「クトゥルフの呼び声 (TRPG)」の版間の差分
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:2015年3月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。ISBN 978-4047302662 |
:2015年3月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。ISBN 978-4047302662 |
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'''クトゥルフ神話TRPG 2015'''<blockquote>2015年9月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。1920s Investigator Companionにある職業特記事項の追加、AF作成ルール、特徴表、狂信者探索者、深き者探索者、ミ=ゴの脳缶探索者などルールに富んでいるが、様々なサプリからの一部翻訳であり、脳缶探索者に至っては翻訳をユーザーに投げている。また、日本妖怪の記述も増えたが、データ掲載ではなく名前と簡単な伝承だけであり2010の様なものは無い。[[ISBN 978-4047306653|ISBN |
'''クトゥルフ神話TRPG 2015'''<blockquote>2015年9月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。1920s Investigator Companionにある職業特記事項の追加、AF作成ルール、特徴表、狂信者探索者、深き者探索者、ミ=ゴの脳缶探索者などルールに富んでいるが、様々なサプリからの一部翻訳であり、脳缶探索者に至っては翻訳をユーザーに投げている。また、日本妖怪の記述も増えたが、データ掲載ではなく名前と簡単な伝承だけであり2010の様なものは無い。[[ISBN 978-4047306653|ISBN 978-4047306653]]</blockquote>'''クトゥルフ神話TRPG キングスポートのすべて'''<blockquote>2016年3月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。キングスポートのデータに加え、信号拳銃や技能の一部が追加されている。特に信号拳銃が強く、信号拳銃のすべてと揶揄される。[[ISBN 978-4047340510]]</blockquote> |
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==== リプレイ(第二期) ==== |
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2016年12月11日 (日) 01:21時点における版
『クトゥルフの呼び声』(クトゥルフのよびごえ、Call of Cthulhu)とは、アメリカのゲーム会社であるケイオシアム社が製作したクトゥルフ神話の世界観を体験するホラーテーブルトークRPG(TRPG)である。日本語版はホビージャパンとエンターブレインから発売されている。
翻訳版のタイトルはホビージャパン版は『クトゥルフの呼び声』であったが、エンターブレイン版は『クトゥルフ神話TRPG』となっている。なお、d20システムをつかったスピンオフ作品である『コール・オブ・クトゥルフ d20』という製品も新紀元社より翻訳されており、それについてもこの項目で併せて扱う。
概要
クトゥルフ神話をテーマにしたゲームの1つ。1981年にアメリカ合衆国のケイオシアム社から発売されている。
ゲームデザインは『ルーンクエスト』などにも関わっているサンディ・ピーターセン(Sandy Petersen)や『ストームブリンガー』などにも関わっているリン・ウィリス(Lynn Willis)が担当している。
クトゥルフ神話
システム
基幹システムは『ルーンクエスト』や『ストームブリンガー』などと同じベーシック・ロールプレイングを採用している。プレイヤーキャラクターの創造は、シナリオの舞台となる時代/地域ごとにリスト化された職業リストの中から1つを選び、その職業に適する技能を習得することで行われる。
このゲームではゲームマスターではなく「キーパー」と呼ばれる役割の人物がゲームの進行をする。これはThe Keeper of Arcane Loreの略であり、日本語にするなら「神秘の護り手」「いにしえの知識の守護者」のような意味となる。また、日本語版のルールブックおよび関連製品では本作のプレイヤーキャラクター(PC)を「探索者」と呼称しているが、これは日本語版の独自の呼称であり、原語版では単に"Character"としか呼称されていない。これ以後は日本語版に合わせた表記とする。
他のベーシック・ロールプレイングを使用したゲームと比べると戦闘に関するルールはかなり簡略化されており、代わりに文献調査に関するルールが厳密に作られている。これは『クトゥルフの呼び声』で再現されるシチュエーションに、古代の魔導書や研究者の残した日記を読み返すというものが多いからである。日記を読むことが多いというのは一見すると不自然なように思えるが、ラヴクラフトの小説の多くが「宇宙的恐怖の被害にあったものが残した手記による回想」という形式で書かれており、被害者の日記を読み返すことは『クトゥルフの呼び声』ではもっとも重要な情報源になることが多い。
正気と狂気
特徴的なルールとして「正気度」という概念がある。これはPCがどれだけ理性を保っていられるかを示すものである。
正気度の数値は、SANという能力値から算出される「正気度ポイント(Sanity Point)」であらわされ、ショッキングな出来事に遭遇したり、宇宙的恐怖に関する知識を「知ってしまった」ときに「正気度ロール」と呼ばれる行為判定を行い、これに失敗すると正気度ポイントが減っていく。正気度ポイントが多く減ってしまうとプレイヤーキャラクターは狂気に陥り奇異的な行動を行うようになる。これを「発狂」という。また、一部の強力な宇宙的恐怖相手だと正気度ロールに成功しても、減少値は失敗時より少ないとはいえ正気度ポイントが減ってしまう。なお、恐怖に慣れていくことにより自動的に正気度ロールに成功するようになるのだが、あくまでも判定に成功するだけであるので、成功でも正気度が減少する相手に対してはあまり効果が無い。これは、恐怖そのものが人間の本能であるため完全に取り除くことは不可能であるということを表している。また慣れも種族ごとに細分化されており、宇宙的恐怖全般に慣れる訳ではない。
正気度ロールの目標値はロール時点の残り正気度ポイントであり、正気度が減れば減るほど正気度ロールに失敗しやすくなっていく。また、正気度ポイントの最大値は【クトゥルフ神話】スキルの上昇とともに減っていく。
狂気は「一時的狂気」と「不定の狂気」に分かれていて、「一時的狂気」は数分から数時間でおさまるパニック状態に過ぎないが、「不定の狂気」に陥ったものは精神病院に入って適切な治療を受けないと正気には戻れない。また、恐怖症などの精神的疾患を残す場合もある。正気度が0になったものは完全な狂人となる。宇宙的恐怖の信奉者の多くは完全な狂人である。このような状態になった探索者はNPCとして扱われることとなる。プレイヤー本人は新しく探索者を作成し、それを使ってプレイすることとなる。
事件を解決できるか、解決せずとも生還できたならば正気度が回復するが、回復量は減少量より少ない場合が多い。また、宇宙的恐怖に対して卑小な探索者が対抗するには、知識を深め対抗策を講じて行くしかないが、前述の通り【クトゥルフ神話】スキルが増えるほど正気度の最大値が減る。そのため探索者Cは宇宙的恐怖に(一時的に)勝利したとしても破滅に向かって行くこととなる。
人間より圧倒的に能力が上回る宇宙的恐怖が一度顕現すれば、その存在と戦う前から結果が見えている。 対して探索者は知恵で対抗するのだが、それでも眷属の人間を上回る肉体と恐怖を感じさせる外見に苦戦し、またその過程で知ってしまった知識に翻弄されていくことになる。
正気と狂気が細かくルールで表現されているのは、ラヴクラフトの小説の多くにおいて宇宙的恐怖に出遭った被害者が狂人として描かれているからである。
魔法
適切な知識を有するものならば魔法を使用することが可能である。しかし、この世界の魔法は一般的なファンタジーの魔法と異なり宇宙的恐怖にかかわるものであり、その行使には正気度の損失を伴う。 また、魔法の習得に必要な魔術書は忌まわしき書として焚書・発売禁止となっているため非常に貴重であり、また断片的ながら宇宙的恐怖に関する記述がなされているため読むことで正気度を損失することになる。
ほとんどの魔法は召喚魔法のため、怪物が魔法を使うことは少なく、人間が使用する場合が大半である。
正気度ポイントが0である魔物の信奉者はこれ以上正気度を減少させようが無い為、魔法を会得できさえすれば、マジックポイントが許す限り魔法を使用できる。
また、深きものどもの様な魔法を行使可能な知恵を持つ魔物も居るが、基本的に教団の一般信者と扱いは変わらず魔法を使うものは少ない。
世界設定
ゲームの舞台は、「狂乱の時代」といわれた1920年代アメリカを基本にしている。これはラヴクラフトの怪奇小説の多くがこの時代に出版されたためである。
追加ルールを記したサプリメントの中には1920年代のアメリカ以外の時代/地域を舞台に遊ぶための情報が載っている物もある。それらのサプリメントにはその時代 / 地域出身のプレイヤーキャラクターを創造するためのルールやデータが掲載されており、加えて、その時代 / 地域の風俗や文化、物品の価格なども掲載されている。
最新版の基本ルールブックでは、「1890年代」、「1920年代」、「現代」の3つの時代をフォローしており、探索者を作るときはシナリオの時代設定に併せて、どの時代の出身かを選んでから作るようになっている。
「現代もの」としての『クトゥルフの呼び声』
『クトゥルフの呼び声』は日本において、ホラーゲームとしてだけでなく「近現代を舞台にしたテーブルトークRPG」としてもクトゥルフ神話ファン以外にも人気が出たタイトルである。
『クトゥルフの呼び声』が初めて日本語で販売されたのは、テーブルトークRPG黎明期である1986年のことであった。当時は日本語版ダンジョンズ&ドラゴンズが初登場して間もない頃で、ファミコンで『ドラゴンクエスト』が出たばかりの年でもある。TRPGどころかRPGそのものの知名度も低い時代であり、その中で「剣と魔法のファンタジーではないRPG」というのはかなり挑戦的なタイトルであったといえる。
クトゥルフ神話自体も日本では知名度があまり高くなかったこともあり(むしろ、このゲームの翻訳がきっかけで日本のSF/ファンタジーのファンに「クトゥルフ神話」が広まった部分もある)、このゲームは発売のかなり当初から「20世紀を舞台にしている」ことの方が注目された。日本市場において中世ファンタジー世界以外を舞台にしたTRPGが主流になるのは1990年代後半以降のことであり、1980年代において20世紀を舞台にしたTRPGというのはそれだけで強いインパクトを持っていたのである。
特に、基幹システムであるベーシック・ロールプレイングは世界観を限定しない汎用システムであるため、ほとんど無改造で現代日本を舞台にすることも可能なことが注目された。『クトゥルフの呼び声』は1920年代の人間を前提とした技能が揃っているが、これらの技能は実は20世紀末の人間に適応してもほとんど違和感がなかったのである(コンピュータプログラミングに関係する技能だけは他の技能で代用できないが、1980年代での『現代』ではコンピュータはまだまだ一般には浸透していなかったため、「現代もの」として遊ぶときにコンピュータに関する技能がなくてもあまり問題ではなかった)。
ユーザーの間では伝奇アクションもの、探偵もの、学園ものなど、およそクトゥルフ神話とは直接関係ないようなテーマのシナリオも、このシステムで遊ばれることが多かったようだ。ベーシック・ロールプレイングを搭載しているため、恐怖要素に関するルールを排除しても十分「現代を舞台にしたゲーム」として遊ぶことができたのである。特に文献調査に関するルールが詳細な点は、ホラーと関係ない現代ものとも相性が良かった。
このようなユーザー側の需要を加味して、日本では『クトゥルフの呼び声』を現代日本で遊べるサプリメントが作られた。また、『クトゥルフの呼び声』をベースにした学園ドラマRPG『放課後怪奇くらぶ』が発売された。
ただしこのような需要はあくまで日本のテーブルトークRPGに「現代もの」のゲームがほとんどなかった1990年代前半までのものであった。ホビージャパンでの『クトゥルフの呼び声』の展開が停止した1990年代後半からは日本のテーブルトークRPGの世界に「現代もの」のゲームが一気に増え始めたのである。21世紀に入ってから『クトゥルフ』のTRPGが新紀元社やエンターブレインから再展開しているが、この時点では『クトゥルフ』でホラー要素のない汎用的な現代ものを遊びたいという需要はほとんどなくなっている。
作品一覧
日本語で展開されている製品のみ記述する。発売年は特に注釈がない限りは日本語版が発売された年を示している。 便宜上、1986年から1994年までホビージャパンを中心に展開されていた時期を「第一期」、2003年以降にエンターブレインと新紀元社により展開されている時期を「第二期」とする。
第一期
第一期では「タクテクス」誌とその後継である「RPGマガジン」誌でゲームのサポートが行われており、雑誌掲載されたシナリオの中には製品化されていないものも数多くある。
ルールブック(第一期)
- クトゥルフの呼び声
- 基本ルールブック(ボックス版)。1986年発売。1983年に米国で発売された『Call of Cthulhu』の第二版(Second Edition)の翻訳だが、第三版(Third Edition)のルール変更も可能な限り織り込んだという。舞台としている時代は1920年代のみ。シナリオは全部で7つとかなり豊富に掲載されていた。
- クトゥルフの呼び声(改訂版)
- 基本ルールブック(A4判書籍)。1993年発売。ISBN 978-4938461928
- 1992年に米国で発売された『Call of Cthulhu』の第五版(Fifth Edition)の翻訳。これまでのルール関連のサプリメントの統合や、スキルの主旨変更や統廃合がメインの改訂で、ルールの大枠はほとんど変更ないため、それまでに発売されたサプリメントはこの改訂版でも全て使用可能である。この第五版に統合されたため、クトゥルフコンパニオン、クトゥルフバイガスライト、クトゥルフナウは、絶版となった(しかし、全てが掲載されているわけでなく、各サプリメントにはあっても、第五版には無い記事もある)。
- また、オーガスト・ダーレスの神話解釈に基づいた訳語「旧支配者」を原語のカタカナ表記である「グレート・オールド・ワン」に変更するなど、翻訳に関するコンセプトがより「ラヴクラフト原理主義」になっている。
資料集・解説書(第一期)
- クトゥルフ・ハンドブック
- 日本オリジナル編集による『クトゥルフの呼び声』のゲーム解説書(A5判書籍)。1988年発売。著者は山本弘。ISBN 978-4938461461
- クトゥルフ神話の宇宙観の初心者向き解説を中心として、「恐怖を楽しむ」という普通のTRPGとは違う遊び方の今作のプレイングに関するガイドを載せている。いわゆる「○○がわかる本」の系統で、メインの舞台である20年代アメリカの文化・風習などもガイドされている他、草彅琢仁による神話生物のイラストも掲載されている。
- 1993年には改訂版として『クトゥルフ・ハンドブック 改訂新版』が刊行された(A5判書籍)。ISBN 978-4938461966
- クトゥルフモンスターガイド
- 資料集(A4判書籍)。1989年発売。ISBN 978-4938461454
- ゲームに出てくる神話生物たちの生態を美麗なカラーイラストで紹介したガイドブック。
- クトゥルフモンスターガイド2
- 資料集(A4判書籍)。1989年発売。ISBN 978-4938461508
- 上記『クトゥルフモンスターガイド』の続編。今作ではドリームランドの神話生物がメインになっている。
- クトゥルフ神話図説
- 資料集(A4判書籍)。1994年発売。ISBN 978-4894250444
- 『クトゥルフモンスターガイド』と『クトゥルフモンスターガイド2』を合本にして復刻したもの。
サプリメント(第一期)
- ウェンディゴへの挑戦
- サプリメント(ボックス版)。1986年発売。パラグラフ形式のソロ・シナリオ(いわゆるゲームブック)で、男性か女性の既成探索者「ネーデルマン博士」となり、学生や現地人ガイドからなる探検隊を率いてカナダの大森林に『ハニナー神話』の謎を追う。
- ヨグ=ソトースの影
- サプリメント(ボックス版)。1987年発売。7つの連作シナリオから構成された長編のキャンペーンシナリオ。謎の秘密結社の影を追い、アメリカ国内はもとよりイースター島そしてルルイエまで世界を股にかけた冒険を繰り広げる。
- 療養所の悪魔
- サプリメント(ボックス版)。1987年発売。7つの短編シナリオを収録したシナリオ集。ミステリ調からコメディ、B級SFなど、幅広い雰囲気のシナリオが収録されている。
- ユゴスからの侵略
- サプリメント(ボックス版)。1987年発売。8つの連作シナリオから構成された長編のキャンペーンシナリオ。世界的大企業の陰謀を阻止すべく、アメリカ合衆国からはじまり、ヨーロッパ、エジプト、そしてセラエノの大図書館と宇宙を駆け巡る。
- クトゥルフ・コンパニオン
- サプリメント(ボックス版)。1987年発売。呪文、モンスター、精神疾患など様々な追加データと、幾ばくかのシナリオを収録。サドウスキィ博士の論文として、世界で神話生物がどう呼ばれているかなど、研究論文の発表のようなものも掲載されている。マスタースクリーンも添付されている。
- クトゥルフ・バイ・ガスライト
- サプリメント(ボックス版)。1988年発売。1890年代のイギリスを舞台にするための追加ルールおよび設定資料集。シャーロック・ホームズとモリアーティ教授との対決に邪神の陰謀が絡むというシナリオ「ヨークシャーの怪事件」も収録。
- 黄昏の天使
- 日本オリジナルサプリメント(ボックス版)。1988年発売。日本神話をクトゥルフ神話とからめた、全八話からなる大規模かつ重厚なキャンペーンシナリオ集。探索者は、日本中を駆け回り、日本神話や民話、そして古代出雲王朝の謎に触れつつ、黄昏の天使の野望を阻止すべく奮闘する事になる。本作品は三部構成となる予定だった「夜叉姫伝説」の前日譚が作者の予想以上のボリュームとなったため単体で発売されたもので、「夜叉姫伝説第一部」とのサブタイトルがついているが、第二部「ローレライ=パルティータ」以降は発売されなかった。現代(発売当時の1988年)の日本を舞台にするための追加ルールおよび設定資料も付随している。1980年代の日本で登場する可能性のある車両、航空機、戦車などの他、暗視装置等、細かなガジェットデータも掲載されている。第一期においては唯一発売された日本製キャンペーンシナリオでもある。
- ニャルラトテップの仮面
- サプリメント(ボックス版)。1989年発売。非常なボリュームがあるキャンペーンシナリオ集。ニューヨーク、ロンドン、カイロ、ケニヤ、上海の5つの都市で起こる様々な事件が大量の情報とともに書かれており、それらの事件を調べていくうちに次第に大邪神ニャルラトテップの陰謀が暴露されていくというもの。一つの都市の事件を全て体験するだけでも、数回のプレイが必要。
- クトゥルフ・ナウ
- サプリメント(ボックス版)。1989年発売。現代(英語版発売当時の1987年)アメリカを舞台にするための追加ルールおよび設定資料集。20年代から格段に進化した調査方法に対応すべく、弾道学や血液検査などの法医学や写真の技術などに大きくページが割いてあるのが特徴。
- アーカムのすべて
- サプリメント(ボックス版)。1991年発売。ラヴクラフトの小説の舞台として良く使われるマサチューセッツ州の架空の街「アーカム」の詳細なシティガイド。アーカムを舞台にしない場合でも、1920年代のアメリカの文化や風俗を知るための設定資料集として使用できる。
- 13の恐怖
- サプリメント(A4判書籍)。1991年発売。クトゥルフ神話と関係ない、普通(どちらかと言えば、B級)のホラーものをテーマにした短編シナリオ集。13日の金曜日やエイリアンなど、著名なホラー映画をモチーフにした様々なシナリオを13本収録している。
- クトゥルフスーパースクリーン
- サプリメント(A4版)。1994年発売。スーパースクリーンのシリーズの一つで、データ集に加えて「1920年代探索者コンパニオン」が付属していた。これは原書版「Investigator's Companion Volume1」の翻訳であり、1920年代のアメリカにおける文化、風俗、交通、生活、物品の価格表などを記載した設定資料集になっている。『ガスライト』や『ナウ』のような時代ごとのサプリメントの1920年代バージョンである。スーパースクリーンがバインダー状で、冊子はルーズリーフ形式になっていて綴じられる。
リプレイ(第一期)
- クトゥルフ・ワールド・ツアー
- リプレイ集(A4判書籍)。1990年発売。日本オリジナル編集。
- 王道とは一風変わったシナリオを掘り下げており、『ナウ』を使った現代もの、『ガスライト』を使った19世紀英国もの、平安時代を舞台にしたもの、ハイパーボレアを舞台にしたものの4編を収録。リプレイだけでなく、同じような舞台でシナリオを作るときのガイダンスも載せている。
第二期
日本の『クトゥルフ』のTRPGの歴史は約10年の沈黙の後、雑誌『Role&Roll』の創刊と共に復活した。第二期における翻訳元はエンターブレインと新紀元社と二つに分かれているのだが、関わっているスタッフはほぼ共通しており、サポート雑誌も『Role&Roll』で統一されている。
だが、『クトゥルフの呼び声』はホビージャパンにより商標登録されているため、第二期では製品名に『クトゥルフの呼び声』という名前が使われていない。製品としてはホビージャパン版と同じくケイオシアム社のテーブルトークRPG『Call of Cthulhu』の系譜に属する。
ルールブック(第二期)
- コール・オブ・クトゥルフ d20
- 基本ルールブック(A4判書籍)。2003年に新紀元社より発売。ISBN 978-4775302125
- 2001年に米国のウィザーズ・オブ・ザ・コースト社から発売された『Call of Cthulhu Roleplaying Game』の翻訳。ベーシック・ロールプレイングでなくd20システムによる『クトゥルフ』のTRPGである。『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とルールが完全互換しているため、これがあればD&Dのファンタジー世界に召喚されたクトゥルフを冒険者が退治するシナリオも可能。
- クトゥルフ神話TRPG
- 基本ルールブック(B5判書籍)。2004年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4757720206
- 2004年に米国で発売された『Call of Cthulhu』の第六版(Sixth Edition)の翻訳。米国版の販売からわずか半年で日本語版の発売という、当時のTRPGでは異例の速さで翻訳された。ベーシック・ロールプレイング版であり、大枠のルールはホビージャパン版とほとんど変わっていない。そのためホビージャパン版のサプリメントもそのまま使用可能。『クトゥルフの呼び声(改訂版)』と同じく、1890年代、1920年代、現代(2004年)の3つの時代を舞台にできる。
資料集・解説書(第二期)
- クトゥルフ神話ガイドブック 20世紀の恐怖神話
- クトゥルフ神話のブックガイド(A5判書籍)。2004年に新紀元社より発売。著者は朱鷺田祐介。ISBN 978-4775302538
- クトゥルフ神話に関係する小説や映像作品、ゲームを紹介した本で、テーブルトークRPGも多く扱っている。朝松健の諸作品や『斬魔大聖デモンベイン』『エンジェルフォイゾン』など日本製のクトゥルフ神話作品が多く紹介されているのが特徴。巻末には英語版のテーブルトークRPG『Call of Cthulhu』全関連製品のリストが載っている(2004年までのリスト)。
- エンサイクロペディア・クトゥルフ
- 資料集(A5判書籍)。2007年に新紀元社より発売。ISBN 978-4775305317
- クトゥルフ神話の百科事典。テーブルトークRPGとは直接関係ないものの、『クトゥルフ神話TRPG』の関連資料としても使えるという触れ込みで翻訳されている。訳語も『クトゥルフ神話TRPG』と統一されている。
- クトゥルフ神話TRPG入門 るるいえびぎなーず
- 『クトゥルフ神話TRPG』の入門書。2012年11月30日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047282339
- 著者は内山靖二郎とアーカム・メンバーズ、イラスト担当は狐印ほか。
サプリメント(第二期)
- H.P.ラヴクラフト アーカム
- 『クトゥルフ神話TRPG』『コール・オブ・クトゥルフd20』の共用サプリメント(B5判書籍)。2004年に新紀元社より発売。ISBN 978-4775303597
- ラヴクラフトの小説の舞台として良く使われるマサチューセッツ州の架空の街「アーカム」の詳細なシティガイド。ホビージャパン版『アーカムのすべて』と内容はほぼ同じ(同じ原書を翻訳している)。ただし、d20システム用のデータも追記されている。
- クトゥルフ・ダークエイジ
- 独立型サプリメント(B5判書籍)。2005年に新紀元社より発売。ISBN 978-4775303870
- 中世ヨーロッパを舞台にするための追加ルールおよび設定資料集。ベーシック・ロールプレイングによるキャラクターメイキングや判定ルールも掲載されており、基本ルールブックがなくてもこれ一冊でプレイができる「独立型サプリメント」である。
- クトゥルフ神話TRPG キーパーコンパニオン
- 『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメント(B5判書籍)。2005年に新紀元社より発売。ISBN 978-4757724952
- 呪文や魔導書、モンスターなどのデータを大量に掲載しているゲームマスター(GM)用のサプリメント。
- クトゥルフ神話TRPG クトゥルフと帝国
- 日本オリジナル編集による『クトゥルフ神話TRPG』『コール・オブ・クトゥルフd20』の共用サプリメント(B5判書籍)。2005年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4757725829
- 1920〜1930年代の日本(および日本の統治下にあったアジア諸国)を舞台にするための追加ルールおよび設定資料集。つまり、大正ロマンの時代から、軍靴の足音が聞こえる昭和初期までの時代である。
- なお、第一期の展開時に、同じコンセプトのサプリメントが同じタイトルで出版される予定があったが頓挫している。本作はその幻の企画のオマージュであると思われるが、製作スタッフは当時とは異なっているため、第一期で予定されていた企画が再始動したわけではない。
- クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上
- 日本オリジナル編集による独立型サプリメント(B5判書籍)。2006年にエンターブレインより発売。著者は朱鷺田祐介。ISBN 978-4757728172
- 戦国時代の日本を舞台にするための追加ルールおよび設定資料集。『クトゥルフ・ダークエイジ』と同じく基本ルールブックがなくてもこれ一冊でプレイができる「独立型サプリメント」である。アメリカで「Ninjya Cthulhu」のタイトルで英訳される予定になっている。
- クトゥルフ神話TRPG 七つの怪談
- シナリオ集(B5判書籍)。2007年に新紀元社より発売。ISBN 978-4775306109
- 日本を舞台にした7本のシナリオを収録。コンセプトは、「古来より日本に伝わる伝説や怪談をクトゥルフ神話として解釈する」というもの。シナリオはそれそれ独立している。
- 掲載されているシナリオは『クトゥルフ神話TRPG』で扱うことを前提としている。
- クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム
- モンスターデータ集(B5判書籍)。『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントで、2008年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4-7577-4142-3
- クトゥルフ神話に登場するモンスターたちのデータや解説を多数掲載。
- クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境
- ラブクラフトの諸作品に出てくる異世界「幻夢境(ドリームランド)」のワールドガイド(B5判書籍)。『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントで、2009年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4757747371
- クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010
- 現代(発売当時の2010年)の日本を舞台にするための追加ルールおよび設定資料。警察や自衛隊が使用する武装などのデータも掲載されている。『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントで、2010年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4047264236
- 1988年に発売された『黄昏の天使』と同じコンセプトのサプリメントだが、22年を経た後の「現代」であるためその世界観は大きく異なる。
- クトゥルフ・ワールドツアー クトゥルフ・ホラーショウ
- 『クトゥルフ神話TRPG』でB級ホラー映画のノリを再現するためのガイダンスブック。2011年1月にアークライトから発売。参考作品解説やマスタリングガイドのほか、B級ホラー映画シナリオ専用の追加ルールも掲載されている。
- タイトルは第一期で「一風変わったクトゥルフもの」を掘り下げたガイドブック「クトゥルフ・ワールドツアー」のオマージュ。また、内容のコンセプト自体も第一期のサプリメント「13の恐怖」に近いものとなっている。
- クトゥルフ神話TRPG インスマスからの脱出
- ラヴクラフトの小説「インスマスを覆う影」の舞台となったマサチューセッツ州の架空の街「インスマス」の詳細なシティガイド(B5判書籍)。『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントで、2011年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4047272019
- クトゥルフ・ワールドツアー 忌まわしき古代遺跡
- 第二期版「ワールドツアー」の第二段。クトゥルフ神話に関連する古代遺跡のガイドブック。2011年7月にアークライトから発売。ニャルラトテップの遺跡を舞台にしたシナリオ『トートの剣』を翻訳して収録している。
- クトゥルフ・ワールドツアー ナチス邪神帝国の陰謀
- 第二期版「ワールドツアー」の第三段。第二次世界大戦期を舞台のシナリオを作成するときのガイダンスと、実際のシナリオを3本収録。2012年2月にアークライトから発売。ニャルラトテップの遺跡を舞台にしたシナリオ『トートの剣』を翻訳して収録している。
- クトゥルフ神話TRPG ダニッチの怪
- ラヴクラフトの小説「ダニッチの怪」の舞台となったマサチューセッツ州の架空の街「ダニッチ」の詳細なシティガイド(B5判書籍)。『クトゥルフ神話TRPG』のサプリメントで、2012年にエンターブレインより発売。ISBN 978-4047277441
- クトゥルフ神話TRPG クトゥルフカルト・ナウ
- 『クトゥルフ2010』の続篇にあたるサプリメント(B5判書籍)。現代日本に暗躍するカルト(人間社会に潜むクリーチャー集団、新興宗教、先端企業、血族など)を紹介したガイドブック。2013年2月にエンターブレインより発売。ISBN 978-4047284593
- クトゥルフ神話TRPG キーパーコンパニオン改訂新版
- 上述している『キーパーコンパニオン』に、異界の機械に関する追加データとキーパースクリーンを付記した新装版。2013年3月にエンターブレインより発売。ISBN 978-4047288171
- クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ・フラグメント
- 2015年3月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。ISBN 978-4047302662
クトゥルフ神話TRPG 2015
2015年9月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。1920s Investigator Companionにある職業特記事項の追加、AF作成ルール、特徴表、狂信者探索者、深き者探索者、ミ=ゴの脳缶探索者などルールに富んでいるが、様々なサプリからの一部翻訳であり、脳缶探索者に至っては翻訳をユーザーに投げている。また、日本妖怪の記述も増えたが、データ掲載ではなく名前と簡単な伝承だけであり2010の様なものは無い。ISBN 978-4047306653
クトゥルフ神話TRPG キングスポートのすべて
2016年3月にKADOKAWA/エンターブレインより発売。キングスポートのデータに加え、信号拳銃や技能の一部が追加されている。特に信号拳銃が強く、信号拳銃のすべてと揶揄される。ISBN 978-4047340510
リプレイ(第二期)
- クトゥルフと帝国リプレイ 白無垢の仮面
- 『クトゥルフと帝国』のリプレイ(新書)。2006年に新紀元社より発売。著者は内山靖二郎。ISBN 978-4775305010
- このリプレイで描かれた設定は、後に刊行された同著者の『るるいえ』リプレイシリーズの内容にも組み込まれている。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2009年にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047262393
- るるいえシリーズ第1弾。現代日本にある骨董品店「るるいえ堂」に集まる怪異を描く。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ(新書)。2010年に新紀元社より発売。著者は内山靖二郎、イラスト担当は青木邦夫。ISBN 978-4775308462
- Role&Roll誌増刊で掲載された「水無瀬ゼミシリーズ」のリプレイ2編と書き下ろし続編を加えたもの。入門者向けのつくりが意識されており、ルールブック未所持の読者を対象に、ルール紹介やプレイングガイダンスも掲載されている。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえはいすくーる
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2010年12月にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047269071
- るるいえシリーズ第2弾。『るるいえあんてぃーく』からシナリオ・プレイヤーを継続する続編で、今度の舞台は私立高校の「御津門学園」。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえばけーしょん
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2011年11月30日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047276703
- るるいえシリーズ第3弾。前作までのキャラクターの成長を受けて、海外から異世界までまたにかける壮大な冒険ものとなっている。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえばーすでい
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2012年9月28日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047283299
- るるいえシリーズ第4弾。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえとらべらーず
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2013年8月30日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047289512
- るるいえシリーズ第5弾。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。リプレイの登場人物によるオリジナルエピソード収録のドラマCDが付属する。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえぐりもあーる
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2014年6月30日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047297524
- るるいえシリーズ第6弾。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえがすらいと
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2014年12月26日にエンターブレインより発売(A5版書籍)。ISBN 978-4047300811
- るるいえシリーズ第7弾。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
- クトゥルフ神話TRPG リプレイ 御津門学園ゲーム部の冒涜的な活動
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2014年12月26日にファミ通文庫より発売。ISBN 978-4047301665
- ファミ通文庫にて作品を発表している作家の築地俊彦、田口仙年堂、井上堅二がプレイヤーとして参加している。著者は内山靖二郎、イラスト担当は生煮え。
- クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえみつかどにっく
- 『クトゥルフ神話TRPG』のリプレイ。2015年8月31日にエンターブレインより発売。ISBN 978-4-04-730661-5
- るるいえシリーズ第8弾。著者は内山靖二郎、イラスト担当は狐印。
ドラマCD(第二期)
『クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえとらべらーず』に付属。「るるいえ・うぃっち・ぷろじぇくと」「るるいえ堂改造計画」の2つのエピソードが収録されている。
スタッフ
- 劇伴音楽 - 三澤康広
キャスト
関連項目
外部リンク
- Chaosium.com (英語版の発売元)
- アークライト (日本語版第二期の翻訳。Role & Roll誌にてサポート記事『アーカム計画』連載)
- ひきだしの中身 (第二期の主要スタッフの一人である内山靖二郎のサイト。『クトゥルフ』TRPGのシナリオが豊富)