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* 玉木ツ子（つね）
* 玉木ツ子（つね）
* 玉木善作 - 長兄、呉服商<ref name="Tamaki19050920"/>。
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* 玉木タカ（六夢庵玉木宗高） - 義姉、長兄の玉木善作の妻、[[茶道|茶人]]、[[宗徧流]]名誉[[家元]]師範代<ref>『{{Wikiref|Tamaki200403|長岡歴史事典}}』189頁。</ref>、頌古会創立者<ref>[https://syoukokai.jp/history/ 歴史 | 頌古会]</ref>。
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* 玉木泰次郎 - 次兄、[[銀行家]]、元[[第一銀行]]検査役。
* 玉木泰次郎 - 次兄、[[銀行家]]、元[[第一銀行]]検査役。

2020年7月6日 (月) 22:00時点における版

00『三笠艦橋之圖』
一番右の伝声管に向かっている人物が玉木信助。

玉木 信助（たまき しんすけ、別表記：玉木 信介、1883年（明治16年） - 1905年（明治38年）9月11日）は、日本の海軍軍人。最終階級は海軍少尉。

略歴

新潟県南蒲原郡三条一之町（現三条市本町三丁目）の呉服商・玉木善作の四男として出生[1][2][3]。新潟中学校に学び、同級生に青木得三、安倍邦太郎、伊藤精司、白勢量作などがいた[1]。

1901年（明治34年）3月に新潟中学校で4年を修了後[1][2]、4月に東京の日比谷中学校に入学[2][3]、7月7日から8月2日にかけての海軍兵学校（32期）の生徒召募試験に及第して12月16日に入校[4][5]、同期に同郷の山本五十六がいた[5][6]。

1904年（明治37年）11月14日に日露戦争のため海軍兵学校を1カ月繰り上げ卒業、同日に海軍少尉候補生を命じられ、卒業試験に落第した西村七三郎を除く同期190名と「韓崎丸」に乗艦して練習に従事[3][4][7][8]。

1905年（明治38年）1月3日に連合艦隊旗艦「三笠」への乗艦を命じられ、1月7日に堀悌吉たち同期10名と乗艦[9][注 1]、2月26日に堀悌吉たち同期15名と「亜米利加丸」に乗艦して練習に従事[10]、4月2日に「三笠」に帰艦[11]。

1905年（明治38年）5月27日から5月28日にかけての日本海海戦で「三笠」の伊地知彦次郎艦長の伝令（艦長伝令）として艦橋においてロシア帝国のバルチック艦隊から砲弾が飛んでくる中で主に伝声管で機関室などに命令を伝えた[3][4][注 2]。

1905年（明治38年）8月31日に海軍少尉に任官[13][14]。9月5日に日露戦争が終結。9月9日に「三笠」は佐世保軍港に入港[15]。

1905年（明治38年）9月11日午前0時20分頃に佐世保軍港内の第10番浮標に係留していた「三笠」の左舷後部6インチ副砲砲弾弾薬庫で爆発が起きて火災が発生し[16]、午前1時37分頃に後部12インチ主砲砲弾弾薬庫に延焼して大爆発が発生[17]、後甲板で防火に尽力していた玉木信助は頭部に重傷を負って死亡し[2]、午前2時30分頃に「三笠」とともに海底に沈んだ[18]。海軍兵学校32期で最初の戦公死者となり[19][注 3]、同日付で勲六等単光旭日章と功五級金鵄勲章を授与され[3][20][21]、1907年（明治40年）5月2日から5月5日にかけての靖国神社の合祀祭（臨時大祭（祭典委員長：東郷平八郎））で同神社に合祀された[22][23]。生家の近く三条市本町二丁目の、葬儀が執り行われた輪寳寺の墓地にある玉木家の墓に眠る[24][注 4]。

家族・親戚

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 玉木信助「三笠は天下の大艦而も東鄕大將の旗艦たり　我れ初陣に當り此艦に在る何等の幸榮ぞ　若し波羅的艦隊と砲火を交ふるの好機に會さば全力を盡し以て身命を邦家に捧げんのみ」[4]
  2. ^ 玉木信助とともに「三笠」に乗艦していた同期の堀悌吉が映画『明治天皇と日露大戦争』の製作で顧問を務め、日本海海戦の「三笠」艦橋のシーン撮影で玉木信助役の俳優に玉木信助の仕草や伝令の仕方を詳細に指導した[12]。
  3. ^ 玉木信助とともに「三笠」の後甲板で防火に尽力していた同期の西村七三郎が玉木信助の長兄の玉木善作（商用で滞在していた京都で自宅からの電報により玉木信助の訃報を知り、佐世保に赴いて玉木信助の遺骨を引き取った）に玉木信助の候補生服を渡した[2]。
  4. ^ 玉木家の墓に日本海軍将校の親睦団体の及後会（交誼を死後に及ぼす会）が献じた左右一対の墓前灯籠の両外側面には、「為故海軍少尉勲六等功五級玉木信助君」と刻まれている。

出典

  1. ^ a b c 『青陵回顧録』61頁。
  2. ^ a b c d e f 『新潟新聞』1905年9月20日、2面。
  3. ^ a b c d e 『國民過去帳 明治之卷』949頁。
  4. ^ a b c d 『眀治卅七八年戰役海戰誠忠錄』166頁。
  5. ^ a b 『海軍兵學校沿革 第二卷』167頁。
  6. ^ 『日本海軍士官総覧』131頁。
  7. ^ 『海軍兵學校沿革 第二卷』223-227頁。
  8. ^ 「第五章 海軍兵学校卒業式」 アジア歴史資料センター Ref.C09050549800 アジア歴史資料センター Ref.C09050549800（第15画像目）「第三章 海軍少尉候補生実務練習」 アジア歴史資料センター Ref.C09050549600 アジア歴史資料センター Ref.C09050549600（第26画像目）
  9. ^ 「軍艦三笠戰時日誌 三 (1)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050339400 アジア歴史資料センター Ref.C09050339400（第10画像目）「軍艦三笠戰時日誌 三 (2)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050339500 アジア歴史資料センター Ref.C09050339500（第13画像目）
  10. ^ 「軍艦三笠戰時日誌 三 (3)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050339600 アジア歴史資料センター Ref.C09050339600（第38画像目と第61画像目から第62画像目）「南遣枝隊戰時日誌 (3)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050294600 アジア歴史資料センター Ref.C09050294600（第2画像目から第3画像目と第78画像目）
  11. ^ 「軍艦三笠戰時日誌 三 (6)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050339900 アジア歴史資料センター Ref.C09050339900（第6画像目）「軍艦三笠戰時日誌 三 (8)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050340100 アジア歴史資料センター Ref.C09050340100（第13画像目）
  12. ^ 『山本五十六の江田島生活』31頁。
  13. ^ 『眀治卅七八年戰役海戰誠忠錄』167頁。
  14. ^ 「敍任及辭令」『官報』第6653号、3頁、印刷局、1905年9月1日。
  15. ^ 「聯合艦隊戰時日誌 (7)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050285100 アジア歴史資料センター Ref.C09050285100（第27画像目）
  16. ^ 「三笠災害查定書」 アジア歴史資料センター Ref.C09050767700 アジア歴史資料センター Ref.C09050767700（第6画像目）「軍艦三笠災害查定書 (1)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050767800 アジア歴史資料センター Ref.C09050767800（第2画像目から第5画像目）
  17. ^ 「軍艦三笠佐世保ニ於テ火災ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.B07090400900 アジア歴史資料センター Ref.B07090400900（第2画像目）「軍艦三笠ノ遭難ニ關スル報吿」「陸海軍」「彙報」『官報』第6663号、344-345頁、印刷局、1905年9月13日。
  18. ^ 「三笠遭難 自卅八年至四十年 (6)」 アジア歴史資料センター Ref.C09020074400 アジア歴史資料センター Ref.C09020074400（第8画像目）「三笠沈没事件查問証憑記録 (9)」 アジア歴史資料センター Ref.C09050769000 アジア歴史資料センター Ref.C09050769000（第10画像目）
  19. ^ 『山本五十六の江田島生活』30頁。
  20. ^ 「敍任及辭令」『官報』第6704号、2頁、印刷局、1905年11月1日。「敍任及辭令」『官報』第6704号、4頁、印刷局、1905年11月1日。
  21. ^ 『日本海軍士官総覧』132頁。『新潟新聞』1905年11月3日、7面。
  22. ^ 「海軍省吿示第五號」1頁、「吿示」『官報』第7127号付録、印刷局、1907年4月6日。「臨時招魂祭及大祭祭式次第」「官廳事項」「彙報」『官報』第7142号、725-727頁、印刷局、1907年4月24日。
  23. ^ 『日本海軍士官総覧』132頁。『靖國神社誌』89-90・219頁。
  24. ^ 『新潟新聞』1905年9月26日、4面。『新潟新聞』1905年9月27日、4面。『明治初年三条町地図』11頁。
  25. ^ 『雪華の刻をきざむ 新潟近代の女たち』37頁。
  26. ^ 『三条市史 下巻』211頁。
  27. ^ 『三条市史 下巻』195頁。
  28. ^ 『三条市史 下巻』281頁。
  29. ^ 『長岡歴史事典』189頁。
  30. ^ 歴史 | 頌古会
  31. ^ 『雪華の刻をきざむ 新潟近代の女たち』50頁。
  32. ^ 『雪華の刻をきざむ 新潟近代の女たち』55頁。
  33. ^ 『日本女子大学学園事典 創立100年の軌跡』210頁。
  34. ^ 『越佐名士錄』682頁。
  35. ^ 『朝日新聞』2007年3月23日、39面。『現代物故者事典 2006〜2008』408頁。
  36. ^ 『私の履歴書 経済人 5』308頁。
  37. ^ 塚田公太　ー東洋綿花、倉敷紡績会長として活躍ー | 近代名士家系大観
  38. ^ a b c d 徳大寺家（侍従長・徳大寺実則・徳大寺公英の子孫・家系図） – 閨閥学　－偉人たちの経歴・家族・子孫－
  39. ^ 武田家（武田薬品工業社長　武田國男・武田和久・武田徹の家系図） – 閨閥学　－偉人たちの経歴・家族・子孫－
  40. ^ 毛利家（長府藩主・毛利元敏・毛利元海の子孫・家系図） – 閨閥学　－偉人たちの経歴・家族・子孫－

参考文献

  • 「回顧談」『青陵回顧録』59-61頁、青木得三[著]、新潟県立新潟高等学校、1952年。
  • 「三笠遭難者玉木少尉」『新潟新聞』1905年9月20日、2面、新潟新聞社、1905年。
  • 「海軍少尉 玉木信助」『新潟新聞』1905年9月26日、4面、新潟新聞社、1905年。
  • 「海軍少尉 玉木信助」『新潟新聞』1905年9月27日、4面、新潟新聞社、1905年。
  • 「玉木少尉の叙勲」「雑報」『新潟新聞』1905年11月3日、7面、新潟新聞社、1905年。
  • 「勇敢なる傳令候補生遂に三笠の災厄に殉す 三笠乘組海軍少尉 玉木信助」『眀治卅七八年戰役海戰誠忠錄』166-167頁、海軍教育本部[編]、忠勇顕彰会、1908年。
  • 「玉木信助」『國民過去帳 明治之卷』949頁、大植四郎[編]、尚古房、1935年。
  • 『山本五十六の江田島生活』鎌田芳朗[著]、原書房、1981年。
  • 『日本海軍士官総覧』海軍義済会[編]、戸高一成[監修]、柏書房、2003年。
  • 『海軍兵學校沿革 第二卷』海軍兵学校[編]、海軍兵学校、1920年。
  • 『靖國神社誌』賀茂百樹[編]、靖国神社、1911年。
  • 『三条市史 下巻』三条市史編修委員会[編]、新潟県三条市、1983年。
  • 「一之町・二之町（大通り）」『明治初年三条町地図』11頁、荒木常能[編]、月刊中越の郷土史編集室、1984年。
  • 「学びたくて 新潟女学校第一回卒業生 玉木直子」『雪華の刻をきざむ 新潟近代の女たち』35-60頁、清野泰子・新潟女性史クラブ[著]、ユック舎、1989年。
  • 「玉木直」『日本女子大学学園事典 創立100年の軌跡』210頁、日本女子大学[編]、日本女子大学、2001年。
  • 「玉木タカ」『長岡歴史事典』189頁、稲川明雄[著]、長岡市、2004年。
  • 「玉木德次郞」『越佐名士錄』681-682頁、坂井新三郎[著]、越佐名士録刊行会、1942年。
  • 「玉木泰男さん」『朝日新聞』2007年3月23日付朝刊、39面、朝日新聞社、2007年。
  • 「玉木泰男」『現代物故者事典 2006〜2008』408頁、日外アソシエーツ[編]、日外アソシエーツ、2009年。
  • 「塚田公太」『私の履歴書 経済人 5』247-309頁、塚田公太[著]、日本経済新聞社、2004年。

関連文献

  • 「三笠遭難者中の本縣將校」『新潟新聞』1905年9月14日、1面、新潟新聞社、1905年。
  • 「玉木少尉の葬儀期日」「三條通信」『新潟新聞』1905年9月26日、3面、新潟新聞社、1905年。
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