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「札幌市北3条広場」の版間の差分

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'''札幌市北3条広場'''(さっぽろしきたさんじょうひろば)は、[[札幌市]][[中央区 (札幌市)|中央区]]にある[[広場]]。愛称は「'''アカプラ'''」。
[[File:Sapporo Kita 3-jo Plaza 201408.JPG|260px|thumb|札幌国際芸術祭2014開催様子]]
[[File:Birthplace of Paved Roads in Sapporo.JPG|260px|thumb|札幌舗装道路発祥の地]]


== 概要 ==
'''札幌市北3条広場'''(さっぽろしきたさんじょうひろば)は、[[北海道]][[札幌市]][[中央区 (札幌市)|中央区]]北2条西4丁目 - 北3条西4丁目に所在する歩行者専用空間。[[2014年]]([[平成]]26年)7月19日にオープン。[[札幌駅前通まちづくり|札幌駅前通まちづくり株式会社]]が運営。通称は北3条広場。愛称はアカプラ(赤れんがプラザ)<ref name="akapura">http://www.city.sapporo.jp/kikaku/downtown/project/kita3jouhiroba.html</ref>。
[[札幌駅前通]]沿い、[[北海道庁旧本庁舎]](赤れんが庁舎)正面に位置しており、[[日本生命札幌ビル]](ノアシス3.4)や[[札幌三井JPビルディング]](赤れんが テラス)から[[札幌駅前通地下歩行空間]](チ・カ・ホ)に接続している。「[[道路]]」と「[[広場]]」の機能を併せ持つ施設として2014年(平成26年)7月19日にオープンした{{Sfn|道路行政セミナー|2014|p=1}}。北3条通は、札幌市が策定した[[都市計画]]の中で赤れんが庁舎などと一体した空間づくりを行って周辺街区の集客・交流資源としての魅力向上を整備目標にしていたが{{Sfn|道路行政セミナー|2014|pp=1-2}}{{Sfn|北の交差点|2014|p=1}}、隣接地で新しい[[ビル]]の建設計画を進めていた民間事業者([[三井不動産]]・[[日本郵政|日本郵政グループ]])が公共貢献の一環として広場を整備した全国的にも珍しい事例になっている{{Sfn|北の交差点|2014|p=2}}<ref name="日本設計">{{Cite web |url=https://www.nihonsekkei.co.jp/projects/707/ |title=札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場 |publisher=[[日本設計]] |accessdate=2017-02-18}}</ref>。広場は「[[都市計画法]]」の都市施設に位置づけられているが、公園のように「[[都市公園法]]」といった管理を定める法律がないため、札幌市は「札幌市北3条広場条例」を制定して広場の管理体制や柔軟な活用を図る枠組みを整備した{{Sfn|北の交差点|2014|p=3}}<ref>{{Cite web |url=http://www.city.sapporo.jp/ncms/reiki/d1w_reiki/425901010038000000MH/425901010038000000MH/425901010038000000MH.html |title=札幌市北3条広場条例 |work=札幌市例規集 |publisher=[[札幌市]] |accessdate=2017-02-18}}</ref>。運営管理については「[[指定管理者制度]]」を導入しており、隣接する札幌駅前通地下広場の[[指定管理者]]でもある札幌駅前通まちづくり株式会社が行っている{{Sfn|北の交差点|2014|p=3}}{{Sfn|道路行政セミナー|2014|p=3}}<ref>{{Cite web |url=https://www.sapporoekimae-management.jp |title=札幌駅前通まちづくり株式会社 |accessdate=2017-02-18}}</ref>。


北3条広場は全面に[[煉瓦|レンガ]][[舗装]]を施しており、[[ベンチ]]を兼ねた植栽枡や[[イベント]]の開催時に使用できるインフラ設備があるほか{{Sfn|道路行政セミナー|2014|p=4}}、広場と道路(歩道)との境界には[[プランター]]や[[ボラード]]を設置している{{Sfn|道路行政セミナー|2014|p=4}}。レンガ舗装の下には1924年(大正13年)に施工した札幌市内初の舗装道路である木塊道路(木製レンガによる舗装)が保存されている。また、広場のイチョウ並木は1925年(大正14年)に植樹した[[イチョウ]]の[[木]]が現存しており、北海道内で最古の[[街路樹]]になっている{{Sfn|道路行政セミナー|2014|p=4}}。「木レンガ舗装とイチョウ並木」として『[[さっぽろ・ふるさと文化百選]]』{{Sfn|道路行政セミナー|2014|pp=4-5}}{{Sfn|札幌の通り|pp=115-116}}、「道庁正門前木塊舗装・銀杏並木」として『[[土木学会選奨土木遺産]]』に認定されている{{Sfn|道路行政セミナー|2014|pp=4-5}}<ref>{{Cite web |url=http://www.jsce.or.jp/contents/isan/blanch/1_27.shtml |title=道庁正門前木塊舗装・銀杏並木 |work=[[土木学会選奨土木遺産]] |publisher=[[土木学会]] |accessdate=2017-02-17}}</ref>。
周辺の再開発([[札幌駅前通地下歩行空間]]・[[札幌三井JPビルディング]])に伴い、[[北海道庁旧本庁舎|北海道庁赤れんが]]の正門より、札幌三井ビルディング・[[日本生命札幌ビル]]に囲まれた北3条通(うけつぎの軸)の基点を歩行者専用の空間として再開発。札幌駅前通まちづくり株式会社が運営し、[[イベント]]の開催やオープン[[カフェ]]などの施設が設けられる。
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File:Akarenga terrace 201511.JPG|札幌三井JPビルディングの赤れんが テラス(2015年11月)
File:Sapporo Kita 3-jo Plaza 201408.JPG|札幌国際芸術祭2014開催北3条広場(2014年8月)
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== 広場データ ==
== 札幌舗装道路発祥の地 ==
木塊舗装は歴史保存の観点から配置・残存状況や劣化の度合いを調査して不良な部分は補修を行い路盤材として再使用し、[[アスファルト]]を保護層として敷設している{{Sfn|開発こうほう|2015|p=3}}。また、[[モニュメント]]として木塊レンガの保存状況を[[模型]]として展示している{{Sfn|開発こうほう|2015|p=3}}。表層のレンガは江別産のものを広場全体で21万個使用しており、中央部にある幾つかの細いラインは道庁前庭との一体感をイメージさせるため、[[札幌軟石]]をボーダー状に配置している{{Sfn|開発こうほう|2015|p=3}}。
広場として整備される90年前の[[1924年]]([[大正]]13年)、ここは札幌市内で初めて[[道路]]に[[舗装]]がほどこされた場所であった。当時は「豊富な[[砂利]]があるのに、なぜ高価な舗装道路を造らなくてはならないのか」という意見が根強かったが{{Sfn|高比良|1979|p=113}}、札幌のような[[積雪]][[寒冷地]]に適した道路舗装工法が模索されていた時期でもあり{{Sfn|高比良|1979|p=114}}、[[交通量]]の多い道庁前を選んで試験的に舗装が実施された{{Sfn|高比良|1979|p=113}}。
* 位置:札幌市中央区北2条西4丁目及び北3条西4丁目(西5丁目線から札幌駅前通の区間){{Sfn|都心まちづくり推進室|2014|p=3}}
* 延長:約100 [[メートル|m]]{{Sfn|都心まちづくり推進室|2014|p=3}}
* 標準幅員:約27 m{{Sfn|都心まちづくり推進室|2014|p=3}}
* 面積:約2,800 [[平方メートル|m{{sup|2}}]]{{Sfn|都心まちづくり推進室|2014|p=3}}
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File:Birthplace of Paved Roads in Sapporo.JPG|札幌舗装道路発祥の地」碑(2015年4月)
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== 沿革 ==
仕様は以下の通り{{Sfn|高比良|1979|p=113}}。
北3条通が整備されたのは[[明治]]の初頭と言われており、1924年(大正13年)に札幌市内初となる舗装道路が敷かれた{{Sfn|開発こうほう|2015|p=2}}。[[車道]]には[[ブナ]]の[[木]]をブロック状に切り出して防腐処理した12万個の木塊レンガを使用している{{Sfn|開発こうほう|2015|p=2}}。当時は「豊富な砂利があるのに、なぜ高価な舗装道路を造らなくてはならないのか」という意見もあったが{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}、積雪寒冷地に適した道路舗装工法を模索していた時期であり{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}、交通量の多かった[[北海道庁 (1886-1947)|北海道庁]]前に試験的な舗装を施した{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}{{Sfn|札幌の通り|pp=70-71}}。延長117.27 m、 幅員14.54 mの道路に当時の建設費で41,572円を費やしたため「あれだけの金をかければ殖民道路が何里もできる」と非難され、[[北海道議会]]では質問の的になった{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}。実際に当時の標準的な道路新設であった場合、約4里(約16 km)の道路が敷設できるほどの金額であった{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}{{Sfn|札幌の通り|pp=70-71}}。1925年(大正14年)には車道と[[歩道]]の境界として32本の[[イチョウ]]を植樹している。これは、東京の荒川堤防用として育成していた[[苗木]]を東京土木事務所から譲り受けたものである{{Sfn|札幌の通り|pp=115-116}}。破格の費用で建設した木塊舗装も同年には道路の一部が膨れ上がり、数年後には道路の大部分が浮き上がってしまった{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}{{Sfn|札幌の通り|pp=70-71}}。そこで、1930年(昭和5年)に車道全体を[[アスファルト]]で覆って封じ込めた{{Sfn|高比良|1979|pp=113-115}}{{Sfn|札幌の通り|pp=70-71}}。
* 延長 - 117.27メートル
* 幅員 - 14.54メートル
* 面積 - 1856.5平方メートル


札幌市は、2000年(平成12年)策定の[[総合計画]]「第4次札幌市長期総合計画」において、北3条通を魅力的な街並み形成を促進する骨格軸の1つに位置づけた{{Sfn|支部だより|2015}}。また、2002年(平成14年)策定の「都市まちづくり計画」では北3条通を「うけつぎの軸」としており、道庁周辺エリアは集客交流資源の質を高めることを目指し{{Sfn|支部だより|2015}}、2004年策定の「札幌都心交通計画」では北3条通のモール化も検討して[[社会実験]]を行った{{Sfn|開発こうほう|2015|p=2}}。2007年(平成19年)に民間事業者から「北2西4地区」での[[ビル]]の建替え計画を一体化し、合わせて北3条通の一部を公共貢献として「都市計画広場」として整備する提案を受け<ref name="日本設計"/>、札幌市はこの区間の[[都市計画道路]]を変更し<ref>{{Cite web |url=https://www.city.sapporo.jp/keikaku/info/kokuji/documents/doro.pdf |title=札幌圏都市計画道路の変更(札幌市決定) |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18}}</ref>、「[[広場]]」として都市計画決定した<ref>{{Cite web |url=https://www.city.sapporo.jp/keikaku/info/kokuji/documents/hiroba.pdf |title=札幌圏都市計画広場の決定(札幌市決定) |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18}}</ref>。また、「[[都市再生特別措置法]]」に基づく「[[都市再生特別地区]]」を現行の「北3西4地区」([[日本生命札幌ビル]])に「北2西4地区」を加えた2.8 [[ヘクタール|ha]]とし、この区域を「道庁東地区」として「[[地区計画]]」を導入した<ref>{{Cite web |url=https://www.city.sapporo.jp/keikaku/info/kokuji/documents/106.pdf |title=札幌圏都市計画地区計画の決定(札幌市決定) |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18}}</ref><ref>{{Cite web |url=https://www.city.sapporo.jp/keikaku/info/kokuji/documents/106_1.pdf |title=地区計画計画図(道庁東地区) |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18}}</ref><ref>{{Cite news |url=http://e-kensin.net/news/article/943.html |title=札幌市が道庁東地区を都市再生特別地区に |date=2007-06-07 |newspaper=[[北海道建設新聞]] |publisher=北海道建設新聞社 |accessdate=2017-02-18}}</ref>。2008年(平成20年)に民間事業者、有識者、札幌市による「北3条広場委員会」を設置して提言書を取りまとめ{{Sfn|開発こうほう|2015|p=2}}{{Sfn|支部だより|2015}}、2009年(平成21年)からは「北3条広場デザイン検討会議」を開催して赤れんが庁舎、木塊舗装やイチョウ並木の歴史的遺産を受け継ぎ、周囲と調和・一体化した景観づくりを目指した{{Sfn|支部だより|2015}}。2012年(平成24年)には広場化を見据えて冬と夏に社会実験を行い、四季を通して様々な取組みが行えると考えた{{Sfn|開発こうほう|2015|p=3}}。広場の建設は2013年(平成25年)に着工し<ref>{{Cite press release |url=https://www.city.sapporo.jp/city/mayor/interview/text/2012/20130327/documents/kita3hiroba.pdf |title=「(仮称)北3条広場」の整備について |date=2013-03-27 |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18 |quote=平成24年度第20回定例市長記者会見資料}}</ref>、2014年(平成26年)に完工して7月19日にオープンした<ref>{{Cite press release |url=https://www.city.sapporo.jp/city/mayor/interview/text/2014/20140624/documents/kita3.pdf |title=「札幌市北3条広場」のオープンについて |date=2014-06-24 |format=PDF |publisher=札幌市 |accessdate=2017-02-18 |quote=平成26年度第5回定例市長記者会見資料}}</ref>。供用開始に合わせて公募した愛称は「アカプラ」に決定した{{Sfn|支部だより|2015}}。なお、[[三井不動産]]と[[日本郵便]]による複合施設「[[札幌三井JPビルディング]]」は2014年(平成26年)8月1日に竣工し<ref name="札幌三井JPビルディング竣工">{{Cite press release |url=http://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2014/0730_01/download/20140730.pdf |title=「札幌三井JPビルディング」8月1日竣工 札幌の中心地 赤れんが庁舎前にオフィス・商業・広場からなる新しいまちが誕生 |date=2014-07-30 |format=PDF |publisher=[[三井不動産]]・[[日本郵便]] |accessdate=2017-02-18}}</ref>、低層部の[[商業施設]]「赤れんが テラス」は8月28日にオープンした<ref name="札幌三井JPビルディング竣工"/>。
[[歩道]]は[[アスファルト]]舗装だったが、[[車道]]には木塊が用いられた。当時[[函館]]方面で多く産出した[[ケヤキ]]材から、縦15・横9センチのブロックを作成し、[[クレオソート油]]と20 - 25 % の[[コールタール]]を混合した[[防腐剤]]に2時間漬け込んだ後、路上にていねいに敷き詰められた{{Sfn|高比良|1979|p=114}}。


== 受賞 ==
だが、舗装区間の短さにもかかわらず工事費は41,572円に達し、「あれだけの金をかければ[[殖民道路]]が何[[里]]もできる」と非難され、[[北海道議会|道議会]]でも質問の的となった。実際、この金額を当時の標準的な道路の新設に費やしたとすると、約4里(16キロメートル)は敷設できたはずだった{{Sfn|高比良|1979|p=114}}。
* 『平成27年度都市景観大賞』都市空間部門 優秀賞(「札幌北2西4地区」)<ref>{{Cite web |url=http://www.mlit.go.jp/common/001095244.pdf |title=平成27年度都市景観大賞 |format=PDF |publisher=[[国土交通省]] |accessdate=2017-02-17}}</ref>

* 『[[グッドデザイン賞]]』(「札幌北2西4地区」)<ref>{{Cite web |url=http://www.g-mark.org/award/describe/43046 |title=都市再生事業[札幌市北2西4地区] |format=PDF |work=[[グッドデザイン賞]] |publisher=[[日本デザイン振興会]] |accessdate=2017-02-17}}</ref>
しかも理想的な舗装状態は長続きせず、翌年には一部が膨れ上がり、2 - 3年後には大部分が浮き上がってしまった。そのため[[1930年]](昭和5年)に改めて車道全体をアスファルトで舗装し直し、木塊はそのまま地中に封じ込められた{{Sfn|高比良|1979|p=115}}。
* 『[[北海道赤レンガ建築賞]]』(「札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場」)<ref>{{Cite press release |url=http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tkk/hodo/happyo/h28/01/280112-01akarenga.pdf |title=平成27年度北海道赤レンガ建築賞の決定について |date=2015-01-12 |format=PDF |publisher=[[北海道]] |accessdate=2017-02-18}}</ref>

* 『第14回環境・設計デザイン賞』III 環境デザイン部門 優秀賞(「札幌三井JPビルディング・札幌市北3条広場」)<ref>{{Cite web |url=http://abee.or.jp/designaward/past/14/docs/20.pdf |title=札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場 |year=2016 |format=PDF |publisher=環境設備綜合協会 |accessdate=2017-02-17}}</ref>
2014年(平成26年)の再開発に伴い、地中の木塊舗装はすべて取り払われて[[保存]]され、路面には旧北海道庁の外壁に合わせて赤[[煉瓦|れんが]]が敷き詰められた。
* 『日本都市計画学会』計画設計賞(「札幌北3条広場を中心としたパブリックスペースネットワークの形成 -都市空間の歴史的価値を踏まえた公共空間の再編-」)<ref>{{Cite web |url=http://www.cpij.or.jp/upload/file/2015.pdf |title=日本都市計画学会 学会賞 特別功労表彰 功績賞・国際交流賞 2015年 年間優秀論文賞 受賞一覧ならびに授賞理由書 |format=PDF |publisher=日本都市計画学会 |accessdate=2017-02-18}}</ref>

* 『第57回[[BCS賞]]』特別賞(「札幌市北3条広場・札幌三井JPビルディング」)<ref>{{Cite web |url=http://www.nikkenren.com/kenchiku/bcs/detail.html?r=2016&ci=917 |title=札幌市北3条広場・札幌三井JPビルディング |work=第57回受賞作品(2016年) |publisher=[[日本建設業連合会]] |accessdate=2016-02-17}}</ref>
== 道庁前イチョウ並木 ==
街路樹は、[[イチョウ]]並木となっている。このイチョウは、北3条通の完成に伴い[[1925年]](大正14年)北海道庁初代勅任技師・[[名井九介]]の指導により植えられたものであり、北海道最古の[[街路樹]]である<ref>http://www.jila-hokkaido.com/gyouji_/kitanozouensisan/kitanozoen_all/6_dotyo_icho/6_dotyo_ityo.html</ref>。19年生のイチョウ32本が植樹され、28本が現存する。[[2011年]](平成23年)[[土木学会]]より土木遺産に認定された。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* {{cite journal|和書|author=高比良孝|title=道路の雑学あれこれ 2 木塊舗装と埋蔵文化財|journal=北海道 道路53話|pages=113-118|date=1979-06-25 |publisher=[[北海道新聞社]]|ref={{SfnRef|高比良|1979}}}}
* {{Cite journal|和書|author=高比良孝 |title=道路の雑学あれこれ 2 木塊舗装と埋蔵文化財 |journal=北海道 道路53話 |pages=113-118 |date=1979-06-25 |publisher=[[北海道新聞社]] |ref={{SfnRef|高比良|1979}}}}
* {{Cite book|和書|publisher=[[札幌市]] |title=さっぽろ文庫 |url=http://www.city.sapporo.jp/kobunshokan/kankobutsu/bunko/ |accessdate=2017-02-20 |volume=58 札幌の通り |ref={{SfnRef|札幌の通り}}}}
* {{Cite web |url=http://rmec.or.jp/wp-content/uploads/2016/03/vol32-26_29P.pdf |title=札幌市北3条広場 |format=PDF |work=北の交差点 Vol.32 2014 |publisher=北海道道路管理技術センター |accessdate=2017-02-18 |ref={{SfnRef|北の交差点|2014}}}}
* {{Cite web |url=http://www.hido.or.jp/14gyousei_backnumber/2014data/1410/1410chiiki-sapporo_city.pdf |title=札幌市北3条広場の整備 〜新たな憩いとにぎわい創出の空間へ〜 |year=2014 |format=PDF |work=道路行政セミナー |publisher=[[道路新産業開発機構]] |accessdate=2017-02-17 |ref={{SfnRef|道路行政セミナー|2014}}}}
* {{Cite web |url=http://www.hkk.or.jp/kouhou/file/no619_gyousei-2.pdf |title=平成26年度「公共建築の日」フォーラム 街並み・公共建築の再生 〜にぎわい創出と公共建築物の老朽化対策〜 |format=PDF |work=開発こうほう 2015年2月号 |publisher=北海道開発協会 |accessdate=2017-02-18 |ref={{SfnRef|開発こうほう|2015}}}}
* {{Cite web |url=http://www.cpij-hokkaido.jp/newsletter2015.03.pdf |title=札幌市北3条広場と都市再生特別地区(北2西4地区) |year=2015 |format=PDF |work=支部だより |publisher=日本都市計画学会北海道支部 |accessdate=2017-02-18 |ref={{SfnRef|支部だより|2015}}}}

== 関連項目 ==
* [[兼用工作物]]
* [[パブリックスペース]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [http://kita3jo-plaza.jp/ 札幌駅前通まちづくり株式会社 北3条広場公式サイト]
* [http://www.kita3jo-plaza.jp 札幌北3条広場[アカプラ]]
* [http://www.city.sapporo.jp/kikaku/downtown/project/kita3jouhiroba.html 札幌市北3条広場/札幌市]


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[[Category:第57回BCS賞]]
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2017年4月13日 (木) 23:47時点における版

札幌市北3条広場(さっぽろしきたさんじょうひろば)は、札幌市中央区にある広場。愛称は「アカプラ」。

概要

札幌駅前通沿い、北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)正面に位置しており、日本生命札幌ビル(ノアシス3.4)や札幌三井JPビルディング(赤れんが テラス)から札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)に接続している。「道路」と「広場」の機能を併せ持つ施設として2014年(平成26年)7月19日にオープンした[1]。北3条通は、札幌市が策定した都市計画の中で赤れんが庁舎などと一体した空間づくりを行って周辺街区の集客・交流資源としての魅力向上を整備目標にしていたが[2][3]、隣接地で新しいビルの建設計画を進めていた民間事業者(三井不動産日本郵政グループ)が公共貢献の一環として広場を整備した全国的にも珍しい事例になっている[4][5]。広場は「都市計画法」の都市施設に位置づけられているが、公園のように「都市公園法」といった管理を定める法律がないため、札幌市は「札幌市北3条広場条例」を制定して広場の管理体制や柔軟な活用を図る枠組みを整備した[6][7]。運営管理については「指定管理者制度」を導入しており、隣接する札幌駅前通地下広場の指定管理者でもある札幌駅前通まちづくり株式会社が行っている[6][8][9]

北3条広場は全面にレンガ舗装を施しており、ベンチを兼ねた植栽枡やイベントの開催時に使用できるインフラ設備があるほか[10]、広場と道路(歩道)との境界にはプランターボラードを設置している[10]。レンガ舗装の下には1924年(大正13年)に施工した札幌市内初の舗装道路である木塊道路(木製レンガによる舗装)が保存されている。また、広場のイチョウ並木は1925年(大正14年)に植樹したイチョウが現存しており、北海道内で最古の街路樹になっている[10]。「木レンガ舗装とイチョウ並木」として『さっぽろ・ふるさと文化百選[11][12]、「道庁正門前木塊舗装・銀杏並木」として『土木学会選奨土木遺産』に認定されている[11][13]

広場データ

木塊舗装は歴史保存の観点から配置・残存状況や劣化の度合いを調査して不良な部分は補修を行い路盤材として再使用し、アスファルトを保護層として敷設している[14]。また、モニュメントとして木塊レンガの保存状況を模型として展示している[14]。表層のレンガは江別産のものを広場全体で21万個使用しており、中央部にある幾つかの細いラインは道庁前庭との一体感をイメージさせるため、札幌軟石をボーダー状に配置している[14]

  • 位置:札幌市中央区北2条西4丁目及び北3条西4丁目(西5丁目線から札幌駅前通の区間)[15]
  • 延長:約100 m[15]
  • 標準幅員:約27 m[15]
  • 面積:約2,800 m2[15]

沿革

北3条通が整備されたのは明治の初頭と言われており、1924年(大正13年)に札幌市内初となる舗装道路が敷かれた[16]車道にはブナをブロック状に切り出して防腐処理した12万個の木塊レンガを使用している[16]。当時は「豊富な砂利があるのに、なぜ高価な舗装道路を造らなくてはならないのか」という意見もあったが[17]、積雪寒冷地に適した道路舗装工法を模索していた時期であり[17]、交通量の多かった北海道庁前に試験的な舗装を施した[17][18]。延長117.27 m、 幅員14.54 mの道路に当時の建設費で41,572円を費やしたため「あれだけの金をかければ殖民道路が何里もできる」と非難され、北海道議会では質問の的になった[17]。実際に当時の標準的な道路新設であった場合、約4里(約16 km)の道路が敷設できるほどの金額であった[17][18]。1925年(大正14年)には車道と歩道の境界として32本のイチョウを植樹している。これは、東京の荒川堤防用として育成していた苗木を東京土木事務所から譲り受けたものである[12]。破格の費用で建設した木塊舗装も同年には道路の一部が膨れ上がり、数年後には道路の大部分が浮き上がってしまった[17][18]。そこで、1930年(昭和5年)に車道全体をアスファルトで覆って封じ込めた[17][18]

札幌市は、2000年(平成12年)策定の総合計画「第4次札幌市長期総合計画」において、北3条通を魅力的な街並み形成を促進する骨格軸の1つに位置づけた[19]。また、2002年(平成14年)策定の「都市まちづくり計画」では北3条通を「うけつぎの軸」としており、道庁周辺エリアは集客交流資源の質を高めることを目指し[19]、2004年策定の「札幌都心交通計画」では北3条通のモール化も検討して社会実験を行った[16]。2007年(平成19年)に民間事業者から「北2西4地区」でのビルの建替え計画を一体化し、合わせて北3条通の一部を公共貢献として「都市計画広場」として整備する提案を受け[5]、札幌市はこの区間の都市計画道路を変更し[20]、「広場」として都市計画決定した[21]。また、「都市再生特別措置法」に基づく「都市再生特別地区」を現行の「北3西4地区」(日本生命札幌ビル)に「北2西4地区」を加えた2.8 haとし、この区域を「道庁東地区」として「地区計画」を導入した[22][23][24]。2008年(平成20年)に民間事業者、有識者、札幌市による「北3条広場委員会」を設置して提言書を取りまとめ[16][19]、2009年(平成21年)からは「北3条広場デザイン検討会議」を開催して赤れんが庁舎、木塊舗装やイチョウ並木の歴史的遺産を受け継ぎ、周囲と調和・一体化した景観づくりを目指した[19]。2012年(平成24年)には広場化を見据えて冬と夏に社会実験を行い、四季を通して様々な取組みが行えると考えた[14]。広場の建設は2013年(平成25年)に着工し[25]、2014年(平成26年)に完工して7月19日にオープンした[26]。供用開始に合わせて公募した愛称は「アカプラ」に決定した[19]。なお、三井不動産日本郵便による複合施設「札幌三井JPビルディング」は2014年(平成26年)8月1日に竣工し[27]、低層部の商業施設「赤れんが テラス」は8月28日にオープンした[27]

受賞

  • 『平成27年度都市景観大賞』都市空間部門 優秀賞(「札幌北2西4地区」)[28]
  • グッドデザイン賞』(「札幌北2西4地区」)[29]
  • 北海道赤レンガ建築賞』(「札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場」)[30]
  • 『第14回環境・設計デザイン賞』III 環境デザイン部門 優秀賞(「札幌三井JPビルディング・札幌市北3条広場」)[31]
  • 『日本都市計画学会』計画設計賞(「札幌北3条広場を中心としたパブリックスペースネットワークの形成 -都市空間の歴史的価値を踏まえた公共空間の再編-」)[32]
  • 『第57回BCS賞』特別賞(「札幌市北3条広場・札幌三井JPビルディング」)[33]

脚注

  1. ^ 道路行政セミナー 2014, p. 1.
  2. ^ 道路行政セミナー 2014, pp. 1–2.
  3. ^ 北の交差点 2014, p. 1.
  4. ^ 北の交差点 2014, p. 2.
  5. ^ a b 札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場”. 日本設計. 2017年2月18日閲覧。
  6. ^ a b 北の交差点 2014, p. 3.
  7. ^ 札幌市北3条広場条例”. 札幌市例規集. 札幌市. 2017年2月18日閲覧。
  8. ^ 道路行政セミナー 2014, p. 3.
  9. ^ 札幌駅前通まちづくり株式会社”. 2017年2月18日閲覧。
  10. ^ a b c 道路行政セミナー 2014, p. 4.
  11. ^ a b 道路行政セミナー 2014, pp. 4–5.
  12. ^ a b 札幌の通り, pp. 115–116.
  13. ^ 道庁正門前木塊舗装・銀杏並木”. 土木学会選奨土木遺産. 土木学会. 2017年2月17日閲覧。
  14. ^ a b c d 開発こうほう 2015, p. 3.
  15. ^ a b c d 都心まちづくり推進室 2014, p. 3.
  16. ^ a b c d 開発こうほう 2015, p. 2.
  17. ^ a b c d e f g 高比良 1979, pp. 113–115.
  18. ^ a b c d 札幌の通り, pp. 70–71.
  19. ^ a b c d e 支部だより 2015.
  20. ^ 札幌圏都市計画道路の変更(札幌市決定)” (PDF). 札幌市. 2017年2月18日閲覧。
  21. ^ 札幌圏都市計画広場の決定(札幌市決定)” (PDF). 札幌市. 2017年2月18日閲覧。
  22. ^ 札幌圏都市計画地区計画の決定(札幌市決定)” (PDF). 札幌市. 2017年2月18日閲覧。
  23. ^ 地区計画計画図(道庁東地区)” (PDF). 札幌市. 2017年2月18日閲覧。
  24. ^ “札幌市が道庁東地区を都市再生特別地区に”. 北海道建設新聞 (北海道建設新聞社). (2007年6月7日). http://e-kensin.net/news/article/943.html 2017年2月18日閲覧。 
  25. ^ "「(仮称)北3条広場」の整備について" (PDF) (Press release). 札幌市. 27 March 2013. 2017年2月18日閲覧平成24年度第20回定例市長記者会見資料
  26. ^ "「札幌市北3条広場」のオープンについて" (PDF) (Press release). 札幌市. 24 June 2014. 2017年2月18日閲覧平成26年度第5回定例市長記者会見資料
  27. ^ a b "「札幌三井JPビルディング」8月1日竣工 札幌の中心地 赤れんが庁舎前にオフィス・商業・広場からなる新しいまちが誕生" (PDF) (Press release). 三井不動産日本郵便. 30 July 2014. 2017年2月18日閲覧
  28. ^ 平成27年度都市景観大賞” (PDF). 国土交通省. 2017年2月17日閲覧。
  29. ^ 都市再生事業[札幌市北2西4地区]” (PDF). グッドデザイン賞. 日本デザイン振興会. 2017年2月17日閲覧。
  30. ^ "平成27年度北海道赤レンガ建築賞の決定について" (PDF) (Press release). 北海道. 12 January 2015. 2017年2月18日閲覧
  31. ^ 札幌三井JPビルディング 札幌市北3条広場” (PDF). 環境設備綜合協会 (2016年). 2017年2月17日閲覧。
  32. ^ 日本都市計画学会 学会賞 特別功労表彰 功績賞・国際交流賞 2015年 年間優秀論文賞 受賞一覧ならびに授賞理由書” (PDF). 日本都市計画学会. 2017年2月18日閲覧。
  33. ^ 札幌市北3条広場・札幌三井JPビルディング”. 第57回受賞作品(2016年). 日本建設業連合会. 2016年2月17日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク

座標: 北緯43度03分51秒 東経141度21分01秒 / 北緯43.06417度 東経141.35028度 / 43.06417; 141.35028