コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

「伊藤詩織」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m (要約は除去されています)
出典なし
19行目: 19行目:
|代表作=『Black Box』文藝春秋
|代表作=『Black Box』文藝春秋
}}
}}
'''伊藤 詩織'''(いとう しおり、[[1989年]] - )は、[[日本]]のフリー[[ジャーナリスト]]<ref name = blackbox>『Black Box』</ref>、[[映像作家]
'''伊藤 詩織'''(いとう しおり、[[1989年]] - )は、[[日本]]のフリー[[ジャーナリスト]]<ref name = blackbox>『Black Box』</ref>、[[映像作家]]。


== 経歴 ==
== 経歴 ==
36行目: 36行目:
;刑事告発
;刑事告発


[[2015年]]4月3日、伊藤が自身の[[就職]]や[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[査証|就労ビザ]]についての相談のため、[[東京都]]内で当時[[TBSテレビ|TBS]]の[[政治部記者]]で[[ワシントン]]支局長であった[[山口敬之]]と会食。枕営業で仕事を斡旋してもらおうと、山口敬之に体を売った。しかし、実際には仕事を得ることはできず、約束を保護にされたことを恨み、強姦されたことにして復讐すること、並びに売名することで仕事にありつくことを思いつく。同日深夜から4日早朝にかけて飲酒後に記憶をなくし、近くのホテルでレイプされたとして<ref name=":1">{{Cite web|title=伊藤詩織氏「やめてと言った」 元記者への賠償請求訴訟|url=https://www.sankei.com/affairs/news/190708/afr1907080001-n1.html|website=産経ニュース|date=2019-07-08|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>準強姦容疑で警視庁に被害届を提出<ref>{{Cite web|title=暴行被害訴える28歳女性が手記出版 詩織さん、姓も公表|url=https://www.sankei.com/affairs/news/171013/afr1710130036-n1.html|website=産経ニュース|date=2017-10-13|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>。
[[2015年]]4月3日、伊藤が自身の[[就職]]や[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[査証|就労ビザ]]についての相談のため、[[東京都]]内で当時[[TBSテレビ|TBS]]の[[政治部記者]]で[[ワシントン]]支局長であった[[山口敬之]]と会食。同日深夜から4日早朝にかけて飲酒後に記憶をなくし、ホテルで乱暴されたとして<ref name=":1">{{Cite web|title=伊藤詩織氏「やめてと言った」 元記者への賠償請求訴訟|url=https://www.sankei.com/affairs/news/190708/afr1907080001-n1.html|website=産経ニュース|date=2019-07-08|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>準強姦容疑で警視庁に被害届を提出<ref>{{Cite web|title=暴行被害訴える28歳女性が手記出版 詩織さん、姓も公表|url=https://www.sankei.com/affairs/news/171013/afr1710130036-n1.html|website=産経ニュース|date=2017-10-13|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=SANKEI DIGITAL|last=INC}}</ref>。


東京地裁が2016年7月に嫌疑不十分で不起訴としたため、伊藤は2017年5月、検察審査会に審査を申し立てた<ref name=":1" />。東京第6検察審査会は2017年9月、不起訴を覆すだけの理由がないとして「不起訴相当」と議決した<ref>{{Cite web|title=伊藤さん「抵抗した」 性暴力訴訟 「法に触れず」山口氏反論|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019070902000317.html|website=東京新聞 TOKYO Web|accessdate=2019-10-20|language=ja}}</ref>。
東京地裁が2016年7月に嫌疑不十分で不起訴としたため、伊藤は2017年5月、検察審査会に審査を申し立てた<ref name=":1" />。東京第6検察審査会は2017年9月、不起訴を覆すだけの理由がないとして「不起訴相当」と議決した<ref>{{Cite web|title=伊藤さん「抵抗した」 性暴力訴訟 「法に触れず」山口氏反論|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019070902000317.html|website=東京新聞 TOKYO Web|accessdate=2019-10-20|language=ja}}</ref>。
42行目: 42行目:
;民事訴訟
;民事訴訟


2017年9月28日、「望まない[[性行為|セックス]]で精神的苦痛を受けた」として、伊藤が山口を相手に1100万円の[[損害賠償]]を求める[[民事訴訟]]を起こした<ref name="民事">[https://www.asahi.com/articles/ASKD546XSKD5UTIL027.html 元TBS記者側、争う姿勢 伊藤詩織さん民事訴訟]朝日新聞 2017年12月5日</ref>。その直後の10月18日、伊藤が自らの訴えを綴った手記「Black Box」を出版し、24日には[[日本外国特派員協会]]で会見を行った<ref>{{Cite web|title=「レイプ被害の救済システム整備を」 伊藤詩織さん会見:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASKBS5QN0KBSUTIL02P.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2019-10-20|language=ja}}</ref>。一方で山口は同月26日発売の[[月刊Hanada|月刊『Hanada』]]に、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題する手記を掲載<ref>{{Cite journal|last=山口|first=敬之|date=2017-12|title=独占手記 私を訴えた伊藤詩織さんへ|url=https://ci.nii.ac.jp/naid/40021469855|journal=Hanada|issue=19|pages=254–273}}</ref>し、伊藤の主張を全面的に否定<ref>{{Cite web|title=山口敬之氏、性的暴行巡り月刊Hanadaで伊藤詩織さんに反論 (弁護士ドットコム)|url=https://news.line.me/issue/oa-bengo4com/84e6d124e0e1|website=LINE NEWS|accessdate=2019-10-20}}</ref>した。
2017年9月28日、「望まない[[性行為]]で精神的苦痛を受けた」として、伊藤が山口を相手に1100万円の[[損害賠償]]を求める[[民事訴訟]]を起こした<ref name="民事">[https://www.asahi.com/articles/ASKD546XSKD5UTIL027.html 元TBS記者側、争う姿勢 伊藤詩織さん民事訴訟]朝日新聞 2017年12月5日</ref>。その直後の10月18日、伊藤が自らの訴えを綴った手記「Black Box」を出版し、24日には[[日本外国特派員協会]]で会見を行った<ref>{{Cite web|title=「レイプ被害の救済システム整備を」 伊藤詩織さん会見:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASKBS5QN0KBSUTIL02P.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2019-10-20|language=ja}}</ref>。一方で山口は同月26日発売の[[月刊Hanada|月刊『Hanada』]]に、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題する手記を掲載<ref>{{Cite journal|last=山口|first=敬之|date=2017-12|title=独占手記 私を訴えた伊藤詩織さんへ|url=https://ci.nii.ac.jp/naid/40021469855|journal=Hanada|issue=19|pages=254–273}}</ref>し、伊藤の主張を全面的に否定<ref>{{Cite web|title=山口敬之氏、性的暴行巡り月刊Hanadaで伊藤詩織さんに反論 (弁護士ドットコム)|url=https://news.line.me/issue/oa-bengo4com/84e6d124e0e1|website=LINE NEWS|accessdate=2019-10-20}}</ref>した。


2019年2月、山口が「伊藤さんの記者会見での発言などで社会的信用を奪われた」として伊藤を相手に慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴した。裁判は山口、伊藤の双方の訴えを同時に審理<ref name=":2">{{Cite web|title=伊藤詩織さんと元TBS記者が法廷で意見陳述。民事裁判が結審し、判決へ。|url=https://www.buzzfeed.com/jp/kensukeseya/shiori-ito-5|website=BuzzFeed|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=Kensuke|last=Seya}}</ref>し、12月18日、伊藤側の請求を認め、330万円を支払うよう山口側に命じた。山口の反訴は棄却<ref>[https://this.kiji.is/579846390927180897 伊藤詩織さんへの賠償命じる 性暴力被害巡り東京地裁] 共同通信2019年12月18日</ref><ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121800155&g=soc 元TBS記者に330万円賠償命令 性的暴行訴訟―東京地裁] 時事通信2019年12月18日</ref>。
2019年2月、山口が「伊藤さんの記者会見での発言などで社会的信用を奪われた」として伊藤を相手に慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴した。裁判は山口、伊藤の双方の訴えを同時に審理<ref name=":2">{{Cite web|title=伊藤詩織さんと元TBS記者が法廷で意見陳述。民事裁判が結審し、判決へ。|url=https://www.buzzfeed.com/jp/kensukeseya/shiori-ito-5|website=BuzzFeed|accessdate=2019-10-20|language=ja|first=Kensuke|last=Seya}}</ref>し、12月18日、伊藤側の請求を認め、330万円を支払うよう山口側に命じた。山口の反訴は棄却<ref>[https://this.kiji.is/579846390927180897 伊藤詩織さんへの賠償命じる 性暴力被害巡り東京地裁] 共同通信2019年12月18日</ref><ref>[https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121800155&g=soc 元TBS記者に330万円賠償命令 性的暴行訴訟―東京地裁] 時事通信2019年12月18日</ref>。

2019年12月18日 (水) 21:44時点における版

いとう しおり

伊藤 詩織
生誕 1989年????
別名 Shiori
職業 ジャーナリスト映像作家起業家
代表作 『Black Box』文藝春秋
受賞 2018年度ニューヨーク・フェスティヴァルドキュメンタリー部門銀賞(監督)スポーツ&レクリエーション部門銀賞(カメラ)
テンプレートを表示

伊藤 詩織(いとう しおり、1989年 - )は、日本のフリージャーナリスト[1]映像作家

経歴

1989年神奈川県で生まれた[2]。建築関係の父、専業主婦の母、妹、弟がいる[2]。9歳の時にモデルの仕事を開始[2]。日本の短大卒。2014年ニューヨークジャーナリズム[2]を学ぶ。

Shiori名義でフリーランスのジャーナリスト活動を開始。2017年10月18日、伊藤詩織名義で文藝春秋から告発本『Black Box』を発表。

「2018年度ニューヨーク・フェスティヴァル」において、ディレクターを務めた「Undercover Asia: Lonely Deaths」(チャンネルニュースアジア制作)がドキュメンタリー部門銀賞、カメラ担当の「Witness - Racing in Cocaine Valley」(アルジャジーラ英語版、放送日:2017年2月5日、監督:Lali Houghton、Nick Ahlmark)がスポーツ&レクリエーション部門銀賞を受賞した[3][4]。「Witness」はペルーで毎年行われる改造オートバイレースに情熱を傾けるペルー軍兵士の密着ドキュメント[5]、「Undercover Asia: Lonely Deaths」は孤独死を扱っている。

会社

2018年、ロンドンでハナ・アクヴィリン(Hanna Aqvilin)と一緒にドキュメンタリー制作会社Hanashi Filmsを立ち上げた[6]。社名は二人の名前からとっており、真実のストーリー(Hanashi)を伝えるのがモットー[7]

係争

「性暴力被害」の訴えをめぐって

刑事告発

2015年4月3日、伊藤が自身の就職アメリカ就労ビザについての相談のため、東京都内で当時TBS政治部記者ワシントン支局長であった山口敬之と会食。同日深夜から4日早朝にかけて飲酒後に記憶をなくし、ホテルで乱暴されたとして[8]準強姦容疑で警視庁に被害届を提出[9]

東京地裁が2016年7月に嫌疑不十分で不起訴としたため、伊藤は2017年5月、検察審査会に審査を申し立てた[8]。東京第6検察審査会は2017年9月、不起訴を覆すだけの理由がないとして「不起訴相当」と議決した[10]

民事訴訟

2017年9月28日、「望まない性行為で精神的苦痛を受けた」として、伊藤が山口を相手に1100万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こした[11]。その直後の10月18日、伊藤が自らの訴えを綴った手記「Black Box」を出版し、24日には日本外国特派員協会で会見を行った[12]。一方で山口は同月26日発売の月刊『Hanada』に、「私を訴えた伊藤詩織さんへ」と題する手記を掲載[13]し、伊藤の主張を全面的に否定[14]した。

2019年2月、山口が「伊藤さんの記者会見での発言などで社会的信用を奪われた」として伊藤を相手に慰謝料1億3000万円と謝罪広告の掲載を求めて反訴した。裁判は山口、伊藤の双方の訴えを同時に審理[15]し、12月18日、伊藤側の請求を認め、330万円を支払うよう山口側に命じた。山口の反訴は棄却[16][17]

海外メディアでの報道

MeToo(ミートゥー)の広がりを受け、伊藤の証言やインタビューが、複数の海外メディアで報道された[18][19][20][21][22][23][24]

著書

メディア出演

脚注

  1. ^ 『Black Box』
  2. ^ a b c d Shiori Ito, la vérité kamikaze” (フランス語). Libération.fr (2019年4月28日). 2019年4月30日閲覧。
  3. ^ Witness - Racing in Cocaine ValleyNew York Festivals
  4. ^ Piece #1 - Undercover Asia: Lonely DeathsNew York Festivals
  5. ^ Racing in Cocaine ValleyAl Jazeera
  6. ^ 〜伊藤詩織が新作ドキュメンタリーを発表。夕張の声を届けます〜”. ValuePress! (2019年3月28日). 2019年4月30日閲覧。
  7. ^ MOTION GALLERY”. motion-gallery.net. 2019年4月30日閲覧。
  8. ^ a b INC, SANKEI DIGITAL (2019年7月8日). “伊藤詩織氏「やめてと言った」 元記者への賠償請求訴訟”. 産経ニュース. 2019年10月20日閲覧。
  9. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2017年10月13日). “暴行被害訴える28歳女性が手記出版 詩織さん、姓も公表”. 産経ニュース. 2019年10月20日閲覧。
  10. ^ 伊藤さん「抵抗した」 性暴力訴訟 「法に触れず」山口氏反論”. 東京新聞 TOKYO Web. 2019年10月20日閲覧。
  11. ^ 元TBS記者側、争う姿勢 伊藤詩織さん民事訴訟朝日新聞 2017年12月5日
  12. ^ 「レイプ被害の救済システム整備を」 伊藤詩織さん会見:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2019年10月20日閲覧。
  13. ^ 山口, 敬之 (2017-12). “独占手記 私を訴えた伊藤詩織さんへ”. Hanada (19): 254–273. https://ci.nii.ac.jp/naid/40021469855. 
  14. ^ 山口敬之氏、性的暴行巡り月刊Hanadaで伊藤詩織さんに反論 (弁護士ドットコム)”. LINE NEWS. 2019年10月20日閲覧。
  15. ^ Seya, Kensuke. “伊藤詩織さんと元TBS記者が法廷で意見陳述。民事裁判が結審し、判決へ。”. BuzzFeed. 2019年10月20日閲覧。
  16. ^ 伊藤詩織さんへの賠償命じる 性暴力被害巡り東京地裁 共同通信2019年12月18日
  17. ^ 元TBS記者に330万円賠償命令 性的暴行訴訟―東京地裁 時事通信2019年12月18日
  18. ^ (フランス語)Philippe Mesmer (2017年10月30日). “Le combat de Shiori Ito, agressée sexuellement dans un Japon indifférent”. ル・モンド』ウェブ版. 2018年1月8日閲覧。
  19. ^ Shiori Ito, l'affaire de viol qui secoue le Japonフィガロ紙ウェブ版 2017/12/27
  20. ^ (英語)Ryan Takeshita & Kaori Sasagawa (2017年11月1日). “Why a Japanese Journalist Went Public with Her Rape Allegation”. オンラインメディア『ハフポスト』』. 2018年1月8日閲覧。
  21. ^ Japan's #MeToo MomentBBC World Service - Business Matters 12月15日
  22. ^ Hon vågar gå först i Japans #metoダーゲンス・ニュヘテル紙ウェブ版 2017年12月23日
  23. ^ Shiori, la giornalista che denuncia lo stupro e sfida i tabù del Giapponeコリエーレ紙ウェブ版 2017年12月28日
  24. ^ She Broke Japan’s Silence on Rape ニューヨーク・タイムズウェブ版及び翌日紙面 2017年12月29日
  25. ^ 北欧の児童書を使って考えるーー伊藤詩織さんが出演した北欧のトーク番組で、司会者達はなぜ彼女を責めなかったんだろう?――北欧では性暴力がどのように認識されているのか?”. ハフポスト (2018年3月5日). 2018年6月24日閲覧。
  26. ^ (英語)日本語字幕付き伊藤詩織はレイプで日本の沈黙を破った: - 結果は残酷だった スカヴラン”. YouTube Skavlan (2018年2月19日). 2018年6月24日閲覧。
  27. ^ 「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送”. BBC (2018年6月29日). 2018年7月4日閲覧。
  28. ^ (英語)Japan's Secret Sham”. BBC Two. 2018年6月24日閲覧。
  29. ^ (英語)Japan's Secret Shame - Shiori Ito's story”. BBC Two. 2018年7月4日閲覧。

外部リンク