「豚汁」の版間の差分
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*[[日本放送協会|NHK]]のアンケート<ref name="nhk">[http://web.archive.org/web/20051104074234/http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q4/20051102.html NHKためしてガッテン 2005年11月2日放送](2005年11月4日時点の[[インターネット |
*[[日本放送協会|NHK]]のアンケート<ref name="nhk">[http://web.archive.org/web/20051104074234/http://www.nhk.or.jp/gatten/archive/2005q4/20051102.html NHKためしてガッテン 2005年11月2日放送](2005年11月4日時点の[[インターネットアーカイブ|アーカイブ]])</ref>によると、全国的には「とんじる」が54[[パーセント|%]]、「ぶたじる」が46%であった。地域でわけると大まかに次のようになった。<!--根拠でもあり出典URLを削除しない事。--> |
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**「とんじる」:東日本 |
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2017年9月4日 (月) 19:00時点における版
豚汁 | |
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豚汁(とんじる、ぶたじる)は、豚肉と野菜を煮込んで味噌で調味した日本の料理。具が多く、豚肉が入っている味噌汁(汁物)の一種である。
概要
豚肉(バラ肉を使用することが多い)の脂、ゴボウなどアクの強い根菜などの野菜や味噌の香りが特徴である。この取り合わせは人気があり、他の汁物には見られない特徴のある料理である。それに加え、入れる具材の多さから各種の栄養素が含まれている。名称の元となっている豚肉のほか、複数種の野菜、あるいはそれらの加工品を入れるため、単に副食としての汁物としてではなく、単品で主菜にもなり得る(例:豚汁定食)。
寒い地域や寒い時期に食べられることが多いのは、豚肉から出る脂が汁の表面を覆い、冷めにくいからである。冬期の炊き出しメニューの定番であり、神社などにおいて年始の参拝客へ、またスキー場など寒い場所や寒い時期に振る舞われたりする。家庭で作られ、特に寒い時期に好まれるが、通年、日本料理店や牛丼店でも出されている。
地域によって具材が異なり、地域色が強い料理である。具が入ったレトルト食品、具を練りこんだ生みそ汁、インスタントカップなど、手軽に食べられる製品も販売されている。
発祥
諸説あり定かではない。
- けんちん汁に肉を入れたという説(けんちん汁はそもそも作り方が違い、「神奈川県鎌倉市建長寺(語源ともなっている)の精進料理であり肉を入れない」)[1]。
- ぼたん鍋を参考にした説
- 旧日本海軍においてカレー粉の代わりに味噌を入れて作ったことから始まったという説
- 北海道の開拓を行った屯田兵が食べた「屯田兵の汁」を屯汁(とんじる)と呼ぶようになったという説
- 山形県庄内地方の芋煮がもとになったという説
- 日本国外から持ち込まれた説
- 薩摩汁の豚を使うものが独立した説[2]。 日本全国で獣肉食が広まったのは明治時代以降であるが、薩摩地方だけは例外的に豚を含めた獣肉食の習慣があり、地方料理に肉入りの味噌汁があった。明治政府は国民の体位向上を理由に肉食を奨励し、また明治時代の軍上層部には薩摩藩出身者が多かったため、地方料理であった薩摩汁が全国に普及してくる。明治42年発行の、明治陸軍の炊事マニュアルである「軍隊料理法」に「豚汁」と「薩摩汁」が別に記載されているが、豚汁が豚を使い、薩摩汁が「豚もしくは鶏を使う」とされている以外、料理法はほとんど同じである。昭和に入り「軍隊料理法」の発展版である「軍隊調理法」には「豚汁」は独立して記載されていない。「薩摩汁」の項目には「豚(又は鶏、兎羊肉)を、芋やごぼう等と煮て味噌汁にする」とあり、豚汁は薩摩汁の一種になっている。
名称
「とんじる」と呼ぶ地域と「ぶたじる」と呼ぶ地域がありしばしば論争になる。また、芋として薩摩芋を使用する「めった汁」や「スキー汁」など、地方独自名称もあるなど多様である。
商品名称
「豚汁」、「とん汁」と表記されている。
- 例
- カップ味噌汁
- 飲食店
- 惣菜
- 派生商品
アンケート
辞書類
- 料理用語辞典・食材辞典
- 『丸善食品総合辞典』(丸善、1998年)では項目名「豚汁」として「とんじる」の箇所に説明されており[18]、「ぶたじる」の箇所では「とんじる」の箇所への参照としている[19]。
- 『料理食材大事典』(主婦の友社、1996年)では項目名「豚汁」として「ぶたじる」の箇所で説明している[20]。
- 国語辞典
- 国語辞典において『豚汁』の項目が存在する場合は「ぶたじる」を中心に記述するものと「とんじる」を中心に記述するものがある。
- 「ぶたじる」に説明し、「とんじる」は誘導に留めるもの。『広辞苑 第5版』『大辞林 第2版』『大辞泉 増補・新装版』
- 「とんじる」に説明し、「ぶたじる」は誘導に留めるもの。『日本国語大辞典第2版』
- 見出し語に「とんじる」しかみあたらないもの。『明鏡国語辞典』、『新明解国語辞典第6版』
作り方
材料
豚汁に用いる材料には、地域差・家庭差があるが、ここでは一般的と思われる物の中から一部を挙げる。
- 味噌、酒粕
- 醤油、みりん、酒、出汁
- 豚肉(脂のある肉、バラ肉を使用することが多い)
- ゴボウ、ダイコン・ニンジンなどの根菜類
- ネギ
- キャベツ、ハクサイなどの葉野菜類
- サトイモ、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類
- コンニャク
- 木綿豆腐、油揚げ、焼き豆腐などの豆腐類
- シイタケ、シメジなどのきのこ類
他の野菜も多く使用され、また好みにより一味唐辛子・七味唐辛子などの香辛料やおろし生姜などの薬味をいれる。
調理方法
調理方法も、地域や家庭などで様々である。
作り方の例(NHK総合テレビ「ためしてガッテン」によるもの[17])
- 煮える時間が同じくなるように野菜を切り湯通しする。肉は表面が変化し霜降りになる程度に湯通しする。
- 水に野菜を入れ強火で煮ることで素材の味を十分に出し切る。それらが完全に柔らかくなる前に半分の味噌を加えて再度煮る。
- 湯通しによって旨みを閉じ込めた豚肉を加える。豚脂の香りをなくさないために長く煮ないようにする。
- 再度味を見ながら味噌を加えて、刻み長ネギを入れ火を止める。
脚注
- ^ スープ大辞典 豚汁の基礎知識と発祥
- ^ 食の源流探訪 豚汁
- ^ インスタント汁物|セブン-イレブン~近くて便利~
- ^ 特製豚汁
- ^ 豚肉と野菜のうまみ 豚汁|商品情報|TOPVALU 〜トップバリュはお客さまの声を商品に生かします〜
- ^ はなまる屋カップとん汁
- ^ カップ生みそずい とん汁
- ^ コクが自慢のとん汁
- ^ おいしいね!! とん汁
- ^ サイドメニュー|メニュー|松屋フーズ
- ^ ファミリーレストラン・ジョイフル|メニューのご案内|定食
- ^ 合わせ味噌の風味豊かな豚汁 - セブン-イレブン~近くて便利~
- ^ ごろごろ野菜の豚汁|ローソン
- ^ 日清のどん兵衛 豚汁うどん
- ^ あつあつ豚汁うどん
- ^ 懐かしのとん汁うどん|ニュータッチ||ヤマダイ株式会社
- ^ a b NHKためしてガッテン 2005年11月2日放送(2005年11月4日時点のアーカイブ)
- ^ 『丸善食品総合辞典』丸善 p.777 1998年
- ^ 『丸善食品総合辞典』丸善 p.937 1998年
- ^ 『料理食材大事典』主婦の友社 p.729 1996年