コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「文心雕龍」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Cewbot (会話 | 投稿記録)
1行目: 1行目:
'''文心雕龍'''(ぶんしんちょうりゅう)は、[[中国]]・[[南朝 (中国)|南朝]][[梁 (南朝)|梁]]の[[劉キョウ|劉勰]](りゅうきょう)が著した[[文学理論]]書。全10巻。
'''文心雕龍'''(ぶんしんちょうりゅう)は、[[中国]]・[[南朝 (中国)|南朝]][[梁 (南朝)|梁]]の[[劉]](りゅうきょう)が著した[[文学理論]]書。全10巻。


== 概要 ==
== 概要 ==

2020年8月24日 (月) 09:20時点における版

文心雕龍(ぶんしんちょうりゅう)は、中国南朝劉勰(りゅうきょう)が著した文学理論書。全10巻。

概要

5世紀の末、南斉の末期に成立したと推測される。中国文学史上で有数の体系的なおかつ総合的な文学理論の書として評価される。各巻は5篇からなり、全体で50篇から成る構成である。前半の25篇は「原道」(文学原理)以下、33種の各カテゴリーの文学に関して論じており、後半25篇では創作、修辞、文学環境や作者論などの諸問題を論述している。

六朝中国文学史において、初めて文学が文学として自立した時代であるが、本書はその記念碑的な存在である。しかしながら、単なる文学理論にとどまらず、広く六朝時代の時代層を反映しており、この時代全般を考える上でも重要な書物である。

篇名

  • 一巻:原道、徴聖、宗経、正緯、弁騒(辨騒)
  • 二巻:明詩、楽府、詮賦、頌讃、祝盟
  • 三巻:銘箴、誄碑、哀弔、雑文、諧讔
  • 四巻:史伝、諸子、論説、詔策、檄移
  • 五巻:封禅、章表、奏啓、議対、書記

主な版本及び注釈書

  • 広漢魏叢書』本
  • 四部叢刊』本
  • 『和刻本漢籍随筆集(16) 文心雕龍 ほか』 長澤規矩也 編、汲古書院, 1990年
  • 范文瀾注釈本 (開明書店, 1936年/人民文学出版社, 1958年)
  • 中華書局本 (1959年)
  • 『王元化著作集1 文心雕龍講疏』 岡村繁主編、汲古書院, 2005年
  • The literary mind and the carving of dragons 
(Vincent Yu-chung Shih 英訳) (Hong Kong : Chinese University Press, 1983) ISBN 962201271X

関連文献

  • 戸田浩暁 『中国文学論考』汲古書院、1987年。第一編「文心雕龍論」18篇
  • 井波律子 『中国的レトリックの伝統』影書房、1987年/講談社学術文庫(抄版)、1996年
    Ⅱ 「文心雕龍論―その文学の根本的原理への道程」、※著者の初期論考。
  • 興膳宏 『中国文学理論研究集成 1 新版 中国の文学理論』清文堂出版、2008年 - 旧版は筑摩書房、1988年
  • 興膳宏 『中国文学理論研究集成 2 中国文学理論の展開』清文堂出版、2008年
  • 興膳宏 『中国詩文の美学』創文社 中国学芸叢書、2016年
    第1章 「創作技法論の展開―『文心雕龍』から『文鏡秘府論』へ」
  • 斯波六郎 『六朝文学への思索』創文社 東洋学叢書、2004年
    Ⅱ 「文心雕龍研究 文心雕龍札記 文心雕龍范注補正」
  • 門脇廣文 『文心雕龍の研究』創文社 東洋学叢書、2005年 - ※日本語文献で、初の詳細な専門書。