「サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケール」の版間の差分
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'''サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケール'''({{lang-en-short|Saffir-Simpson hurricane wind scale; '''SSHWS'''}})は、熱帯低気圧{{enlink|tropical depression|tropical depression (TD)}}と熱帯暴風雨{{enlink|tropical storm|tropical storm (TS)}}を上回る強さにまで発達した[[ハリケーン]]{{mdash}}[[西半球]]の[[熱帯低気圧]]{{mdash}}を持続的な風の強度によって5段階の「カテゴリー」に階級区分する尺度である。旧称は'''サファ・シンプソン・ハリケーン・スケール''' ({{lang|en|Saffir-Simpson hurricane scale; '''SSHS'''}}) といった。 |
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{{no footnotes|date=2019年4月}} |
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[[ファイル:Ivan Sat Img Sept 7 2004.jpg|right|250px|thumb|'''カテゴリー3に分類された[[ハリケーン・アイバン]]''' [[カリブ海]]南東部の[[グレナダ]]上空]] |
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{{Saffir-Simpson scale}} |
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'''サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケール'''(英語:''Saffir-Simpson Hurricane Wind Scale ('''SSHWS''')''、シンプソン・スケールともいう)は、たいていの西半球の[[熱帯性低気圧]]を分類する等級である。発達に従い、「熱帯低気圧''tropical depression''」、「熱帯性暴風''tropical storm''」、「[[ハリケーン]]''hurricanes''」と呼び方が変わる。ハリケーンをそれぞれの持続的な[[風速]]によって強度を識別するために、「カテゴリー」で分ける。等級は主として起こるべく被害やハリケーン[[上陸]]時に起こるであろう[[洪水]]を推し量るために使うことを意図している。サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールは[[大西洋]]と[[国際日付変更線|日付変更線]]よりも東の[[北太平洋]]で発生するハリケーンにのみ用いられる。[[サイクロン]]や[[台風]]といった名前の付けられるような他の地域の熱帯性低気圧では、それぞれの等級を用いる。 |
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ハリケーンとして分類されるには、[[熱帯低気圧]] (tropical cyclone) が少なくとも1分間平均の最大持続風速で{{convert|74|mph|m/s|abbr=on|lk=out}}(カテゴリー1)にまで発達することが条件となる。当スケールで最も高い等級は[[#カテゴリー5|カテゴリー5]]で、このカテゴリーに属するハリケーンは最大持続風速が{{convert|156|mph|m/s|abbr=on}}を超える。当スケールの等級によって、ハリケーンの[[上陸]]時に発生し得る、何らかの潜在的被害および[[洪水]]の兆候を示すことが可能となる。 |
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<!--:The '''Saffir-Simpson Hurricane Scale''' is a scale classifying most [[:en:Western Hemisphere]] [[:en:tropical cyclone]]s that exceed the levels of "tropical depression" and "tropical storm" and thereby become hurricanes. The "categories" it divides hurricanes into are distinguished by the intensities of their respective sustained [[:en:wind]]s. The classifications are intended primarily for use in gauging the likely damage and [[:en:flood]]ing a hurricane will cause upon landfall. The Saffir-Simpson Hurricane Scale is used '''only''' to describe hurricanes forming in the [[:en:Atlantic Ocean]] and northern [[:en:Pacific Ocean]] east of the [[:en:International Date Line]]. Other areas label their tropical cyclones as "cyclones" and "typhoons", and use their own [[:en:tropical cyclone classification schemes|classification schemes]].--> |
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公式には、サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールは、<u>1分間</u>を超えて持続する最大平均風速に基づいて、[[大西洋]]および[[国際日付変更線|日付変更線]]より東の[[北太平洋]]で発生するハリケーン<u>のみ</u>を対象に用いられる。 |
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その他の地域では、発生海域に応じて[[サイクロン]]{{enlink|cyclone}}や[[台風]]{{enlink|typhoon}}と呼称されるような熱帯低気圧に対して、それぞれ{{仮リンク|熱帯低気圧の等級|en|Tropical cyclone scales|label=異なる等級}}が用いられる。それらの地域では、最大持続風速を決定する際に3分間平均や10分間平均の風速を用いる(ただし、[[合同台風警報センター]]を除く)。そのため、これらの熱帯低気圧について、サファ・シンプソン・スケールによる方法を適用して直接比較することは困難である。 |
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サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールには、雨や[[高潮]]、その他の重要な要素が考慮に入れられていないとの[[#批判|批判]]もあるが、当スケールが目標とする役目は単純で理解しやすいことにあると擁護する者もいる。 |
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== 歴史 == |
== 歴史 == |
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当スケールは[[土木工学|土木工学者]]の{{仮リンク|ハーバート・サファ|en|Herbert Saffir}}と、当時アメリカの[[国立ハリケーンセンター]] (NHC) のセンター長を務めていた気象学者の{{仮リンク|ロバート・シンプソン (気象学者)|en|Robert Simpson (meteorologist)|label=ロバート・シンプソン}}によって1971年に開発された<ref name="USA Today">{{cite news |author= Williams, Jack | title= Hurricane scale invented to communicate storm danger |work= [[USA Today]] |date= May 17, 2005 |accessdate= February 25, 2007 | url= https://www.usatoday.com/weather/hurricane/whscale.htm}}</ref>。当スケールが一般向けに導入されたのは1973年のことで<ref name="Bridgeport Post">{{cite news |url= http://www.thehurricanearchive.com/Viewer.aspx?img=82937522_clean&firstvisit=true&src=search¤tResult=9¤tPage=50 |title='73, Hurricanes to be Graded |author=Staff writer |agency= Associated Press |date= May 9, 1973 |accessdate= December 8, 2007 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20160519155007/http://thehurricanearchive.com/viewer.aspx?currentpage=50¤tresult=9&firstvisit=true&img=82937522_clean&src=search |archivedate= May 19, 2016 }}</ref>、広く用いられるようになったのは、シンプソンの後任の{{仮リンク|ニール・フランク|en|Neil Frank}}が1974年にNHCのセンター長に就いた後のことであった<ref name="Simpson interview" />。 |
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<!--:== History ==--> |
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このスケールは[[1969年]]に[[土木工学]]技術者の[[ハーバート・サファ]]と、当時[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[国立ハリケーンセンター]]長官であった[[ボブ・シンプソン]]によって開発された。 |
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当初のスケールは、1969年に[[国際連合]]から委託されてハリケーン多発地域の低価格住宅の研究をしていた、[[構造工学|構造工学者]]のハーバート・サファが開発したものである<ref name=":0">{{cite news |url= https://news.google.com/newspapers?id=TTEfAAAAIBAJ&sjid=lccEAAAAIBAJ&pg=2625%2C7395281 |archive-url= https://web.archive.org/web/20160417061701/https://news.google.com/newspapers?id=TTEfAAAAIBAJ&sjid=lccEAAAAIBAJ&pg=2625%2C7395281 |dead-url= yes |archive-date= April 17, 2016 |title= Hurricanes shaped life of scale inventor |date=August 23, 2001 |author= Press Writer |accessdate= March 20, 2016}} </ref>。研究を進めるうちにサファは、ハリケーンによって起こりやすい現象の規模をわかりやすく評価する尺度がないことに気づいた。サファは地震の規模を示す[[ローカル・マグニチュード|リヒターのマグニチュード・スケール]]の効用を反映させて、予想される建造物被害を示す、[[風速]]を基準にした1から5までの5段階の等級を考案した。サファはこのスケールをNHCに捧げ、シンプソンがこれに[[高潮]]と洪水の影響を加えた。 |
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<!--:The scale was developed in [[:en:1969]] by [[:en:civil engineering|civil engineer]] [[:en:Herbert Saffir]] and [[:en:Bob Simpson (meteorologist)|Bob Simpson]], at that time the director of the [[:en:United States of America|U.S.]] [[:en:National Hurricane Center (NOAA)|National Hurricane Center]].--> |
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最初のスケールは[[国際連合]]からハリケーン多発地帯の低価格な住宅の研究の委託を受けたサファによって開発された。研究を行ううちに、サファはハリケーンの起こるべく影響を示すわかりやすい尺度がないことに気づいた。地震の規模を表す[[マグニチュード]]の効用を知って、彼は風速を基準にして予測される建造物被害を示す1—5の等級に分けた。サファが国立ハリケーンセンターにこれを持ち込み、シンプソンがこれに[[高潮]]と洪水の影響を加えた。このスケールには降雨や位置の評価がはいっていない。これはカテゴリー2のハリケーンが大都市を直撃すればカテゴリー5のハリケーンが人口閑散地帯を通るよりも多くの被害が出るかもしれないということを意味する。 |
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2009年、NHCは中心気圧と高潮の程度についての評価をカテゴリーから排除すべく手を打って、当スケールを純粋な風力スケールへと一変させ、Saffir–Simpson Hurricane Wind Scale (Experimental) [SSHWS] と仮称した<ref name="NHC SSHS">[http://www.nhc.noaa.gov/aboutsshws.php The Saffir–Simpson Hurricane Wind Scale ''National Hurricane Center''. Accessed 2009-05-15.]</ref>。この新しいスケールは2010年5月15日より本運用が開始された<ref>[http://www.ofcm.gov/nhop/10/pdf/2010%20NHOP%20entire%20document.pdf National Hurricane Operations Plan] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20110708201653/http://www.ofcm.gov/nhop/10/pdf/2010%20NHOP%20entire%20document.pdf |date=July 8, 2011 }}, [[NOAA]]. Accessed July 3, 2010.</ref>。新しいスケールでは、洪水の範囲、高潮の推定、降雨、位置の評価が除外された。これは、カテゴリー2のハリケーンが大都市を直撃すれば、カテゴリー5のハリケーンが田舎の地方を通過するよりも、はるかに多くの累積的被害が出るであろうことを意味する<ref name="LiveScience"/>。気象局は、推定よりも強い高潮を引き起こした[[ハリケーン・カトリーナ]](2005年)と[[ハリケーン・アイク]](2008年)や、逆に推定よりも弱い高潮しか引き起こさなかった{{仮リンク|ハリケーン・チャーリー|en|Hurricane Charley}}(2004年)を含む、過去の様々なハリケーンの事例を引用して、それらを「科学的に不正確な」情報を削除した理由としている<ref>{{cite web |url= http://www.weather.gov/infoservicechanges/sshws.pdf |title= Experimental Saffir–Simpson Hurricane Wind Scale |year=2009 |publisher= National Hurricane Center |accessdate= 2019-05-21}}</ref>。サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールから評価が除外された高潮の予測とモデリングは現在、{{仮リンク|ADCIRC|en|ADCIRC}}や{{仮リンク|SLOSH|en|Sea, Lake, and Overland Surge from Hurricanes|label=SLOSH}}などのコンピュータ数値モデルを用いて処理されている。 |
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<!--:The initial scale was developed by Saffir while on commission from the [[:en:United Nations]] to study low-cost housing in hurricane-prone areas. While performing the study, Saffir realized there was no simple scale for describing the likely effects of a hurricane. Knowing the utility of the [[:en:Richter magnitude scale]] in describing earthquakes, he devised a 1–5 scale based on [[:en:wind speed]] that showed expected damage to structures. Saffir gave the scale to the [[:en:NHC]], and Simpson added in the effects of [[:en:storm surge]] and flooding. The scale does not take into account [[:en:rainfall]] or location, which means a Category 2 hurricane that hits a major city will likely do far more damage than a Category 5 hurricane that hits a rural area.--> |
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2012年、NHCはカテゴリー4の風速範囲の上限と下限を、131–155 mph (114–135 kt, 210–249 km/h) から、それぞれ1 mphずつ拡大して、130–156 mph (113–136 kt, 209–251 km/h) に変更した。NHCと[[中部太平洋ハリケーンセンター]]は、熱帯低気圧の強さを5ノット単位で割り当て、他の報告でも同様に端数処理して、mphとkm/hに換算している。そのため、115ノットの強度はカテゴリー4と評定されるが、そのマイル毎時への換算値 (132.3 mph) は130 mphに切り捨てられるので、一見するとカテゴリー3のハリケーンであるかのように思わせてしまう。同様に、135ノットの強度(155 mph、すなわちカテゴリー4)は250.02 km/hであるが、変更前に用いられていた定義に従えば、カテゴリー5になる。こうした問題を解決するため、NHCは、115ノットの風速の暴風を135 mphとしたり、135ノットの風速を245 km/hとしたりするなど、誤った報告をせざるを得なかったのであった。この定義の変更によって、115ノットの暴風を130 mphに正しく切り捨てることが可能となり、135ノットの風速も250 km/hとして正しく報告されるようになり、等級はカテゴリー4のままとされた。NHCが以前、誤った端数処理によって各測定単位で等級づけしたカテゴリー4のハリケーンは、新しい等級に変わってもカテゴリー4の分類のままであるため、この度の変更は過年度のハリケーンの分類には影響を与えなかった<ref name="NHC SSHS" />。この新しいスケールは2012年5月15日より運用が開始された<ref>[http://www.nhc.noaa.gov/news/20120301_pis_sshws.php Public Information Statement], [[NOAA]]. Accessed March 9, 2012.</ref>。 |
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== カテゴリー == |
== カテゴリー == |
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当スケールでは、ハリケーンを風速に基づいて5つの異なるカテゴリーに区分する。米国の国立ハリケーンセンターは、カテゴリー3以上のハリケーンを ''major hurricanes'' とし、合同台風警報センターは、最大風速150 mph以上(カテゴリー4強からカテゴリー5相当)の台風を ''super typhoons'' と呼称するが、これらに該当しなくても、熱帯低気圧はみな非常に危険であることには相違ない。ほとんどの気象機関は、持続風速について[[世界気象機関]] (WMO) が推奨する風速の定義、すなわち{{convert|33|ft|m|1|abbr=on}}の高さで10分間測定した風速の平均値を用いている。それに対し、米国の[[アメリカ国立気象局|国立気象局]]、[[中部太平洋ハリケーンセンター]]および[[合同台風警報センター]]は、持続風速を{{convert|33|ft|m|1|abbr=on}}の高さで1分間以上測定した平均風速と定義しており<ref name="NWSM Defs">{{cite web | author = Tropical Cyclone Weather Services Program | title = Tropical cyclone definitions | url = http://www.weather.gov/directives/sym/pd01006004curr.pdf | date = June 1, 2006 | accessdate = November 30, 2006 | publisher = National Weather Service}}</ref><ref name="FEMA glossary">{{cite web | author=[[アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁|Federal Emergency Management Agency]] | title = Hurricane Glossary of Terms | year = 2004 | accessdate = March 24, 2006 | url = http://www.fema.gov/hazards/hurricanes/hurglos.shtm |archiveurl = https://web.archive.org/web/20051214034332/http://www.fema.gov/hazards/hurricanes/hurglos.shtm |archivedate = December 14, 2005}} Accessed through the [[Internet Archive|Wayback Machine]].</ref>、このスケールでもその定義が用いられている。 |
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<!--:== Categories ==--> |
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5つのカテゴリーは、強度の弱い方から強い方へと並んでいる。 |
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風速値はおおよそ対数スケールに対応し、各カテゴリーの風速の上限は、カテゴリー“''c''”(''c'' = 1 ... 4; カテゴリー5には上限は設定されていない)とおくと、83×10<sup>({{frac|''c''|15}})</sup>マイル毎時と表され、さらに最も近い5の倍数に丸められる。ただし、上述した定義の変更後は例外的に、カテゴリー4は階級の風速幅が上下両方向にそれぞれ1 mph広げられていて、カテゴリー2 (''c'' = 2) の算定値は112.8 mphから110 mphに切り捨てられる。 |
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<!--:The five categories are, in order of increasing intensity:--> |
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{{サファ・シンプソン・ハリケーン・スケール|平成30年台風第24号=}} |
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以下の小節で、強度の弱い方から順に5つのカテゴリーについて説明する<ref>{{Cite news|url=https://www.livescience.com/33668-hurricane-famous-examples-5-hurricane-categories.html|title=Name That Hurricane: Famous Examples of the 5 Hurricane Categories|work=Live Science|access-date=September 11, 2017}}</ref>。以下に例示したハリケーンの強度は、上陸時かつ最大時のものである。 |
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<!--:{{Saffir-Simpson full}}--> |
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すべての風速は1分間の平均によっている。中心気圧はおよその値である。例示したハリケーンの強さは、上陸時のものないし最大時のものである。 |
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=== カテゴリー1 === |
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<!--:All wind speeds are based on a one-minute average. Central pressure values are approximate. Intensity of example hurricanes is from both the time of landfall and the maximum intensity.--> |
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{| class="wikitable" style="text-align: center; float:right; width:350px;" |
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! style="background: #{{Storm colour|cat1}}; text-align: center;" colspan="2" | カテゴリー1 |
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|- |
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! 風速 |
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! 直近の例 |
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|- |
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| 33–42 [[メートル毎秒|m/s]]<br />64–82 [[ノット|kt]]<br />119–153 km/h<br />74–95 mph |
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| style = "font-size: 80%; width:142px" |[[File:Barry_2019-07-13_1915Z.jpg|140px]] 2019年の[[ルイジアナ州]]上陸時の{{仮リンク|ハリケーン・バリー (2019年)|en|Hurricane Barry (2019)|label=バリー}} |
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|} |
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'''''Very dangerous winds will produce some damage'''''<br/>(非常に危険な風によって相当の被害が発生する<ref name="CGJM">{{Cite web|url=https://www.miami.us.emb-japan.go.jp/files/000175712.pdf|title=ハリケーンの基礎知識|publisher=[[在マイアミ日本国総領事館]]|format=PDF|date=2019-05-06|accessdate=2019-06-04}}</ref>) |
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カテゴリー1のハリケーンは通常、十分に丈夫に建てられたほとんどの永続的な建造物に重大な構造上の被害をもたらすことはない。しかし、しっかりと固定されていない移動式住宅はぐらついて倒れることがあり、植え込みや弱い樹木は根こそぎ引き抜かれたり折られたりする。粗末に取り付けられた屋根板や屋根瓦は吹き飛ばされることがある。沿岸部においては、高潮による浸水や[[桟橋]]の被害がカテゴリー1のハリケーンと関連付けられることがしばしばある。典型的には広い範囲で停電が発生し、時に数日間続くこともある。ハリケーンとしては最も強度が小さい部類ではあるが、依然として広範な被害が出たり、生命が脅かされたりすることもある<ref name="NHC SSHS"/>。 |
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最大時にカテゴリー1の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:{{仮リンク|ハリケーン・グラディス|en|Hurricane Gladys (1968)|label=グラディス}}(1968年)、{{仮リンク|ハリケーン・ベス|en|Hurricane Beth|label=ベス}}(1971年)、{{仮リンク|ハリケーン・アグネス|en|Hurricane Agnes|label=アグネス}}(1972年)、{{仮リンク|ハリケーン・フアン (1985年)|en|Hurricane Juan (1985)|label=フアン}}(1985年)、{{仮リンク|ハリケーン・イズマエル|en|Hurricane Ismael|label=イズマエル}}(1995年)、{{仮リンク|ハリケーン・ダニー (1997年)|en|Hurricane Danny (1997)|label=ダニー}}(1997年)、[[ハリケーン・クローデット (2003年)|クローデット]](2003年)、{{仮リンク|ハリケーン・ガストン (2004年)|en|Hurricane Gaston (2004)|label=ガストン}}(2004年)、[[ハリケーン・スタン|スタン]](2005年)、{{仮リンク|ハリケーン・ウンベルト (2007年)|en|Hurricane Humberto (2007)|label=ウンベルト}}(2007年)、{{仮リンク|ハリケーン・アイザック (2012年)|en|Hurricane Isaac (2012)|label=アイザック}}(2012年)、{{仮リンク|ハリケーン・マニュエル|en|Hurricane Manuel|label=マニュエル}}(2013年)、{{仮リンク|ハリケーン・アール (2016年)|en|Hurricane Earl (2016)|label=アール}}(2016年)、{{仮リンク|ハリケーン・ハーマイン|en|Hurricane Hermine|label=ハーマイン}}(2016年)、{{仮リンク|ハリケーン・ニュートン (2016年)|en|Hurricane Newton (2016)|label=ニュートン}}(2016年)、{{仮リンク|ハリケーン・フランクリン|en|Hurricane Franklin|label=フランクリン}}(2017年)、[[ハリケーン・ネイト|ネイト]](2017年)、{{仮リンク|ハリケーン・バリー (2019年)|en|Hurricane Barry (2019)|label=ハリケーン・バリー}}(2019年)<!-- カテゴリーごとのハリケーンの例示は最大18個までに制限し、これを維持するようにしてください。より最近上陸したハリケーンの例が出現するにつれて、古くなった例および特筆性に乏しい例は排除していってください。この18個制限を維持する理由は、2019年9月1日時点において、カテゴリー5の勢力に達して勢力を維持したまま上陸した大西洋海域のハリケーンの数が18個であり(なお、東太平洋海域では前例がない)、各カテゴリーで例示するハリケーンの数について一貫性をもたせるためです。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 --> |
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{{clear}} |
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=== カテゴリー2 === |
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{| class="wikitable" style="text-align: center; float:right; width:350px;" |
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! style="background: #{{Storm colour|cat2}}; text-align: center;" colspan="2" | カテゴリー2 |
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|- |
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! 風速 |
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! 直近の例 |
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|- |
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| 43–49 m/s<br />83–95 kt<br />154–177 km/h<br />96–110 mph |
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| style = "font-size: 80%; width:142px" |[[File:Arthur 2014-07-03 2130Z.png|140px]] 2014年の[[ノースカロライナ州]]接近時の{{仮リンク|ハリケーン・アーサー|en|Hurricane Arthur|label=アーサー}} |
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|} |
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{{See also|{{仮リンク|太平洋で発生したカテゴリー2のハリケーンの一覧|en|List of Category 2 Pacific hurricanes}}}} |
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'''''Extremely dangerous winds will cause extensive damage'''''<br/>(極めて危険な風によって大規模な被害が発生する<ref name="CGJM"/>) |
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カテゴリー2の強度のハリケーンは、しばしば屋根材に損害を与え、時に屋根を野ざらしにし、立て付けの悪いドアや窓に被害をもたらす。粗末に設置された標識・看板や桟橋はかなりの被害を受け、多くの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折られたりする。移動式住宅は固定がしっかりしていようがいまいが、典型的に損傷を受けたり破壊されたりし、多くのプレハブ住宅も構造上の被害を受ける。保護されていない係留地にある小型の船舶は、その係船を失うおそれがある。電化地域の広い範囲からほぼ全域が停電に見舞われる。時折、飲料水が不足しやすくなり、その状態が何日も続く場合もある<ref name="NHC SSHS"/>。 |
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最大時にカテゴリー2の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:{{仮リンク|ハリケーン・エイブル (1952年)|en|Hurricane Able (1952)|label=エイブル}}(1952年)、{{仮リンク|ハリケーン・アリス (1954年6月)|en|Hurricane Alice (June 1954)|label=アリス}}(1954年)、{{仮リンク|ハリケーン・エラ (1958年)|en|Hurricane Ella (1958)|label=エラ}}(1958年)、{{仮リンク|ハリケーン・フィフィ・オーリーン|en|Hurricane Fifi–Orlene|label=フィフィ}}(1974年)、{{仮リンク|ハリケーン・ダイアナ|en|Hurricane Diana|label=ダイアナ}}(1990年)、{{仮リンク|ハリケーン・カルバン (1993年)|en|Hurricane Calvin (1993)|label=カルバン}}(1993年)、{{仮リンク|ハリケーン・ガート|en|Hurricane Gert|label=ガート}}(1993年)、{{仮リンク|ハリケーン・ローザ (1994年)|en|Hurricane Rosa (1994)|label=ローザ}}(1994年)、{{仮リンク|ハリケーン・エリン (1995年)|en|Hurricane Erin (1995)|label=エリン}}(1995年)、{{仮リンク|ハリケーン・アルマ (1996年)|en|Hurricane Alma (1996)|label=アルマ}}(1996年)、{{仮リンク|ハリケーン・フアン (2003年)|en|Hurricane Juan|label=フアン}}(2003年)、[[ハリケーン・カタリーナ|カタリーナ]](2004年)、{{仮リンク|ハリケーン・アレックス (2010年)|en|Hurricane Alex (2010)|label=アレックス}}(2010年)、{{仮リンク|ハリケーン・リチャード|en|Hurricane Richard|label=リチャード}}(2010年)、{{仮リンク|ハリケーン・トマス|en|Hurricane Tomas|label=トマス}}(2010年)、{{仮リンク|ハリケーン・カルロッタ (2012年)|en|Hurricane Carlotta (2012)|label=カルロッタ}}(2012年)、{{仮リンク|ハリケーン・アーネスト (2012年)|en|Hurricane Ernesto (2012)|label=アーネスト}}(2012年)、{{仮リンク|ハリケーン・アーサー|en|Hurricane Arthur|label=アーサー}}(2014年)<!-- カテゴリーごとのハリケーンの例示は最大18個までに制限し、これを維持するようにしてください。より最近上陸したハリケーンの例が出現するにつれて、古くなった例および特筆性に乏しい例は排除していってください。この18個制限を維持する理由は、2019年9月1日時点において、カテゴリー5の勢力に達して勢力を維持したまま上陸した大西洋海域のハリケーンの数が18個であり(なお、東太平洋海域では前例がない)、各カテゴリーで例示するハリケーンの数について一貫性をもたせるためです。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 --> |
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{{clear}} |
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=== カテゴリー3 === |
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{| class="wikitable" style="text-align: center; float:right; width:350px;" |
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! style="background: #{{Storm colour|cat3}}; text-align: center;" colspan="2" | カテゴリー3 |
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|- |
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! 風速 |
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! 直近の例 |
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|- |
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| 50–58 m/s<br />96–112 kt<br />178–208 km/h<br />111–129 mph |
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| style = "font-size: 80%; width:142px" | [[File:Otto 2016-11-24 1605Z.jpg|140px]] 2016年の[[ニカラグア]]上陸時の[[ハリケーン・オットー|オットー]] |
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|} |
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{{See also|{{仮リンク|大西洋で発生したカテゴリー3のハリケーンの一覧|en|List of Category 3 Atlantic hurricanes}}|{{仮リンク|太平洋で発生したカテゴリー3のハリケーンの一覧|en|List of Category 3 Pacific hurricanes}}}} |
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'''''Devastating damage will occur'''''<br/>(甚大な被害が発生する<ref name="CGJM"/>) |
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大西洋および東太平洋の{{仮リンク|熱帯低気圧の発生する海域|en|Tropical cyclone basins|label=海域}}で発生するカテゴリー3以上のハリケーンについては、''major hurricanes'' と表現される。これらのハリケーンは、小規模の住宅や施設に何らかの構造上の損害を与え、特に、小さな欠陥{{訳語疑問点|date=2019年5月}}のある[[カーテンウォール|非耐力壁]]をもつ、木造の骨組みや組み立て材料を使用した建物に被害をもたらす。移動式住宅のように基礎の強固でない建造物は通常、破壊され、[[妻側|切妻壁]]の屋根は剥がされる。プレハブ住宅は通常、重度かつ修繕不可能な被害を受ける。海岸近くでは、高潮による浸水によって小規模の建造物が破壊され、より大きな建造物は流されてきた瓦礫によって被害を受ける。多くの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折られたりし、多くの地域を孤立させる。さらに、内陸の地域にあっても辺り一帯で洪水被害が出るおそれがある。電化地域のほぼ全域から全域が停電に見舞われ、数週間程度続くこともある。また、水道水が使えなくなったり、汚染されたりする<ref name="NHC SSHS"/>。 |
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最大時にカテゴリー3の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:{{仮リンク|ハリケーン・イージー (1950年)|en|Hurricane Easy (1950)|label=イージー}}(1950年)、{{仮リンク|ハリケーン・キャロル (1954年)|en|Hurricane Carol|label=キャロル}}(1954年)、{{仮リンク|ハリケーン・ヒルダ (1955年)|en|Hurricane Hilda (1955)|label=ヒルダ}}(1955年)、{{仮リンク|ハリケーン・オードリー|en|Hurricane Audrey|label=オードリー}}(1957年)、{{仮リンク|ハリケーン・イズベル|en|Hurricane Isbell|label=イズベル}}(1964年)、{{仮リンク|ハリケーン・セリア (1970年)|en|Hurricane Celia|label=セリア}}(1970年)、{{仮リンク|ハリケーン・エラ (1970年)|en|Hurricane Ella (1970)|label=エラ}}(1970年)、{{仮リンク|ハリケーン・エロイーズ|en|Hurricane Eloise|label=エロイーズ}}(1975年)、{{仮リンク|ハリケーン・オリビア|en|Hurricane Olivia (1975)|label=オリビア}}(1975年)、{{仮リンク|ハリケーン・アリシア|en|Hurricane Alicia|label=アリシア}}(1983年)、{{仮リンク|ハリケーン・エレナ (1985年)|en|Hurricane Elena|label=エレナ}}(1985年)、{{仮リンク|ハリケーン・ロクサーヌ|en|Hurricane Roxanne|label=ロクサーヌ}}(1995年)、{{仮リンク|ハリケーン・フラン (1996年)|en|Hurricane Fran|label=フラン}}(1996年)、{{仮リンク|ハリケーン・イシドール (2002年)|en|Hurricane Isidore|label=イシドール}}(2002年)、[[ハリケーン・ジーン (2004年)|ジーン]](2004年)、{{仮リンク|ハリケーン・レーン (2006年)|en|Hurricane Lane (2006)|label=レーン}}(2006年)、{{仮リンク|ハリケーン・カール (2010年)|en|Hurricane Karl|label=カール}}(2010年)、[[ハリケーン・オットー|オットー]](2016年)<!-- カテゴリーごとのハリケーンの例示は最大18個までに制限し、これを維持するようにしてください。より最近上陸したハリケーンの例が出現するにつれて、古くなった例および特筆性に乏しい例は排除していってください。この18個制限を維持する理由は、2019年9月1日時点において、カテゴリー5の勢力に達して勢力を維持したまま上陸した大西洋海域のハリケーンの数が18個であり(なお、東太平洋海域では前例がない)、各カテゴリーで例示するハリケーンの数について一貫性をもたせるためです。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 --> |
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{{clear}} |
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=== カテゴリー4 === |
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{| class="wikitable" style="text-align: center; float:right; width:350px;" |
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! style="background: #{{Storm colour|cat4}}; text-align: center;" colspan="2" | カテゴリー4 |
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|- |
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! 風速 |
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! 直近の例 |
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|- |
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| 58–70 m/s<br />113–136 kt<br />209–251 km/h<br />130–156 mph |
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| style = "font-size: 80%; width:142px" | [[File:Florence 2018-09-11 1750Z.jpg|140px]] 2018年の[[バミューダ諸島]]の南端通過時の[[ハリケーン・フローレンス|フローレンス]] |
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|} |
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{{See also|{{仮リンク|大西洋で発生したカテゴリー4のハリケーンの一覧|en|List of Category 4 Atlantic hurricanes}}|{{仮リンク|太平洋で発生したカテゴリー4のハリケーンの一覧|en|List of Category 4 Pacific hurricanes}}}} |
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'''''Catastrophic damage will occur'''''<br/>(破滅的な被害が発生する<ref name="CGJM"/>) |
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カテゴリー4のハリケーンは、より広範囲にわたって非耐力壁を損壊させ、一部の小規模住宅を全壊させる傾向にある。ガソリンスタンドの屋根や、その他の吊り下げられるタイプの建造物が、重度の修繕不可能な被害を受け、ほとんど完全に破壊されることがよくみられる。移動式住宅や組み立て住宅は、ぺしゃんこにつぶれる場合がある。最も頑強なものを除き、ほとんどの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折れたりし、多くの地域を孤立させる。これらのハリケーンは、広い範囲にわたって浜辺を侵食し、内陸のかなり奥のほうにあっても、辺り一帯で洪水被害が出るおそれがある。全面的かつ長期間に及ぶ停電と断水が発生することが予想され、何週間も続く場合がある<ref name="NHC SSHS"/>。 |
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米国を襲った自然災害として史上最も多くの死者を出したとされる[[1900年のガルベストン・ハリケーン]]は、その最大時の強度に関して、今日でいうカテゴリー4のハリケーンに相当したであろうと考えられている。その他に最大時にカテゴリー4の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:{{仮リンク|ヘーゼル|en|Hurricane Hazel}}(1954年)、{{仮リンク|ハリケーン・グレイシー|en|Hurricane Gracie|label=グレイシー}}(1959年)、{{仮リンク|ハリケーン・ドナ|en|Hurricane Donna|label=ドナ}}(1960年)、[[ハリケーン・フローラ|フローラ]](1963年)、[[ハリケーン・クレオ|クレオ]](1964年)、[[ハリケーン・ベッツィ|ベッツィ]](1965年)、{{仮リンク|ハリケーン・カルメン|en|Hurricane Carmen|label=カルメン}}(1974年)、{{仮リンク|ハリケーン・フレデリック|en|Hurricane Frederic|label=フレデリック}}(1979年)、{{仮リンク|ハリケーン・ジョアン|en|Hurricane Joan–Miriam|label=ジョアン}}(1988年)、[[ハリケーン・イニキ|イニキ]](1992年)、{{仮リンク|ハリケーン・ルイス|en|Hurricane Luis|label=ルイス}}(1995年)、{{仮リンク|ハリケーン・アイリス (2001年)|en|Hurricane Iris|label=アイリス}}(2001年)、{{仮リンク|ハリケーン・チャーリー (2004年)|en|Hurricane Charley|label=チャーリー}}(2004年)、{{仮リンク|ハリケーン・デニス (2005年)|en|Hurricane Dennis|label=デニス}}(2005年)、[[ハリケーン・グスタフ|グスタフ]](2008年)、[[ハリケーン・アイク|アイク]](2008年)、[[ハリケーン・ホアキン|ホアキン]](2015年)、[[ハリケーン・ハービー|ハービー]](2017年)<!-- カテゴリーごとのハリケーンの例示は最大18個までに制限し、これを維持するようにしてください。より最近上陸したハリケーンの例が出現するにつれて、古くなった例および特筆性に乏しい例は排除していってください。この18個制限を維持する理由は、2019年9月1日時点において、カテゴリー5の勢力に達して勢力を維持したまま上陸した大西洋海域のハリケーンの数が18個であり(なお、東太平洋海域では前例がない)、各カテゴリーで例示するハリケーンの数について一貫性をもたせるためです。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 --> |
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{{clear}} |
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=== カテゴリー5 === |
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{| class="wikitable" style="text-align: center; float:right; width:350px;" |
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! style="background: #{{Storm colour|cat5}}; text-align: center;" colspan="2" | カテゴリー5 |
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|- |
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! 風速 |
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! 直近の例 |
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|- |
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| ≥ 70 m/s<br />≥ 137 kt<br />≥ 252 km/h<br />≥ 157 mph |
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| style = "font-size: 80%; width:142px" |[[File:Dorian_2019-09-01_1742Z.jpg|140px]] 2019年の[[バハマ]]上陸時頃の[[ハリケーン・ドリアン|ドリアン]] |
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|} |
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{{See also|{{仮リンク|大西洋で発生したカテゴリー5のハリケーンの一覧|en|List of Category 5 Atlantic hurricanes}}|{{仮リンク|太平洋で発生したカテゴリー5のハリケーンの一覧|en|List of Category 5 Pacific hurricanes}}}} |
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'''''Catastrophic damage will occur'''''<br/>(破滅的な被害が発生する<ref name="CGJM"/>) |
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カテゴリー5は、サファ・シンプソン・スケールで最も等級の高いカテゴリーである。これらのハリケーンは多くの住宅および産業用建造物の屋根を全損させ、一部の小さな施設については全壊したり、建物ごと吹き飛ばされたりする。長さのある屋根や壁、特に内側に支えのないものの多くは崩壊することがよくみられる。多くの木造建造物に非常に重度かつ修繕不可能な被害がもたらされ、移動式住宅や組み立て住宅の全壊が広く認められる。少なくとも{{convert|3|to|5|mi|km|0}}程度、内陸に位置している場合において、無傷で持ちこたえられる建造物がわずかにあるのみで、それに該当するのは、鉄骨やコンクリートで建造されたオフィスビル、分譲マンション、アパートおよびホテル、複数階建てのコンクリート製の立体駐車場、ならびに鉄筋レンガまたは鉄筋コンクリート/セメント製の住宅や、水平面から35度もの傾斜のついた[[寄棟造]]の屋根をもつ住宅、あらゆる種類の吊り下げられた屋根のない住宅、そして、耐ハリケーン設計の安全ガラスで作られたか、シャッターで覆われた窓である。これらの要件を全て満たしていない限り、建造物の全壊は不可避である<ref name="NHC SSHS"/>。 |
|||
ハリケーンのもたらす洪水によって、海岸線近くにある全ての建造物の低層階に大きな被害が出るほか、高潮によって沿岸部にある多くの建造物が完全にぺしゃんこになったり、遠くまで流されたりすることがある。事実上、全ての樹木が根こそぎ引き抜かれたり折れたりし、一部は陸まで揚がって、影響を受けたほとんどの住宅街を孤立させる。ハリケーンが人口の密集する地区に迫っていて脅威となる場合、住宅地区では大規模な[[避難]]が必要とされる場合がある。全面的かつ極めて長い期間にわたって停電と断水が発生することが予想され、最大で数カ月程度まで続く可能性がある<ref name="NHC SSHS"/>。 |
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歴史上、カテゴリー5の勢力で上陸したハリケーンの例は、{{仮リンク|1924年キューバ・ハリケーン|en|1924 Cuba hurricane|label=「キューバ」}}(1924年)、[[オキーチョビー・ハリケーン|「オキーチョビー」]](1928年)、{{仮リンク|1932年バハマ・ハリケーン|en|1932 Bahamas hurricane|label=「バハマ」}}(1932年)、{{仮リンク|1933年キューバ・ブラウンズビル・ハリケーン|en|1933 Cuba–Brownsville hurricane|label=「キューバ・ブラウンズビル」}}(1933年)、{{仮リンク|1935年レイバー・デー・ハリケーン|en|1935 Labor Day hurricane|label=「レイバー・デー」}}(1935年)、{{仮リンク|ハリケーン・ジャネット|en|Hurricane Janet|label=ジャネット}}(1955年)、[[ハリケーン・カミーユ|カミーユ]](1969年)、{{仮リンク|ハリケーン・エディス (1971年)|en|Hurricane Edith (1971)|label=エディス}}(1971年)、{{仮リンク|ハリケーン・アニータ|en|Hurricane Anita|label=アニータ}}(1977年)、{{仮リンク|ハリケーン・デイビッド|en|Hurricane David|label=デイビッド}}(1979年)、[[ハリケーン・ギルバート|ギルバート]](1988年)、[[ハリケーン・アンドリュー|アンドリュー]](1992年)、[[ハリケーン・ディーン|ディーン]](2007年)、[[ハリケーン・フェリックス|フェリックス]](2007年)、[[ハリケーン・イルマ|イルマ]](2017年)<ref>{{Cite web|url=http://www.crh.noaa.gov/Image/mkx/pdf/handouts/famous-hurricanes.pdf|title=Famous Hurricanes of the 20th and 21st Century in the United States|last=|first=|date=|website=www.weather.gov/crh/|access-date=2017-09-11|url-status=dead|url-status-date=2019-05-21|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180614021405/http://www.crh.noaa.gov/Image/mkx/pdf/handouts/famous-hurricanes.pdf|archivedate=2018-06-14}}</ref>、[[ハリケーン・マリア|マリア]](2017年)<ref name="auto">{{cite report|first=Eric|last=Blake|publisher=National Hurricane Center|location=Miami, Florida|date=September 20, 2017|accessdate=September 20, 2017|title=Hurricane Maria Tropical Cyclone Update|url=http://www.nhc.noaa.gov/archive/2017/al15/al152017.update.09200759.shtml}}</ref>、[[ハリケーン・マイケル|マイケル]](2018年)<ref name="michael tcr">{{cite techreport|author=John L. Beven II|author2=Robbie Berg|author3=Andrew Hagen|publisher=National Hurricane Center|date=April 19, 2019|access-date=April 19, 2019|title=Tropical Cyclone Report: Hurricane Michael|url=https://www.nhc.noaa.gov/data/tcr/AL142018_Michael.pdf}}</ref>、[[ハリケーン・ドリアン|ドリアン]](2019年)の18例である。なお、これら18個のハリケーンは全て大西洋海域で発生したもので、東太平洋海域において発生してカテゴリー5の強度で上陸したハリケーンは知られていない。<!-- カテゴリーごとのハリケーンの例示は最大18個までに制限し、これを維持するようにしてください。より最近上陸したハリケーンの例が出現するにつれて、古くなった例および特筆性に乏しい例は排除していってください。この18個制限を維持する理由は、2019年9月1日時点において、カテゴリー5の勢力に達して勢力を維持したまま上陸した大西洋海域のハリケーンの数が18個であり(なお、東太平洋海域では前例がない)、各カテゴリーで例示するハリケーンの数について一貫性をもたせるためです。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いします。 --> |
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== 批判 == |
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{{仮リンク|ケリー・エマニュエル|en|Kerry Emanuel}}やラクシュミー・カンタなどの一部の科学者は、当スケールが熱帯低気圧の物理的な大きさも、それがもたらす[[降水]]量も全く考慮に入れていないことを示した上で、単純すぎるとして批判している<ref name="LiveScience"/>。さらに彼らや他の科学者らは、サファ・シンプソン・スケールが、[[地震]]の規模を示すために用いられるリヒター・スケールとは異なり、連続的ではなく、少数のカテゴリーに[[量子化]]されていることを指摘している。当スケールを置き換えるべく提案されている尺度もいくつかある。たとえば、Hurricane Intensity Indexはハリケーンがもたらす[[動圧]]に基づいているほか、Hurricane Hazard Indexはハリケーンの地表での風速、{{仮リンク|最大風速半径|en|Radius of maximum wind}}および[[平行移動|並進]]速度を基にしている<ref name="Kantha HHI HII">{{cite journal | author = Kantha, L. | url = http://www.ametro.net/~spongey/images/2006EO010003.pdf |date=January 2006 | title = Time to Replace the Saffir–Simpson Hurricane Scale? | journal = Eos | volume = 87 | issue = 1 | pages = 3, 6 | accessdate = December 8, 2007 | doi=10.1029/2006eo010003|bibcode = 2006EOSTr..87....3K }}</ref><ref name="Kantha BAMS">{{cite journal|last=Kantha|first=Lakshmi|date=February 2008|title=Tropical Cyclone Destructive Potential by Integrated Kinetic Energy|journal=Bulletin of the American Meteorological Society|volume=89|issue=2|pages=219–221|doi=10.1175/BAMS-89-2-219|bibcode = 2008BAMS...89..219K |citeseerx=10.1.1.693.5083}}</ref>。これらのスケールは連続的である点でリヒター・スケールに類似しているが<ref name="UCL alternates">{{cite web | author = Benfield Hazard Research Centre | publisher = [[ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン|University College London]] | title = Atmospheric Hazards | work = Hazard & Risk Science Review 2006 | url = http://www.benfieldhrc.org/activities/hrsr/h&rsr_2006/atmospheric.htm | year = 2006 | accessdate = December 8, 2007 | archive-url = https://web.archive.org/web/20080807165607/http://www.benfieldhrc.org/activities/hrsr/h%26rsr_2006/atmospheric.htm | archive-date = August 7, 2008 | dead-url = yes | df = dmy-all }}</ref>、いずれも公的には用いられていない。 |
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=== “カテゴリー6および7” === |
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{{仮リンク|2005年の大西洋ハリケーンシーズン|en|2005 Atlantic hurricane season|label=2005年の大西洋におけるハリケーンの時季}}に発生した一連の強力なハリケーンと[[ハリケーン・パトリシア]]を経験した後で、新聞のコラムニストや科学者らは、カテゴリー6を導入してはどうかと提言し、風速が{{convert|174|or|180|mph|m/s|abbr=on}}を上回るハリケーンにカテゴリー6を適用するよう、釘をさした<ref name="LiveScience">{{cite news|author = Ker Than|title = Wilma's Rage Suggests New Hurricane Categories Needed|work= LiveScience|date = October 20, 2005|url = http://www.livescience.com/environment/051020_hurricane_winds.html|accessdate = October 20, 2005}}</ref><ref>{{cite news | author=Bill Blakemore | title=Category 6 Hurricanes? They've Happened: Global Warming Winds Up Hurricane Scientists as NOAA Issues Its Atlantic Hurricane Predictions for Summer 2006 | publisher=ABC News | date=May 21, 2006 | url=http://abcnews.go.com/US/Science/story?id=1986862&page=1 | accessdate=September 10, 2006}}</ref>。2017年に[[ハリケーン・イルマ]]を経験すると、改めてこの問題について一考を促す呼びかけがなされ<ref>{{cite web|url=https://www.cbsnews.com/news/climate-scientists-mull-category-six-storm-classification-report-says/ |title=Climate scientists mull Category 6 storm classification, report says |publisher=ABC News|date=February 22, 2018|accessdate=2019-05-21}}</ref>、一部では、“カテゴリー6”のハリケーンとして、この用語を使う地元の政治家たちが続出した結果、見たところでは信用できそうな多くの誤った報道が話題となった<ref>{{cite news|url=https://www.express.co.uk/news/weird/850253/Hurricane-Irma-NOAA-hurricane-category-6-Irma-path |title=Hurricane Irma: Will Irma become world's first CATEGORY 6 hurricane with 200mph winds? |newspaper=Daily Express |date=September 5, 2017|accessdate=2019-05-21}}</ref>。この規模のハリケーンが記録された例は数少ない。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている大西洋で発生した35個のハリケーンのうち、{{convert|175|mph|m/s|abbr=on}}以上の風速を記録したのは19個、{{convert|180|mph|m/s|abbr=on}}以上の風速を記録したのは、たった8個({{仮リンク|1935年のレイバー・デー・ハリケーン|en|1935 Labor Day hurricane}}、[[ハリケーン・アレン|アレン]]、[[ハリケーン・ギルバート|ギルバート]]、[[ハリケーン・ミッチ|ミッチ]]、[[ハリケーン・リタ|リタ]]、[[ハリケーン・ウィルマ|ウィルマ]]、[[ハリケーン・イルマ|イルマ]]、[[ハリケーン・ドリアン|ドリアン]])である。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている東太平洋で発生した18個のハリケーンのうち、{{convert|175|mph|m/s|abbr=on}}以上の風速を記録したのは5個({{仮リンク|1959年の太平洋ハリケーンシーズン#ハリケーン・パッツィ|en|1959 Pacific hurricane season#Hurricane Patsy|label=パッツィ}}、[[ハリケーン・ジョン (1994年)|ジョン]]、{{仮リンク|ハリケーン・リンダ (1997年)|en|Hurricane Linda (1997)|label=リンダ}}、{{仮リンク|ハリケーン・リック (2009年)|en|Hurricane Rick (2009)|label=リック}}、[[ハリケーン・パトリシア|パトリシア]])、{{convert|180|mph|m/s|abbr=on}}以上の風速を記録したのは、たった3個(リンダ、リック、パトリシア)である。このカテゴリーが適用されることになるハリケーンのほとんどは、西太平洋では[[台風]]あるいはタイフーンと呼ばれる。最も著名なのは1979年の[[昭和54年台風第20号|台風20号]]で、{{convert|190|mph|km/h|abbr=on}}の持続風速を記録した<ref>{{cite web |author=Debi Iacovelli and Tim Vasquez |year=1998 |title=Supertyphoon Tip: Shattering all records |work=Monthly Weather Log |accessdate=September 19, 2010 |url=http://www.vos.noaa.gov/MWL/aug1998.pdf |publisher=National Oceanic and Atmospheric Administration}}</ref>。2013年の[[平成25年台風第30号|台風30号]]と2016年の[[2016年の台風#台風14号(ムーランティ)|台風14号]]は{{convert|195|mph|km/h|abbr=on}}の持続風速を記録した。時折、カットオフとして、それ以上に高い風速が測定されたと思わせる値が出ることがある。2018年11月に発行された新聞記事によると、[[アメリカ海洋大気庁]]で大気を研究している科学者のジム・コッシンは、[[気候変動|気候が温暖化]]するにつれて、より強いハリケーンが発生する可能性が高まってきていると述べた上で、カテゴリー6を設けるならば、風速範囲の下限は{{Convert|195|mph|m/s|abbr=on}}が妥当で、さらには仮定の話として、カテゴリー7の下限は{{Convert|230|mph|m/s|abbr=on}}になるであろうことを示唆した<ref>{{Cite news|url=http://www.tampabay.com/weather/category-6-scientists-warn-hurricanes-could-keep-getting-stronger-20181130/|title=Category 6? Scientists warn hurricanes could keep getting stronger|date=2018-11-30|work=Tampa Bay Times|access-date=2018-11-30|language=en}}</ref>。 |
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{{仮リンク|ロバート・シンプソン (気象学者)|en|Robert Simpson (meteorologist)|label=ロバート・シンプソン}}によれば、サファ・シンプソン・スケールは人工建造物に対するハリケーンの潜在的被害を想定するために設計されているため、カテゴリー6を設ける理由は存在しないとのことである。シンプソンは「{{convert|155|mph|km/h|abbr=on}}を超える風の吹く中へ入りますと、その極度の風が建物の面に6秒間も吹き続ければ、建物を破裂させる損害を引き起こすでしょうし、それはたとえどれほど丈夫に建てられていようとも深刻な事態です」と述べた<ref name="Simpson interview">{{cite news |author=Debi Iacovelli |title=The Saffir/Simpson Hurricane Scale: An Interview with Dr. Robert Simpson |newspaper=Sun-Sentinel |location=Fort Lauderdale, FL |date=July 2001 |url=http://www.novalynx.com/simpson-interview.html |accessdate=September 10, 2006}}</ref>。それにもかかわらず、フロリダ州の[[ブロワード郡 (フロリダ州)|ブロワード郡]]と[[マイアミ・デイド郡 (フロリダ州)|マイアミ・デイド郡]]では、重要インフラの建物についてはカテゴリー5のハリケーンにも耐えられることを要件とする建築基準法が定められている<ref name="Irma could test strength of Florida's strict building codes">{{cite news |author=Jennifer Kay |title=Irma could test strength of Florida's strict building codes |work=[[The Washington Post]] |location=Washington, DC |date=September 2017 |url=https://www.washingtonpost.com/business/irma-could-test-strength-of-floridas-strict-building-codes/2017/09/07/cc82f8f4-9413-11e7-8482-8dc9a7af29f9_story.html |accessdate=September 16, 2017}}</ref>。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* {{仮リンク|熱帯低気圧の等級|en|Tropical cyclone scales}} |
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* [[台風]] |
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* [[台風#台風の階級|日本の台風の階級]] |
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* [[改良藤田スケール]](EFスケール) |
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* [[ビューフォート風力階級]] |
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== 出典 == |
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{{Reflist|2}} |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://www.nhc.noaa.gov/aboutsshws.php Saffir-Simpson Hurricane Wind Scale] - 米国立ハリケーンセンターによる解説{{en icon}} |
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<!--:== External links ==--> |
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* [https://novalynx.com/store/pc/Saffir-Interview-d51.htm Q and A with Herbert Saffir] ''(The South Florida Sun-Sentinel)'' - サファとの一問一答集{{en icon}} |
|||
* [http://www.nhc.noaa.gov/aboutsshs.shtml Descriptions of the likely damage and flooding caused by each category of hurricane] - アメリカ合衆国国立ハリケーンセンター |
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* [ |
* [https://novalynx.com/store/pc/Simpson-Interview-d53.htm An Interview with Dr. Robert Simpson] ''(The Mariners Weather Log)'' - シンプソンとのインタビュー記事{{en icon}} |
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* [http://www.novalynx.com/saffir-interview.html Q&A with Herbert Saffir] - The South Florida Sun-Sentinel, 2001年6月 |
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{{デフォルトソート:さふあしんふそんはりえけんういんとすけえる}} |
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[[Category:Scales]] |
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[[Category:Tropical cyclone meteorology]] |
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[[Category:Winds]] |
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{{DEFAULTSORT:さふあしんふそんはりえけんういんとすけえる}} |
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[[Category:ハリケーン]] |
[[Category:ハリケーン]] |
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[[Category:災害スケール]] |
[[Category:災害スケール]] |
2024年7月11日 (木) 07:05時点における最新版
サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケール(英: Saffir-Simpson hurricane wind scale; SSHWS)は、熱帯低気圧 (tropical depression (TD)) と熱帯暴風雨 (tropical storm (TS)) を上回る強さにまで発達したハリケーン — 西半球の熱帯低気圧 — を持続的な風の強度によって5段階の「カテゴリー」に階級区分する尺度である。旧称はサファ・シンプソン・ハリケーン・スケール (Saffir-Simpson hurricane scale; SSHS) といった。
カテゴリー | 風速 (1分間平均の最大風速) | |||
---|---|---|---|---|
m/s | knots (kt) | mph | km/h | |
5 | ≥ 70 m/s | ≥ 137 kt | ≥ 157 mph | ≥ 252 km/h |
4 | 58–70 m/s | 113–136 kt | 130–156 mph | 209–251 km/h |
3 | 50–58 m/s | 96–112 kt | 111–129 mph | 178–208 km/h |
2 | 43–49 m/s | 83–95 kt | 96–110 mph | 154–177 km/h |
1 | 33–42 m/s | 64–82 kt | 74–95 mph | 119–153 km/h |
熱帯暴風雨 (TS) | 18–32 m/s | 34–63 kt | 39–73 mph | 63–118 km/h |
---|---|---|---|---|
熱帯低気圧 (TD) | ≤ 17 m/s | ≤ 33 kt | ≤ 38 mph | ≤ 62 km/h |
ハリケーンとして分類されるには、熱帯低気圧 (tropical cyclone) が少なくとも1分間平均の最大持続風速で74 mph (33 m/s)(カテゴリー1)にまで発達することが条件となる。当スケールで最も高い等級はカテゴリー5で、このカテゴリーに属するハリケーンは最大持続風速が156 mph (70 m/s)を超える。当スケールの等級によって、ハリケーンの上陸時に発生し得る、何らかの潜在的被害および洪水の兆候を示すことが可能となる。
公式には、サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールは、1分間を超えて持続する最大平均風速に基づいて、大西洋および日付変更線より東の北太平洋で発生するハリケーンのみを対象に用いられる。
その他の地域では、発生海域に応じてサイクロン (cyclone) や台風 (typhoon) と呼称されるような熱帯低気圧に対して、それぞれ異なる等級が用いられる。それらの地域では、最大持続風速を決定する際に3分間平均や10分間平均の風速を用いる(ただし、合同台風警報センターを除く)。そのため、これらの熱帯低気圧について、サファ・シンプソン・スケールによる方法を適用して直接比較することは困難である。
サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールには、雨や高潮、その他の重要な要素が考慮に入れられていないとの批判もあるが、当スケールが目標とする役目は単純で理解しやすいことにあると擁護する者もいる。
歴史
[編集]当スケールは土木工学者のハーバート・サファと、当時アメリカの国立ハリケーンセンター (NHC) のセンター長を務めていた気象学者のロバート・シンプソンによって1971年に開発された[1]。当スケールが一般向けに導入されたのは1973年のことで[2]、広く用いられるようになったのは、シンプソンの後任のニール・フランクが1974年にNHCのセンター長に就いた後のことであった[3]。
当初のスケールは、1969年に国際連合から委託されてハリケーン多発地域の低価格住宅の研究をしていた、構造工学者のハーバート・サファが開発したものである[4]。研究を進めるうちにサファは、ハリケーンによって起こりやすい現象の規模をわかりやすく評価する尺度がないことに気づいた。サファは地震の規模を示すリヒターのマグニチュード・スケールの効用を反映させて、予想される建造物被害を示す、風速を基準にした1から5までの5段階の等級を考案した。サファはこのスケールをNHCに捧げ、シンプソンがこれに高潮と洪水の影響を加えた。
2009年、NHCは中心気圧と高潮の程度についての評価をカテゴリーから排除すべく手を打って、当スケールを純粋な風力スケールへと一変させ、Saffir–Simpson Hurricane Wind Scale (Experimental) [SSHWS] と仮称した[5]。この新しいスケールは2010年5月15日より本運用が開始された[6]。新しいスケールでは、洪水の範囲、高潮の推定、降雨、位置の評価が除外された。これは、カテゴリー2のハリケーンが大都市を直撃すれば、カテゴリー5のハリケーンが田舎の地方を通過するよりも、はるかに多くの累積的被害が出るであろうことを意味する[7]。気象局は、推定よりも強い高潮を引き起こしたハリケーン・カトリーナ(2005年)とハリケーン・アイク(2008年)や、逆に推定よりも弱い高潮しか引き起こさなかったハリケーン・チャーリー(2004年)を含む、過去の様々なハリケーンの事例を引用して、それらを「科学的に不正確な」情報を削除した理由としている[8]。サファ・シンプソン・ハリケーン・ウィンド・スケールから評価が除外された高潮の予測とモデリングは現在、ADCIRCやSLOSHなどのコンピュータ数値モデルを用いて処理されている。
2012年、NHCはカテゴリー4の風速範囲の上限と下限を、131–155 mph (114–135 kt, 210–249 km/h) から、それぞれ1 mphずつ拡大して、130–156 mph (113–136 kt, 209–251 km/h) に変更した。NHCと中部太平洋ハリケーンセンターは、熱帯低気圧の強さを5ノット単位で割り当て、他の報告でも同様に端数処理して、mphとkm/hに換算している。そのため、115ノットの強度はカテゴリー4と評定されるが、そのマイル毎時への換算値 (132.3 mph) は130 mphに切り捨てられるので、一見するとカテゴリー3のハリケーンであるかのように思わせてしまう。同様に、135ノットの強度(155 mph、すなわちカテゴリー4)は250.02 km/hであるが、変更前に用いられていた定義に従えば、カテゴリー5になる。こうした問題を解決するため、NHCは、115ノットの風速の暴風を135 mphとしたり、135ノットの風速を245 km/hとしたりするなど、誤った報告をせざるを得なかったのであった。この定義の変更によって、115ノットの暴風を130 mphに正しく切り捨てることが可能となり、135ノットの風速も250 km/hとして正しく報告されるようになり、等級はカテゴリー4のままとされた。NHCが以前、誤った端数処理によって各測定単位で等級づけしたカテゴリー4のハリケーンは、新しい等級に変わってもカテゴリー4の分類のままであるため、この度の変更は過年度のハリケーンの分類には影響を与えなかった[5]。この新しいスケールは2012年5月15日より運用が開始された[9]。
カテゴリー
[編集]当スケールでは、ハリケーンを風速に基づいて5つの異なるカテゴリーに区分する。米国の国立ハリケーンセンターは、カテゴリー3以上のハリケーンを major hurricanes とし、合同台風警報センターは、最大風速150 mph以上(カテゴリー4強からカテゴリー5相当)の台風を super typhoons と呼称するが、これらに該当しなくても、熱帯低気圧はみな非常に危険であることには相違ない。ほとんどの気象機関は、持続風速について世界気象機関 (WMO) が推奨する風速の定義、すなわち33 ft (10.1 m)の高さで10分間測定した風速の平均値を用いている。それに対し、米国の国立気象局、中部太平洋ハリケーンセンターおよび合同台風警報センターは、持続風速を33 ft (10.1 m)の高さで1分間以上測定した平均風速と定義しており[10][11]、このスケールでもその定義が用いられている。
風速値はおおよそ対数スケールに対応し、各カテゴリーの風速の上限は、カテゴリー“c”(c = 1 ... 4; カテゴリー5には上限は設定されていない)とおくと、83×10(c⁄15)マイル毎時と表され、さらに最も近い5の倍数に丸められる。ただし、上述した定義の変更後は例外的に、カテゴリー4は階級の風速幅が上下両方向にそれぞれ1 mph広げられていて、カテゴリー2 (c = 2) の算定値は112.8 mphから110 mphに切り捨てられる。
以下の小節で、強度の弱い方から順に5つのカテゴリーについて説明する[12]。以下に例示したハリケーンの強度は、上陸時かつ最大時のものである。
カテゴリー1
[編集]カテゴリー1 | |
---|---|
風速 | 直近の例 |
33–42 m/s 64–82 kt 119–153 km/h 74–95 mph |
2019年のルイジアナ州上陸時のバリー |
Very dangerous winds will produce some damage
(非常に危険な風によって相当の被害が発生する[13])
カテゴリー1のハリケーンは通常、十分に丈夫に建てられたほとんどの永続的な建造物に重大な構造上の被害をもたらすことはない。しかし、しっかりと固定されていない移動式住宅はぐらついて倒れることがあり、植え込みや弱い樹木は根こそぎ引き抜かれたり折られたりする。粗末に取り付けられた屋根板や屋根瓦は吹き飛ばされることがある。沿岸部においては、高潮による浸水や桟橋の被害がカテゴリー1のハリケーンと関連付けられることがしばしばある。典型的には広い範囲で停電が発生し、時に数日間続くこともある。ハリケーンとしては最も強度が小さい部類ではあるが、依然として広範な被害が出たり、生命が脅かされたりすることもある[5]。
最大時にカテゴリー1の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:グラディス(1968年)、ベス(1971年)、アグネス(1972年)、フアン(1985年)、イズマエル(1995年)、ダニー(1997年)、クローデット(2003年)、ガストン(2004年)、スタン(2005年)、ウンベルト(2007年)、アイザック(2012年)、マニュエル(2013年)、アール(2016年)、ハーマイン(2016年)、ニュートン(2016年)、フランクリン(2017年)、ネイト(2017年)、ハリケーン・バリー(2019年)
カテゴリー2
[編集]カテゴリー2 | |
---|---|
風速 | 直近の例 |
43–49 m/s 83–95 kt 154–177 km/h 96–110 mph |
2014年のノースカロライナ州接近時のアーサー |
Extremely dangerous winds will cause extensive damage
(極めて危険な風によって大規模な被害が発生する[13])
カテゴリー2の強度のハリケーンは、しばしば屋根材に損害を与え、時に屋根を野ざらしにし、立て付けの悪いドアや窓に被害をもたらす。粗末に設置された標識・看板や桟橋はかなりの被害を受け、多くの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折られたりする。移動式住宅は固定がしっかりしていようがいまいが、典型的に損傷を受けたり破壊されたりし、多くのプレハブ住宅も構造上の被害を受ける。保護されていない係留地にある小型の船舶は、その係船を失うおそれがある。電化地域の広い範囲からほぼ全域が停電に見舞われる。時折、飲料水が不足しやすくなり、その状態が何日も続く場合もある[5]。
最大時にカテゴリー2の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:エイブル(1952年)、アリス(1954年)、エラ(1958年)、フィフィ(1974年)、ダイアナ(1990年)、カルバン(1993年)、ガート(1993年)、ローザ(1994年)、エリン(1995年)、アルマ(1996年)、フアン(2003年)、カタリーナ(2004年)、アレックス(2010年)、リチャード(2010年)、トマス(2010年)、カルロッタ(2012年)、アーネスト(2012年)、アーサー(2014年)
カテゴリー3
[編集]カテゴリー3 | |
---|---|
風速 | 直近の例 |
50–58 m/s 96–112 kt 178–208 km/h 111–129 mph |
2016年のニカラグア上陸時のオットー |
Devastating damage will occur
(甚大な被害が発生する[13])
大西洋および東太平洋の海域で発生するカテゴリー3以上のハリケーンについては、major hurricanes と表現される。これらのハリケーンは、小規模の住宅や施設に何らかの構造上の損害を与え、特に、小さな欠陥[訳語疑問点]のある非耐力壁をもつ、木造の骨組みや組み立て材料を使用した建物に被害をもたらす。移動式住宅のように基礎の強固でない建造物は通常、破壊され、切妻壁の屋根は剥がされる。プレハブ住宅は通常、重度かつ修繕不可能な被害を受ける。海岸近くでは、高潮による浸水によって小規模の建造物が破壊され、より大きな建造物は流されてきた瓦礫によって被害を受ける。多くの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折られたりし、多くの地域を孤立させる。さらに、内陸の地域にあっても辺り一帯で洪水被害が出るおそれがある。電化地域のほぼ全域から全域が停電に見舞われ、数週間程度続くこともある。また、水道水が使えなくなったり、汚染されたりする[5]。
最大時にカテゴリー3の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:イージー(1950年)、キャロル(1954年)、ヒルダ(1955年)、オードリー(1957年)、イズベル(1964年)、セリア(1970年)、エラ(1970年)、エロイーズ(1975年)、オリビア(1975年)、アリシア(1983年)、エレナ(1985年)、ロクサーヌ(1995年)、フラン(1996年)、イシドール(2002年)、ジーン(2004年)、レーン(2006年)、カール(2010年)、オットー(2016年)
カテゴリー4
[編集]カテゴリー4 | |
---|---|
風速 | 直近の例 |
58–70 m/s 113–136 kt 209–251 km/h 130–156 mph |
2018年のバミューダ諸島の南端通過時のフローレンス |
Catastrophic damage will occur
(破滅的な被害が発生する[13])
カテゴリー4のハリケーンは、より広範囲にわたって非耐力壁を損壊させ、一部の小規模住宅を全壊させる傾向にある。ガソリンスタンドの屋根や、その他の吊り下げられるタイプの建造物が、重度の修繕不可能な被害を受け、ほとんど完全に破壊されることがよくみられる。移動式住宅や組み立て住宅は、ぺしゃんこにつぶれる場合がある。最も頑強なものを除き、ほとんどの樹木が根こそぎ引き抜かれたり折れたりし、多くの地域を孤立させる。これらのハリケーンは、広い範囲にわたって浜辺を侵食し、内陸のかなり奥のほうにあっても、辺り一帯で洪水被害が出るおそれがある。全面的かつ長期間に及ぶ停電と断水が発生することが予想され、何週間も続く場合がある[5]。
米国を襲った自然災害として史上最も多くの死者を出したとされる1900年のガルベストン・ハリケーンは、その最大時の強度に関して、今日でいうカテゴリー4のハリケーンに相当したであろうと考えられている。その他に最大時にカテゴリー4の勢力に達し、その勢力を保ったまま上陸したハリケーンとしては次のような例がある:ヘーゼル(1954年)、グレイシー(1959年)、ドナ(1960年)、フローラ(1963年)、クレオ(1964年)、ベッツィ(1965年)、カルメン(1974年)、フレデリック(1979年)、ジョアン(1988年)、イニキ(1992年)、ルイス(1995年)、アイリス(2001年)、チャーリー(2004年)、デニス(2005年)、グスタフ(2008年)、アイク(2008年)、ホアキン(2015年)、ハービー(2017年)
カテゴリー5
[編集]カテゴリー5 | |
---|---|
風速 | 直近の例 |
≥ 70 m/s ≥ 137 kt ≥ 252 km/h ≥ 157 mph |
2019年のバハマ上陸時頃のドリアン |
Catastrophic damage will occur
(破滅的な被害が発生する[13])
カテゴリー5は、サファ・シンプソン・スケールで最も等級の高いカテゴリーである。これらのハリケーンは多くの住宅および産業用建造物の屋根を全損させ、一部の小さな施設については全壊したり、建物ごと吹き飛ばされたりする。長さのある屋根や壁、特に内側に支えのないものの多くは崩壊することがよくみられる。多くの木造建造物に非常に重度かつ修繕不可能な被害がもたらされ、移動式住宅や組み立て住宅の全壊が広く認められる。少なくとも3 - 5マイル (5 - 8 km)程度、内陸に位置している場合において、無傷で持ちこたえられる建造物がわずかにあるのみで、それに該当するのは、鉄骨やコンクリートで建造されたオフィスビル、分譲マンション、アパートおよびホテル、複数階建てのコンクリート製の立体駐車場、ならびに鉄筋レンガまたは鉄筋コンクリート/セメント製の住宅や、水平面から35度もの傾斜のついた寄棟造の屋根をもつ住宅、あらゆる種類の吊り下げられた屋根のない住宅、そして、耐ハリケーン設計の安全ガラスで作られたか、シャッターで覆われた窓である。これらの要件を全て満たしていない限り、建造物の全壊は不可避である[5]。
ハリケーンのもたらす洪水によって、海岸線近くにある全ての建造物の低層階に大きな被害が出るほか、高潮によって沿岸部にある多くの建造物が完全にぺしゃんこになったり、遠くまで流されたりすることがある。事実上、全ての樹木が根こそぎ引き抜かれたり折れたりし、一部は陸まで揚がって、影響を受けたほとんどの住宅街を孤立させる。ハリケーンが人口の密集する地区に迫っていて脅威となる場合、住宅地区では大規模な避難が必要とされる場合がある。全面的かつ極めて長い期間にわたって停電と断水が発生することが予想され、最大で数カ月程度まで続く可能性がある[5]。
歴史上、カテゴリー5の勢力で上陸したハリケーンの例は、「キューバ」(1924年)、「オキーチョビー」(1928年)、「バハマ」(1932年)、「キューバ・ブラウンズビル」(1933年)、「レイバー・デー」(1935年)、ジャネット(1955年)、カミーユ(1969年)、エディス(1971年)、アニータ(1977年)、デイビッド(1979年)、ギルバート(1988年)、アンドリュー(1992年)、ディーン(2007年)、フェリックス(2007年)、イルマ(2017年)[14]、マリア(2017年)[15]、マイケル(2018年)[16]、ドリアン(2019年)の18例である。なお、これら18個のハリケーンは全て大西洋海域で発生したもので、東太平洋海域において発生してカテゴリー5の強度で上陸したハリケーンは知られていない。
批判
[編集]ケリー・エマニュエルやラクシュミー・カンタなどの一部の科学者は、当スケールが熱帯低気圧の物理的な大きさも、それがもたらす降水量も全く考慮に入れていないことを示した上で、単純すぎるとして批判している[7]。さらに彼らや他の科学者らは、サファ・シンプソン・スケールが、地震の規模を示すために用いられるリヒター・スケールとは異なり、連続的ではなく、少数のカテゴリーに量子化されていることを指摘している。当スケールを置き換えるべく提案されている尺度もいくつかある。たとえば、Hurricane Intensity Indexはハリケーンがもたらす動圧に基づいているほか、Hurricane Hazard Indexはハリケーンの地表での風速、最大風速半径および並進速度を基にしている[17][18]。これらのスケールは連続的である点でリヒター・スケールに類似しているが[19]、いずれも公的には用いられていない。
“カテゴリー6および7”
[編集]2005年の大西洋におけるハリケーンの時季に発生した一連の強力なハリケーンとハリケーン・パトリシアを経験した後で、新聞のコラムニストや科学者らは、カテゴリー6を導入してはどうかと提言し、風速が174 or 180 mph (78 or 80 m/s)を上回るハリケーンにカテゴリー6を適用するよう、釘をさした[7][20]。2017年にハリケーン・イルマを経験すると、改めてこの問題について一考を促す呼びかけがなされ[21]、一部では、“カテゴリー6”のハリケーンとして、この用語を使う地元の政治家たちが続出した結果、見たところでは信用できそうな多くの誤った報道が話題となった[22]。この規模のハリケーンが記録された例は数少ない。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている大西洋で発生した35個のハリケーンのうち、175 mph (78 m/s)以上の風速を記録したのは19個、180 mph (80 m/s)以上の風速を記録したのは、たった8個(1935年のレイバー・デー・ハリケーン、アレン、ギルバート、ミッチ、リタ、ウィルマ、イルマ、ドリアン)である。現在、カテゴリー5相当の域に達していたと考えられている東太平洋で発生した18個のハリケーンのうち、175 mph (78 m/s)以上の風速を記録したのは5個(パッツィ、ジョン、リンダ、リック、パトリシア)、180 mph (80 m/s)以上の風速を記録したのは、たった3個(リンダ、リック、パトリシア)である。このカテゴリーが適用されることになるハリケーンのほとんどは、西太平洋では台風あるいはタイフーンと呼ばれる。最も著名なのは1979年の台風20号で、190 mph (310 km/h)の持続風速を記録した[23]。2013年の台風30号と2016年の台風14号は195 mph (314 km/h)の持続風速を記録した。時折、カットオフとして、それ以上に高い風速が測定されたと思わせる値が出ることがある。2018年11月に発行された新聞記事によると、アメリカ海洋大気庁で大気を研究している科学者のジム・コッシンは、気候が温暖化するにつれて、より強いハリケーンが発生する可能性が高まってきていると述べた上で、カテゴリー6を設けるならば、風速範囲の下限は195 mph (87 m/s)が妥当で、さらには仮定の話として、カテゴリー7の下限は230 mph (100 m/s)になるであろうことを示唆した[24]。
ロバート・シンプソンによれば、サファ・シンプソン・スケールは人工建造物に対するハリケーンの潜在的被害を想定するために設計されているため、カテゴリー6を設ける理由は存在しないとのことである。シンプソンは「155 mph (249 km/h)を超える風の吹く中へ入りますと、その極度の風が建物の面に6秒間も吹き続ければ、建物を破裂させる損害を引き起こすでしょうし、それはたとえどれほど丈夫に建てられていようとも深刻な事態です」と述べた[3]。それにもかかわらず、フロリダ州のブロワード郡とマイアミ・デイド郡では、重要インフラの建物についてはカテゴリー5のハリケーンにも耐えられることを要件とする建築基準法が定められている[25]。
関連項目
[編集]- 熱帯低気圧の等級
- 日本の台風の階級
- 改良藤田スケール(EFスケール)
- ビューフォート風力階級
出典
[編集]- ^ Williams, Jack (May 17, 2005). “Hurricane scale invented to communicate storm danger”. USA Today February 25, 2007閲覧。
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- ^ a b Debi Iacovelli (July 2001). “The Saffir/Simpson Hurricane Scale: An Interview with Dr. Robert Simpson”. Sun-Sentinel (Fort Lauderdale, FL) September 10, 2006閲覧。
- ^ Press Writer (August 23, 2001). “Hurricanes shaped life of scale inventor”. オリジナルのApril 17, 2016時点におけるアーカイブ。 March 20, 2016閲覧。
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- ^ a b c d e “ハリケーンの基礎知識” (PDF). 在マイアミ日本国総領事館 (2019年5月6日). 2019年6月4日閲覧。
- ^ “Famous Hurricanes of the 20th and 21st Century in the United States”. www.weather.gov/crh/. 2018年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月11日閲覧。
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外部リンク
[編集]- Saffir-Simpson Hurricane Wind Scale - 米国立ハリケーンセンターによる解説
- Q and A with Herbert Saffir (The South Florida Sun-Sentinel) - サファとの一問一答集
- An Interview with Dr. Robert Simpson (The Mariners Weather Log) - シンプソンとのインタビュー記事