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== 来歴・人物 == |
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2016年6月28日 (火) 13:30時点における版
人物情報 | |
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別名 | 旧名 - 中村 究(Kiwamu NAKAMURA)[1] |
生誕 | 1968年8月18日(56歳)[2] |
出身校 | 東京芸術大学、ミシガン大学、セントルイス・ワシントン大学、セクシャリティ研究所[注 1] |
学問 | |
研究分野 | 音楽学、性科学 |
研究機関 | 東京芸術大学、九州大学 |
学位 |
Ph.D.(セクシャリティ研究所) 博士(学術)(東京芸術大学) |
特筆すべき概念 | アートを通じたメモリーワーク |
中村 美亜(なかむら みあ、旧名 中村 究(なかむら きわむ)[1]、1968年8月18日[2]-)は日本の性科学者、音楽学者、トランスジェンダー[3]。セクシャリティ、音文化、アートマネージメントなどを専門とし、現在は九州大学大学院芸術工学院 コミュニケーションデザイン科学部門[4] 准教授。Ph.D(セクシャリティ研究所[注 1]・2004年)[5][6]、博士(学術)(東京芸術大学・2012年)[7]。
来歴・人物
1993年東京芸術大学音楽学部卒業[8][9]。修士課程に進学した後、1994年に渡米しコーネル大学に留学[9]。その後ミシガン大学修士課程に移り、同課程を修了[8][9]。セントルイス・ワシントン大学(セントルイス)博士課程に進学するが単位取得退学し、セクシャリティ研究所[注 1]の修士課程・博士課程でMPHとPh.Dを取得する[8]。2003年に帰国後は、東京芸術大学特別研究員[10]、助教[11]を務め、お茶の水女子大学などで非常勤講師も担当した[注 2]。現在は九州大学芸術工学院 コミュニケーションデザイン科学部門で准教授を務める[12]。
近年はアートを通じたメモリーワーク[注 3]の研究に従事し、「東日本大震災後の追悼や復興と音楽の関わりに関する学際的研究」に取り組んでいる[13][12]。また、音楽関係ではヴェルディやマーラー[14]を対象とした研究や、宝塚歌劇団[15]や女流義太夫を対象としたジェンダーに関連した音楽に関する研究[16]などでも実績がある[5]。
また、第二次性徴の頃に体が男らしくなっていくことに嫌悪感と苦痛を感じ[17]、滞米時の2000年3月からは周囲に性別違和感を表明するようになった[18]。中村は男性として生きていくことを断念したが[3]、性同一性障害の概念に思うところがあり、自身をトランスジェンダーと呼んでいる[3]。
著作
学位論文
- Towards a clarification of gender identity disorder : Ackowledging the social process of gender identity reformation. Docotral deissertation. The Institute for Advanced Study of Human Sexuality, San Fancisco. (2004)[19]
- 中村美亜『生き抜くための音楽実践-芸術・ケア・文化を斬り結ぶ社会学的考察』東京芸術大学〈博士論文(乙第24号)〉、2012年3月 。(論文要旨・審査要旨)
著書(単著)
- 『心に性別はあるのか?-性同一性障害のよりよい理解とケアのために』医療文化社、2005年。ISBN 9784902122169。
- 『クィア・セクソロジー-性の思いこみを解きほぐす』インパクト出版会、2008年10月。ISBN 9784755401916。
- 中村美亜『音楽をひらく-アート・ケア・文化のトリロジー』水声社、2013年6月。ISBN 9784891769826。
著書(分担執筆)
- 中村美亜 著「10 “アイデンティティの身体化”研究に向けて-『感じない男』を出発点に」、金井淑子 編著 編『身体とアイデンティティトラブル-ジェンダー/セックスの二元論を超えて』明石書店、2008年5月、249-268頁。ISBN 9784750327693 。
- 中村美亜 著「コラム 芸能における声と異性装をめぐって」、池田忍、小林緑 編著 編『視覚表象と音楽』明石書店、2010年2月、232-234頁。ISBN 9784750331454 。
- 吉岡斉、綾部広則、桑原雅子、塚原修一、川野祐二 編「性同一性障害-議論されてこなかった問題の本質」『新通史・日本の科学技術-世紀転換期の社会史1995年〜2011年-第3巻』原書房、2011年1月、409-432頁。ISBN 978-4562047192 。
主な論文・報告
- 「新しいジェンダー・アイデンティティ理論の構築に向けて生物・医学とジェンダー学の課題」『Gender and sexuality : journal of Center for Gender Studies ICU 02』、国際基督教大学、2006年12月、3-24頁。
- 「ジェンダーセッション(第58回) : アートを通じたメモリーワーク : 忘れないこと、〈語りなおす〉こと、新たな〈共〉を生み出すこと」『立教大学ジェンダーフォーラム年報』第15号、2013年、59-66頁、NCID AA11427614。
- 「東日本大震災をめぐる「音楽の力」の諸相-未来の文化政策とアートマネジメントのための研究1」(PDF)『芸術工学研究』第21巻、九州大学、2014年、13-29頁。
脚注
注釈
- ^ a b c Institute for Advanced Study of Human Sexuality。『セクシャリティ研究所』の訳は中村の著書による(中村美亜 2005, p. 123, あとがき(初版、2007年第2刷))。同書の著者紹介や東京学芸大学における学位論文審査要旨では、英語名のまま取り扱われている。
- ^ お茶の水女子大学のほか、聖路加看護大学、明治学院大学、関東学院大学、東京工芸大学において、ジェンダー・セクシャリティ研究や文化表象研究の非常勤講師を担当 (金井編著 2008, 執筆者紹介)初版第1刷。
- ^ 「メモリーワーク」(記憶づくり)とは、忘れてしまおうとする記憶を、他社との語り合いの中で再構成していくことであり、一種の癒しでもある(中村美亜 2013a, p. 59、中村美亜 2014, p. 16)。
出典
- ^ a b 中村美亜 2005, 著者紹介(第1版、2007年第2刷)
- ^ a b 中村美亜 2005, p. 122, あとがき(第1版、2007年第2刷)
- ^ a b c 金井編著 2008, p. 253(初版第1刷)
- ^ 中村美亜 2014, p. 13.
- ^ a b 中村美亜 2005, 奥付(初版、2007年第2刷)
- ^ 中村美亜 2005, p. iv, まえがき(第1版、2007年第2刷)
- ^ 中村美亜 2012.
- ^ a b c 中村美亜 2005, p. 122-124, あとがき(第1版、2007年第2刷)
- ^ a b c 毛利嘉孝『学力審査結果の要旨』東京学芸大学、平成23年度、2-3頁 。
- ^ 金井編著 2008, 執筆者紹介(初版第1刷)
- ^ 中村美亜 2013a, p. 3.
- ^ a b 中村美亜 2014.
- ^ “東日本大震災後の追悼や復興と音楽の関わりに関する学際的研究(研究課題番号:25580023)”. 科学研究費助成事業データベース. 国立情報学研究所. 2015年4月18日閲覧。
- ^ 中村究「マーラーの『大地の歌』のメタ・ナラティヴ求めて:ナラティヴィティと「メランコリー的弁証法」」『音楽学』第45巻第1号、1999年、42-66頁。
- ^ 中村美亜「トランス・ポリティクスの可能性--オペラと宝塚の異性装をめぐるジェンダー・身体・認識論的考察」『立命館言語文化研究』第20巻第93号、立命館大学国際言語文化研究所、2008年9月、241-265頁。 - ジェンダー研究会小特集 「トランス・ポリティクス」の可能性。
- ^ 中村美亜「女流義太夫を正統化すること-日本の伝統芸能におけるジェンダー,近代化,ナショナリズム」『音楽学』第51巻第2号、2006年2月、94-110頁。
- ^ 金井編著 2008, p. 252-253(初版第1刷)
- ^ 中村美亜 2005, p. 122(第1版、2007年第2刷)
- ^ 中村美亜 2005, p. 117(初版、2007年第2刷)
関連文献
- 中村美亜、岩室紳也「性のヘルスプロモーション(8)インタビュー 性同一性障害」『公衆衛生』第70巻第6号、2006年6月、477-482頁。
- 中村美亜、坪能由紀子「「Interview◎音楽教育の未来への提言」3 「音楽の力」を読み解く」『教育音楽 中学・高校版 2014年6月号』。
- 井手口彰典「書評 中村美亜著, 『音楽をひらく-アート・ケア・文化のトリロジー』」『音楽学』第59巻第2号、2014年3月、101-103頁。
外部リンク
- 中村美亜 - researchmap
- Mia's Lab - 九州大学大学院芸術工学研究院・中村美亜研究室のウェブサイト。
- 九州大学HMEユニット - 中村も参加している教育研究ユニット。
(関連動画)
- Akira Shimada(2010年7月18日). “トランスジェンダー映画『悔やむ人たち』監督×中村美亜さんトーク”1/5, 2/5, 3/5, 4/5, 5/5, YouTube - 2010年7月16日青山スパイラルホールにて。
- Tokyo Jiten(2013年). “「メモリーワーク」中村美亜(芸術文化学、東京藝術大学助教)”, Vimeo - 東京事典のプレゼンテーション