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また、[[大学受験]]指導にも力を入れ、[[学習参考書]]を多く執筆したほか、[[大学受験ラジオ講座]]の講師を10年間担当し、受験雑誌『[[蛍雪時代]]』の実力養成講座の常連執筆者でもあった。
また、[[大学受験]]指導にも力を入れ、[[学習参考書]]を多く執筆したほか、[[大学受験ラジオ講座]]の講師を10年間担当し、受験雑誌『[[蛍雪時代]]』の実力養成講座の常連執筆者でもあった。


指導者としては旧[[帝大]]、旧二[[文理大学]]のように[[講座制]]を採用している大学における教員の階層が存在する中でのみ他の教員との協力のもとに指導力を辛うじて発揮することができた。そのため、学科制を採用する金沢大学、明治大学ではこれといった後継者を育てることができなかった。
文献学的研究、解釈学的研究を標榜していたがテクスト分析のための学力と才能にはまったく恵まれていなかった。実際、鈴木一雄が編纂した校注類のすべては、教育大学時代のゼミ生某が本務校のゼミで行った成果に対して[[名義貸し]]をしたものである<ref>各著の著者名を確認すれば明記してある。</ref>。
ちなみにいえば、鈴木一雄が好んで用いる「女性視点」という語は、明かに1990年代までの男を主役とし女を補助とみる迷信というべき人間観に則ったものであって、科学の進歩により性別二元論が完全に否定された現在から見直すと単なる[[男尊女卑]]の表明に過ぎないのである。


2002年5月19日、[[脳梗塞]]のため死去。
2002年5月19日、[[脳梗塞]]のため死去。

2020年8月25日 (火) 13:02時点における版

鈴木 一雄(すずき かずお、1922年大正11年)8月26日 - 2002年平成14年)5月19日)は、日本文学者。元十文字学園女子短期大学十文字学園女子大学学長勲三等旭日中綬章2000年)。正四位(2002年6月)。

来歴・人物

東京市本郷区田町に、8人姉弟の7番目の長男として、大工棟梁の家に生まれる。文京区立礫川小学校東京府立第五中学校を経て、1946年(昭和21年)、東京文理科大学文学部国語国文学科卒業。専攻は平安時代文学、とくに物語文学日記文学

東京都立九段高等学校東京教育大学附属中学校・高等学校の教官、東京教育大学文学部助教授金沢大学法文学部助教授・教授、同文学部長。明治大学教授を経て、1991年に十文字学園女子短期大学学長(第3代)に就任、1996年からは十文字学園女子大学初代学長を務め、大学を創設した功績により叙勲を受けた。在職中に死去。

学外での活動としては、NHKラジオ第2放送「古典講読」で1985年4月より「源氏物語」を毎日曜472回に亘り全講し、同じく1997年4月より「和泉式部日記」を毎日曜52回に亘り全講した。

また、大学受験指導にも力を入れ、学習参考書を多く執筆したほか、大学受験ラジオ講座の講師を10年間担当し、受験雑誌『蛍雪時代』の実力養成講座の常連執筆者でもあった。


指導者としては旧帝大、旧二文理大学のように講座制を採用している大学における教員の階層が存在する中でのみ他の教員との協力のもとに指導力を辛うじて発揮することができた。そのため、学科制を採用する金沢大学、明治大学ではこれといった後継者を育てることができなかった。

文献学的研究、解釈学的研究を標榜していたがテクスト分析のための学力と才能にはまったく恵まれていなかった。実際、鈴木一雄が編纂した校注類のすべては、教育大学時代のゼミ生某が本務校のゼミで行った成果に対して名義貸しをしたものである[1]。 ちなみにいえば、鈴木一雄が好んで用いる「女性視点」という語は、明かに1990年代までの男を主役とし女を補助とみる迷信というべき人間観に則ったものであって、科学の進歩により性別二元論が完全に否定された現在から見直すと単なる男尊女卑の表明に過ぎないのである。

2002年5月19日、脳梗塞のため死去。

年譜

著書

  • 堤中納言物語要解』(文法解明叢書) 有精堂出版, 1955
  • 『文法設問 大鏡の解釈と鑑賞』(国文解釈と鑑賞叢書4) 有精堂出版, 1958
  • 『古典(古文・漢文)』 旺文社, 1965
  • 『例解古文重要単語』(シグマ・ベスト大学受験必携) 文英堂, 1965
  • 『古典の基礎』 旺文社, 1967
  • 『精講古典国語』学生社, 1967
  • 『旺文社学習古語辞典』旺文社, 1969
  • 『たったひとりの世の中』(至文堂選書) 至文堂, 1973
  • 『堤中納言物語序説』 桜楓社, 1980
  • 『平安時代の和歌と物語』 桜楓社, 1983
  • 『物語文学を歩く』有精堂出版, 1989
  • 『王朝女流日記論考』至文堂, 1993

校注・編纂

  • 『全講和泉式部日記』 (円地文子と共著) 至文堂, 1965, 1971(増補版), 1983(改訂版)
  • 夜の寝覚』(日本古典文学全集)(校注・訳) 小学館, 1974
  • 『旺文社標準古語辞典』 旺文社, 1974
  • 『源氏物語1~3』(『国文学解釈と鑑賞』別冊)(編集・解説) 至文堂, 1982
  • 『日本文学新史 古代2』(『国文学解釈と鑑賞』別冊) 至文堂, 1985, 1990(新装改版)
  • 『和泉式部日記』(全対訳日本古典新書)創英社, 1985
  • 狭衣物語』(新潮日本古典集成新潮社, 1985-86
  • 『三省堂全訳読解古語辞典』 三省堂, 1995, 1996(小型版)
  • 『三省堂全訳基本古語辞典』 三省堂, 1995

脚注

  1. ^ 各著の著者名を確認すれば明記してある。