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2018年1月29日 (月) 00:42時点における版
『赤塚ギャグ・オールスター 最後の休日』(あかつかギャグ・オールスター さいごのきゅうじつ)は、『週刊少年サンデー』(小学館)1970年12号に読み切り掲載された、赤塚不二夫とフジオ・プロによるギャグ漫画である。
概要
前年の1969年に『少年サンデー』に掲載された『ア太郎+おそ松』(2部作)と『風雲もーれつ城』に続く、『もーれつア太郎』・『おそ松くん』・『天才バカボン』のクロスオーバー作品。『バカボン』は『少年サンデー』1969年35号より移籍連載して以後の掲載となる。
本作は現代を舞台にし、製薬会社のモルモットであるココロのボスが新薬の服用が元で体に異常が生じ、医者に「明日の夕方までの命」と診断された事から大騒ぎとなる内容になっている。
『ア太郎』のべしと福笑い院長がクロスオーバー初登場、そして『風雲もーれつ城』には登場しなかったトト子が再登場、本作では社長からココロと付き合うように勧められて嫌がるも、札束を出されて態度を一変するという、アニメ第2作版『おそ松』に近いキャラになる。その一方で、六つ子が初めてクロスオーバー作品に登場せず、また『バカボン』が『少年サンデー』に連載中にも関わらず、『バカボン』からの登場はバカボンのパパだけになっている。
ストーリー
とある田舎に所在する、『ブタ松製薬』の新薬研究所で、所員のチビ太が「食あたり特効薬」を開発した。さっそく研究所のモルモット・ココロを呼び、わざと腐った食べ物を食わせて食あたりになったところに特効薬を飲ませたところ、一発で治った…かに思えた。だが直後、特効薬の副作用でココロのしっぽが黒くなり、おまけにオネエ言葉になったではないか! デカパン社長は東京の『ブタ松製薬』本社に報告すると、ブタ松社長はもしこの事が公にされるとまずいと考え、密かに東京で治そうとする事に。かくしてココロとチビ太所員は東京へ。
やがて会社にココロが現れ、東京の医者に見せたところ、医者は社長・ハタ坊専務・イヤミ社員に「明日の夕方までの命」と報告!! 衝撃を受けたブタ松社長はチビ太所員に「元に戻る薬」の開発を急がせ、更にこの事は皆の秘密にしようとする。しかしニャロメ社員に知られた挙句、社内にも知られてしまう! そんな中ココロは、OLのトト子に一目惚れ。これを知ったブタ松社長は、トト子に付き合う様に頼む。トト子は嫌がるが、ブタ松社長から札束を出されて一変し了解、かくてココロとトト子は東京見物に。そしてその夜、ココロはバカボンパパ社員の家に泊めてもらった。
いよいよ次の日。ようやくチビ太が「戻る薬」を開発して届けた。さっそくブタ松社長はココロに「今日の夕方までの命だったけど、元に戻る薬が完成した」と報告し、イヤミ社員に届ける。ところがイヤミ社員がつまづいて転倒し、薬が零れ散った!! 衝撃を受ける皆。そしてイヤミは責任を取らされて身投げ! やけになったココロは「どうせ死ぬならみんなシッチャカペッチャカにしてやる!!」と狂乱!! 慌ててデコッ八社員やニャロメ社員は取り押さえようとしたが、よく見るとしっぽが元に戻ってるではないか!! おまけに言葉遣いも治っている! どうやらすべては医者の誤診だった…[1]。
登場キャラクターと配役
表記は登場順。
『もーれつア太郎』より
- べし:ストーリーテラー
- ココロのボス:『ブタ松製薬』新薬研究所のモルモット
- ケムンパス:野菜にたかっている毛虫
- 福笑い院長:東京の医者
- ブタ松:『ブタ松製薬』社長
- ニャロメ、ア太郎、デコッ八:『ブタ松製薬』社員
『おそ松くん』より
- チビ太:『ブタ松製薬』新薬研究所所員
- デカパン:『ブタ松製薬』新薬研究所所長
- ダヨーン:『駄四牛馬病院』院長
- ハタ坊:『ブタ松製薬』専務
- イヤミ:『ブタ松製薬』社員
- トト子:『ブタ松製薬』OL
『天才バカボン』より
単行本
本作は『まっ黒しっぽを東京でなおせ!』と改題し、次の『ア太郎』単行本に掲載されている。
- 曙コミックス(曙出版):第11巻
- 竹書房文庫(竹書房):第8巻
- ebookjapan:第9巻
なお「ボンボンコミックス」(講談社)には、同時期(曙版の第11・12巻収録作)と共に収録されてない。
アニメ
- テレビアニメ第1作版『ア太郎』第72回(1970年8月28日放送)「命短し恋せよココロ」は、本作より「ココロのボスが薬物でしっぽが黒く、オネエ言葉になる」・「医者に診断したら『明日の夕方までの命』」・「ココロのボスに真相を伏せてトト子と付き合わせる」をピックアップし、通常の『ア太郎』世界を舞台にするなど大幅にアレンジしてアニメ化した。また本作に登場しなかった「ブタ松の子分ブタ」・「ココロの子分A助」・「ココロの子分B助」がアニメには登場[2]、一方客演キャラはトト子の他は、イヤミ・チビ太のみに制限している。