自分では制御できないと判断し、創真の中枢美食機関入りを取り下げた。
創真ら反逆者との連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「緑茶」で久我と対決。4種の茶葉と4つのピューレを組み合わせた「4つの緑茶によるグラデーションビュレ・スープ」で久我を破るも大きく体力を消耗し、しばらくは休養をとらざるを得なくなった。4th BOUTでは「野ウサギ」で一色と対決。フランスの代表的ジビエ料理「野ウサギの王室風仕立て(リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル)」で一色に完勝した。FINAL BOUTではメインを務める。鹿肉を塩釜にした必殺料理「白き鎧の皿 ~ソース・シュヴルイユ~」で薊を絶賛させたが、創真とえりなの予想を超えるハーモニーに敗れた。
連帯食戟後、遠月を卒業し竜胆と共にジャングルで動物採取をしていたが、特注の大型グレーターを引っさげBLUEに参加する。しかし朝陽に破れ、グレーターを奪われてしまう。
小林 竜胆(こばやし りんどう)
声 - 伊藤静[31]
遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第二席
身長171cm。10月12日生まれ。血液型はO型。好きな季節、夏。好きな国、特にスペイン。
スタイルがよく、八重歯、左目を髪で隠している[注 48]のが特徴。明るく茶目っ気があるが、ドキドキするという単純な理由で薊に加担するなどどこか食えないところもある。料理することよりも食べることを趣味としており、月饗祭では十傑の中で一人だけ出店せず5日間で全120店舗の食べ歩きを行っていた[注 49]。かなりの寒がりであり、久我曰く、爬虫類みたいに動かなくなるらしい。創真や久我など後輩からは「竜胆先輩」と呼ばれている。
司とは中等部の頃からの付き合いで彼の料理に対する姿勢に興味を持ち、彼の十傑第一席に着く夢に対して、自分は第二席に着くことを約束していた。
遠月の歴史でも稀に見るワニなどの希少食材マスター。部位に応じて最も効率的なナイフを使い分け瞬時に解体するナイフテクニックに加え、希少食材の解体法・捌き方を含めた食材に対する膨大な知識に未知なる味への強い好奇心を持つ。十傑入りした当初からその権限で海外を飛び回り[注 50]、元々日本国内の希少食材に精通していた才覚は現地でしか味わえない素材に触れることでさらに成長を遂げた。現地スタッフとの共同プロジェクトによって発見された新種も多数存在し、生態系に影響が出ないと判断された全ての生物を調理し食べ尽くしてきた。これらにより財と権力で己の食欲を満たす「美食家」、未知なる食材を探求する「調査者(フィールドワーカー)」、あらゆる食材を食らい尽くす「蛮族(バーバリアン)」の3つの顔を持つ。
月饗祭で久我に一矢報いた創真を気に入り、創真と恵を司の模擬店に招待した。中枢美食機関設立後、創真と叡山が食戟を行うと聞きつけ、面倒な事務処理を司に押しつけて見学に訪れ創真の「羽根チーズ付き餃子」を試食し絶賛した。
進級試験では反逆者を潰す機関側の刺客として派遣されるが、試験官達のような卑劣な手は使わないと公言する。また、十傑を追放された久我が進級試験で反逆者に加勢するのも黙認しているなど、水面下で不穏な動きを見せる。薊の命で三次試験でタクミと恵と対戦することになったが、料理勝負ではなく自分に美味いと言わせる料理を出すという形式にし、条件をクリアした2人を合格にした。連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「唐辛子」で女木島と対決。ワニ肉と大量の唐辛子を使った料理で女木島を破るも大きく体力を消耗し、しばらくは休養をとらざるを得なくなった。4th BOUTでは「ヤリイカ」でタクミと対決。ピラルクーを使ったペルー料理のマッシュポテト「カウサ」で完勝した。FINAL BOUTでは前菜を務める。しいたけを主役食材とし蟻酸を使った「きのこのミルフューユ ~デュクセルを挟んで~」でメインの司にうまくつなげるも敗北した。
連帯食戟後、遠月を卒業し司と共にジャングルで動物採取をしている。
女木島 冬輔(めぎしま とうすけ)
声 - 楠大典
遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第三席
身長193cm。7月4日生まれ。血液型はO型。好きな箸、割り箸。好きな女優、梶芽衣子。
ニット帽子を被った大柄な生徒。十傑の中では最も背が高く筋肉質な体格。常に無表情で口数も少ない。勝負事は性に合わず、料理の勝ち負けはいかに客を喜ばせられるかという競争だけでいいと考えており、食戟嫌いの料理人として知られる。ただし、口先だけの者は容赦なく叩き潰す。日本一の料理学校という評判を聞き遠月に入学したが、望まない食戟を毎日挑まれ、あまりのしつこさに売られた勝負を片っ端から受けた結果、いつのまにか第三席にまで上り詰めていた。そのため十傑の地位へのこだわりはなく、自分のラーメンを戦闘の道具にはしたくないと語っている。
得意料理はラーメンで「ラーメンマスター」の異名を持つ。調理時には創真と同様頭に手ぬぐいを巻く。ラーメン道を追及するため、日本全国で屋台を引きながら修行の日々を重ね、その先々で経営難に陥った店を助けたり、ラーメン店同士のいざこざなどを解決してきた。やがて女木島の名は全国に広がり、いつしか日本中のラーメン店主から絶大な信頼を受け、若旦那や組長などと呼ばれるラーメン界の若き王となった。
3年の十傑では唯一薊の方針に反対していたため、一色、久我と共に十傑の権限を剥奪された。創真たちが進級試験を受けている間はラーメン文化を守るために北海道入りし、薊政権の圧力で食材の仕入れに苦しむ店のため、自身の人脈を総動員して流通ルートの確保に努めていた。連帯食戟のメンバーを集める創真の要請をラーメン業界のことだけで手一杯として拒否し、それでも食い下がる彼を「上級生としての躾」名目のラーメン対決で完膚なきまでたたき伏せるが、何度負けても這い上がる執念と「全ての皿が自由である環境を守りたい」という信念を認め、連隊食戟への参加を決意する。第1戦で鏑木を下し、2nd BOUTにも引き続き参戦し、テーマ食材「唐辛子」で竜胆と対決。竜胆の豪快な性格を先読みし、アフリカの調味料「ハリッサ」を大量投入し「チキンムアンバ」をベースとした「アフリカンラーメン」でパワープレイに応じる。敗れはしたが、竜胆の体力を大きく消耗させた。
連帯食戟後、遠月を卒業しパリでラーメンの屋台を開いており、地元民から絶賛されている。
茜ヶ久保 もも(あかねがくぼ もも)
声 - 釘宮理恵[31]
遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第四席→第三席
身長140cm。8月21日生まれ。血液型はB型。好きな匂い、バニラエッセンス。好きな部分、肉球。
十傑では最も小柄でツーサイドアップのような髪型をしており、常にブッチーと呼ばれるネコのようなぬいぐるみ[注 51]を抱いている。ブッチーをぬいぐるみ扱いされると怒る。一人称は「もも」。口数は少ないが結構な毒舌家でもある。人見知りが激しく梁井によると目を合わせて会話が成立するまで軽く1か月はかかるという。ただし時間が経つとかなり口数が増える。気に入った相手に様々なあだ名をつけるが[注 52]、一色によると可愛いと愛でるのは下に見ているからで、あだ名で呼ぶのは自分より格下だと思っている人間だけだと分析している。飛行機が苦手で、進級試験で北海道に向かうときは必死に抵抗していた。
遠月学園当代きってのパティシエ(菓子職人)と呼ばれており、洋菓子和菓子問わずスイーツ作りを得意としており、その繊細な技術と華やかな美的センスを生かした菓子作りで十傑入りを果たした。茜ヶ久保をトレースした美作は「かわいいのカリスマ」と称している。作った料理を自撮りしてその写真をSNSに投稿しており、同世代の女子から絶大な支持を集めている。
幼い頃から可愛いものに対する感性が鋭く、気に入ったグッズが軒並み大ヒットを連発した。やがてその評判を聞きつけた様々な業界関係者が押し寄せ意見を求められるようになった。多くの業界から勧誘されたがそれらを断り、お菓子を作っているときの自分が一番可愛いという理由で遠月学園への進学を決めた。
月饗祭では山の手エリアで売上総合1位を達成。初日の残党狩りでは叡山と同じくD会場に出場し各研究会に完勝した。
連帯食戟では2日目の3rd BOUTに参戦し恵と「りんご」での勝負となる。バラの中でも優美な香りを持つ「ダマスクローズ」を染み込ませた「女王さまの林檎タルト」で恵を破るも、恵の予想外の善戦に機嫌を悪くした[注 53]。続く4th BOUTにも参戦し、えりなと「黒糖」で対決。醤油クリームを塗りつけた「黒糖ロールキーキ城」を披露するも、恵の料理からヒントを得たえりなの料理に敗れた。
連帯食戟後、遠月を卒業し洋菓子店を開いている。
斎藤 綜明(さいとう そうめい)
声 - 小西克幸
遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第五席→第四席
身長186cm。2月11日生まれ。血液型はB型。好きな剣術の構え、八相。好きな映画、太秦ライムライト。
モヒカンと鼻の横一文字の傷が特徴。刀ほどの巨大な包丁「いさな斬り」を常に持ち歩いており、さらしを巻いている。古風な武士口調で話し、武士道を志すあまり他人からすればどうでもいいことにまで武士っぽさを見出しこだわり抜く。食戟でも正々堂々を好み、敵に塩を送ることもある。一人称は基本的に「俺」だが、他の3年の十席からは時々「拙者」も使うと言われており、創真との対決では実際に使っている[注 54]
得意ジャンルは寿司で、当代きっての寿司職人と呼ばれる。愛刀いさな斬りで巨大なまぐろを瞬時に解体する刀工技術を持つ。魚介類の扱いを特に得意としているが、魚介類を生かすあらゆる副食材の扱いにも長けている。そのため寿司以外のジャンルにも精通している。
実家は母親が女手一つで切り盛りする小さな寿司店を営んでおり、常連客も抱えていた。遠月学園への進学後、母のような寿司職人を目指し学業に励む毎日を送っていた。母は地元でも名門とされる老舗寿司屋へ修行に行くものの、男尊女卑の古い習慣が根付く悪質な勤務状況から、無理が祟り過労で倒れてしまう。母親以外の従業員は客前に出せる寿司を握れる技術がなかったことから店を守るべく中等部3年の時に自ら寿司職人として職場に立つようになり[注 55]、子供・学生だからと差別待遇をして因縁をつけてくる相手に職人としての能力を見せつけ、周囲の面々を黙らせてきた。斎藤の過去を知る薊から勧誘を受け、薊の思想に心酔はしなかったが拒否する理由もないことから薊の側についた。
連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「まぐろ」で美作と対決。自身を完璧にトレースする美作を賞賛し、より対等な条件にするべく「いさな斬り」を差し出した。勝負の場では「まぐろ十貫 小玉紅玉寿司(こだまルビーずし)」を披露し、ネタに筋を入れて味を広がりやすくする「隠し包丁」の差で勝利した。司や竜胆同様に体力を削られたが水垢離で神経を研ぎ澄まし、翌日の3rd BOUTでは創真と「バター」で対決となる。オレンジの果汁とレモン汁で作った特製酢飯を使った「海鮮バター丼」で創真を追い込んだが、孤高の道を歩んできた自分とは対照的に好敵手との研鑽を積み重ねた創真の料理の前に、自身の敗北を認めた。
連帯食戟後、遠月を卒業し寿司屋の大将となり、翌年まで予約で埋まるほどの人気店となっている。

学園関係者

薙切 仙左衛門(なきり せんざえもん)
声 - 銀河万丈
元遠月学園総帥[57]。えりなとアリスの祖父[57]
日本の料理界を牛耳る首領[57]。右目の辺りに大きな傷を持ち、長い髭を生やした威圧的な外見の老人。徹底的な少数精鋭主義者であり、学園内では「食の魔王」と呼ばれ恐れられているが[57]、料理に対する審査は公正で、たとえ身内であっても決して贔屓はしない。しかし性格や素行に問題があっても美味い料理を出せれば高評価を与え、退学となった者への救済措置が何一つないため、学園内では成績上位者が気に入らない相手や料理人としての成長スピードが遅い生徒を私情で潰す事を可能としているなど、多くの弊害が生じている[注 56]
日頃の鍛錬から老齢に見合わないほど筋肉質の体格であり、優れた料理を試食した際には上半身を露にする「おはだけ」を披露する。学園行事のチラシやパンフレットを飾るイラストは自身が描いている。
城一郎や堂島とは彼らが学生の頃からの付き合いで、周囲の期待から挫折してしまった城一郎と城一郎の挫折に責任を感じ消沈していた堂島に道を示した。
実娘である真凪が料理に絶望して薙切家を去って以降、同じ神の舌を持つえりなのために極秘裏に「玉の世代」計画を実行する。その過程で城一郎を通して創真の遠月学園への入学を促し、高等部の編入試験を陰から見て創真の実力を知り、えりなが私情で下した不合格判定を取り消して創真を正式に編入させた。秋の選抜では本戦一回戦と決勝戦の審査委員長を務め、創真・黒木場・葉山の三つ巴となった決勝では三者の料理の実力をほぼ互角と見なした上で、最も独創性に溢れた料理人の顔が見える必殺料理(スペシャリテ)として葉山の作品に軍配を上げた。
月饗祭最終日に、突如として現れた薊によって十傑の過半数が寝返ったことにより、総帥の座を追われる。その後、創真の下を訪れ、彼の遠月編入を城一郎に勧めた事実や、えりなの過去や薊の危険性について教え、創真にえりなを助けて欲しいと頭を下げて懇願した。中枢美食機関との連隊食戟に挑むことになった創真たちに3対3の紅白戦を行わせ、創真たちの結束をより確かなものへと導いた。4th BOUT終了後、両陣営が2人ずつになったことで試合形式を一方が前菜、もう一方がメインを担当するコース料理で勝負する形式に変更した。
ローラン・シャペル
声 - 水島裕
遠月学園のフランス料理部門主任を務める講師[58]
「A評価をつける気にはなれない料理は全てEにする」と豪語するなど、学園の講師の中でも特に評価が厳しく[注 57]笑わない料理人」と呼ばれ[58]、プロの業界で活躍中の卒業生たちからも恐れられている。10年ほど前に遠月に赴任し、当時在籍していた四宮たちとは彼らが卒業してからも親しい間柄。
調理演習では創真の実力を認めて笑顔を見せ、A評価を与えた[注 58]。新入生の宿泊研修には引率として同行し、秋の選抜では解説役もしている。「SHINO'S TOKYO」のプレオープン最終日には乾らと共に来店した。
中枢美食機関設立の際は、薊の思想を内心批判しているが、成果を出す彼に対し表立った翻意を示すことができずにいる。
大御堂 ふみ緒(だいみどう ふみお)
声 - 横尾まり生天目仁美(若い頃)
極星寮の管理責任者[26]。寮母を長年務めている老婆。
「極星の鬼婆」と呼ばれる一方、本人は「極星の聖母(マリア)」を自称する[26]。入寮希望者には料理の試験を受けさせ、合格した者のみ入寮を許可する[26]。城一郎や堂島が在籍していた当時も寮母を務めており、二人とは現在でも親交がある。
汐見 潤(しおみ じゅん)
声 - 高橋美佳子
遠月学園教師。遠月学園第73期卒業生[注 59]。極星寮OG。年齢は第45話時点で34歳。
一見中学生と見間違えるほど童顔の小柄な女性[注 60]。髪型はポニーテールで眼鏡をかけている。主に高等部2年の授業を担当しており、授業の傍ら香辛料全般を研究するゼミで教授を務めている。容姿は中学生の頃からほぼ変わっておらず、本人は「昔から美容効果があるスパイスを口にし続けたため」と語っている。スパイスに関する知識が非常に豊富で、史上最年少で学園の教授に抜擢されたほどの天才であり、教授就任後はスパイスの新たな栽培方法の確立や長期保存法の発見など、多くの実績を残している。しかし、日常の生活力はほとんどないに等しく、水やりを忘れてスパイスの苗を枯らしかけたり、来客の応対をすっぽかすなど、助手の葉山からは「スパイスをいじる以外何もできない」と評されている。葉山からは「潤」と名前で呼ばれてタメ口を使われているが、仕事での失敗をよくフォローされているため、頭が上がらない。
極星寮の黄金世代の一員で、堂島と城一郎が高等部2年の時に入寮した。在学当時は事あるごとに城一郎の新作ゲテモノ料理の実験台にされ続けた[注 61]ために彼のことを毛嫌いするようになり、その息子である創真に対しても初対面の際に嫌悪感を示していた。また、その当時はカレーばかり作っていたという。入寮の際にはふみ緒の試験を一発でクリアしており、堂島からも有望視され、十傑にも名を連ねていた(席次は不明)。
中枢美食機関設立後、総帥となった薊にゼミを解体させられてしまい、葉山がゼミを存続させるため薊の下につくことには断固反対したが、自分のために動こうとする彼を止めることはできなかった。進級試験では堂島の招待で密かに葉山と創真の勝負を見届け、勝敗が決した直後に現れるなり葉山をビンタして「研究よりも、葉山が自分の料理を楽しみ同年代の友と研鑽していく風景を見たい」と告げ諭した。
宮里 隆夫(みやざと たかお)
声 - 木島隆一
美食に関する古典文献を研究・分析する「宮里ゼミ」の教授を務める男性教師。1年にして宮里ゼミのエースである丸井の知識と実力を高く評価している。
景浦 久尚(かげうら ひさなお)
声 - 内匠靖明
食戟管理局の局長を務める男性教師。34歳。ハートクラブダイヤスペードが大量にプリントされた特徴的なスーツを着ている。
食戟を神聖不可侵の真剣勝負と捉えており、薊や叡山による食戟を汚す行為には強い憤りを感じている。
西園 和音(にしぞの かずね)
声 - 東内マリ子
遠月学園教務部に所属する女性。眼鏡をかけ、スーツ姿をしている。スタジエールで研修先に派遣された生徒たちを影から観察し、合否を判定している。

薙切インターナショナル

薙切 レオノーラ(なきり レオノーラ)
声 - 大原さやか
アリスの母親で「薙切インターナショナル」の統括者。
白い肌が特徴のデンマーク人美女。日本語があまり分からず片言で話すが[注 62]、美味しい料理を食べた時は、日本人顔負けの発音と早口で流暢な日本語で感想を述べる「おはだけ」を披露する。聡明であるがさばけた性格で、娘同様に子供っぽい一面もあるが、審査の際には堂島や総帥に匹敵するオーラを放つ。
秋の選抜決勝戦では審査員を務めた。
薙切 宗衛(なきり そうえ)
声 - 置鮎龍太郎
アリスの父親で仙左衛門の実の息子。43歳。「薙切インターナショナル」の創設者で、現在は運営を妻のレオノーラに任せ外部との契約・折衝を担当している。
眼鏡をかけたオールバックで細身の男性だが、着痩せするタイプで、父同様に筋肉質な肉体をしている。父と同様、料理審査には私情を持ち込まない堅物だが、妻のレオノーラと娘のアリスをこの上もなく溺愛しており、創真からは「親バカ&夫バカ」と評されるほどで、2人の写真を常に携帯している。優れた料理を試食した際には父同様上半身が露になる「おはだけ」を披露し、さらにおはだけするに相応しい真のハーモニーに満ちた皿を味わった時、薙切家以外の者にも一時的におはだけを波及させ伝え授けるおはだけの上位の技「おさずけ」という現象が起こる。ベルタとシーラからは「ナッサン」と呼ばれている。
進級試験の三次試験における創真と葉山の勝負の審査員を務める。両者の品の出来自体は互角とし、料理に対する情熱の差で創真に軍配を上げた。
ベルタ&シーラ
声 - 田中あいみ(ベルタ)、千本木彩花(シーラ)
「薙切インターナショナル」の研究スタッフを務める少女たち。
共に15歳ながら、優れた大脳生理学の知識と味覚センスを買われレオノーラ直々にスカウトされた逸材。かつて薙切インターナショナルにいたアリスとは仲が良い。宗衛と共に創真と葉山の勝負の審査員を務めた。

中枢美食機関

薙切 薊(なきり あざみ)
声 - 速水奨
えりなの父親。旧姓は中村。遠月学園第71期卒業生。極星寮OB。
色白の肌に白のメッシュと黒のスーツにコート、他人を畏怖させるほどの威圧感が特徴の人物。一見紳士的な人物に見え政治的なパフォーマンスにも優れているが、その発言は慇懃無礼で、自分の意にそぐわない者を容赦なく見下し、反論等は意にも反さない。美食を追及した料理を「芸術」と例えているが、それに値しないものは「餌」と断言し、「真の意味での美食は、限られた者だけの間で価値を共有すべきもの」としている等、選民思想に近い思考をしている。薙切家に婿入りしたことで、薙切家の者が美味なる料理を食すと周囲の者を強制的に「おはだけ」にする「おさずけ」を受け継いでいる。
かつては遠月学園に在籍し、堂島と城一郎の2年後輩にあたる。当時高等部1年生ながら2人に次ぐ十傑第三席の地位におり、翌年には第一席へと昇格し、卒業から数年後に薙切家の令嬢と結婚、婿入りした。極星寮時代の頃を輝かしい思い出のように語っており、『当時の』極星寮には強い思い入れがある。中でも先輩にあたる城一郎を強く尊敬しているが、『現在』の極星寮についてはあまり評価しておらず、叡山の八百長による極星寮潰しも黙認しているなど、昔過ごした寮が潰れようとどうでもいいと考えている模様。また、現在のような改革を行う理由を「才波先輩を駄目にした腐った料理界への救済」と称している[注 63]。また、創真が城一郎の息子だと創真から聞かされた時には、思わず真顔になっていたが、城一郎の息子に改革を見せられることに喜びを感じてもいた。
10年ほど前、えりなの「神の舌」を完成形にするべく、彼女に対して「まずい料理」を容赦なく捨てさせるといった常軌を逸した英才教育という名の洗脳を行っていた[注 64]。その際はえりなの反論は一切認めず、威圧と笑顔を使い分けて徐々にえりなをコントロールしていき、彼女に現在のような料理観を植え込んだ。この件で仙左衛門の怒りを買って、遠月および薙切家を追放された。その後、遠月では彼の存在に関する記録が徹底的に抹消されており、アリスや新戸など薙切家に関係する一部の者には事情を伝えられるも、名前を含め彼の存在に触れることはタブーとなっていた。仙左衛門ですらも、孫娘のえりなの教育を彼に任せてしまったことを「最大の失敗」とまで評している。追放後は、主に海外で活動していたという[注 65]
月饗祭の最終日に、突如えりなの店に姿を現す。現在の遠月の状況を憂いており、遠月を「あるべき姿」に正すべく、十傑の過半数[注 66]を味方に付けて総帥の座に就き、改革を行うことを宣言する。改革として、「全てのゼミ・研究会の解体を行う」と「中枢美食機関の設立」を言葉巧みに提唱し推し進める。叡山による八百長策が打ち砕かれると、研究会・ゼミの解体を懸けた食戟を中立の審査員を立てた状態で全て受けると声明を出した。
えりなが家出した際には強制的に連れ戻すようなことはせずに様子を見る姿勢でおり、極星寮を訪れた際に対面した際には寮の面々にえりなを仲良くするように頼むなど、上述した冷酷な部分は表立たずに至って普通の父親のように接しつつ、「えりなは必ず僕のところに戻る」と確信して去っていった。
創真ら反逆者を潰すため進級試験の内容を変更し三次試験では十傑を差し向ける。創真から十傑の座を駆けた全面対決を提案されまるで相手にしようとしなかったが、突如現れた城一郎から負ければ自分がお前の下につくという条件を提示され創真達との連隊食戟に応じる。後日、ルール決めの打ち合わせでえりなに自分の元に戻るよう迫るが拒否され、負ければ一生中枢美食機関のために尽くし二度と逆らわせないと宣言する。連隊食戟の4th BOUTの途中に突如WGOの執行官デコラとクラージュを引き連れ審査委員に割って入り、FINAL BOUTでも引き続き審査を務る。自身が見込んだ司の勝利を確信し、えりなの料理を不純物と称し頑なに認めようとしなかったが本能には逆らえず敗北を受け入れた。
相田 ショーン(あいだ しょーん)
声 - 興津和幸
薙切薊の側近を務める男性。薊に対して自分が何を言ってもまるで聞かないと愚痴を漏らしている。えりなが家出したことで味見役の仕事をキャンセルするのに頭を下げて回ったという。
広井(ひろい)
声 - 勝生真沙子
遠月学園の講師を務める壮年女性。
中枢美食機関側の立場で進級試験の一次試験では創真・恵・黒木場・アリス・吉野を担当し、班別による「鮭料理」のお題を出す。同じく担当となったえりなから創真ら反逆者勢を引き離したうえでチームにまとめ、産卵を終えて体力が落ち通常食用に使わない「ホッチャレ」をあてがったが、瞬間凍結法の一つ「ブライン法」で保存された季節外れに取れる貴重な「トキシラズ」を短時間で仕入れた創真らの機転により失敗した。
遠藤(えんどう)
声 - 上田燿司
遠月学園の講師を務める中年男性。
広井同様中枢美食機関を支持しており、進級試験の二次試験では個人による「麺料理」のお題を出す。事前に受けた広井からの助言で反逆者勢の順番を後回しにし、小麦粉などの麺の材料が残り僅かな状態で彼らを試験に臨ませる。さらに天気予報で把握していた大吹雪を利用して外部からの食材調達を封じたことで彼らの不合格を疑わなかったが、じゃがいもを残していたことが仇となり、それを活用した豪雪うどんによる合格を嫌々ながら認めた。

遠月学園関係者

遠月リゾート

佐久間 時彦(さくま ときひこ)
声 - 大川透
遠月リゾート給仕長メートルドテル[59]
眼鏡をかけたオールバックの中年男性。リゾートのサービス部門を率いている[59]
瀬名 博巳(せな ひろみ)
声 - 松風雅也
遠月リゾート副料理長[59]
堂島の右腕と呼ばれている[59]若い男性で、宿泊研修のビュッフェ課題の審査員を務めた。窮地を挽回した創真の腕前を高く評価し、リクルートしようとしたが断られた。
徳蔵(とくぞう)、耕助(こうすけ)、久作(きゅうさく)
声 - 田中完桐場康一青山穣
遠月リゾートが提携している食材生産者[59]。通称「鶏卵の徳蔵」「さやいんげんの耕助」「ナチュラルチーズの久作」[59]
遠月リゾートに関わっているだけあって審査員としても厳正な判断を下すことができ、その迫力は学生たちをたじろがせているが、3人とも恵の作る「うずらの卵を使ったおでん」にほれ込み、彼女に高評価を与えた。また、創真は審査を受けた後、スフレオムレツの失敗で多くの卵を無駄にしたことを詫びたが、徳蔵は創真が将来自分の店を持った時に徳蔵印の卵を贔屓にしてくれることを条件に快く許した。
宮野 朱里(みやの あかり)
遠月リゾートが提携している食材生産者の家族である小学4年生の少女。遠月学園の宿泊研修の審査員として招かれた、一般客の1人。
引っ込み思案な性格で、単行本のデータによると少女漫画を読むのが好きとのこと。気弱な性格が災いして宿泊研修のビュッフェの食事になかなかありつけずにいたが、創真の鮮やかなフライパン捌きに魅せられて彼のスフレオムレツを食し、その味を喜んだ。これをきっかけに、それまで全く無視されていた創真の前に大勢の人々が集まり始め、彼は宿泊研修の最大の危機を乗り切ることができた。

秋の選抜審査委員

千俵 なつめ(せんだわら なつめ)
声 - 日笠陽子
カレーメーカー「ハウビー食品」CEO。「秋の選抜」Aブロック審査委員長。
高飛車な雰囲気をした色気のある女性で、年間2千億円と言われる日本のカレービジネス市場の頂点に君臨する通称「カレーの女王様」。右目の下の泣き黒子が特徴。双子の妹であるおりえと共にハウビー食品の創業者の孫として生まれ、同社の商品「カレーのプリンセス」のパッケージに出演したことでカレー業界へ足を踏み入れ、同社のトップまで登り詰めた。あらゆるカレーを知り尽くしており、国民食として完全に成熟した日本のカレー産業の現状に退屈を感じている。
叡山の誘いでカレー料理がお題となった秋の選抜審査員に招かれる。生徒によっては容赦なく0点評価を下すなど、他の審査員以上に厳しい評価を下していたが、創真を始めとする一部の実力者のカレー料理には圧倒されていた。
千俵 おりえ(せんだわら おりえ)
声 - 日笠陽子
「ハウビー食品」COO。なつめの双子の妹。「秋の選抜」Bブロック審査委員長。
なつめとは対照的に悶々とした性格。左目の下の泣き黒子が特徴。気に入った人材を引き抜こうとしており、一色にも目をかけている。
喜多 修冶(きた おさじ)
声 - 武虎
「秋の選抜」Bブロック審査委員。
超一流の文化人や財界関係者しか入会できないという「喜多ガストロノミー倶楽部」の主催者。関西弁を話す豪放な雰囲気の太った男性。
安東 伸吾(あんどう しんご)
声 - 竹本英史
「秋の選抜」Bブロック審査委員。
食文化全般を扱う作家・エッセイスト。痩せた体格で神経質な雰囲気の眼鏡の男性。彼の紡ぐ文節一つで店の衰勢が決まると言われている。
月饗祭最終日に突然えりなや緋沙子たちの前に姿を現した薊に、招待客の中で一番最初に気づいた。
港坂 巻人(みなとざか まきと)
声 - 家中宏
「秋の選抜」Aブロック審査委員。
人気TV番組「チューボーですか?」エグゼクティブプロデューサー。審査員としての料理を評価する能力は確かであるが、自分の価値観に対し悦に入っている節がある。自身や千俵以外を除く香田を始めとする3人の審査員達が葉山よりも創真の料理を評価した際は、逆上して暴言を吐きながら香田に掴み掛かるなど、礼節に欠けている醜態を見せ、香田からは審査員としての価値を否定された。
香田 茂之進(こうだ しげのしん)
声 - 梅津秀行
「秋の選抜」Aブロック審査委員。
美食家。口ひげを生やした細目の男性。審査員としてはきわめて公平に評価を下す人物で、予選のカレー審査では、スパイスのみを重点に評価している千俵や港坂と異なり、「一皿の満足感」を重点に置いた結果、葉山よりも創真の方を高く評価していた。その結果、千俵や港坂に反発され、特に港坂からは暴言だけでなく乱暴に掴み掛かられてまでいるため、「もう審査員を辞めたらどうかね!?」と反論している。
大泉 柿之進(おおいずみ かきのしん)
声 - 小形満
和食興産会会長。「秋の選抜」本戦第1回戦での審査員。
小柄で白ヒゲを生やした老人。コピー料理を出す美作に激怒していたが、彼が出したデザートを食べた際にはその実力を認めて美作に票をいれた。薊政権には否定的で中枢美食機関の残党狩りが開始された際には中立の審査員となり、公正な審査を下そうとするも、あまりの実力差に中枢美食機関側に票を入れた。
早乙女 星周(さおとめ せいしゅう)
声 - 加藤将之
日本美食協会理事。「秋の選抜」本戦第1回戦での審査員。
痩せ身で眼鏡をかけた男性。大泉と同じく「秋の選抜」本戦第1回戦と残党狩りD会場の審査員を務めた。

スタジエール関係者

アベル・ブロンダン
声 - 山下誠一郎
「SHINO'S TOKYO」料理長。
四宮の右腕でもある男性シェフ。四宮がプルスポール勲章を受章する前から「SHINO'S」に勤めており、彼のことを尊敬している。そのため、後輩というだけで四宮と親しげにする創真を快く思っておらず、きつく当たっていたが、徐々に彼の姿勢を認めるようになる。「SHINO'S」本店では副料理長を務めており、一時期スランプに陥っていた四宮に意見を出した際は全く聞き入れてもらえなかったが、その後に実力を評価されて「SHINO'S TOKYO」の料理長に任命された。
名前が判明したのは単行本第14巻だが、単行本第4巻第26話の四宮の回想シーンと小説版第1巻の四宮のエピソードにも登場している。
高 唯(カオ ウェイ)
声 - 渡辺明乃
「SHINO'S」本店サービス責任者を務める女性。
開店して落ち着くまでの間、本店から「SHINO'S TOKYO」の手伝いに来ていた。半年前までは本店の肉料理担当だったが、新作コンペで作った品が2年間で一度しか採用されなかったため、「客と接することで見えてくるものがあるかもしれない」との考えから、サービス担当へ移った。しかし、料理人としての努力を怠ったことは1日もない。
リュシ・ユゴー
声 - 新井里美
「SHINO'S」本店肉料理担当シェフ。
そばかすが特徴の女性。日本語には慣れておらず時々語尾がカタカナになる。アベル、高と同様本店のスタッフであり、開店して落ち着くまでの間、「SHINO'S TOKYO」の手伝いに来ていた。明るい性格だが、厨房では厳しい面を見せる。本店で高の後任となった肉料理担当は彼女のおこぼれで就いたわけではなく、自身の血の滲むような努力によるものである。
三田村 衛(みたむら まもる)
声 - 川田紳司
洋食店「洋食の三田村」3代目オーナーシェフ。
料理人としての腕は良く地元客からの評判は良好であるが、半年前に最寄り駅へ新幹線が止まるようになってからは乗客前の客が殺到するようになり、注文品の調理や厨房とホールの連絡や追いつかない状況が続いていた。スタジエールで研修に来た創真と緋沙子の協力で一度は店が機能するようになったが、彼らがいなくなると元の状態に戻ってしまうことについて創真から「どんな店にしたいのか」と問われて彼の提案を受け入れ、古くからの客を優先的に受け入れる完全予約制とし、店を立て直すことに成功した。
傘山(かさやま)
声 - 山口太郎
本格フレンチレストラン「エクセラン」料理長。
近々1つ星を取る店の料理長ということもあってかなり独善的で傲慢な性格をしており、厨房を「俺の城」と称している。当初は研修に来たえりなと恵を邪険にしていたが、えりながあっという間に厨房を掌握したうえ、恵からも料理の改善点を指摘されたことで完全に立場を失った。
藤井 智也(ふじい としなり)
料亭「藤雨」12代目店主。
毎年スタジエールを断っていたが、仙左衛門からの紹介状で生徒を受け入れる。研修に来たタクミに対し見込みがないなら1週間庭の掃き掃除をさせるつもりだったが、彼の強い熱意を感じ取り調理場に入れ仕事を与えた。

WGO執行官

薙切 真凪(なきり まな)
声 - 坂本真綾
WGOの全執行官を統括する特等執行官(ブックマスター)にしてえりなの実母。
えりなと同じく「神の舌」の持ち主だが、その鋭すぎる味覚故に現状の料理に絶望し、まともに食事を摂ることができなくなってしまった。栄養補給は点滴で行っているが、それが切れると倒れてしまうほど身体は衰弱している。
この症状を発症したことで遠月を離れており、家族とも疎遠になっている。
アン
声 - 堀江由衣
WGO一等執行官。
長髪の若い女性。教本に載っていない店に対しては哀れむような視線を送るが、載っていなければこれから載れるように励めばいいと考えている。審査に星の有無は関係なくあくまで皿の上とし、創真を罵倒した生徒達を一喝している。デコラとクラージュから指導を受ける以前垢抜けて今とはまるで別人だった[注 67]
審査のためにWGOの教本を大量に持ってきたが、内容は全て頭の中に入っているという。また日本の慣用句辞典など料理に関係ない本も多く混ざっている。酒に弱く一口含んだ程度で呂律が回らなくなるが、味覚と神経がより鋭敏になり、深く味を見極め厳正な審査を行えるという特殊な性質を持つ。
中枢美食機関側と反逆者の連帯食戟の審査員として招かれ、デコラたちの途中参加に驚きつつも中立の立場で審査を行った。
BLUEでは真凪の世話と全体の進行を担当している。
デコラ
声 - 小林ゆう
WGOの執行官。
褐色肌の女性。アンの先輩でかつてクラージュと共にアンを指導した。薊の思想に心酔しており、連隊食戟の4th BOUTで審査員に加わる。
クラージュ
声 - 柚木涼香
WGOの執行官。若い白人女性。デコラと同様薊に心酔している。
シャルム
声 - 野島健児
WGO二等執行官。若い白人男性。
イストワール
声 - 竹内良太
WGO二等執行官。眼鏡をかけた黒人男性。
ランタービ
声 - 井口裕香
WGO二等執行官。BLUE予選「第二の門」以降の審査員と司会を担当する(アニメ版では第一の門から登場している)。
トランシャン、マテュリテ、エソール
声 - 飛田展男(トランシャン)、仲村かおり(マテュリテ)、Lynn(エソール)
WGO執行官。BLUE予選「第三の門」及び本戦の審査員。
ディナミス
声 - 藤原夏海
WGO執行官。イストワールの妹。

真夜中の料理人

才波 朝陽(さいば あさひ)
声 - 福山潤
「裏の料理人」の中でも頭角をあらわしている青年。
かつて城一郎がアメリカ滞在中に面倒を見ていた弟子で、実の親同然に彼のことを慕っていたが、15歳のときに城一郎が妻を亡くし創真の面倒を見るため日本に戻ってしまったことから、城一郎の実子である創真に強い嫉妬心を抱いている。
「神の舌」を我が物にするため、「鈴木」の偽名で遠月に講師として潜り込んでえりなと接触し、食戟で創真を負かして以降は執拗に結婚を迫っている。
異なる種類の調理器具を組み合わせ、元の使い手の調理技術をトレースする「クロスナイブズ」の使い手で、食戟で負かした料理人から調理器具を巻き上げては自らの料理に取り入れている。
モナールカ
大柄な白人の青年。日本の温泉街に旅行者を装って訪れ、「客は王様」という持論から、気に入らない料理を出す老舗旅館の板前に食戟を仕掛けて調理器具を巻き上げ休業に追い込んでいた。
えりなからの要請で事態に介入した恵と食戟を行い、自身が得意とする「高級食材」を用いた料理をぶつけるが、恵が作った故郷の味であるガンボに感動し完敗。改心し恵を「ママ」と呼び慕うようになった。
その後、朝陽に敗北し包丁を奪われており、朝陽の意向で恵を負かすために使われることになった。
サージェ
声 - 櫻井浩美
軍服を着た女性で、「軍曹(サージェント)」の略でこう呼ばれている。調理専用に改良された武器や兵器を調理器具として使う「兵装料理(ディッシュ・アームド)」の使い手。
マルカンタ
声 - 林大地
ピエロのような姿と言動の男性で、通称「調理場ピエロ」。2つを合わせることで球体となる特殊な鍋を用いたサーカス芸のような「見世物料理(ディッシュ・サーカス)」の使い手。
クロード・ビル
通称「赤黒(しゃくこく)の処刑人」。あらゆる食材の血を調味料として使う「血液料理(ディッシュ・ブラッド)」の使い手。
バニーヘア
声 - 井澤詩織
ウサギの被り物を被った女性で、通称「跳ね回る狂気」。ギロチンで食材を虐げることで旨みを増す「加虐残虐料理(ディッシュ・サディズム)」の使い手。
トミー・リボルバー
声 - 榎木淳弥
逆立てた髪にメッシュを入れた男性で、「六連装グリル」の使い手。
ドン・カーマ
声 - 津田健次郎
ノワールの一人。オネエ言葉を話す中年男性で、自分の息のかかった多数のサポートメンバーとの連携調理を得意とする。
煌 觜汪(こう しおう)
声 - 小林親弘
ノワールの一人。逆立った髪と仮面が特徴の男性。中国の南北朝時代から植物・魚介・昆虫などの有毒成分を用いた暗殺術によって暗躍し、時代の影で歴史を動かし続けた暗殺者家系の出身で、調理法に転用された膨大な暗殺知識や技術を正当に受け継いでいる。特に手指に1本ずつ装着した小さな鉤爪状の刃物「墨劉爪」の先端にはそれぞれ味の五大要素である調味料分が門外不出の絶妙な調合で染み込ませており、それらを駆使した「毒物料理(ディッシュ・ヴェノム)」の使い手。
時山 兵五郎(ときやま ひょうごろう)
声 - 土師孝也
元ノワールの老人。戦後の闇市からノワールのキャリアを積み重ね、日本の裏社会における会食を長年取り仕切ってきた実績を持つ。
現在は老いと病により余命いくばくもない状態であり、自身の最後の晩餐となるに相応しい料理を味わうためにBLUE予選「第一の門」の審査員となる。表の料理人には期待していなかったが、創真の料理を食べたことで生きる気力を取り戻す。

創真の関係者

倉瀬 真由美(くらせ まゆみ)[60]
声 - 加隈亜衣 / 林沙織(VOMIC)[11]
創真の幼稚園の頃からの幼馴染である少女。
幼少期より料理に携わって「ゆきひら」を手伝っていた創真を意識していたが、容姿に自信が無いことから、その想いを打ち明けることはできずじまいだった[60]。ただし、創真からは「責任感の強い人物」として明確に記憶されている。
遠月学園での合宿を終えて連休で帰郷してきた創真と再会し、寂れた商店街を盛り返そうとする彼に協力することになった際には、チラシの製作など自身にできるやり方で創真のサポートを行った。盛り返しに成功した後、創真の頼みで「とみたや」でアルバイトをすることになる。
小金井 アキ(こがねい あき)
声 - 藤井ゆきよ
創真の中学生時代の同級生で、真由美とは親友の間柄。
創作料理で何度も真由美を気絶に追い込んでいる創真に呆れながらも、彼に想いを寄せる真由美を応援している。創真が帰郷して商店街を盛り返そうとした際には、相変わらず内気であった真由美の後押しをしている。
富田 友哉(とみた ゆうや)
声 - 川田紳司
弁当のとみたや2代目店主兼すみれ通り商店街現商店会長。
眼鏡をかけた若い男性。立場とは裏腹に気弱で頼りない[注 68]。リニューアルオープンした駅ナカ施設に客足を奪われたことで店の売上が激減し、意気消沈していたが、創真が考案した「すみれ印の唐揚げロール」により店の立て直しに成功する。その後、遠月へ戻るために普段は手伝うことができない創真から唐揚げのレシピを託された。月饗祭では創真からの依頼で彼の屋台にイベント用のベンチを提供した。
幸平 珠子(ゆきひら たまこ)
声 - 甲斐田裕子
城一郎の妻で創真の母。故人。
元スケバンという経歴を持つ勝気な女性で、高校を出てからは父・計量が店主を務める「ゆきひら」を手伝っていたが、料理の腕はお世辞にも良いとは言えず、たまたま来店し彼女の料理を食べた城一郎を悶絶させるほどだった。
しかし、「自分がやりたいようにやる」、「客の楽しそうな顔が見られればいい」という彼女のポリシーが城一郎の料理に対する情熱を蘇らせ、やがて彼と恋仲になり結婚し創真を授かる。
創真が料理をするようになったきっかけであり、彼の料理人としてのルーツだったが[61]、本人も知らないうちに先天的な心疾患を患っており、創真がまだ小学生のときに発症、病気の発見からわずか1ヶ月後に他界した。

その他の登場人物

峰ヶ崎 八重子(みねがさき やえこ)
声 - 千葉泉(アニメ・VOMIC)[11]
第1話で「ゆきひら」を訪れた地上げ屋の女性。巨乳。高飛車な性格で、マンション建設のために「ゆきひら」の立ち退きを迫り、部下たちに嫌がらせを行わせる。食材を使い物にさせなくさせ、その状態で手元にある食材で作ったもので納得をさせなければ立ち退きをさせるという脅しもかけたが、実際に作った創真の絶品な料理に魅了され、地上げを断念した。
この魅了シーンは、アニメ版の第1話本放送時に実施された「視聴者が選ぶ名シーン」で第1位を獲得している[62]
二階堂 圭明(にかいどう よしあき)
声 - 古川慎
創真が受けた編入試験に参加を予定していた少年。フランス料理店の跡取り息子でプライドが高く、大衆食堂出身の創真を見下していたが、えりなが試験官だと知ると、自信をなくして青ざめて泣いてしまい、創真を除く他の受験者同様逃げ帰った。
マクフリー・マクラクラン
声 - 山本格
城一郎の友人でニューヨーク在住の精神科医。肥満体型の美食家で独身。城一郎がNYに滞在する際は毎回彼を自宅に泊めている。
中百舌鳥 きぬ(なかもず きぬ)
声 - 久川綾
唐揚げ専門店「もず屋」の女社長。
京都に本店を構え、関西全域に展開する「もず屋」のトップを務める。関西弁と細目、そして怒った際には爬虫類のようなタッチで描かれる長い舌が特徴。性格はかなり腹黒く、ビジネスパートナーである叡山のことも内心では見下している。
叡山のコンサルティングにより全日本唐揚げ協議会で、3年連続金賞獲得という史上初の偉業を達成している。東京の駅ナカ惣菜店に出店し、商業施設の目玉となるほどの大盛況ぶりを見せるが、創真が手掛けた「すみれ印の唐揚げロール」に客足を奪われ、売上が急落してしまったことで、叡山の怒りを買ってしまった。
小説版では、飴屋事業に進出してすみれ通り商店街の夏祭りに勝手に参入し、唐揚げの仕返しに子供客を奪おうと画策するが、商店街に再び助太刀した郁魅の奮闘で客を奪い返され、失敗した。

用語

遠月学園関連

遠月茶寮料理學園(とおつきさりょうりょうりがくえん)は、東京都内にある日本屈指の名門という設定の料理学校。通常は単に「遠月学園」と呼ばれる。中等部と高等部の各3年制。制服は男女共にブレザー
非常に厳しい少数精鋭教育で、高等部の1000人近い新1年生のうち2年生に進級できる者は全体の1割にも満たず、卒業者は、遠月十傑を除いてわずか数人から十数人しかいない徹底した実力主義の教育方針を採る[57]。学園に在籍しているだけで料理関係者からは一目置かれ[注 69]、たとえ中退しても学園に在籍していたというだけで料理人としての箔が付き、卒業まで至れば一生料理界のスターダムを歩めるという[57]
在校生の多くは一流料理店や食産業の子息・令嬢など家庭的に裕福な者で、自分の地位や実力に鼻をかけた自己中心的でエリート意識の強い生徒が多く、大衆料理など庶民文化を格下と見ていることに加え、創真やアルディーニ兄弟のような現場経験者や極星寮の面々のような特技を持つ生徒は少ない。そのため多くの生徒は虚栄心が非常に強く、同級生同士であっても敵視して足の引っ張り合いまでする生徒が多数いる。さらに料理人としての成長速度に関係なく現在の能力のみを評価対象としており、条件さえ整えば成績上位者側の私情で気に入らない相手を能力の有無に関わらず追い込む事が可能など[注 70]、料理の腕を重視するあまり、道徳的な教育が疎かになっているなど、教育機関としては杜撰な体制も多くみられる。この点はクーデターを起こした薊からも言及され、成績下位の生徒たちが彼の思想に賛同する原因となっていた。この風潮は城一郎や堂島が現役の頃からあり、城一郎も名家出身者達に因縁を付けられていた。
広大な敷地面積を有し、学内にはさまざまな施設がある[26]。学習内容は料理の基礎技術や食材の知識だけでなく、栄養学公衆衛生学栽培概論経営学など多岐にわたる。料理学校としての歴史は長く、創真ら現高等部1年生は第92期生である。授業は一般の高校と違い、大学のように各生徒が授業ごとに教室を移動する「教科センター方式」を採用している。授業形式は食材やジャンルのテーマごとに料理を創作する授業と決められた料理を制限時間内に完成させる授業の2種類だが、「中枢美食機関」発足後は創作する授業が廃止される。
総帥を頂点とし、教育部門の「遠月学園」、食材の管理・流通を担う生産部門、観光部門の「遠月リゾート」、研究部門の「薙切インターナショナル」、他に海外部門・広報部門・総務部門といった組織で構成されている。食に関するあらゆる業界に強い影響力を持ち、食に携わる者で遠月の名を知らない者はいないといわれる。
食戟(しょくげき)
遠月学園伝統の料理対決による決闘。学園の生徒間で生じた争いの決着を付けるために行われる[24]
食戟に挑む者は自身の立場に見合った「対価」を差し出さねばならず、勝負に負けた者はその「対価」を取られて学園内の地位や権限を失う[24]
食戟を実施するには、「正式な勝負であることを証明する認定員」「奇数名の判定者」「対戦者両名の勝負条件に関する合意」が必要とされる[24]。また、「素材の調達も料理人としての技量のうち」という理由から、使用する食材や調理器具などは全て対戦者本人が用意しなければならない[38]。対決テーマは双方の得意ジャンルの中間地点に折り合いをつけて決めることが多いが、合意があればどちらかの得意ジャンルにすることができる。決着がつかない場合、後日に再試合を行う。なお、食戟の勝敗や日時、互いが賭けた条件は全て公式に記録され、食戟管理局に保存される。
遠月学園の事項の中でも重要視あるいは「聖域」のような扱いとなっており、薊政権下で改革が進んでも、学生達が「私達にはまだ食戟がある」と言われるほど希望を抱かれている。
連隊食戟(レジマン・ド・キュイジーヌ)
一騎打ちではなく集団対集団による変則的な食戟。
両陣営の任意の者同士が勝ち抜き戦方式で勝負し、最後まで残った側が勝利となる。陣営の人数は同じである必要はない。また普通の食戟と違い仲間の調理を手伝うことが認められ、チームワークが勝敗を左右しうる。
遠月十傑評議会(とおつきじゅっけつひょうぎかい)
遠月学園の最高意思決定機関。学内評価上位10名の生徒たちにより構成される委員会[29]。通称「十傑」。
総帥の直下の組織で、彼らの決定には講師陣も逆らえないという[29]。物語開始当初のメンバー構成は3年生5人、2年生4人、1年生1人。その会議はラウンドテーブルで行われる。十傑に選ばれる評価基準は、授業成績、合宿などの行事で上げた実績、学園への貢献度など多岐に亘るが、特に「食戟の戦績」が最重視される。十傑の順位変動は席次を賭けた食戟により変動するが、逆に言えば席次を賭けなければ十傑でない者が食戟で十傑に勝っても即十傑になれるわけではない。アリスによるとメンバーは主に「秋の選抜」の本戦出場経験者から選ばれている。十傑の中でも第一席の獲得は特に難しく、女子生徒で第一席経験者は、学園の長い歴史でも数えるほどしかいないという。第一席獲得者は、月天の間に肖像画が飾られる。
十傑メンバーは学園が持つあらゆる権限・財力の一部を手中にできるとされ、料理のために遠月の莫大な予算を行使でき、高級食材や最新の調理器具・設備、数世紀前の希少なレシピやオークションで数百万の値がつく古典料理書にもアクセスが可能とされる。また、それらの権限は席次が第一席に近づくほど行使できる権限は増大していくが、中には権力を行使して気に入らない相手を私情で学園から追い出そうとする者もいる。
中枢美食機関発足後、新総帥となった薊の方針に反対した女木島・一色・久我の3人が除名され、サバイバルを勝ち抜いた葉山・白津・鏑木の3名が新たに十傑に加わる。進級試験中に葉山が薊との契約違反による退学と同時に除名され、えりなが十傑を返上する。
連隊食戟で反逆者側が勝利したことで、十傑の座が総入れ替えとなり、退陣となった薊に代わり、えりなが新総帥に就任する。進級後は退学撤回となった反逆者側の生徒、学園残留が認められた中枢美食機関側の生徒も加わった新体制の十傑となっている。
極星寮(きょくせいりょう)
遠月学園の学生寮。大御堂ふみ緒が管理している。
かつては多くの十傑を輩出し、十傑全員が寮生だった黄金時代が存在した[29][24]。現在では生徒の多くがマンションを借りて生活するために入寮者は少なくなり、「変わり者の巣窟」と呼ばれるが[26]、寮生の実力は確かである。現在の寮生のうち、一色慧のみが高等部2年生、その他は全て同1年生[29]。幸平の歓迎会が行われた際には一色の誘いを断って欠席した寮生がいるとの会話があったが[29]、その後も彼らが登場することは無く、アニメ版ではそのシーンがカットされる。ふみ緒によると、20年以上前(堂島と城一郎が在学していた頃)が全盛期で、この2人が中心に食戟で土地を奪っては敷地面積を増やし、暖房設備の投資などもまかなっていた。そのうち、極星寮だけで独立採算制[注 71]を取り、城一郎によればもはや「独立国家」のようであったという。当時、快進撃を続けていた黄金時代の極星寮は多くの生徒から逆恨みされ、襲撃を受けることがたびたびあったという。その名残で現在もバリケードやゲバ棒などの防衛設備が残る。
研究会
遠月学園に多数存在する、テーマごとに料理を研究する部活動のような団体[17]。ちゃんこ鍋研究会[24]、郷土料理研究会[17]、丼物研究会[17]、立ち食いそば研究会[39]、串打ち研究会、中華料理研究会、ショコラ研究会、スペイン料理研究会、最先端研究会などがある。一定の成果を出していない会は取り潰される。
宿泊研修
遠月学園高等部の1年生全員が参加する強化合宿[25]。遠月リゾートホテルの1つ「遠月離宮」で行われる[45]
毎日過酷な料理の課題が出され、低評価を受けた生徒は即刻退学を言い渡される地獄の合宿[25][45]。合宿の講師陣には、料理界の第一線で活躍している学園の卒業生たちも含まれる[45]。学園卒業生以外にも、遠月リゾートのスタッフ、リゾートが提携する食材の生産者とその家族が審査員を務めることもある[59]。卒業後のリクルートも兼ねており、オーナーシェフの卒業生には在校生の品定めができるメリットがある。創真の学年では、新入生980人中352人がこの研修で脱落し、628人が生き残ったとされている。
遠月リゾート
遠月学園の観光部門で、富士山芦ノ湖を望むリゾート地において、十数軒の高級ホテルや旅館を経営する[45]。トップは遠月OBの堂島銀。
薙切インターナショナル
美食学と分子料理を牽引した総合研究機関。薙切アリスの父親である薙切宗衛がデンマークを本拠地として設立した。
分子ガストロノミーに基づいた最新の調理技術など、味覚・嗅覚のメカニズムを探求する大脳生理学をも包括しているという。アリスは遠月学園への編入前、14歳までこの研究機関で学んでいた。現在のトップはアリスの母・薙切レオノーラ。
秋の選抜
毎年2学期の初めに開催される、高等部1年生の選抜メンバーが腕を振るい競い合う、遠月学園伝統の美食の祭典。創真の学年で第43回目の開催。
宿泊研修までの成績と将来性から候補者が抽出され、十傑による絞り込みで最終的に60名が選出される。審査員は学園理事や出資者など食の重鎮たちが務める。歴代十傑は、主にこの選抜の本戦出場者たちから選ばれる。えりな十傑であるため、選手としては不参加。
予選は事前に告知されたお題に沿って2つのブロックに分かれて競技を行う。審査員は各ブロック5名で、1人当たり持ち点20点、計100点満点で審査する。各ブロックの上位4名、計8名が「月天の間」で行われる本戦に出場できる。創真の学年で告知された予選のお題は、「カレー料理」。しかし、名の知れた食通である選抜の審査員を唸らせる生徒はごく僅かで、10点未満の生徒もいる。良くても70点か80点台止まりで、90点台はほとんどない。作中の予選では恵を除く本選出場者の7人が90点台をたたき出す。
本選の対戦は抽選で、各カードごとに別々のお題がランダムで決められる。トーナメント方式ではなく、1回戦終了後に組み合わせは再抽選される。一般的な食材と調理器具・設備は会場に完備され、自前の道具持ち込みは自由。また、双方の合意があれば、食戟を行うこともできる。
決勝戦は毎年「秋が旬の食材」がテーマで、審査は総帥を含む遠月学園各部門のトップ3名が持ち回りで務める。
月天の間(がってんのま)
十傑同士の食戟でのみ使用が許される大会場。天井が開閉式で、開いた空に写る月が「月天の間」の名の由来。
敬意を込めて歴代第一席獲得者の肖像画が飾られている[注 72]。 「秋の選抜」本戦の会場でもある。決勝戦は月が写る日没後に行われる。
遠月スポーツ
学園黎明期から続く伝統ある校内新聞。通称「遠スポ」。ほぼ毎日発行される。学内とその周辺のあらゆる情報を網羅し、公式行事の特集、一流シェフへのインタビュー記事、トリビアな情報などを掲載する。
実地研修(スタジエール)
高等部1年の生徒たちが、外部のさまざまな料理の現場へ派遣されるカリキュラム。実施期間は1か月で、生徒たちは各自4か所の派遣先にて1か所につき1週間の研修を受ける。
行き先は高級料理店から食品メーカー、公的機関などの多岐にわたり、実践の空気を学ぶ正式な授業の一環となっている。そこで気に入られてそのまま就職する生徒も多いが、研修は遠月学園への信頼があって研修を受け入れているため、遠月の名を汚すような問題を起こせば退学になることもある。各派遣先には遠月学園の教員が生徒の働きを観察し、合否を判定する[注 73]。合格基準は1週間の研修で「目に見える実績」を残すことが条件で、「現場に与えられる自分」を持っていることが最低ラインとされる。また、現場に変化を与えるだけでなく「現場から何かを奪って帰ること」がスタジエールの意図とされている。創真たち92期生は研修開始時点の504名のうち210名が脱落し、294名の生徒が生き残っている。
スタジエールとはフランス語で「研修生」を意味し、下準備や雑務を担当する料理人のことを指す。「スタジエ」とも呼ばれる。
紅葉狩り会(もみじがりかい)
遠月学園伝統行事の一つでスタジエール終了後に行われる、高等部1年生と上級生たちの顔合わせのための会。参加するのは、秋の選抜で本戦に進出した8名と遠月十傑評議会の現役メンバー10名の計18名。
月饗祭(げっきょうさい)
遠月学園の学園祭。5日間の開催で約50万人が訪れる大規模なフードイベント。毎日各地からツアー客が押し寄せ、学内には無料の巡回バスが回り、国内外から多数訪れる。VIPは学園内の宿泊施設や遠月リゾートがフル稼働で歓待している。それゆえ学園側は宿泊費だけで大黒字になると言われている。学生は許可を得れば個人・団体で模擬店を出店できる。出店場所は学園祭会場の3つのエリアで、より良い出店場所を巡り生徒間で食戟が頻発する。なお、模擬店で赤字を出せば退学となる。ただし中等部の生徒は学園の講師の監督・指導の下でクラスごとに出店し、純利益をだせる計画を立てるように指導される。そこで生徒達は毎年月饗祭で経験やノウハウを得て、個人・研究会での出店に挑戦していくため、よほど無茶な商売をしない限り赤字が出ることはない。フードチケット購入制(松1万円、竹1000円、梅500円)で、その日の夕方にエリア毎の売上ランキングが発表される。
目抜き通りエリア
正面から道なりに続く大通り。仮設テントが数多く並び、学園祭全期を通じて最も人通りが多く賑わう。模擬店の出店場所としては1番人気のエリアとされる。
中央エリア
授業で使われる調理棟が集中している。仮設テントでは提供しにくい専門性の高い料理や特殊な設備が必要なジャンルの模擬店が多く集まる。店舗の大きさも自由に設定可能で、大所帯の研究会などもこのエリアを使用することが多い。
山の手エリア
平均客単価が最も高い高級志向エリア。隠れ家的な建物が点在し、それらをレストランとして使用する。逆に言えば料理人の知名度が無ければ集客は極めて困難とされる。十傑メンバーは主にこのエリアに出店する。他のエリアが閉店しても営業しており、山の手エリアの客はそのまま敷地内か遠月リゾートに宿泊するため、提供する料理はコースディナーが多い。
中枢美食機関(セントラル)
薙切薊の教育メソッドの根幹を為す機関。薊が総帥に就任し創設される。
総帥と十傑評議会を頂点とする。メンバーは薊が選定した生徒達でアザミの花の紋章を身につける。人数は十傑6人を含め30人未満程度。
中枢美食機関メンバーは今まで通り料理の創造を許されるが、それ以外の学生は料理の自由な創造を許されない。薊は「誰もが十傑レベルの料理をすることが出来、退学者も出さない」と美食の「理想郷(ユートピア」と謳い、成績下位の生徒や料理人としての成長が遅い者達にとっては「従ってさえいれば誰でも十傑レベルのアイデア・技術・レシピが得られる」ため賛同者もいる。しかし成績上位の生徒や自身の料理スタイルを確立している者にとっては受け入れ難く、シャペルは「創造を許される者」と「模倣を強いられる者」とに分かれる「暗黒郷(ディストピア」と称する。
「中枢美食機関」の目的は、日本の美食を前に進めるために不出来な品を出す店の殲滅で、学園内で行っている粛正や授業もその前段階だという。
連隊食戟で敗れ薊が退陣したことで機関も解散される。
残党狩り
薊政権の方針に異を唱える各ゼミ・研究会と「中枢美食機関」との食戟の通称。会場はABCDの4会場で数日に渡り行われる。食戟にあたり不正が行われないよう、一色が十傑として以下の薊政権に対する研究会・ゼミ等の解体撤回を賭けた食戟に関するルール(通称「一色ルール」 )を薊に認めさせる。一色は特に第四項を重要視する。
  • 第一項(食戟の開戦) - 解体撤回を望む研究会・ゼミ等は中枢美食機関に対し食戟を挑むことができる。中枢美食機関側は食戟を必ず受けなければならない。
  • 第二項(対決テーマ等) - 事前に研究会・ゼミ側と中枢美食機関側で協議。
  • 第三項(勝敗条件等) - 研究会・ゼミ側が勝利すればその団体は存続。逆に中枢美食機関側が勝利すれば団体は解体。薊政権に従うものとするが、この命令に従わない場合は退学となる。
  • 第四項(審査員の選定) - 審査員は研究会・ゼミ側・中枢美食機関側のどちらからも中立公正な遠月外部者とする。国内の調理協会やフード関連理事会等の会員からランダムに奇数名を選定。選定されてから食戟当日まで、審査員と研究会・ゼミ・中枢美食機関は接触してはならない。仮に接触があった場合、勝負は無効・再勝負となる。
進級試験
高等部1年2学期の最後に控える大イベント。開催地は北海道で南端からスタートし、北へと移動をし続けながら各地で試験をクリアしてゆく。北へ移動することから「ツールドノール」とも呼ばれる。ルートは任意またはランダムで分岐する。試験は6つで最後の試験は礼文島で行われる。進級試験での生徒の移動は遠月学園が所有する豪華寝台列車つきかげ」が使われる。
毎年厳しい試験が課され、91期生は190名のうち76名が退学した。92期生は薊政権により、薊メソッドの授業で習ったやり方を実践すればクリア可能となる。ただし、薊政権に従わない者は容赦なく排除される。
学期末試験
高等部2年1学期の期末試験。海・山・川の3つのコースに振り分けられ、10人1組で3日間の期限で課題をこなす。92期生の海コースは海の家を経営し、3日間で300万円を売り上げることがノルマ。十傑メンバーは1組にまとめられるが、他の生徒よりも厳しい条件が与えられる。

その他の用語

必殺料理(スペシャリテ)
仙左衛門が掲げた料理人が目指す料理の域。
真に独創性あふれる品は、食べただけで作り手の顔が心に浮かぶといわれるもので、得意料理の極致といえる存在。食した者はそれを作り手への敬意を込めて呼び、審査する際には高評価の大きな要因となる。
すみれ通り商店街
創真の実家である「食事処 ゆきひら」がある商店街
商店街としての規模はごく普通で、「ゆきひら」以外にも弁当屋の「とみたや」、金物屋、板金屋、八百屋、精肉店、印刷屋などがある。「ゆきひら」休業後の1か月後、駅の商業施設のリニューアルオープンによって寂れてしまうが、遠月学園の休み中に一時帰宅した創真の策により活気を取り戻す。
カレーのプリンセス
ハウビー食品から1990年に発売されて以来、累計700億食を売り上げたと言われるレトルトカレー界最大のヒット商品。パッケージには、ハウビー食品創業者の孫である幼少期の千俵なつめ・おりえ姉妹の写真が印刷される。
世界若手料理人選手権コンクール(Bishoku・Leading・Under35・Entrance、BLUE)
ニューヨークパリミラノなどで予備選出された世界中の若手料理人が一堂に集う場。ここで勝利すれば、ワールドクラスの名声と未来が約束されるという。
ワールドグルメオーガニゼーション(WGO)
世界中のあらゆる美食店を評価する組織。
執行官(ブックマン)」と呼ばれる実務メンバーが最高三ツ星で味を評価し、その結果を記した書籍「教典(ザ・ブック)」が年に1度発行されている。全ての料理人から尊敬と畏怖を集めており、一ツ星でもその料理人の地位は跳ね上がり、逆に莫大な利益を上げながら星を失ったことで自信喪失し店を畳んだ料理人もいるという。
真夜中の料理人(レ・キュイジニエ・ノワール)
裏社会の料理人。通称「ノワール」。
要人が集まる極秘の会食、裏社会の非合法な催事などで活躍する。社会からはみ出し欲望のまま振るう無頼者や法に触れてでも美味なる皿を追求する悪徳シェフなどが多く、裏社会で莫大な利益を得ているという。

読切版

本作のプロトタイプ。『少年ジャンプNEXT!』2012 SPRING掲載。単行本1巻収録。

創真とえりなの人物設定は概ね連載版と同一だが、こちらでは遠月学園入学後から話が始まっており、えりな中心の描写が多い。

あらすじ(読切版)

遠月学園に編入した幸平創真は、薙切えりなの調理演習に一度も出ていないことを指摘される。だが、創真はえりなの料理を「つまらない」と一蹴したことでえりなや側近の生徒たちから怒りを買い、側近にして「遠月十傑」の1人であるジュリオ・ロッシ・早乙女と食戟を行うことになる。食戟では「卵を使用した料理」というお題のもと、早乙女は「牛ロースのフリッタータ」を作り上げ、創真は「卵かけご飯」を作り上げる。数々のブーイングを受けるも、えりなの舌を満足させた創真が食戟に勝利する。

登場人物(読切版)

幸平 創真(ゆきひら そうま)
遠月学園1年生。16歳。編入して以来、えりなの調理演習に1度も出席していない。連載版とは、顔つきや調理着等が異なる。
薙切 えりな(なきり えりな)
遠月学園の生徒にして、料理指南の最高責任者。16歳。高飛車な性格をしている。自身の調理演習に出席していないことや自身に対して砕けた態度で接する創真を見下すが、創真からは自身の料理を「つまらない」と指摘される。
ジュリオ・ロッシ・早乙女(ジュリオ・ロッシ・さおとめ)
えりなの側近を務める男子生徒。学園のイタリアン部門首席で、各部門の首席達からなる委員会「遠月十傑」の一人。読切版で開催された「食戟」における創真の対戦相手。

食戟のソーマ L'etoile-エトワール-

四宮小次郎を主人公とした本作のスピンオフ作品。ストーリー:伊藤美智子、作画:昭時大紀、原作:附田祐斗佐伯俊森崎友紀による漫画作品。ウェブコミック配信サイト少年ジャンプ+』2015年2月20日から2019年6月21日まで連載。全8巻。

ヴォイスコミック

集英社のヴォイスコミック「VOMIC」として、2013年7月にジャンプ専門情報番組『サキよみ ジャンBANG!』にて放送され[11]、同年8月からVOMIC公式サイトで配信された。

テレビアニメ

2015年4月から9月まで第1期、2016年7月から9月まで第2期『食戟のソーマ 弐ノ皿』、2017年10月から12月までと2018年4月から6月まで第3期『食戟のソーマ 餐ノ皿』、2019年10月から12月まで第4期『食戟のソーマ 神ノ皿』が放送された。2020年4月から第5期『食戟のソーマ 豪ノ皿』が放送中。

監督を米たにヨシトモ、アニメーション制作をJ.C.STAFFが担当する。

ゲーム

食戟のソーマ 最饗のレシピ
スマートフォン向けにバンダイナムコエンターテインメントより2015年8月17日から2017年1月9日まで配信された食戟アクションゲーム[63]
食戟のソーマ 友情と絆の一皿
ニンテンドー3DS向けにフリューより2015年12月17日に発売。ジャンルは「味体験料理バトルアドベンチャー」。
ヨーロッパに浮かぶ孤島で繰り広げられる完全オリジナルストーリーで、創真を主人公に様々なキャラクターと交流したり料理で対決する。

書誌情報

全て集英社発行

漫画本編

なお、英語版『Food Wars! Shokugeki no Soma』は、ビズメディアを経由してジャンプおよび単行本形式で販売されている。

スピンオフ

小説

その他関連書籍

脚注

注釈

  1. ^ 父・城一郎も遠月在学時代にこの部屋を使っていた。
  2. ^ 美味や新しい味に対する執着は勿論だが、不味い料理にも「料理の一つ」として興味を示している(実際にそこから閃いて食した人間が認める「上手い料理」を作ったこともある)。
  3. ^ 創真は変化には気づいていたが原因が気温の低さということは分かっていなかった。
  4. ^ スフレ・レジェは軽いスフレ、グラースはフランス語で「恵」を意味する。
  5. ^ 父親である城一郎や上級生の一色以外で唯一、創真を名前で呼んでいる。
  6. ^ イタリア語で「半月」を意味し、食材を細かく刻むことに長けている。
  7. ^ 白津からは「一色家の落ちこぼれ者」と言われ、本人も否定していない。
  8. ^ 和食にフランス料理の古典的なソースを混ぜる、フォアグラ・トリュフに低温・真空調理、熟成した魚に柑橘類や新鮮なフルーツを合わせるなど。
  9. ^ 内容は一色を含む男子が給仕として赴くホストクラブ風になっているが、客層のニーズをしっかり掴んでいる点に榊と吉野は若干引いていた。しかも売り上げはダントツの黒字であった。
  10. ^ 悠姫と郁魅が作ったチーズ、涼子と丸井が作った日本酒、伊武崎と青木・佐藤が作ったニンニクチップ。
  11. ^ 伊武崎がこの苦境をどのように克服したかについては、作中では描写がない[28]。また、この時一コマだけ目元が見えたが、一色や葉山に勝るとも劣らない端正な容姿をしている。
  12. ^ 名前は単行本第9巻のカバーを取った内表紙で紹介されている。
  13. ^ スタジエールでは、彼らが考案したレシピが派遣先の店の新メニューに加えられている。
  14. ^ 創真と葉山に十傑の席次を賭けた食戟をさせ、創真が勝った後でその席次を食戟で奪おうと目論んでいた。
  15. ^ 本来は不明だが汐見が便宜上この日にした。
  16. ^ アリス曰く「バーサークモード」で、主であるアリスにさえも暴言を吐いたこともある。
  17. ^ ワインを使った煮込み料理。
  18. ^ オリジナルで調合したスパイスミックスに塩や砂糖などの調味料をブレンドしたもの。
  19. ^ サーモンや米などをブリオッシュというパン生地で包み焼き上げる料理。
  20. ^ 休みの日にえりなと一緒にプールに行き、側近の黒木場からは「仲良し」と言われ、巻末エピソードでは昼食を一緒に誘うなど、傍から見るとそれほど仲が悪いわけでもない[35]
  21. ^ 自分で潰した店に笑顔で手を差し伸べ、別のプロデュースを誘ったことがある。
  22. ^ もず屋以外では、経営難にあった老舗旅館の経営の立て直しや高級料亭の新メニュー開発などを手掛けている[36]
  23. ^ あるスイーツのプロデュースでは、酸味や苦味を感じさせやすくするミラクリンを多く含んだ特製ジュースを客に振舞い、無添加スイーツを提供するライバル店の味を狂わせた。
  24. ^ 100人に満たない2年生に名を連ねていたり、1年生の時の合宿やスタジエールをクリアしていることから料理人としての実力は高い。
  25. ^ 下からではなく上火で加熱する調理機器の総称。
  26. ^ コンフィはフランス料理の調理技法のひとつで、油脂を使って低温にてじっくり煮る手法。フラムはフランス語で炎を意味する。
  27. ^ ただし、えりなと同じ薙切一族の一員であるアリスのことは「アリスお嬢」と呼び、一応の敬意を表してはいる。
  28. ^ 幼少期は誕生日プレゼントに母親からもらったクマのぬいぐるみを大事にするなど、普通の女の子らしい面もあったが、強者を求めるだけの父親の強引な教えによって現在のような攻撃的な性格になった。
  29. ^ えりなに見捨てられてからも彼女のことを様付けで呼んでいた。
  30. ^ 恵はこれを「すごい手際がいい」と評している[40]
  31. ^ 創真と同じくらいの身長がある。
  32. ^ 当初、創真と緋沙子がスタジエールで一緒だったことを知った時には呪いの手紙を百通ほど送り付けようと考えるほど、敵視していた。
  33. ^ 作中では燻製料理の技術を披露し、同じく燻製を得意とする伊武崎を歯噛みさせている[42]
  34. ^ 当時は3年生で現在は卒業している女木島を除く。
  35. ^ ただし、あくまで料理技術は定食屋としての技術のみであり、フランス料理のある製法も創真は一色に指摘されるまでそれが定食屋の技術だと思っていた
  36. ^ 堂島は高いステージを要求され続ける現実からの一時の逃避でいわばガス抜きと称している。
  37. ^ 当初、創真との親子関係は、現極星寮の寮生、同期の堂島や総帥の千左衛門などの一部の人物にしか知られていなかったが、後にえりな、薊、緋沙子、アルディーニ兄弟、新体制の十傑である久我、叡山や紀ノ国までもが知ることになる。
  38. ^ 学生時代は短髪を逆立てた髪型をしていた。
  39. ^ 城一郎との食戟では負け越していたが(121戦101敗)、城一郎は授業をサボったり十傑の仕事を投げ出すなど問題行動が多かったため席次では堂島が上だった。
  40. ^ 卒業して数年後に城一郎からの電話で子供ができたことを教えられたが、電波が悪くさらに城一郎がすぐに切ってしまったため「ゆきひら」の名をはっきり聞き取れなかった。
  41. ^ 「プルスポール勲章」は架空の勲章である。
  42. ^ フランス語で野菜を意味する
  43. ^ 本人は特訓に付き合ったのはただの気まぐれで、薊と関わる気はないと主張しているが、自分が誰かを導く番になったとき、創真と恵の顔が浮かんだと振り返っている。
  44. ^ 初対面では「さん」付けであったが、後に「ちゃん」付けで呼ぶようになる。
  45. ^ この他、四宮、関守、梧桐田らも秋の選抜準決勝の審査員の役目を要請されたが、彼らは都合が合わなかったために断っている。
  46. ^ 創真を中枢美食機関に誘ったときも、創真の料理には全く関心がなく、単に自分の助手としてのサポート力しか見ていなかった。小学生時代に授業で絵を描いていたときには、自分の絵をよくするために他人の絵の具を断りもせずに勝手に使ったことがあった。
  47. ^ しかし、久我のことは全く印象に残らず、後日同級生から指摘されるまで思い出せなかった。この様子を見ていた久我は司への対抗意識をより燃やすようになった。
  48. ^ 中等部の頃からこの髪型である。
  49. ^ 昆虫食研究会などの変わった店も食べ歩いた。
  50. ^ 中国の高山、砂漠地帯・北極圏、アマゾンの奥地など。
  51. ^ 腕の部分はミトンになっており、熱い物を持つときに使用している。
  52. ^ 創真は「幸ひゃん」、タクミは「たくみゃん」、恵は「めぐちゃん」、斎藤は「綜みゃん」、久我は「照にゃん」、叡山は「枝津にゃん」など。
  53. ^ このとき恵のことをそれまでのあだ名ではなく、フルネームで呼んでいた。
  54. ^ 本人は自覚しておらず、彼をトレースした美作が「拙者」を使った際には「いくら武士道を重んずる俺でも一人称を『拙者』などとは言わぬ」と否定していた。
  55. ^ この頃はまだ見た目や口調も普通であったが、たまたまテレビで流れてた大河ドラマの影響で現在の風貌・性格となった。
  56. ^ この点は後にクーデターを起こした薊からも指摘され、多くの生徒が薊の思想に賛同する要因となっている。
  57. ^ 田所いわく、ある授業で、ひとクラス50人全員にEを出して、そのうち18人は退学になる暫定をしたことがある。
  58. ^ 本人曰く、本当はA評価以上の点数をあげたかった(が権限がないので出来なかった)。
  59. ^ 4学年上の堂島が69期生であるため。
  60. ^ 初対面の葉山も潤が未成年と勘違いしていた。
  61. ^ 城一郎の方は可愛がっていたつもりでいた。
  62. ^ 第12巻のおまけページでは、早口言葉に挑戦するなど、彼女自身は日本語に興味がある描写がある。
  63. ^ 城一郎が在学時代に挫折してしまったことが関係しているが、ふみ緒は「復讐と何ら変わらない」と批判している。
  64. ^ 蝋燭一本を明かりにした閉鎖的空間で、「うまい料理」と「まずい料理」を比べさせ、まずい料理は屑篭の中に入れさせるというものだった。
  65. ^ 仙左衛門によると富裕層のみで構成された閉鎖的コミュニティの活動をはじめ、アメリカに本部を置いて南アジアや中近東に進出までしていたという。
  66. ^ 司、小林、茜ヶ久保、斎藤、紀ノ国、叡山の6名。
  67. ^ デコラ曰く恵と紀ノ国を足して2で割った野暮ったい感じ。
  68. ^ そのため、郁魅は小西と重ね合わせている(アニメ版では前述の三田村も含め担当声優が3人とも同じ)。
  69. ^ ただし、古くからの仕来りを重視する部門の中には、同学園在籍者でも、学生という理由で調理場に入ることを良く思われないこともある。
  70. ^ この傾向は十傑メンバー(作中では主にえりな、叡山)の派閥に属するなど何らかの後ろ盾がある生徒に多くみられる。
  71. ^ そのため、現学園事務の関係者には極星寮の存在を知らない者もいる。
  72. ^ 作中では堂島と四宮の肖像画が確認できる。
  73. ^ 研修先での生徒は電話での会話やネット掲示板に投稿した内容まで見られており、研修先で問題を起こさなくても、そのような面で問題ありと判断されれば不合格・退学にされる。
  74. ^ 『少年ジャンプNEXT!』2012 SPRING掲載の読切版「食戟のソーマ」も収録。
  75. ^ 『少年ジャンプNEXT!』2011 SPRING掲載の読切作品「キミと私の恋愛相談」も収録。

出典

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以下の出典は『集英社の本』(集英社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

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外部リンク

映像外部リンク
『食戟のソーマ』少年ジャンプ公式PV - YouTube(週刊少年ジャンプ公式が2013年11月25日にアップ)