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+ 『ミステリとしてのカラマーゾフの兄弟 スメルジャコフは犯人か?』 2013年5月 東洋書店 ISBN 4864591105 大著『カラマーゾフの兄弟』の瑕疵に見える二か所は瑕疵ではなく、フョードル殺しの真犯人につながる証拠かもしれないとして、原著を精読。事件当日のタイムテーブル完全版を作成する等、精緻に名作を掘り起こして光を当てる。 |
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2016年11月15日 (火) 19:50時点における版
高野 史緒(たかの ふみお、女性、1966年 - )は、日本の小説家。本名・井上久美子[1]。茨城県土浦市出身。茨城大学人文学部卒業。お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程(フランス近世史専攻)修了。日本SF作家クラブ会員。日本・ロシア協会普通会員。日本文藝家協会会員。
1988年、ニジンスキーをテーマとしたバレエ入り演劇脚本『エレヴァシオン』で第2回青山円形劇場脚本コンクールに佳作受賞(優秀作無しの年)。1994年、第6回日本ファンタジーノベル大賞に応募。『ムジカ・マキーナ』で最終選考を通過し、翌1995年、同作品で新潮社からデビューした。2012年「カラマーゾフの妹」で第58回江戸川乱歩賞受賞。
ヨーロッパを舞台とした、芸術と歴史、ことに音楽をテーマとしたSF的歴史改変小説を得意とする。
夫はロシア映画研究者の井上徹。2008年の長編『赤い星』以来、ロシア文化への傾斜を強くしている。
作品リスト
単行本 (長編)
- 『ムジカ・マキーナ』(1995年 新潮社 / 2002年 ハヤカワ文庫)
- 『カント・アンジェリコ』(1996年 講談社 / 2013年 講談社文庫)
- 『架空の王国』(1997年 中央公論社 / 2006年 ブッキング)
- 『ヴァスラフ』(1998年 中央公論社)
- ウィーン薔薇の騎士物語シリーズ
- 『仮面の暗殺者』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
- 『血の婚礼』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
- 『虚王の歌劇』(2000年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
- 『奏楽の妖精』(2001年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
- 『幸福の未亡人』(2001年 中央公論新社 C★NOVELSファンタジア)
- 『アイオーン』(2002年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
- 『ラー』(2004年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
- 『赤い星』(2008年 早川書房 ハヤカワSFシリーズJコレクション)
- 2010年2月現在、ペテルブルクのテラ・ファンタスチカ(Terra Fanatastica)社にて、ロシア語版作成中。翻訳者ニコライ・コノヴァレンコ(Nikolai Konovalenko)。監修はガリーナ・ドゥトキナ(Galina Dutkina)
- 『カラマーゾフの妹』(2012年 講談社)
単行本 (短篇集)
- 『ヴェネツィアの恋人』(2013年 河出書房新社)
- ガスパリーニ(1996年、早川書房 ハヤカワ・ミステリ・マガジン 1996年4月号)
- 錠前屋(2000年、光文社文庫 異形コレクション17『ロボットの夜』、2001年、講談社 日本推理作家協会編『ザ・ベストミステリーズ 2001』 、2004年、講談社文庫 日本推理作家協会編『殺人作法』 )
- スズダリの鐘つき男(2002年、光文社文庫 異形コレクション21『マスカレード』)
- 空忘の鉢(2003年、光文社文庫 異形コレクション28『アジアン怪綺(ゴシック)』)
- ヴェネツィアの恋人(2005年、光文社文庫 異形コレクション34『アート偏愛(フィリア)』)
- 白鳥の騎士(2005年、早川書房 SFマガジン 前編:2005年10月号、後編:2005年11月号)
- ひな菊(2009年、早川書房 SFマガジン 2009年4月号)
短篇(雑誌・アンソロジー収録作品、単行本未収録)
- G線上のアリア (1997年、早川書房 SFマガジン 1997年2月号)
- 未来ニ愛ノ楽園 (1997年、早川書房 SFマガジン 1997年9月号)
- ラー (1998年、早川書房 SFマガジン 1998年2月号)
- ツァラトゥストラはかく歌いき (1998年、アトリエOCTA 幻想文学 第53号)
- パリアッチョ (1999年、光文社文庫 異形コレクション14『世紀末サーカス』)
- 私のように美しい…… (2002年、光文社文庫 異形コレクション23『キネマ・キネマ』)
- ヴィデオ・スターの悲劇 (2002年、早川書房 SFマガジン 2003年1月号『ことのはの海 カタシロノ庭』)
- ミューズ (2003年、光文社文庫 異形コレクション26『夏のグランドホテル』)
- イスタンブール(ノット コンスタンティノープル) (2005年、光文社文庫 異形コレクション32『魔地図』)
- レニングラードの昼 ペテルブルクの夜 (2009年、光文社文庫 異形コレクション42『幻想探偵』)
- アントンと清姫 (2010年、早川書房SFマガジン2010年9月号「東京SF化計画」)
- 百万本の薔薇 (2012年、講談社 小説現代2012年12月号) (2013年、東京創元社 『極光星群 年刊日本SF傑作選』収録
- 悪魔的暗示 (2013年12月 講談社 江戸川乱歩賞作家アンソロジー『デッド・オア・アライヴ』収録)
外国語翻訳
La ciotola della vuota dimenticanza (「空忘の鉢」イタリア語訳)
(2011年、ALIA storie収録 イタリア語訳マッシモ・スマレ(Massimo Soumare'、CS libri)
Anton and Kiyohime (「アントンと清姫」英訳)
(2012年、Tomo: Friendship Through Fiction?An Anthology of Japan TeenStories (Edited by Holly Thompson) 収録 英訳ハート・ララビー(Hart Larrabee), Stone Bridge Press) 2011年3月11日の東北・東日本大震災チャリティのための出版。
Lest You Remember (「空亡の鉢」英訳)
(1012年、Speculative Japan 3 収録 英訳ジム・ハバート(Jim Hubbart)
アンソロジー編纂
- 『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(2011年9月 東京創元社)ISBN:978-4-488-01339-4
冷戦終結後、ほとんど紹介されなかった東欧幻想文学を21世紀に書かれた作品で構成するアンソロジー。東欧文学史上初、十カ国十言語を重訳なし、オリジナル言語からの直訳を実現。
論文
+ 『ミステリとしてのカラマーゾフの兄弟 スメルジャコフは犯人か?』 2013年5月 東洋書店 ISBN 4864591105 大著『カラマーゾフの兄弟』の瑕疵に見える二か所は瑕疵ではなく、フョードル殺しの真犯人につながる証拠かもしれないとして、原著を精読。事件当日のタイムテーブル完全版を作成する等、精緻に名作を掘り起こして光を当てる。
注
- ^ 『文藝家協会ニュース』2013年4月号