「君と旅立とう」の版間の差分
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「'''君と旅立とう'''」({{読み仮名|{{lang-it-short|Con Te Partirò}}|コン・テ・パルティロ}} {{IPA-it|kon ˈte ppartiˈrɔ|}})は、[[イタリア人]][[歌手]][[アンドレア・ボチェッリ]]の代表的オペラティック・ポップ楽曲で、[[クロスオーバー_(音楽)#クラシック音楽のクロスオーバー|クラシカル・クロスオーバー]]の先鞭を付けた曲でもある。オリジナルの歌詞は全編[[イタリア語]]。[[1995年]]2月に[[サンレモ音楽祭]]で初めて歌われ、同年春に発売のセカンド・アルバム『{{仮リンク|ボチェッリ (アルバム)|en|Bocelli (album)|label=ボチェッリ}}』に初収録された。[[作詞]]は[[ルーチョ・クアラントット]]、[[作曲]]は[[フランチェスコ・サルトーリ]]で、その後「{{仮リンク|生きる (アンドレア・ボチェッリの曲)|en|Vivere|label=生きる}}」をカップリング曲としてシングル発売されている。この時の音楽チャートで1位を記録した国のうち、フランスでは歴代最多販売枚数の100位圏内に入り、ベルギーでは歴代最多販売枚数1位を記録した。 |
「'''君と旅立とう'''」({{読み仮名|{{lang-it-short|Con Te Partirò}}|コン・テ・パルティロ}} {{IPA-it|kon ˈte ppartiˈrɔ|}})は、[[イタリア人]][[歌手]][[アンドレア・ボチェッリ]]の代表的オペラティック・ポップ楽曲で、[[クロスオーバー_(音楽)#クラシック音楽のクロスオーバー|クラシカル・クロスオーバー]]の先鞭を付けた曲でもある。オリジナルの歌詞は全編[[イタリア語]]。[[1995年]]2月に[[サンレモ音楽祭]]で初めて歌われ、同年春に発売のセカンド・アルバム『{{仮リンク|ボチェッリ (アルバム)|en|Bocelli (album)|label=ボチェッリ}}』に初収録された。[[作詞]]は[[ルーチョ・クアラントット]]、[[作曲]]は[[フランチェスコ・サルトーリ]]で、その後「{{仮リンク|生きる (アンドレア・ボチェッリの曲)|en|Vivere|label=生きる}}」をカップリング曲としてシングル発売されている。この時の音楽チャートで1位を記録した国のうち、フランスでは歴代最多販売枚数の100位圏内に入り、ベルギーでは歴代最多販売枚数1位を記録した。 |
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そしてこの曲の知名度を広く上げたのが、[[1996年]]に[[イギリス人]][[ソプラノ]]歌手[[サラ・ブライトマン]]がボチェッリにデュエットを申し出て、曲名及び歌詞の一部をイタリア語から英語の「'''タイム・トゥ・セイ・グッバイ'''({{lang-en-short|Time To Say Goodbye}})」に変更し、共演したことである。これがヨーロッパ全土で爆発的にヒットし、ドイツでは歴代最多販売枚数を記録したほか<ref name="Bocelli on Decca.com">[https://web.archive.org/web/20100920024157/http://decca.com/artists/andrea-bocelli-192 Bocelli on Decca.com](2010年9月20日時点の[[インターネット |
そしてこの曲の知名度を広く上げたのが、[[1996年]]に[[イギリス人]][[ソプラノ]]歌手[[サラ・ブライトマン]]がボチェッリにデュエットを申し出て、曲名及び歌詞の一部をイタリア語から英語の「'''タイム・トゥ・セイ・グッバイ'''({{lang-en-short|Time To Say Goodbye}})」に変更し、共演したことである。これがヨーロッパ全土で爆発的にヒットし、ドイツでは歴代最多販売枚数を記録したほか<ref name="Bocelli on Decca.com">[https://web.archive.org/web/20100920024157/http://decca.com/artists/andrea-bocelli-192 Bocelli on Decca.com](2010年9月20日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref><ref name="Bocelli Bio">[http://www.classicsandjazz.co.uk/plink/Andrea+Bocelli Andrea Bocelli Biography]</ref>、全世界で1200万枚以上を販売し世界歴代最多販売作品の一枚となった<ref>[http://www.dailymail.co.uk/home/moslive/article-2009588/Andrea-Bocelli-I-avoid-sex-big-concert.html Andrea Bocelli on singing to thousands, losing his sight and making a fortune] July 2, 2011, [[Daily Mail]]</ref><ref name="Sarah Brightman's Not Saying Goodbye!">[http://www.early-sarah-brightman.com/timeless.htm Angel records]</ref>。 |
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その後ボチェッリはこの曲の全編[[スペイン語]]歌詞による「'''ポル・ティ・ヴォラーレ'''({{lang-es-short|Por ti volaré}})」を発売し、前述のオリジナル曲「君と旅立とう」及び「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」と並んでこれら3バージョンはボチェッリの代表曲となっている<ref>{{cite web|url=http://www.computermusicshop.com/Con-Te-Partiro-p/zhl4490344.htm|title=Con Te Partiro|accessdate=2010-07-07|deadlinkdate=2016-06-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110728075930/http://www.computermusicshop.com/Con-Te-Partiro-p/zhl4490344.htm |archivedate=2011-07-28}}</ref>。 |
その後ボチェッリはこの曲の全編[[スペイン語]]歌詞による「'''ポル・ティ・ヴォラーレ'''({{lang-es-short|Por ti volaré}})」を発売し、前述のオリジナル曲「君と旅立とう」及び「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」と並んでこれら3バージョンはボチェッリの代表曲となっている<ref>{{cite web|url=http://www.computermusicshop.com/Con-Te-Partiro-p/zhl4490344.htm|title=Con Te Partiro|accessdate=2010-07-07|deadlinkdate=2016-06-17 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110728075930/http://www.computermusicshop.com/Con-Te-Partiro-p/zhl4490344.htm |archivedate=2011-07-28}}</ref>。 |
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== 来歴 == |
== 来歴 == |
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シングル発売当初、本国イタリアでは[[音楽番組]]でわずかに流される程度で、商業的には必ずしも大ヒットと言えない状況であった。一方、ヨーロッパ他国では大きな反響を呼び、フランスとスイスでは6週連続1位、ベルギーでは12週連続1位を記録しベルギー史上最大の爆発的ヒット曲となった<ref>[https://web.archive.org/web/20021226090501/http://www.abmusica.com/ctp.htm Con Te Partiro](2002年12月26日時点の[[インターネット |
シングル発売当初、本国イタリアでは[[音楽番組]]でわずかに流される程度で、商業的には必ずしも大ヒットと言えない状況であった。一方、ヨーロッパ他国では大きな反響を呼び、フランスとスイスでは6週連続1位、ベルギーでは12週連続1位を記録しベルギー史上最大の爆発的ヒット曲となった<ref>[https://web.archive.org/web/20021226090501/http://www.abmusica.com/ctp.htm Con Te Partiro](2002年12月26日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]]) at abmusica.com</ref>。 |
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ブライトマンの友人で、[[ドイツ]]の国民的英雄でもあるボクサー、[[ヘンリー・マスケ]]の[[ヴァージル・ヒル]]との引退試合が1996年[[11月23日]]に行われた際、試合前にリング上のステージで初めて2人によって歌われ(演奏は[[ロンドン交響楽団]]による録音)、マスケの退場時もこの曲が流された。その模様はテレビ放送で2,100万人以上と言われる視聴者が観ていたこともあり、直後の12月に発売されたシングルはドイツのヒットチャートで14週連続1位となった。 |
ブライトマンの友人で、[[ドイツ]]の国民的英雄でもあるボクサー、[[ヘンリー・マスケ]]の[[ヴァージル・ヒル]]との引退試合が1996年[[11月23日]]に行われた際、試合前にリング上のステージで初めて2人によって歌われ(演奏は[[ロンドン交響楽団]]による録音)、マスケの退場時もこの曲が流された。その模様はテレビ放送で2,100万人以上と言われる視聴者が観ていたこともあり、直後の12月に発売されたシングルはドイツのヒットチャートで14週連続1位となった。 |
2017年9月4日 (月) 19:27時点における版
「君と旅立とう」 | ||||
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アンドレア・ボチェッリ の シングル | ||||
初出アルバム『ボチェッリ』 | ||||
A面 | 「君と旅立とう」 | |||
B面 | 「生きる」 | |||
ジャンル | オペラポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | ポリドール・レコード | |||
作詞・作曲 |
フランチェスコ・サルトーリ ルーチョ・クアラントット | |||
アンドレア・ボチェッリ シングル 年表 | ||||
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「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」 | ||||||||||||||||||||||||||
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アンドレア・ボチェッリ及びサラ・ブライトマン の シングル | ||||||||||||||||||||||||||
初出アルバム『ロマンツァ、ボチェッリ・スーパー・ベスト、クエスチョン・オブ・オナー、タイム・トゥ・セイ・グッバイ』 | ||||||||||||||||||||||||||
リリース | ||||||||||||||||||||||||||
規格 | CD | |||||||||||||||||||||||||
ジャンル | オペラポップ | |||||||||||||||||||||||||
レーベル | イースト・ウエスト・レコード | |||||||||||||||||||||||||
作詞・作曲 |
フランチェスコ・サルトーリ ルーチョ・クアラントット フランク・ピーターソン | |||||||||||||||||||||||||
プロデュース | フランク・ピーターソン | |||||||||||||||||||||||||
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「君と旅立とう」(
そしてこの曲の知名度を広く上げたのが、1996年にイギリス人ソプラノ歌手サラ・ブライトマンがボチェッリにデュエットを申し出て、曲名及び歌詞の一部をイタリア語から英語の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ(英: Time To Say Goodbye)」に変更し、共演したことである。これがヨーロッパ全土で爆発的にヒットし、ドイツでは歴代最多販売枚数を記録したほか[1][2]、全世界で1200万枚以上を販売し世界歴代最多販売作品の一枚となった[3][4]。
その後ボチェッリはこの曲の全編スペイン語歌詞による「ポル・ティ・ヴォラーレ(西: Por ti volaré)」を発売し、前述のオリジナル曲「君と旅立とう」及び「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」と並んでこれら3バージョンはボチェッリの代表曲となっている[5]。
来歴
シングル発売当初、本国イタリアでは音楽番組でわずかに流される程度で、商業的には必ずしも大ヒットと言えない状況であった。一方、ヨーロッパ他国では大きな反響を呼び、フランスとスイスでは6週連続1位、ベルギーでは12週連続1位を記録しベルギー史上最大の爆発的ヒット曲となった[6]。
ブライトマンの友人で、ドイツの国民的英雄でもあるボクサー、ヘンリー・マスケのヴァージル・ヒルとの引退試合が1996年11月23日に行われた際、試合前にリング上のステージで初めて2人によって歌われ(演奏はロンドン交響楽団による録音)、マスケの退場時もこの曲が流された。その模様はテレビ放送で2,100万人以上と言われる視聴者が観ていたこともあり、直後の12月に発売されたシングルはドイツのヒットチャートで14週連続1位となった。
結果的に、シングルが1,500万枚、アルバムを含めて2,500万枚という世界的大ヒットになり、ブライトマンの収録アルバム『タイム』が『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』に変更になったほか、次作『クエスチョン・オブ・オナー』にも収録されるなど、プロモーション面でも様々な影響を及ぼした。以後も多くのアーティストにより歌われている。
ボレロ風のリズムがエネルギーの充溢を感じさせる力強い曲である。邦題の「君と旅立とう」が表す通り、イタリア語である原題において「コン・テ・パルティロ」(伊: Con Te Partirò = 英: With you I am going to leave (注・I will leave ではない))とは「君と共に、(ぼくは)旅立つ」という意味で、英語の「グッバイ」というタイトルゆえにイタリア以外では誤解されやすいが、実は別れの歌ではなく旅立ちの歌である。したがって、結婚式で歌われることも多いが、これは決しておかしなことではない。ドイツではKarel Gott - Zeit zu geh'nという。
日本ではドラマ『外交官 黒田康作』の主題歌として使われるなど、サラ・ブライトマンの代表曲としても知られている(同ドラマの劇場版『アマルフィ 女神の報酬』では、ブライトマン本人が出演している)。他にも人気メダル競馬ゲームであるSTARHORSE2内のSWBCというビッグレースで使われている曲であるため、ゲームファンや競馬ファンにも親しまれている曲である。また、映画の挿入歌としても使われており、一例としてアメリカ映画『ウォンテッド』の作中で、主役のウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)がフォックス(アンジェリーナ・ジョリー)とリムジンに乗った人を殺害するシーンでリムジンの中で流れている(エンドロールには「Time To Say Goodbye」Sarah Brightman、Andrea Bocelliと表記されている)。
製作者クレジット
- 作曲:フランチェスコ・サルトーリ
- 作詞:ルーチョ・クアラントット
カバー
ニール・ショーンは、2001年のアルバム『情熱の音色〜ヴォイス』にインストゥルメンタルのカバーを収録した[7]。テノール歌手・秋川雅史は2005年のアルバム『威風堂々』で、カノンは2007年のアルバム『Precious』でカバーした。
チャート・認定
チャート成績
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認定認定は、特記の無い限りサラ・ブライトマン及びアンドレア・ボチェッリ共演の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を対象としている。
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先代 バビロン・ズー「スペースマン」 |
ベルギー フランデレン地域圏 第1位シングル 1996年3月2日 – 1996年5月4日(10週) |
次代 ジョーン・オズボーン「ワン・オブ・アス」 |
先代 ボリス「ソワレ・ディスコ」 |
ベルギー ワロン地域圏 第1位シングル 1996年6月8日 – 1996年7月6日(5週) |
次代 ロス・デル・リオ「恋のマカレナ」 |
先代 チック・タック・トー「お金があれば…。」 |
ドイツ 第1位シングル 1996年12月13日 – 1997年3月7日(13週) |
次代 チック・タック・トー「なぜなの…。」 |
先代 トニー・ブラクストン「アンブレイク・マイ・ハート」 |
スイス 第1位シングル 1997年1月19日 - 1997年2月23日(5週) |
次代 ノー・ダウト「ドント・スピーク」 |
先代 トニー・ブラクストン「アンブレイク・マイ・ハート」 |
オーストリア 第1位シングル 1997年1月26日 – 1997年2月9日(3週) |
次代 ノー・マーシー「ホエン・アイ・ダイ」 |
先代 ガーラ「レット・ア・ボーイ・クライ」 |
フランスSNEP 第1位シングル 1997年3月1日(1週) 1997年3月15日 – 1997年4月5日(4週) |
次代 ガーラ「レット・ア・ボーイ・クライ」 リッキー・マーティン「マリア」 |
先代 R・ケリー「アイ・ビリーブ・アイ・キャン・フライ」 |
アイルランドIRMA 第1位シングル 1997年3月24日 – 1997年6月7日(3週) |
次代 ハンソン「ンーバップ」 |
脚注
- ^ Bocelli on Decca.com(2010年9月20日時点のアーカイブ)
- ^ Andrea Bocelli Biography
- ^ Andrea Bocelli on singing to thousands, losing his sight and making a fortune July 2, 2011, Daily Mail
- ^ Angel records
- ^ “Con Te Partiro”. 2011年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月7日閲覧。
- ^ Con Te Partiro(2002年12月26日時点のアーカイブ) at abmusica.com
- ^ Voice - Neal Schon | AllMusic
- ^ a b c d “"Con te partirò", in various singles charts”. Lescharts. 2009年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月20日閲覧。
- ^ “"Con te partirò", UK Singles Chart”. ChartArchive. 2014年12月14日閲覧。
- ^ a b c d e f “"Time to Say Goodbye", in various singles charts”. Lescharts. 2009年7月20日閲覧。
- ^ “Irish Singles Chart, database”. Irishcharts. 2009年7月20日閲覧。
- ^ “"Time to Say Goodbye", UK Singles Chart”. ChartArchive. 2014年12月14日閲覧。
- ^ "Austrian single certifications – Sarah Brightman/Andrea Bocelli – Time To Say Goodbye" (German). IFPI Austria.
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: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) Enter Sarah Brightman/Andrea Bocelli in the field Interpret. Enter Time To Say Goodbye in the field Titel. Select single in the field Format. Click Suchen - ^ "Gold-/Platin-Datenbank (Sarah Brightman & Andrea Bocelli; 'Time To Say Good-Bye')" (German). Bundesverband Musikindustrie.
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: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) - ^ “2009年7月度有料音楽配信認定”. 日本レコード協会. 2011年3月15日閲覧。
- ^ "The Official Swiss Charts and Music Community: Awards (Andrea Bocelli & Sarah Brightman; 'Time To Say Goodbye')". IFPI Switzerland. Hung Medien.
{{cite web}}
: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) - ^ "British single certifications – Sarah Brightman & Andrea Bocelli – Time To Say Goodbye". British Phonographic Industry.
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: Cite webテンプレートでは|access-date=
引数が必須です。 (説明) Select singles in the Format field. Select Platinum in the Certification field. Type Time To Say Goodbye in the "Search BPI Awards" field and then press Enter.