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「エイジュ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
導入部に改名先候補を別名として掲載。エチオピアでの利用法等について加筆。/ 備考: Bekele-Tesemma は他に "Branches are burnt to smoke out new beehives." とも記しているのですが、普通であれば古い巣から蜂たちを追い出すために燻し出すものと思われ疑問符が付きますので、この箇所は掲載見送りと致します。
特徴: 出典の読み取り方に問題があった為、大部分を除去。
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[[低木]]あるいは[[高木]]、0.5-7.5メートルで枝は傾上する<ref name="hjb" />。以下は部位ごとの説明となる。
[[低木]]あるいは[[高木]]、0.5-7.5メートルで枝は傾上する<ref name="hjb" />。以下は部位ごとの説明となる。


はほかのツツジ科植物と同様に[[単葉]]で[[托葉]]がなく、ほかのエリカ属植物と同様に針状で3枚ずつ[[輪生]]し、反り返った葉縁には腺状の鋸歯状がある<ref name="hjb" />。本種に固有の特徴としては傾上し、2-6.5×約1ミリメートルである点が挙げられる<ref name="hjb" />。
葉は傾上し、2-6.5×約1ミリメートルである点が挙げられる<ref name="hjb" />。


はほかのツツジ科植物と同様に[[整形花]]で[[雌雄同株]]、[[花冠]]に花冠筒と裂片が見られ、ほかのエリカ属植物と同様に鐘状で小さな側生の枝に房をなして咲く<ref name="hjb" />。本種に固有の特徴としては4部位からなり、色が白か桃色で長さ1.5-3ミリメートル、[[苞]]が[[小花柄]]の下方の中ほどに見られる点が挙げられる<ref name="hjb" />。
花は4部位からなり、色が白か桃色で長さ1.5-3ミリメートル、[[苞]]が[[小花柄]]の下方の中ほどに見られる点が挙げられる<ref name="hjb" />。


果実はほかのツツジ科植物と同様に[[蒴果]]で、ほかのエリカ属植物と同様に[[花期]]以後も残存する[[萼]]や花冠の内側にくるまれる<ref name="hjb" />。本種に固有の特徴としては赤色で長さ3ミリメートル以下となる点が挙げられる<ref name="hjb" />蒴果の中に多数の小さな種子を含む<ref name="ETH">Bekele-Tesemma (2007).</ref>。
果実は赤色で長さ3ミリメートル以下となる<ref name="hjb" />[[蒴果]]で、その中に多数の小さな種子を含む<ref name="ETH">Bekele-Tesemma (2007).</ref>。


== 利用 ==
== 利用 ==

2018年9月30日 (日) 07:52時点における版

ブライヤ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク上群 superasterids
階級なし : キク類 asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: エリカ属 Erica
: ブライヤ E. arborea
学名
Erica arborea L.
和名
ブライヤ
英名
briar, brier, tree heath

ブライヤまたはブライア英語: brier, briar)、あるいはエイジュ(栄樹)[2]学名Erica arborea L. エリカ・アルボレア[3])は、ヨーロッパ南部から南西アジアなどの地中海沿岸地域や東アフリカに分布するツツジ科エリカ属の常緑低木のことである。

3-7月頃に開花し、温室などで栽培することが多い。また、スコットランドなどに多いヒースに似た白い花を咲かせることから、別名としてホワイトヒース(White heath)と呼ばれることもある[4]

パイプの原料となる(参照: #利用)。

分布

アルジェリアアルバニアアンドライエメンイタリアウガンダエチオピアエリトリアギリシャ(本土およびクレタ島)、クロアチアケニアコンゴ民主共和国サウジアラビアジョージアスペイン(本土、カナリア諸島バレアレス諸島)、ソマリアタンザニアチュニジアトルコ(ヨーロッパ側)、フランス(本土およびコルシカ島)、ブルガリアボスニア・ヘルツェゴヴィナポルトガル(本土およびマデイラ島)、南スーダンモロッコモンテネグロルワンダに見られる[1]

ケニアでは標高2100-4500メートルの岩の多い森林地帯に自生が見られ、高山においてコソノキHagenia abyssinica)の林よりも標高の高い場所に共優占種として繁茂している[5]ケニア山#植物相も参照)。

本属の植物はヨーロッパのものがヒースとの関わりもあってよく知られるが、種数としては約600種が南アフリカを中心とした地域に集中しており、その一部は東アフリカ東部にまで分布している。ヨーロッパから地中海に分布するものは14種ほどで、そんな中にあって本種が地中海地方からコーカサスに分布し、その上にアフリカ北部に自生していることは、この属の南北の分布域をつなぐものであり、両者に連絡があったことを示すと考えられる[6]

特徴

低木あるいは高木、0.5-7.5メートルで枝は傾上する[5]。以下は部位ごとの説明となる。

葉は傾上し、2-6.5×約1ミリメートルである点が挙げられる[5]

花は4部位からなり、色が白か桃色で長さ1.5-3ミリメートル、小花柄の下方の中ほどに見られる点が挙げられる[5]

果実は赤色で長さ3ミリメートル以下となる[5]蒴果で、その中に多数の小さな種子を含む[7]

利用

ブライヤは木としては強い難燃性を持ち、鉱物に比べ軽量であり、そのためタバコパイプ(喫煙具)の材料によく用いられる。このブライヤの木の根(ブライアルート(briarroot))から作られるタバコ用のパイプは、高級品(高級材)としても広く知られている[4]。ブライヤ材で作るパイプの原材料には、主にブライヤの木の根が使われることが多いが、廉価な製品では幹に近い箇所も利用される。

パイプの種類にはブライアのほか、金属や陶器、カエデやサクラなどの木材、トウモロコシの芯を使ったもの(コーンパイプ)など様々なものがあるが、ブライヤ製のものが耐久性に優れ風合いなどが好まれることから広く普及しており、しばしば「パイプの王様」と位置づけられる。

エチオピアでは乾いた枝を家回りの柵作りに用いたりするほか、木炭作り、飼料(葉および芽)、ミツバチの餌、生け垣作りに用いる[7]

備考

  • 野生のバライバラの茂みのことを英語でブライアー (brier, briar) と呼ぶため、ブライヤ材はバラの根と混同されることがある[4]

諸言語における呼称

ケニア:

脚注

  1. ^ a b Harvey-Brown & Barstow (2017).
  2. ^ a b c 山崎・堀田 (1989).
  3. ^ 冨山 (2003).
  4. ^ a b c 日本パイプクラブ連盟 (2009).
  5. ^ a b c d e f Beentje (1994).
  6. ^ 園芸植物大事典(1994),p.353
  7. ^ a b c Bekele-Tesemma (2007).
  8. ^ a b 塚本・三輪 (1988:354).
  9. ^ 小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版 編集委員会 (1994).
  10. ^ 鈴木ら (1968).
  11. ^ Benson (1964).

参考文献

英語:

  • Beentje, H.J. (1994). Kenya Trees, Shrubs and Lianas. Nairobi, Kenya: National Museum of Kenya. ISBN 9966-9861-0-3. http://www.nzdl.org/gsdlmod?e=d-00000-00---off-0unescoen--00-0----0-10-0---0---0direct-10---4-------0-1l--11-en-50---20-about---00-0-1-00-0--4----0-0-11-10-0utfZz-8-10&a=d&c=unescoen&cl=CL1.6&d=HASH01b88f73433d5003648dbf5b.12.92 
  • Bekele-Tesemma, Azele (2007). Useful trees and shrubs of Ehiopia: Identification, Propagation and Management for 17 Agroclimatic Zones, pp. 238–9. Nairobi, Kenya: RELMA in ICRAF Project. ISBN 92 9059 212 5 Accessed online 27 September 2018 via http://www.worldagroforestry.org/usefultrees NCID BA64717097
  • "thithinda", "thithinda2" in Benson, T.G. (1964). Kikuyu-English dictionary. Oxford: Clarendon Press. p. 519. NCID BA19787203 
  • Harvey-Brown, Y. & Barstow, M. (2017). Erica arborea. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T73094040A109616921. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T73094040A109616921.en. Downloaded on 24 September 2018.

日本語:

  • 小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版 編集委員会 編『小学館ランダムハウス英和大辞典』(第2)、1994年。ISBN 4-09-510101-6 
  • bruyère鈴木信太郎ほか共著『スタンダード仏和辞典』大修館書店、1968年。
  • 塚本洋一郎・三輪智「エリカ〔属〕」『園芸植物大事典1』小学館、1988年、353-360頁。
  • 冨山稔 写真、大場秀章 監修『世界のワイルドフラワーI 地中海ヨーロッパ / アフリカ; マダガスカル編』学研、2003年、12・107頁。ISBN 4-05-201912-1
  • 日本パイプクラブ連盟 編『パイプ大全』(第3)未知谷、2009年、40-43頁。ISBN 978-4-89642-269-6 
  • 山崎敬+堀田満「Erica L. エリカ属」 『世界有用植物事典』平凡社、1989年、424頁。ISBN 4-582-11505-5
  • 『園芸植物大事典 2』、(1994)、小学館

関連項目