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「野帳」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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地理学(人文地理学)におけるフィールドノートの利用について簡単に加筆。具体例も本当は書きたいが容易ではないので、月刊「地理」へ誘導できるようにしておきます。あと、地球科学(地理学・地質学)以外での利用例についてもどなたか加筆していただけると助かります。
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野外調査の記録(をまとめたもの)をフィールドノートということもある(英語で「field notes」という場合はこちらの意味である)。
野外調査の記録(をまとめたもの)をフィールドノートということもある(英語で「field notes」という場合はこちらの意味である)。

== 用途 ==
地質学においてフィールドノートは、主に野外調査での[[露頭]]のスケッチで使用される{{Sfn|天野・秋山|2004|p=64}}。この他、観察記録のメモや簡素な[[ルートマップ]]の作成、[[走向板]]の代用として用いられることもある{{Sfn|天野・秋山|2004|p=64}}{{Sfn|久田|2011|p=57}}。

人文地理学の野外調査では、[[景観観察]]や聞き取り調査の記録目的でフィールドノートが用いられる{{Sfn|山下|2003|p=66}}。ノートの形式や取り方は人それぞれである{{Sfn|中村|1988|pp=124-125}}が、使い方の例が[[地理 (雑誌)|月刊「地理」]]の特集で紹介されている(第25巻5号(1980年){{Sfn|中村|1988|p=127}}、第32巻8号(1987年){{Sfn|中村|1988|p=127}}{{Sfn|山下|2003|p=66}}、第60巻9号(2015年){{Sfn|野間ほか|2017|p=176}}など)。調査時にはまず調査年月日・場所(移動する場合は時刻も)などの明記が必要である{{Sfn|野間ほか|2017|p=176}}。また、記録時には余白を十分にとること{{Sfn|野間ほか|2017|p=176}}、紛失時に備えノートの所有者の住所・氏名の明記も推奨されている{{Sfn|中村|1988|p=125}}。


== 製品 ==
== 製品 ==
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[[文房具|文具]][[メーカー]]から「野帳」、「測量野帳」、「地質野帳」、「LEVEL BOOK」などの名で市販されている。また、携帯機器を使った「電子野帳」や[[スマートフォン]]用のアプリ([[MetaMoJi|eYACHO]]など)もある。紙の野帳と同様の情報を[[データベース]]化するための[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]用[[ソフトウェア]]もある。
*「測量野帳」([[コクヨ]]、表紙が緑色である){{Sfn|野間ほか|2017|p=176}}
* フィールドノート([[古今書院]]、表紙に目盛がある){{Sfn|野間ほか|2017|p=176}}

また、携帯機器を使った「電子野帳」や[[スマートフォン]]用のアプリ([[MetaMoJi|eYACHO]]など)もある。紙の野帳と同様の情報を[[データベース]]化するための[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]用[[ソフトウェア]]もある。


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== 参考文献 ==
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*{{Citation|和書|author=天野一男・秋山雅彦|title=フィールドジオロジー入門|year=2004|editor=日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会|series=
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*{{Citation|和書|editor=野間晴雄・香川貴志・土平博・山田周二・河角龍典・小原丈明|year=2017|title=ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖|edition=2|publisher=海青社|isbn=978-4-86099-315-3|ref={{Sfnref|野間ほか|2017}}}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2018年11月11日 (日) 16:31時点における版

方眼タイプの野帳

野帳(やちょう、field books)とは、野外での記入を想定した、縦長で硬い表紙のついた手帳ノート)のこと。雨天に備えて防水加工が施された表紙、ビニールカバーの付いたものなどもある。和製英語フィールドノートともいう。

土木林業業務、様々な研究、あるいは趣味目的で、野外で調査を行う際に、観察測量測定した結果を記録する目的で使用される(例:地質調査野鳥観察など)。目的の用途に合わせて縦横の罫線が引かれていたり無地だったりする。

野外調査の記録(をまとめたもの)をフィールドノートということもある(英語で「field notes」という場合はこちらの意味である)。

用途

地質学においてフィールドノートは、主に野外調査での露頭のスケッチで使用される[1]。この他、観察記録のメモや簡素なルートマップの作成、走向板の代用として用いられることもある[1][2]

人文地理学の野外調査では、景観観察や聞き取り調査の記録目的でフィールドノートが用いられる[3]。ノートの形式や取り方は人それぞれである[4]が、使い方の例が月刊「地理」の特集で紹介されている(第25巻5号(1980年)[5]、第32巻8号(1987年)[5][3]、第60巻9号(2015年)[6]など)。調査時にはまず調査年月日・場所(移動する場合は時刻も)などの明記が必要である[6]。また、記録時には余白を十分にとること[6]、紛失時に備えノートの所有者の住所・氏名の明記も推奨されている[7]

製品

  • 「測量野帳」(コクヨ、表紙が緑色である)[6]
  • フィールドノート(古今書院、表紙に目盛がある)[6]

また、携帯機器を使った「電子野帳」やスマートフォン用のアプリ(eYACHOなど)もある。紙の野帳と同様の情報をデータベース化するためのパソコンソフトウェアもある。

脚注

  1. ^ a b 天野・秋山 2004, p. 64.
  2. ^ 久田 2011, p. 57.
  3. ^ a b 山下 2003, p. 66.
  4. ^ 中村 1988, pp. 124–125.
  5. ^ a b 中村 1988, p. 127.
  6. ^ a b c d e 野間ほか 2017, p. 176.
  7. ^ 中村 1988, p. 125.

参考文献

  • 中村和郎 著「地理学の野外観察」、中村和郎・高橋伸夫 編『地理学への招待』古今書院〈地理学講座〉、1988年。ISBN 978-4-7722-1227-4 
  • 山下清海 著「地域調査法」、村山祐司 編『地域研究』朝倉書店〈シリーズ人文地理学〉、2003年。ISBN 4-254-16712-1 
  • 天野一男・秋山雅彦 著、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会 編『フィールドジオロジー入門』共立出版〈フィールドジオロジー〉、2004年。ISBN 4-320-04681-1 
  • 久田健一郎 著「地質調査」、上野健一・久田健一郎 編『地球学調査・解析の基礎』古今書院〈地球学シリーズ〉、2011年。ISBN 978-4-7722-5254-6 
  • 野間晴雄・香川貴志・土平博・山田周二・河角龍典・小原丈明 編『ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖』(2版)海青社、2017年。ISBN 978-4-86099-315-3 

関連項目

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、野帳に関するカテゴリがあります。