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2016年6月28日 (火) 13:28時点における版

マクスウェル山
マクスウェル山のレーダー画像
種類 山脈
天体 金星 金星
場所 イシュタル大陸
座標 北緯65度12分 東経3度18分 / 北緯65.2度 東経3.3度 / 65.2; 3.3座標: 北緯65度12分 東経3度18分 / 北緯65.2度 東経3.3度 / 65.2; 3.3
直径 797 km
標高 11 km
名の由来 ジェームズ・クラーク・マクスウェル

マクスウェル山英語: Maxwell Montes, [ˈmækswɛl ˈmɒntz])とは、金星イシュタル大陸にある山塊である。標高は11kmであり、金星の最高峰である。

概要

イシュタル大陸に位置し、2つの主要な高台のさらに北にあるマクスウェル山の標高は11 km (6.8 mi) である[1]。またラクシュミー高原の東へ向かって約6.4 km (4 mi) 上り坂になっていて、全長が約853 km (530 mi)、幅が700 km (435 mi) になっている[1]。西側の坂は非常に急だが東側の坂はフォルトゥーナテッセラに向かって緩やかになっている[2]。このため最高地点は金星の表面において一番寒く(約380 °C または 716 °F)、低気圧(約45 bar または 44 atm)である[3][4]

歴史と地質

ラクシュミー高原やマクスウェル山のような山脈の始まりは議論となっている。ある一説によれば金星の内部からの物質隆起による熱いプリュームによって形成されたものとすれば他説では惑星内面に物質が下降する形でこの地域が全側面から圧縮(共に押しながら)されたものだとなっている[5]。幅広い尾根と谷で形成されたマクスウェル山とフォルトゥーナテッセラは圧縮によって形成された地形であると示されていて[2]、並列している隆起や谷は後の外延的な断層によって途切れているとされる[1]。ラクシュミー高原周辺の他の圧縮型山地と比べてマクスウェル山の極端な高さは地形の形成がかなり複雑であることを示している[1]

マクスウェル山の大部分は高い高度かつ金星において一般的な明るいレーダー反射を持つが、この現象は鉱物あるいは金属物質を含む雪に起因すると思われる。初期は黄鉄鉱[2]テルルと考えられたが、近年では硫化鉛硫化ビスマスであるという説が唱えられている[6]

レーダーによる地図作成と命名

金星の大気圏にある恒久的かつ厚い雲を調査し表面を観測するためにレーダーを使用している科学者は1967年にプエルトリコアレシボ電波望遠鏡を使って金星の最高地点を発見しマクスウェル山と命名した[7]

1978年、宇宙探査機パイオニア・ヴィーナス1号が金星の軌道に入り金星表面の電波観測を試みたが、この観測で初めて金星表面の地形図が作成されることになり、同時にマクスウェル山が金星表面の標高平均値以上の最高地点であることが確認された[8]

山の名前は数学的物理学者で利用可能なレーダーを生み出す故に金星表面の観測を可能にするまでに至った電波の存在を予測したジェームズ・クラーク・マクスウェルに因んでいる[9]

通常金星の地形が命名されるとき由来が女性や女神の名前に因むものだがこの山やアルファレジオベータレジオは名祖が異なる3つの例になっている。

また、トーマス・ゴールドの求めにより1970にレイ・ユルゲンスが最初に命名、1976年から1979年の間に国際天文学連合の惑星システム命名ワーキンググループ (IAU/WGPSN) によって承認された[10]

脚注

  1. ^ a b c d Jones, Tom; Stofan, Ellen (2008). Planetology : Unlocking the secrets of the solar system. Washington, D.C.: National Geographic Society. p. 74. ISBN 978-1-4262-0121-9. http://books.google.com/books?id=SL-BszT15s0C&pg=PA74 
  2. ^ a b c PIA00149: Venus - Maxwell Montes and Cleopatra Crater”. NASA Planetary Photojournal. 2009年6月11日閲覧。
  3. ^ Basilevsky A. T., Head J. W. (2003). “The surface of Venus”. Reports on Progress in Physics 66 (10): 1699–1734. Bibcode2003RPPh...66.1699B. doi:10.1088/0034-4885/66/10/R04. 
  4. ^ McGill G. E., Stofan E. R., Smrekar S. E. (2010). “Venus tectonics”. In T. R. Watters, R. A. Schultz. Planetary Tectonics. Cambridge University Press. pp. 81–120. ISBN 978-0-521-76573-2. http://books.google.com/books?id=9PD5hxPb6fkC&pg=PA81 
  5. ^ The Magellan Venus Explorer's Guide - The Geology of Venus”. NASA JPL. 2009年6月11日閲覧。
  6. ^ Otten, Carolyn Jones (2004年2月10日). “'Heavy metal' snow on Venus is lead sulfide”. Newsroom (セントルイス・ワシントン大学). http://news.wustl.edu/news/Pages/633.aspx 2012年12月10日閲覧。 
  7. ^ Butrica, Andrew J., SP-4218 To See the Unseen, Chapter 5: Normal Science, NASA, 1996
  8. ^ Pioneer Venus 1, Orbiter and Multiprobe spacecraft”. NASA. 2009年6月11日閲覧。
  9. ^ EXTREME Space Venus”. NASA. 2009年6月11日閲覧。
  10. ^ Butrica, Andrew J., SP-4218 To See the Unseen, Chapter 6: Pioneering on Venus and Mars, NASA, 1996

関連項目