「公文書等の管理に関する法律」の版間の差分
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鳩山政権の発足後、[[外務大臣 (日本)|外務大臣]]の[[岡田克也]]は早速、核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約の資料調査を命じた。ただ、役所に不都合な文書の保存や公開には官僚の抵抗も予想される為、作成中の公文書管理の統一ルールが「骨抜き」にされないよう注視し、定期的な見直しについての検討が必要とされた<ref>出典:「朝日キーワード2011」(版:[[朝日新聞社]])</ref>。 |
鳩山政権の発足後、[[外務大臣 (日本)|外務大臣]]の[[岡田克也]]は早速、核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約の資料調査を命じた。ただ、役所に不都合な文書の保存や公開には官僚の抵抗も予想される為、作成中の公文書管理の統一ルールが「骨抜き」にされないよう注視し、定期的な見直しについての検討が必要とされた<ref>出典:「朝日キーワード2011」(版:[[朝日新聞社]])</ref>。 |
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[[2012年]][[1月27日]]、[[野田内閣 (第1次改造)|野田内閣]]は[[菅内閣 (第2次改造)|菅内閣]]が[[東日本大震災]]に関する15組織のうち10組織が議事録を未作成、そのうち5組織では議事概要も未作成または一部作成であったとする調査結果を発表。[[野田佳彦]][[内閣総理大臣]]は午前の参議院本会議で「文書で随時記録されなかったのは遺憾。会議の意志決定過程を把握できる文書作成は国民への説明責任を果たすため極めて重要。」と答弁した。副総理(公文書管理担当)の岡田克也は5組織出席者から聞き取り調査のうえ、2月中に議事概要の作成を関係閣僚に求めた<ref>読売新聞2012年1月27日夕刊3版1面及び翌28日朝刊13S版1,2,3,4面、[https://archive.is/20130111175222/http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120127-OYT1T00596.htm 震災関連会議、10組織で議事録作らず](2013年1月11日時点の[[archive.is|アーカイブ]])</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20110512220637/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110511/plc11051120460023-n1.htm 原発事故の議事録ほとんどなし 枝野長官「多分、記憶に基づく証言求められる」](2011年5月12日時点の[[インターネット |
[[2012年]][[1月27日]]、[[野田内閣 (第1次改造)|野田内閣]]は[[菅内閣 (第2次改造)|菅内閣]]が[[東日本大震災]]に関する15組織のうち10組織が議事録を未作成、そのうち5組織では議事概要も未作成または一部作成であったとする調査結果を発表。[[野田佳彦]][[内閣総理大臣]]は午前の参議院本会議で「文書で随時記録されなかったのは遺憾。会議の意志決定過程を把握できる文書作成は国民への説明責任を果たすため極めて重要。」と答弁した。副総理(公文書管理担当)の岡田克也は5組織出席者から聞き取り調査のうえ、2月中に議事概要の作成を関係閣僚に求めた<ref>読売新聞2012年1月27日夕刊3版1面及び翌28日朝刊13S版1,2,3,4面、[https://archive.is/20130111175222/http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120127-OYT1T00596.htm 震災関連会議、10組織で議事録作らず](2013年1月11日時点の[[archive.is|アーカイブ]])</ref><ref>[https://web.archive.org/web/20110512220637/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110511/plc11051120460023-n1.htm 原発事故の議事録ほとんどなし 枝野長官「多分、記憶に基づく証言求められる」](2011年5月12日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])産経ニュース2011年5月11日</ref><ref>[http://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201201/27_a.html 平成24年1月27日(金)午前 .閣議の概要について([[斎藤勁]]内閣官房副長官)]、[http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg5751.html 平成24年1月27日(金)午前-内閣官房長官記者会見](斎藤勁内閣官房副長官)</ref>。3月9日初めて公表され、原子力災害対策本部と政府・東電統合対策室の各議事録概要は12月までで合計約1400ページ、3月分は100ページ未満であった。当時[[内閣官房長官]]だった[[枝野幸男]]は3月9日の記者会見で「有事の際は録音し混乱のなかでも事後的な記録作成に役立つように備えるべきだった」と述べている<ref>読売新聞2012年3月10日13S版「スキャナー」3面、13版特別面11面5組織の議事録概要</ref>。 |
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== 脚注 == |
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2017年9月5日 (火) 00:14時点における版
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
公文書等の管理に関する法律 | |
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日本の法令 | |
通称・略称 | 公文書管理法 |
法令番号 | 平成21年7月1日法律66号 |
種類 | 法律 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2009年6月24日 |
公布 | 2009年7月1日 |
施行 | 2011年4月1日 |
主な内容 | 公文書の管理など |
関連法令 | 公文書館法、国立公文書館法、特定秘密保護法 |
条文リンク | 総務省・法令データ提供システム |
公文書等の管理に関する法律(こうぶんしょとうのかんりにかんするほうりつ、平成21年7月1日法律66号)は、日本の行政機関(府省庁)における公文書の管理方法を定めた法律である。通称は公文書管理法。
概要
この法律で謳う「公文書」とは、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」とし、その公文書を「主権者である国民が主体的に利用し得るものであること」を担保する法律である。2009年6月24日に成立した。またこの法律では公文書の作成と保存に関して各省庁共通の規則も定めている。
この法律に従い大臣は毎年度内閣総理大臣に管理の状況を報告し、またその内容は公表される。さらに歴史的に重要とされる公文書は国立公文書館に永久保存することとしている。
背景
※肩書きは全て当時のもの
1995年から1999年にかけて、アメリカ情報公開法がビル・クリントン政権下で大幅に改正された。1998年から2000年にかけて我部政明がアメリカ国立公文書記録管理局[注釈 1]に秘密文書の開示請求を続け、沖縄財政密約の全容が解明された。日本でも行政機関の保有する情報の公開に関する法律による開示請求ができそうになると、外務省アメリカ局長・吉野文六は口止めをされ、外務省は1200トンの秘密文書を破棄したという。[1]
また、2007年5月に起こった年金記録問題などでずさんな公文書の管理が明らかとなり、内閣総理大臣の福田康夫が法制化を指示したことで法制化された。
鳩山政権の発足後、外務大臣の岡田克也は早速、核持ち込みや沖縄返還をめぐる日米間の密約の資料調査を命じた。ただ、役所に不都合な文書の保存や公開には官僚の抵抗も予想される為、作成中の公文書管理の統一ルールが「骨抜き」にされないよう注視し、定期的な見直しについての検討が必要とされた[2]。
2012年1月27日、野田内閣は菅内閣が東日本大震災に関する15組織のうち10組織が議事録を未作成、そのうち5組織では議事概要も未作成または一部作成であったとする調査結果を発表。野田佳彦内閣総理大臣は午前の参議院本会議で「文書で随時記録されなかったのは遺憾。会議の意志決定過程を把握できる文書作成は国民への説明責任を果たすため極めて重要。」と答弁した。副総理(公文書管理担当)の岡田克也は5組織出席者から聞き取り調査のうえ、2月中に議事概要の作成を関係閣僚に求めた[3][4][5]。3月9日初めて公表され、原子力災害対策本部と政府・東電統合対策室の各議事録概要は12月までで合計約1400ページ、3月分は100ページ未満であった。当時内閣官房長官だった枝野幸男は3月9日の記者会見で「有事の際は録音し混乱のなかでも事後的な記録作成に役立つように備えるべきだった」と述べている[6]。
脚注
注釈
- ^ 文書管理の先進国であるアメリカの国立公文書館の職員が2500人であるのに比して、日本は僅かに42人となっている。今後、新たな文書保存施設の整備や職員の大幅な増員、文書管理の専門家育成などが急務となる。
出典
- ^ 西山太吉の記事。 田島康彦・清水勉 『秘密保全法批判-脅かされる知る権利』 日本評論社 2013年3月 pp.163-164.
- ^ 出典:「朝日キーワード2011」(版:朝日新聞社)
- ^ 読売新聞2012年1月27日夕刊3版1面及び翌28日朝刊13S版1,2,3,4面、震災関連会議、10組織で議事録作らず(2013年1月11日時点のアーカイブ)
- ^ 原発事故の議事録ほとんどなし 枝野長官「多分、記憶に基づく証言求められる」(2011年5月12日時点のアーカイブ)産経ニュース2011年5月11日
- ^ 平成24年1月27日(金)午前 .閣議の概要について(斎藤勁内閣官房副長官)、平成24年1月27日(金)午前-内閣官房長官記者会見(斎藤勁内閣官房副長官)
- ^ 読売新聞2012年3月10日13S版「スキャナー」3面、13版特別面11面5組織の議事録概要
関連文献
- 加藤陽子「何のための記録保存か : 組織の証拠と記録」『レコード・マネジメント』第50巻、記録管理学会、2005年、80-86頁、doi:10.20704/rmsj.50.0_80。
- 小谷允志「国際標準から見た日本の文書管理の課題 : ISO15489の意味するもの(イノベーションとしての記録管理)」『レコード・マネジメント』第45巻、記録管理学会、2002年、26-33頁、doi:10.20704/rmsj.45.0_26。
- 村岡正司「公文書管理法への対応に向けた適正な公文書管理のあり方 : 今後の自治体の文書管理改善の課題とその方策」『レコード・マネジメント』第62巻、記録管理学会、2012年、39-56頁、doi:10.20704/rmsj.62.0_39。
- ARMA International 東京支部、記録管理学会、日本アーカイブズ学会、学習院大学人文科学研究所共同研究プロジェクト「情報基盤としてのアーカイブズ制度を構築する戦略的研究」「「公文書等の管理に関する法律」施行後5年見直しに関する共同提言書」『レコード・マネジメント』第70巻、記録管理学会、2016年、75-94頁、doi:10.20704/rmsj.70.0_75。
関連項目
外部リンク
- 内閣府 公文書管理委員会(内閣府ホーム>公文書管理>公文書管理委員会)
- 国立公文書館