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「グループRally」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
FIAが発行する国際モータースポーツ競技規則 付則J項(国際競技車両規則)の部門Ⅰ(量産車両)に属し、「'''ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカー'''」と定義される。2000年代半ばの[[WRC]]にはすでに[[グループN]]及び[[グループA]]の隙間を埋める形でグループR1〜R3が存在していたが、2011年にグループN4の発展であるグループR4<ref>[https://www.rallyplus.net/8579 11月3日世界モータースポーツ評議会ラリー関連の発表
FIAが発行する国際モータースポーツ競技規則 付則J項(国際競技車両規則)の部門Ⅰ(量産車両)に属し、「'''ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカー'''」と定義される。2000年代半ばの[[WRC]]にはすでに[[グループN]]及び[[グループA]]の隙間を埋める形でグループR1〜R3が存在していたが、2011年にグループN4の発展であるグループR4<ref>[https://www.rallyplus.net/8579 11月3日世界モータースポーツ評議会ラリー関連の発表 RALLY PLUS]</ref>、2013年に[[スーパー2000]]とR4Tの発展であるグループR5が誕生して現在の形となった。
RALLY PLUS]</ref>、2013年に[[スーパー2000]]とR4Tの発展であるグループR5が誕生して現在の形となった。


グループRのベース車両は連続する12ヶ月間で2,500台が生産されている4座席の量産車であり、同時に[[グループA]]の公認も取得する必要がある。またそれに加えてVR(Varriant Rally、R1A、R1B、....R5まで個別に存在)と呼ばれる、改造についての公認の取得も求められる。VRはグループA書式で有効な公認=VO(Variants Option)を得ていることが前提である。またVR公認を得ている部品は、ベース車両に無いものや他社ブランドのものでも使用が可能である<ref>Rally plus vol.11 2016年11月26日 三栄書房</ref>。
グループRのベース車両は連続する12ヶ月間で2,500台が生産されている4座席の量産車であり、同時に[[グループA]]の公認も取得する必要がある。またそれに加えてVR(Varriant Rally、R1A、R1B、....R5まで個別に存在)と呼ばれる、改造についての公認の取得も求められる。VRはグループA書式で有効な公認=VO(Variants Option)を得ていることが前提である。またVR公認を得ている部品は、ベース車両に無いものや他社ブランドのものでも使用が可能である<ref>Rally plus vol.11 2016年11月26日 三栄書房</ref>。

2018年1月29日 (月) 00:16時点における版

フォード・フィエスタR5(2014年)

グループR (Group R) は、国際自動車連盟 (FIA) が定める、自動車競技に使用する競技車両のカテゴリーの1つである。

概要

FIAが発行する国際モータースポーツ競技規則 付則J項(国際競技車両規則)の部門Ⅰ(量産車両)に属し、「ツーリングカーまたは大規模量産プロダクションカー」と定義される。2000年代半ばのWRCにはすでにグループN及びグループAの隙間を埋める形でグループR1〜R3が存在していたが、2011年にグループN4の発展であるグループR4[1]、2013年にスーパー2000とR4Tの発展であるグループR5が誕生して現在の形となった。

グループRのベース車両は連続する12ヶ月間で2,500台が生産されている4座席の量産車であり、同時にグループAの公認も取得する必要がある。またそれに加えてVR(Varriant Rally、R1A、R1B、....R5まで個別に存在)と呼ばれる、改造についての公認の取得も求められる。VRはグループA書式で有効な公認=VO(Variants Option)を得ていることが前提である。またVR公認を得ている部品は、ベース車両に無いものや他社ブランドのものでも使用が可能である[2]

なお同じアルファベットで始まるグループRGTが存在するが、これは部門II(レーシングカー)のGTプロダクションカーを規定したものであり、グループRとは別の規定である。またWRカーのベース車両と改造(WRCキット変型)はグループRではなくグループAで公認を受ける。

日本では、2015年に全日本ラリー選手権にR1〜R3車両が「RR車両」の名でJN5クラスに正式に導入された。また2017年に発足した日本スーパーラリーシリーズでは全てのグループR車両の参戦が可能である。

現行のグループRのクラス区分

グループ クラス 自然吸気排気量 過給排気量 気筒数 燃料 最低重量 駆動系式 主な該当選手権 代表車種
R1 R1A 1,390cc以下 927cc以下 6気筒以下 ガソリン 980kg 2WD WRC3
JWRC
APRC3
ERC3
JRC(JN5)
トヨタ・TMGヤリス R1A
R1B 1,390cc超
1,600cc以下
927cc超
1,067cc以下
1,030kg ルノー・トゥインゴ R1
R2 R2B 1,030kg プジョー・208 R2
R2C 1,600cc超
2,000cc以下
1067cc超
1,333cc以下
1,080kg フォード・フィエスタ R2
R3 R3C 1,080kg トヨタ・GT86 CS-R3
R3D 過給のみ 2,000cc以下 ディーゼル 1,150kg フィアット・グランデプント R3D
R3T 1,620cc以下 4気筒以下 ガソリン 1,080kg シトロエン・DS3 R3T
R4 2,000cc以上 無制限 1,300kg 4WD APRC
JRS
スバル・インプレッサ R4
(R4キットカー) 1,600cc 4気筒 1,230kg TBA
R5 WRC2
APRC
ERC
シュコダ・ファビアR5
  • R1はR2・R3と比べて安全装備以外はほぼ無改造である一方、R2とR3はほとんどの部分で規則を共通する。この3つはいずれもロータリーエンジン車の選択が可能である。
  • R4はグループNスーパー2000の戦闘力の差を埋めるために誕生した規定で、2013年までのグループN4ホモロゲーション取得車両が対象。従来のグループNとは異なり、変型(VO・VR)のための追加生産は必要としない。また排気量は1.7倍を乗じた数が適用される。しかし実際には戦闘力の上昇はキロあたり0.3秒程度に留まり、N4とR4を区別する必要が無くなったことから両社はR4に統合された[3]。これにより従来のR4は「VR4」、N4は「グループNR4」の名称で区別される[4]。また2015年以降はVR4が欧州イベントでの参戦を不可とされた。ただしFIAが主催していない地域ラリーならば、欧州でも運用可能である。
  • R4キットカーはオレカの供給する共通コンポーネント(エンジン、駆動系、サスペンション)を量産車に組み込むもので、技術的にはR4とは全くの別物である。2018年に発売される予定。

2014年までのクラス区分

グループ クラス 排気量 最大気筒数 エンジン型式 燃料 最低重量 駆動系式 該当選手権
R1 R1A 1,400cc以下1 6気筒 自然吸気 ガソリン 980kg 2WD WRC3
JWRC
R1B 1,400cc超
1,600cc以下2
1,030kg
R1T 1,400cc以下 ターボ TBA
R2 R2B 1,400cc超
1,600cc以下2
自然吸気 1,030kg
R2C 1,600cc超
2,000cc以下
1,080kg
R3 R3C 1,600cc超
2,000cc以下
1,080kg
R3D 2,000cc以下 ターボ ディーゼル 1,150kg
R3T 1,620cc以下 4気筒 ガソリン 1,080 kg
R4 2,000cc以上 無制限 1,300kg 4WD WRC2
R5 1,400cc超
1,600cc以下
4気筒 1,200kg

注釈:

  • ^1 - 2014年1月1日より1,390cc以下に変更。
  • ^2 - 2014年1月1日より1,390cc超-1,600cc以下に変更。

参考文献

関連項目

  1. ^ 11月3日世界モータースポーツ評議会ラリー関連の発表 RALLY PLUS
  2. ^ Rally plus vol.11 2016年11月26日 三栄書房
  3. ^ FIA、N4を改名しR4に統合
  4. ^ 世界デビューに向けて新型WRX STIが完成