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1987年当時、『[[くりいむレモン]]』シリーズで好調期にあったフェアリーダストが、同じく好調期にあった[[アニメインターナショナルカンパニー|AIC]]との共同制作をセールスポイントに挙げていた、『'''新くりいむレモン'''』シリーズの第2弾である。 |
1987年当時、『[[くりいむレモン]]』シリーズで好調期にあったフェアリーダストが、同じく好調期にあった[[アニメインターナショナルカンパニー|AIC]]との共同制作をセールスポイントに挙げていた、『'''新くりいむレモン'''』シリーズの第2弾である。 |
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[[キャラクターデザイン]]・[[作画監督]]は、[[1986年]]の一般[[OVA]]『[[メガゾーン23|メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い]]』の原画で[[三浦亨 (プロデューサー)|AICのプロデューサー]]に注目されていた[[うるし原智志]]が担当している。うるし原は本作がデビュー作であったが、18禁である本作ではスタッフの個人名義は伏せられており、AICも[[クレジットタイトル|エンディングクレジット]]では便宜上、「AIC2」と表記されていた。そのため、後年にうるし原が[[よしもときんじ]]らと共に立ち上げた[[有限会社]]オフィス・アースワークの公式サイトで本作を自らの担当作品一覧<ref>[http://web.archive.org/web/20040904044149/http://www.earthwork.ne.jp/member/urushihara/u_history_index.htm ★お仕事の歩み(完成度60%)★] ※2012年現在では消去されているため、[[インターネット |
[[キャラクターデザイン]]・[[作画監督]]は、[[1986年]]の一般[[OVA]]『[[メガゾーン23|メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い]]』の原画で[[三浦亨 (プロデューサー)|AICのプロデューサー]]に注目されていた[[うるし原智志]]が担当している。うるし原は本作がデビュー作であったが、18禁である本作ではスタッフの個人名義は伏せられており、AICも[[クレジットタイトル|エンディングクレジット]]では便宜上、「AIC2」と表記されていた。そのため、後年にうるし原が[[よしもときんじ]]らと共に立ち上げた[[有限会社]]オフィス・アースワークの公式サイトで本作を自らの担当作品一覧<ref>[http://web.archive.org/web/20040904044149/http://www.earthwork.ne.jp/member/urushihara/u_history_index.htm ★お仕事の歩み(完成度60%)★] ※2012年現在では消去されているため、[[インターネットアーカイブ]]の2004年9月4日分より。</ref>に掲載するまでは、これらの詳細は不明なままであった。 |
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本編については、シナリオに[[ホラー映画]]の要素が含まれており、アダルトアニメの華であるセックスシーンには[[吸血鬼]]系作品からの影響が見られる。なお、画集『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』でのインタビューによれば、うるし原はシナリオの内容に満足できず、[[プロデューサー]]へ変更を申し入れたが、すでに演出などまで決定済みだったため、次回作の一般OVA『[[極黒の翼バルキサス]]』を好きに作らせてもらうことを条件に仕方なく引き受けたとの旨を、本作の名前を伏せながら明かしている<ref>『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』122-123頁。</ref>。 |
本編については、シナリオに[[ホラー映画]]の要素が含まれており、アダルトアニメの華であるセックスシーンには[[吸血鬼]]系作品からの影響が見られる。なお、画集『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』でのインタビューによれば、うるし原はシナリオの内容に満足できず、[[プロデューサー]]へ変更を申し入れたが、すでに演出などまで決定済みだったため、次回作の一般OVA『[[極黒の翼バルキサス]]』を好きに作らせてもらうことを条件に仕方なく引き受けたとの旨を、本作の名前を伏せながら明かしている<ref>『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』122-123頁。</ref>。 |
2017年9月5日 (火) 04:01時点における版
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ホワイトシャドウ | |
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ジャンル | アダルトアニメ |
OVA | |
キャラクターデザイン | うるし原智志 |
アニメーション制作 | AIC2 |
製作 | フェアリーダスト |
発売日 | 1987年4月15日 |
話数 | 全1巻、25分 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
『ホワイトシャドウ』 (White Shadow) は、1987年4月15日にフェアリーダストより発売されたアダルトアニメ。
概要
1987年当時、『くりいむレモン』シリーズで好調期にあったフェアリーダストが、同じく好調期にあったAICとの共同制作をセールスポイントに挙げていた、『新くりいむレモン』シリーズの第2弾である。
キャラクターデザイン・作画監督は、1986年の一般OVA『メガゾーン23 PART II 秘密く・だ・さ・い』の原画でAICのプロデューサーに注目されていたうるし原智志が担当している。うるし原は本作がデビュー作であったが、18禁である本作ではスタッフの個人名義は伏せられており、AICもエンディングクレジットでは便宜上、「AIC2」と表記されていた。そのため、後年にうるし原がよしもときんじらと共に立ち上げた有限会社オフィス・アースワークの公式サイトで本作を自らの担当作品一覧[1]に掲載するまでは、これらの詳細は不明なままであった。
本編については、シナリオにホラー映画の要素が含まれており、アダルトアニメの華であるセックスシーンには吸血鬼系作品からの影響が見られる。なお、画集『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』でのインタビューによれば、うるし原はシナリオの内容に満足できず、プロデューサーへ変更を申し入れたが、すでに演出などまで決定済みだったため、次回作の一般OVA『極黒の翼バルキサス』を好きに作らせてもらうことを条件に仕方なく引き受けたとの旨を、本作の名前を伏せながら明かしている[2]。
北米版正規DVDも存在するが、日本国内では入手不可。
1996年3月29日には、スピンオフ作品としてPC-9801用アダルトゲーム『赤い水晶の瞳』が発売された[3](1997年9月12日には、Windows 95用も発売された[4])。キーアイテムの赤く輝くペンダントが登場するほか、舞台設定に本作との共通点が存在する。
あらすじ
夕陽に包まれた英愛学園の体育館には、翌日の新体操全国大会に備えて練習に励むレオタード姿の麻美と、彼女に同じ想いを寄せながら見守る同級生の祥太と一郎の姿があった。
祥太は麻美との下校中、自宅から持ち出していた赤く輝くペンダントを彼女に贈ると、唇を奪う。続いて胸元へ手を伸ばす祥太を拒絶した麻美は、彼を突き飛ばして自宅へ駆け込むと、首からペンダントを引きちぎって立て鏡の前に置く。
その夜中、就寝中の麻美の部屋で立て鏡内の光景が歪み、渦を巻いていく。まもなく、目を覚ました麻美の周囲は異空間と化しており、彼女は全裸となっていた。麻美は招かれた先の庭園で乱交に耽る全裸の男女たちの1人にペンダントを奪われ、悲鳴と共に倒れてしまう。そんな自らの様子を、麻美は立ちすくみながら見つめていた。倒れた麻美が消えると、そこにあったペンダントは一陣の雷光と化して飛び立ち、見つめていた麻美の胸元へ襲いかかる。
翌朝、目覚めと共に淫夢を見ていた自らを恥じる麻美の首には、立て鏡の前へ置いたはずのペンダントがあった。
その日の新体操全国大会予選。昨日の行いを後悔していた祥太が帰路へ就こうとすると、そこにはレオタード姿にトレーニングウェアを着た麻美が立っていた。笑みと共に手を取って歩き始めた麻美に祥太は戸惑いながらも、彼女の後に続く。
無人の駐車場で麻美は大型セダンのドアを開け、祥太に後部座席への乗車を促す。ドアを施錠しても太腿は隠そうとしない麻美に祥太は理由を問うが、彼女は平然と「昨日の続き」を提案して上半身裸となり、祥太に覆いかぶさった。祥太が昂奮しながら麻美の導きに応じて正常位で交わると、車内はたちまち祥太と麻美の嬌声に満ちていく。
やがて、麻美は進んで騎乗位へ移行し、妖しく腰を使い始める。昂奮した祥太も対面座位へ移行し、抱き付いてきた麻美の耳元で絶頂が近いことを吐露するが、彼女の表情が男を蔑む妖しい笑みへ変わっていることや、麻美との快楽に夢中な自らの肉体が干乾び始めていることには、気付いていなかった。騎乗位への再移行を経て、骨と皮だけの状態にまで干乾びきった祥太の身体は、絶頂と同時に赤い閃光を放ちながら消滅する。麻美は冷ややかな表情で後部座席を見下ろすと、脱ぎ捨てていた衣服を着直して車内から立ち去るのだった。
登場人物
他の『くりいむレモン』シリーズ同様に有名声優を起用しているが、名義は非公開。
- 麻美(まみ)
- 本作のヒロイン。英愛学園の新体操部のエースで優れた運動神経を持つことから、新体操全国大会予選優勝候補No.1と期待されている。レオタード姿に浮かび上がるプロポーションは、祥太が目のやり場に困るほど抜群。新体操の最中は、栗色のセミロングヘアをポニーテールにしている。
- 同級生かつ友人である祥太と一郎から想いを寄せられており、前者とはすでにガールフレンドの仲であるが、麻美自身は祥太より奥手であるため、最後の一線はまだ越えていない。祥太から贈られたペンダントに自身を乗っ取られた結果、自我はその中や鏡の中へ囚われてしまう。その後は鏡の中からもう1人の自らへ抗議するしかなかったが、彼女とのセックス中盤に自らの存在に気付いた一郎がその終盤にペンダントを破壊したため、鏡の中から開放されて自身を取り戻し、彼に救出される。そしてエピローグでは、一郎と寄り添いながら歩んでいくこととなる。
- もう1人の麻美
- 淫らな悪夢を通じて麻美の身体を乗っ取った赤く輝くペンダントや、それに操られて妖しい魅力を漂わせる彼女の身体。本項では便宜上、こう表記する。
- 新体操全国大会予選会場では、見事な演技を経て祥太を駐車場でのカーセックスへ誘い、快楽を貪りながら精気を吸い取って干乾びさせることで、彼を殺害する。麻美の自宅での入浴中には、鏡の中から暴挙を咎める彼女へ祥太への好意が性欲である旨を述べてみせたり、今度は一郎を狙う旨を宣言したうえで麻美の自室のベッドにて平然とオナニーに耽ってみせるなど、性格は奔放かつ傲慢である。その後日には、祥太の安否を餌にして一郎を麻美のベッドへ誘い、祥太を殺害した際と同様に一郎を虜にして快楽を貪っていくが、その中盤でペンダントが元凶であることを彼に看破された果てに、首からペンダントを引き千切られたことで弱体化する。ペンダントは一郎に床へ投げ付けられて砕け散り、もう1人の麻美の絶叫や室内の鏡の崩壊と共に、閃光を放ちながら消滅した。
- 祥太(しょうた)
- 麻美や一郎とは同級生で友人の少年。自宅が英愛学園から見て麻美と同じ方向にあることからも、彼女との接点には一郎より恵まれており、すでにボーイフレンドの仲となっている。麻美との最後の一線を越えたがっているが、それはまだ叶っていない。
- 新体操全国大会予選を前に自宅から持ち出したペンダントを麻美に贈るが、これが災いして命を落とすこととなる。念願の麻美との初体験で祥太を待っていたものは、もう1人の彼女による妖しい快楽の果てに干乾び、絶頂と同時に赤い閃光を放ちながら崩壊を経て消滅する[5]という最期であった。
- 一郎(いちろう)
- 麻美や祥太とは同級生で友人の少年。麻美に想いを寄せているが、祥太には一歩先を行かれており、残念に思っている。
- 新体操全国大会予選以降に行方不明となった祥太のことについて、もう1人の麻美が次に狙う相手が自らであるとは知らないまま彼女に相談するが、麻美の自宅で妖しい魅力に抵抗できなくなり、セックスに及んでしまう。そのまま、もう1人の麻美との快楽に溺れかけていくが、干乾び始める寸前には鏡の中へ囚われていた麻美の存在に気付き、元凶がペンダントであることを看破することとなる。
- 悪夢の中の男女たち
- 麻美がペンダントによって見せられた、淫らな悪夢に登場。同じ顔をした女性2人はベッドから降りた麻美にローブを羽織らせ、その他の男女多数は噴水のある池を持つ洋風の庭園の各所で乱交に耽っている。
参考文献
- 新くりいむレモン フィルムコミックス2 ホワイトシャドウ
- 発行 - フェアリーダスト / 発売 - 徳間コミュニケーションズ / ISBN 4-88658-048-3
- SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS
- 発行、発売 - ムービック / ISBN 4-89601-086-8
脚注
- ^ ★お仕事の歩み(完成度60%)★ ※2012年現在では消去されているため、インターネットアーカイブの2004年9月4日分より。
- ^ 『SATOSHI URUSHIHARA CELL WORKS』122-123頁。
- ^ 赤い水晶の瞳(PC98版) - 駿河屋
- ^ 赤い水晶の瞳(Win95版) - コムショップ
- ^ 干乾びきった祥太の肉体から、吹き出るように出血しながら眼球や歯が飛び出たり顎が砕けるという崩壊の瞬間が描かれているが、赤い閃光を経て麻美が立ち去る際の車内には彼の肉片も血飛沫も残っていない。また、『新くりいむレモン フィルムコミックス2 ホワイトシャドウ』に収録されたシナリオでは、崩壊の直前に祥太が苦痛を感じていたことが地の文で記述されている(90頁)が、本編にそれを明示する描写は盛り込まれておらず、唸り声を上げたり麻美の腕へ手を回すだけとなっており、崩壊の瞬間にも祥太が絶頂を迎えたことを明示する彼の台詞が追加されている。