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薛孤延（せつこえん、生没年不詳）は、中国の北魏から北斉にかけての軍人。本貫は代郡。

経歴

韓楼が乱を起こすと、その麾下に属した。後に王懐らとともに韓楼を討つ計画を立てたが、韓楼の部将の乙弗醜に知られたため、奮戦して乙弗醜を破り、北魏に帰順した。行台の劉貴の推薦で都督となり、征虜将軍の位を加えられ、永固県侯の爵位を受けた。後に高歓に属して都督となり、その起兵に従った。高歓の下で爾朱兆を広阿で破り、鄴を平定すると、功績により薛孤延の爵位は公に進み、大都督に転じた。532年、韓陵の戦いで爾朱氏を破ると、金紫光禄大夫の位を加えられた。533年、赤谼嶺で爾朱兆を追撃して、第一領民酋長となった。

534年、東魏が建国されると、顕州刺史に任じられ、車騎将軍の位を加えられた。537年、高歓の下で西魏を攻撃した。蒲津にいたって、竇泰が敗戦したので、高歓は撤退を決定した。薛孤延は殿軍をつとめて、戦いながら退き、1日のうちに15口も刀を折る奮戦ぶりであった。帰還すると、梁州刺史に転じた。542年、玉壁の戦いに参加し、恒州刺史に転じた。543年、邙山の戦いに参加して宇文泰を破り、爵位は県公に進んだ。544年、高歓の下で山胡を撃破した。546年、西魏の玉壁を攻撃した。入朝して左衆将軍となり、平秦郡公に改封された。

左廂大都督となり、東魏の諸軍とともに潁州を攻撃した。土山の建造を監督していたが、酒に酔っていたところを西魏軍に襲われる失態を犯した。潁州が平定されると、諸将とともに鄴に帰り、華林園で宴会した。高澄は薛孤延を階下に座らせて皇帝を辱めた。後に領軍将軍を兼ね、滄州刺史として出向し、温県男の別封を受けた。550年、北斉が建国されると、都昌県公の別封を受けた。薛孤延は酒を好んで、酔っていることが多かった。しかし大軍で出兵するさいには、いつも先鋒をつとめ、韓軌・潘楽らと同列に扱われた。551年、太子太保となり、太子太傅に転じた。557年、肆州刺史に任じられ、開府儀同三司の位を加えられた。洛陽郡を食邑とし、まもなく河間郡を食邑とするよう改められた。

伝記資料

『北斉書』巻19 列伝第11
『北史』巻53 列伝第41

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 [[韓楼]]が乱を起こすと、その麾下に属した。後に[[王懐]]らとともに韓楼を討つ計画を立てたが、韓楼の部将の乙弗醜に知られたため、奮戦して乙弗醜を破り、北魏に帰順した。行台の[[劉貴]]の推薦で[[都督]]となり、征虜将軍の位を加えられ、永固県侯の[[爵位]]を受けた。後に[[高歓]]に属して都督となり、その起兵に従った。高歓の下で[[爾朱兆]]を広阿で破り、[[鄴]]を平定すると、功績により薛孤延の爵位は[[公]]に進み、大都督に転じた。[[532年]]、韓陵の戦いで爾朱氏を破ると、金紫光禄大夫の位を加えられた。[[533年]]、赤谼嶺で爾朱兆を追撃して、第一領民酋長となった。
-[[534年]]、[[東魏]]が建国されると、[[顕州]][[刺史]]に任じられ、[[車騎将軍]]の位を加えられた。[[537年]]、高歓の下で[[西魏]]を攻撃した。蒲津にいたって、[[竇泰]]が敗戦したので、高歓は撤退を決定した。薛孤延は殿軍をつとめて、戦いながら退き、1日のうちに15口も刀を折る奮戦ぶりであった。帰還すると、[[梁州]]刺史に転じた。[[542年]]、[[玉壁の戦い (542年)|玉壁の戦い]]に参加し、[[恒州]]刺史に転じた。[[543年]]、[[ボウ山の戦い|邙山の戦い]]に参加して[[宇文泰]]を破り、爵位は県公に進んだ。[[544年]]、高歓の下で[[稽胡|山胡]]を撃破した。[[546年]]、西魏の[[玉壁の戦い|玉壁]]を攻撃した。入朝して左衆将軍となり、平秦郡公に改封された。
+[[534年]]、[[東魏]]が建国されると、[[顕州]][[刺史]]に任じられ、[[車騎将軍]]の位を加えられた。[[537年]]、高歓の下で[[西魏]]を攻撃した。蒲津にいたって、[[竇泰]]が敗戦したので、高歓は撤退を決定した。薛孤延は殿軍をつとめて、戦いながら退き、1日のうちに15口も刀を折る奮戦ぶりであった。帰還すると、[[梁州]]刺史に転じた。[[542年]]、[[玉壁の戦い (542年)|玉壁の戦い]]に参加し、[[恒州]]刺史に転じた。[[543年]]、[[邙山の戦い]]に参加して[[宇文泰]]を破り、爵位は県公に進んだ。[[544年]]、高歓の下で[[稽胡|山胡]]を撃破した。[[546年]]、西魏の[[玉壁の戦い|玉壁]]を攻撃した。入朝して左衆将軍となり、平秦郡公に改封された。
 左廂大都督となり、東魏の諸軍とともに[[潁州]]を攻撃した。土山の建造を監督していたが、酒に酔っていたところを西魏軍に襲われる失態を犯した。潁州が平定されると、諸将とともに鄴に帰り、華林園で宴会した。[[高澄]]は薛孤延を階下に座らせて皇帝を辱めた。後に領軍将軍を兼ね、[[滄州]]刺史として出向し、温県男の別封を受けた。[[550年]]、北斉が建国されると、都昌県公の別封を受けた。薛孤延は酒を好んで、酔っていることが多かった。しかし大軍で出兵するさいには、いつも先鋒をつとめ、[[韓軌]]・[[潘楽]]らと同列に扱われた。[[551年]]、太子太保となり、太子太傅に転じた。[[557年]]、[[肆州]]刺史に任じられ、[[開府儀同三司]]の位を加えられた。[[洛陽郡]]を食邑とし、まもなく[[河間郡]]を食邑とするよう改められた。