「算術の超準モデル」の版間の差分
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* Boolos, G., and Jeffrey, R. 1974. ''Computability and Logic'', Cambridge University Press. ISBN 0-521-38923-2 |
* Boolos, G., and Jeffrey, R. 1974. ''Computability and Logic'', Cambridge University Press. ISBN 0-521-38923-2 |
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* Skolem, Th. (1934) Über die Nicht-charakterisierbarkeit der Zahlenreihe mittels endlich oder abzählbar unendlich vieler Aussagen mit ausschliesslich Zahlenvariablen. Fundam. Math. 23, 150–161. |
* Skolem, Th. (1934) Über die Nicht-charakterisierbarkeit der Zahlenreihe mittels endlich oder abzählbar unendlich vieler Aussagen mit ausschliesslich Zahlenvariablen. Fundam. Math. 23, 150–161. |
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* Roman Kossak and James H. Schmerl, 2006, ''The Structure of Nonstandard Models of Arithmetic'', Oxford Univ Pr on Demand, ISBN |
* Roman Kossak and James H. Schmerl, 2006, ''The Structure of Nonstandard Models of Arithmetic'', Oxford Univ Pr on Demand, ISBN 978-0387978949 |
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2016年11月15日 (火) 19:45時点における版
算術の超準モデルとは、(一階)ペアノ算術のモデルのうち、通常の自然数ではない要素(超準数)を含むようなモデルのことである。それに対し、通常の自然数 は算術の標準モデルと呼ばれる。ペアノ算術の任意のモデルは線形順序で並んでおり、と同型な切片を持つ。超準モデルは、その切片の外に元を持つようなモデルであると言える。
存在
算術の超準モデルの存在を証明する方法はいくつか存在する。
コンパクト性定理による方法
コンパクト性定理を用いて超準モデルの存在を示すことができる。証明の概略は、 を新たな定数として、ペアノの公理系 に という形の無限個の公理を付け加えた公理系を考え、コンパクト性定理によりを満たすモデル*の存在を示すというものである[1]。* はペアノの公理系を拡張したものであるため、当然ペアノの公理を満たしている。また通常の自然数では定数の解釈を取ることはできないため、は超準数であり、は超準モデルとなる。
*にコンパクト性定理を適用するには、その任意の有限部分がモデルを持つことを示せばよい。はの部分集合にという公理を付け加えた形をしているため、の解釈としてを取ってくれば、自然数がのモデルになっていることが言える。
ゲーデルの不完全性定理による方法
不完全性定理により、標準モデルでは真であるがペアノの公理系においては決定不能であるような文(ゲーデル文) が存在する。このとき、完全性定理より、ペアノの公理系 にを加えた公理系にモデルが存在する。標準モデルでは真なので、このモデルは超準モデルでなければいけない。
その他、超積を用いて非可算モデルを得る方法などが知られている。
可算超準モデルの構造
レーヴェンハイム-スコーレムの定理により、可算な算術の超準モデルが存在する(構成法の一つとしてHenkin semanticsを用いた方法がある)。 任意の可算超準モデルは、という順序型を持つことが知られている。ここでは標準の自然数の順序型、はその双対順序、そしては有理数の順序型である(は整数の順序型に等しい)。
関連項目
出典
参考文献
- Boolos, G., and Jeffrey, R. 1974. Computability and Logic, Cambridge University Press. ISBN 0-521-38923-2
- Skolem, Th. (1934) Über die Nicht-charakterisierbarkeit der Zahlenreihe mittels endlich oder abzählbar unendlich vieler Aussagen mit ausschliesslich Zahlenvariablen. Fundam. Math. 23, 150–161.
- Roman Kossak and James H. Schmerl, 2006, The Structure of Nonstandard Models of Arithmetic, Oxford Univ Pr on Demand, ISBN 978-0387978949