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*([[青木保 (文化人類学者)|青木保]]・[[山折哲雄]]・[[川本三郎]]・[[筒井清忠]])『近代日本文化論 (全11巻)』(岩波書店、1999年-2000年)
*([[青木保 (文化人類学者)|青木保]]・[[山折哲雄]]・[[川本三郎]]・[[筒井清忠]])『近代日本文化論 (全11巻)』(岩波書店、1999年-2000年)
*([[北岡伸一]])『戦争・復興・発展―昭和政治史における権力と構想』(東京大学出版会、2000年)
*([[北岡伸一]])『戦争・復興・発展―昭和政治史における権力と構想』(東京大学出版会、2000年)
*([[中内潤]])『[[中内]]―生涯を流通革命に献げた男』(千倉書房、2009年)
*([[中内潤]])『[[中内]]―生涯を流通革命に献げた男』(千倉書房、2009年)
*(牧原出・佐藤信)『政権交代を超えて―政治改革の20年』(岩波書店、2013年11月)
*(牧原出・佐藤信)『政権交代を超えて―政治改革の20年』(岩波書店、2013年11月)
*(井上章一)『建築と権力のダイナミズム』(岩波書店、2015年3月)
*(井上章一)『建築と権力のダイナミズム』(岩波書店、2015年3月)

2020年7月11日 (土) 10:08時点における版

みくりや たかし

御厨 貴
生誕 (1951-04-27) 1951年4月27日(73歳)
日本の旗 東京都
出身校 東京大学法学部
職業 政治史学者政治学者
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御厨 貴(みくりや たかし、1951年4月27日 - )は、日本の政治史学者政治学者博士)。東京大学東京都立大学 (1949-2011)名誉教授東京大学先端科学技術研究センター客員教授放送大学客員教授。公益財団法人サントリー文化財団理事、サントリーホールディングス株式会社取締役。専門は、近現代日本政治史オーラル・ヒストリー

祖父は戦前の貴族院議員で、検事総長司法大臣を歴任した木村尚達。父はジョンソン社長で山梨学院大学教授を務めた御厨文雄。

人物

東京都生まれ。文京区立第六中学校東京都立小石川高等学校駿台予備学校[1]を経て、東京大学法学部卒業。

東京大学法学部助手東京都立大学 (1949-2011)法学部助教授/教授、政策研究大学院大学教授、東京大学先端科学技術研究センター教授を歴任。2012年3月末で東京大学を早期退職。同年6月に東京大学名誉教授の称号を得る。2012年4月から2016年3月まで放送大学教養学部教授。

高2の夏休みに「平沼騏一郎と国本社」という論文をまとめ、校友誌に発表したところ、神島二郎朝日新聞紙にペンネームで書いていたコラムで紹介され、政治史研究者への道を強く意識した[2]

1980年、『明治国家と地方経営』で東京市政調査会藤田賞、1996年、『政策の総合と権力』でサントリー学芸賞、1997年に『馬場恒吾の面目』で吉野作造賞を受賞。2010年に博士論文「明治国家をつくる―地方経営と首都計画―」を東京大学に提出し、博士の学位を取得。

東京大学で三谷太一郎伊藤隆佐藤誠三郎らの指導を受け、明治国家中期の政治史、とりわけ首都を含めた各地方の都市計画・開発を巡る政治過程の分析からスタートし、戦後の東京都政や国土開発など現代政治の分析にも手を広げた。政治学の観点から考察する建築学都市計画にも造詣が深い。アメリカ流のオーラル・ヒストリーの手法を日本に持ち込み、多くの政治家や関係者の聞き取り調査を行っている。

御厨によれば、1993年に小沢一郎講談社から出した自著『日本改造計画』は、政治分野の記述のほとんどを御厨と飯尾潤北岡伸一が、経済分野は竹中平蔵伊藤元重が書いたものだという[3]

1990年代後半からは論壇でも盛んに同時代の政治を論じ、書評家としても知られる。近年はジャーナリズムの分野での活動が多く、テレビのコメンテーターや解説、週刊誌などにも多く登場する。2007年4月からは政治評論家・毎日新聞社編集委員(現特別顧問)の岩見隆夫の後任として、TBSテレビ時事放談」の司会者を務めている。

2010年7月、菅内閣の下で内閣府公文書管理委員会委員長に就任、第2次安倍内閣の2014年7月まで務めた。同委員長在任中に特定秘密文書の扱いが俎上にあがったが、「いずれにしても労働強化につながることは間違いない」という知見を示した[4]。2011年4月には、東北地方太平洋沖地震を受けて発足した「東日本大震災復興構想会議」の議長代理に就任。2012年2月、復興庁復興推進委員会委員長代理に就任。2016年9月から「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」座長代理[5]

60歳で東京大学を早期退職し放送大学へ移籍。その理由について「学問、夢のある研究をするためには、無駄や余裕が必要。かつての東大はそういうものを大切にしていたのに、今はあくせくしていて、まったくなくなった」と述べている[6]

メディアでの発言

2009年8月5日付け産経新聞に掲載のインタビューにおいて、民主党による政権交代の必要性について問われ、「民主党の政策がまとまっていないという指摘があるが、政権を獲ったことがないから仕方がない面もある。」、外交や安全保障問題については「現実路線を踏まえて軌道修正すればいい。わからない問題に無理やり答えを出す必要はない。」と発言[7]。民主党への政権交代が果たされた後の2011年、中央公論紙上での対談においては、「安全保障上の危機が発生したときには、今の民主党政権では対応不能。尖閣や米軍基地の問題で頭をのぞかせたように、外国を巻き込んだ案件は、内向き学級会主義では乗り越えられない可能性が高い。」「自民党ならば『危ない』と騒ぎ立てているうちに、誰かが何かやって形をつけるかもしれない。しかし民主党は、みんなが横一線に並んで『あ〜』と言っている間に、深刻な事態に陥るような気がする。」と述べた[8]

2011年10月13日付け毎日新聞に掲載のインタビューにおいて、大阪市長選候補(当時)の橋下徹について、「彼はある種のポピュリストの典型で、鬱屈した気持ちの人たちに夢を見せている」と分析。さらに「吉本新喜劇のドタバタを好む大阪の風土にうまく乗っかった、『小泉劇場』の大阪版」と語った[9]

2017年12月2日付け朝日新聞に掲載のインタビューにおいて、同年12月1日に開催された皇室会議で、2019年4月30日に当時の天皇(明仁)が退位、5月1日に皇太子徳仁親王殿下が即位し、新元号改元を行う日程が決まったことについて、「改元の日はメーデーですよ。驚きました。」と発言した[10]

略歴

著書

単著

  • 『明治国家形成と地方経営――1881-1890年』(東京大学出版会、1980年)
  • 『首都計画の政治――形成期明治国家の実像』(山川出版社、1984年)
  • 『政策の総合と権力――日本政治の戦前と戦後』(東京大学出版会、1996年)
  • 『東京――首都は国家を超えるか 20世紀の日本(10)』(読売新聞社、1996年)-編集委員(全12巻)
  • 馬場恒吾の面目――危機の時代のリベラリスト』(中央公論社、1997年/中公文庫、2013年9月)
  • 『本に映る時代』(読売新聞社、1997年)
  • 『明治国家の完成 1890-1905 日本の近代(3)』(中央公論新社、2001年/中公文庫、2012年12月)-編集委員(全16巻)
  • 『オーラル・ヒストリー――現代史のための口述記録』(中公新書、2002年)
  • 『「保守」の終わり』(毎日新聞社、2004年)
  • 『ニヒリズムの宰相―小泉純一郎論』(PHP新書、2006年)
  • 『天皇と政治――近代日本のダイナミズム』(藤原書店、2006年)
  • 『明治国家をつくる――地方経営と首都計画』(藤原書店、2007年)
  • 『表象の戦後人物誌』(千倉書房、2008年)
  • 『政治の終わり、政治の始まり―ポスト小泉から政権交代まで』(藤原書店、2009年)
  • 後藤田正晴矢口洪一の統率力』(朝日新聞出版、2010年3月/ちくま文庫、2016年7月)
  • 『権力の館を歩く』(毎日新聞社、2010年7月/ちくま文庫、2013年12月)
  • 『知と情――宮澤喜一竹下登の政治観』(朝日新聞出版、2011年3月/ちくま文庫、2016年7月)
  • 『「質問力」の教科書』(講談社、2011年3月)
  • 『「戦後」が終わり、「災後」が始まる。』(千倉書房、2011年12月)
  • 『政治へのまなざし』(千倉書房、2012年3月)
  • 『安倍政権は本当に強いのか-盤石ゆえに脆い政権運営の正体』(PHP新書、2015年2月)
  • 『政治の眼力-永田町「快人・怪物」列伝』(文春新書、2015年6月)
  • 『戦後をつくる―追憶から希望への透視図』(吉田書店、2016年2月)
  • 『政治家の見極め方』(NHK出版新書、2016年3月)
  • 『戦前史のダイナミズム』(左右社〈放送大学叢書〉、2016年9月)
  • 『人を見抜く「質問力」-あの政治家の心をつかんだ66の極意』(ポプラ社〈ポプラ新書〉、2016年10月)
  • 『明治史論集―書くことと読むこと』(吉田書店、2017年5月)
  • 『平成風雲録-政治学者の時間旅行』(文藝春秋、2018年9月)
  • 『時代の変わり目に立つ 平成快気談』(吉田書店、2020年1月)

共著

放送大学教材

  • 天川晃)『日本政治史――20世紀の日本政治』(放送大学教育振興会、2003年)
  • (天川晃・牧原出)『日本政治外交史――転換期の政治指導』(放送大学教育振興会、2007年。改訂版2013年)、新版は牧原との共著
  • (牧原出)『日本政治外交史』(放送大学教育振興会、2013年)
  • (編著)『権力の館を考える』(放送大学教育振興会、2016年)
  • (山岡龍一共編)『政治学へのいざない』(放送大学教育振興会、2016年)
  • 『公共政策 社会経営科学プログラム』(放送大学教育振興会、2017年)

編著

  • 『シリーズ東京を考える (1) 都政の50年』(都市出版、1994年)
  • 『シリーズ東京を考える (3) 都庁のしくみ』(都市出版、1995年)
  • 『歴代首相物語』(新書館、2003年、新版2013年)
  • 『時代の先覚者・後藤新平 1857-1929』(藤原書店、2004年)
  • 『正伝・後藤新平別巻 後藤新平大全――後藤新平の全仕事』(藤原書店、2007年)
  • 『宰相たちのデッサン――幻の伝記で読む日本のリーダー』(ゆまに書房、2007年)
  • 『オーラル・ヒストリー入門』(岩波書店、2007年)
  • 『東大先端研物語-東京大学先端科学技術研究センター20年のあゆみ』(中央公論事業出版、2008年)
  • 『変貌する日本政治――90年代以後「変革の時代」を読みとく』(勁草書房、2009年)
  • 『近現代日本を史料で読む』 (中公新書、2011年4月)、「大久保利通日記」から「富田メモ」まで四十余りの史料紹介
  • 『「政治主導」の教訓 政権交代は何をもたらしたのか』(勁草書房、2012年3月)
  • 『知の格闘─掟破りの政治学講義』(ちくま新書、2014年1月)、友人・知人の議論も収録
  • 『天皇の近代―明治150年・平成30年』(千倉書房、2018年9月)、9名との議論
  • 『オーラル・ヒストリーに何ができるか 作り方から使い方まで』(岩波書店、2019年3月)
  • 『天皇退位 何が論じられたのか-おことばから大嘗祭まで』(中央公論新社〈中公選書〉、2020年3月)

共編著

  • 青木保山折哲雄川本三郎筒井清忠)『近代日本文化論 (全11巻)』(岩波書店、1999年-2000年)
  • 北岡伸一)『戦争・復興・発展―昭和政治史における権力と構想』(東京大学出版会、2000年)
  • 中内潤)『中内㓛―生涯を流通革命に献げた男』(千倉書房、2009年)
  • (牧原出・佐藤信)『政権交代を超えて―政治改革の20年』(岩波書店、2013年11月)
  • (井上章一)『建築と権力のダイナミズム』(岩波書店、2015年3月)
  • 『御厨政治史学とは何か』(御厨貴研究室・吉田書店共同企画・編集、2017年12月)
  • (芹川洋一)『平成の政治』(日本経済新聞出版社、2018年11月)

共同での聞き書き

オーラル・ヒストリーでの回想

編纂資料

  • 『歴代総理大臣伝記叢書(全32巻・別巻)』(監修、ゆまに書房、2005年-2007年)
  • 岩井克己)『卜部亮吾侍従日記――昭和天皇最後の側近(全5巻)』(朝日新聞社、2007年)

主なテレビ出演

関連項目

  • 鳥井信吾(サントリー文化財団理事長、サントリーホールディングス副会長)

脚注

  1. ^ 『駿台フォーラム第15号』において駿台時代に講師の村山正雄などから受けた影響を回顧している。
  2. ^ 『学問の鉄人』(宝島社別冊宝島]、1997年)268頁。2018年11月27日付日本経済新聞「人間発見 東京大学名誉教授御厨貴さん 新境地開いた政治学者(2)」
  3. ^ 御厨貴著『日本政治 ひざ打ち問答』日本経済新聞出版社(2014年4月10日) ISBN 978-4-532-26243-3.
  4. ^ https://www8.cao.go.jp/koubuniinkai/iinkaisai/2014/20140123/20140123gijiroku.pdf 公文書管理委員会 第32回 議事録 25/28。
  5. ^ 生前退位:「有識者会議」に御厨貴氏ら6人”. 毎日新聞. 2016年10月16日閲覧。
  6. ^ 朝日新聞デジタル:〈be report〉東大で続く有名教授流出 - 2012年5月6日閲覧
  7. ^ 2009年8月25日付産経新聞「【話の肖像画】この国をどうする!!政治学者・御厨貴」。
  8. ^ 中央公論 2011年9月号 54ページ。
  9. ^ 2011年10月13日付毎日新聞「橋下徹氏の政治手法 「ハシズム」とは?」。
  10. ^ 2017年12月2日付朝日新聞
  11. ^ 東京大学学内広報1424号(2012年05月22日閲覧)
  12. ^ 紫綬褒章受章者 時事ドットコム、2018年04月28日

外部リンク