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'''ジャウマ・マルケト・イ・コト'''({{lang|ca|Jaume Marquet i Cot}} {{pronounced|ˈʒawmə mərˈkɛt i kɔt}}、[[1976年]] - )は、主にスポーツイベントにおける乱入マニアとして世界的に知られているお騒がせ男の通称である。[[スペイン]]・[[カタルーニャ州]][[サバデイ]]在住。乱入する際によく着ている自身ブランドのTシャツなどを一般に販売しているちゃっかり者である。'''ジミー・ジャンプ'''の名で広く知られている。 |
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'''ジミー・ジャンプ''' ({{lang|en|Jimmy Jump}}) こと'''ジャウマ・マルケト・イ・コト'''({{lang|ca|Jaume Marquet i Cot}}、{{IPA-ca|ˈʒawmə mərˈkɛt i kɔt}}、[[1976年]][[3月14日]]{{efn|1974年生まれであるとする報道もある<ref>{{Cite web|url=http://www.laregion.es/articulo/sociedad/jimmy-jump-costo-1-880-euros-gamberrada-eurovision/20100531180028120010.html|title=A Jimmy Jump le costó 1.880 euros la 'gamberrada' de Eurovisión|publisher=La Región|date=2010-05-30|accessdate=2016-08-04}}</ref>。}} - )は、[[サッカー]]国際試合などの様々なスポーツイベントにおいて{{仮リンク|ピッチ・インヴェイジョン|en|Pitch invasion}}(ピッチ侵入)を行うことで知られる人物であり<ref name="bbc">{{Cite web|author=Juanjo Robledo|url=http://www.bbc.com/mundo/cultura_sociedad/2010/06/100601_eurovision_jimmy_jump_lr.shtml|title=¿Quién es Jimmy Jump?|publisher=BBC.com|date=2010-06-10|accessdate=2016-07-30}}</ref><ref name="サッカーキング">{{Cite web|author=河治良幸|url=http://www.soccer-king.jp/news/world/world_other/20150611/321377.html|title=“らしさ”あふれる大会…南米王者を決める『コパ・アメリカ』とは?|publisher=サッカーキング|date=2015-06-11|accessdate=2016-07-30}}</ref><ref name="afpbb">{{Cite web|url=http://www.afpbb.com/articles/-/2740661?pid=5964284|title=W杯トロフィー危機一髪!試合前のピッチに赤帽男が乱入|publisher=afpbb.com|date=2010-07-13|accessdate=2016-07-30}}</ref>、[[スペイン]]・[[バルセロナ]]を本拠地とするサッカークラブの[[FCバルセロナ]]のサポーターである<ref>{{Cite web|url=http://www.tz.de/sport/mehr/jimmy-jump-federer-342879.html|title=Jimmy Jump schockt Roger Federer|publisher=Tz.de|date=2009-06-07|accessdate=2016-07-30}}</ref><ref name="independent">{{Cite web|url=http://www.independent.co.uk/news/people/how-spanish-prankster-jimmy-jump-landed-in-hot-water-and-350000-debt-9859817.html|title=How Spanish prankster Jimmy Jump landed in hot water – and in $350,000 debt|publisher=Independent|date=2014-11-14|accessdate=2016-08-04}}</ref>。[[カタルーニャ州]][[バルセロナ県]][[サバデイ]]出身<ref name="independent"/>。 |
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== 人物 == |
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ジミー・ジャンプの目的は主要なスポーツイベントにおいてスタジアム警備の隙を突いてピッチに侵入し、周囲の関心を引くことにあると見られており<ref name="bbc"/>、その行動の多くが[[FCバルセロナ]]に関連している<ref name="bbc"/>。一方、彼自身はピッチ侵入を「[[マスメディア]]の制御下にある世界に対して表現の自由を伝えるためのものである」と主張しており<ref name="independent"/>、プロのジャンパー ({{lang|es|saltador profesional}}) と称している<ref name="bbc"/>。彼は通常、[[スローガン|政治スローガン]]の描かれたTシャツと{{仮リンク|バレティナ|en|Barretina}}と呼ばれる赤い[[帽子]](カタルーニャ地方の伝統的な衣類)を身に付けて<ref name="independent"/><ref name="spiegel">{{Cite web|url=http://www.spiegel.de/panorama/leute/eurovision-flitzer-grand-prix-stoerer-jimmy-jump-droht-geldbusse-a-697613.html|title=Eurovision-Flitzer: Grand-Prix-Störer Jimmy Jump droht Geldbuße|publisher=spiegel.de|date=2010-05-30|accessdate=2016-07-30}}</ref>、ピッチ侵入の際には選手に対して帽子をかぶせるなどのパフォーマンスを行っているが<ref name="bbc"/><ref name="サッカーキング"/><ref name="afpbb"/>、時には政治的な抗議行動を伴うこともある<ref name="bbc"/>。 |
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彼の乱入でもっとも有名な事件の一つに、[[2004年]]に[[ポルトガル]]で開催された[[サッカー欧州選手権2004|ユーロ2004]]の、[[7月4日]]に実施された決勝戦(ポルトガル対[[ギリシャ]])における乱入事件が挙げられる。彼はカタルーニャ伝統の帽子を被り試合中のピッチに乱入、ピッチ上にいた[[ルイス・フィーゴ]]に向けて[[FCバルセロナ]]のクラブ旗を投げつけた。これはフィーゴがFCバルセロナから突如、バルセロナの最大のライバルチームである[[レアル・マドリード]]へ移籍したことで、「裏切り者」フィーゴに対するバルササポーターの憎悪が計り知れないことに起因する。この騒動は一部のバルササポーターの溜飲を下げたかもしれないが、ジミーの乱入によりこの試合は一時中断してしまい、迷惑な行為に変わりはない。彼はギリシャゴールに突っ込んだところで取り押さえられた。一部始終は世界中で同時中継されており、衆目を集めた。 |
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元々は不動産業者や書店員として働いていたが<ref>{{Cite web|url=http://www.heute.de/jimmy-jump-vom-flitzer-zum-fussballfan-jimmy-muss-zu-hause-bleiben-43885426.html|title=Berühmter Flitzer Jimmy Jump: Jimmy muss zu Hause bleiben |publisher=Heute.de|date=2016-06-11|accessdate=2016-08-04}}</ref>、[[2002年]]に[[カンプ・ノウ]]で行われた[[アベラルド・フェルナンデス・アントゥーニャ|アベラルド]]のお別れ試合において初めてピッチ侵入を試みた<ref>{{Cite web|url=http://www.focus.de/panorama/welt/jimmy-jump-der-koenig-unter-den-flitzern_aid_529602.html|title=Jimmy Jump: Der König unter den Flitzern|publisher=FOCUS Online|date=2010-07-12|accessdate=2016-08-04}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.bild.de/sport/mehr-sport/der-beruehmteste-flitzer-der-welt-13512080.bild.html|title=Jimmy Jump: Ich bin der berühmteste Flitzer der Welt|publisher=Bild.de|date=2010-08-03|accessdate=2016-08-04}}</ref>。それ以来、10年近くに渡って世界各国のさまざまなスポーツイベントや文化イベントを混乱させてきたが<ref name="independent"/>、[[2014年]]の時点では[[スペイン]]と[[ドイツ]]における全てのサッカー試合への入場を禁止され、罰金により35万ドルの借金を抱えていると報じられた<ref name="independent"/>。 |
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== 2005-06シーズン CL == |
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== 主なトラブル == |
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=== EURO2004 === |
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[[2009年]][[6月7日]]、[[フランス]]で行われた、[[テニス]][[全仏オープン]]の決勝戦、[[ロジャー・フェデラー]]対[[ロビン・セーデリング]]の試合中にコートに乱入。フェデラーに旗をかぶせようとしたところを警備員によって取り押さえられた。 |
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[[2004年]][[7月4日]]、[[ポルトガル]]で行われた[[UEFA EURO 2004]]決勝の[[サッカーポルトガル代表|ポルトガル代表]]対[[サッカーギリシャ代表|ギリシャ代表]]戦において、彼はカタルーニャ伝統の帽子を被り試合中のピッチに侵入、ピッチ上にいた[[ルイス・フィーゴ]]に向けて[[FCバルセロナ]]のクラブ旗を投げつけた<ref name="bbc"/><ref>『[[日刊スポーツ]]』2004年7月6日付</ref>。これはフィーゴが[[2000年]]7月にバルセロナの最大のライバルである[[レアル・マドリード]]へ移籍したことに対する抗議であったとされる<ref name="bbc"/><ref name="independent"/><ref name="telegraph">{{Cite web|url=http://www.telegraph.co.uk/sport/tennis/frenchopen/5469188/French-Open-2009-Intruder-Jimmy-Jump-approaches-Roger-Federer-during-final.html|title=French Open 2009: Intruder Jimmy Jump approaches Roger Federer during final|publisher=Telegraph|date=2012-02-08|accessdate=2016-07-30}}</ref>。 |
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=== 2005-06シーズン CL === |
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⚫ | [[2006年]][[4月25日]]、[[スペイン]]・[[ビジャレアル]]で行われた[[UEFAチャンピオンズリーグ 2005-06]]準決勝、[[ビジャレアルCF]]対[[アーセナルFC]]戦において、「HENRY」「14」と書かれたバルセロナのユニフォームを掲げてピッチに侵入した<ref name="abc">{{Cite web|url=http://www.abc.es/20100529/deportes-mas-deportes/jimmy-jump-201005292148.html|title=Jimmy Jump, «espontáneo profesional»|publisher=ABC.es|date=2010-05-30|accessdate=2016-07-30}}</ref>。これはアーセナルを退団しバルセロナへ移籍することが噂されていた[[ティエリ・アンリ]]に対して贈ろうとしたとされている<ref name="telegraph"/><ref name="abc"/>。このパフォーマンスの後に逮捕され、スペインの反暴力委員会から60,000ユーロの罰金を科された<ref name="abc"/>。 |
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=== EURO2008 === |
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[[2008年]][[6月25日]]、[[スイス]]で行われた[[UEFA EURO 2008]]準決勝[[サッカードイツ代表|ドイツ代表]]対[[サッカートルコ代表|トルコ代表]]戦でも試合中にピッチ侵入を行ったが、それまでの抗議手段とは異なり<ref name="telegraph"/>、[[チベット]]の旗を持ち「チベットは[[中華人民共和国|中国]]ではない」と書かれたTシャツを着用していた<ref name="bbc"/><ref name="spiegel"/>。 |
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この他にも2004年の[[フォーミュラ1|F1]][[スペイングランプリ|スペインGP]]、[[デビスカップ]]などスポーツイベント、[[ユーロビジョン・ソング・コンテスト2010|2010年のユーロビジョン・ソング・コンテスト]]や2011年の[[ゴヤ賞]]授賞式といった芸能イベント、またファッションショーなどで度重なる乱入騒ぎを起こしている。最後は取り押さえられ、あるいは袋叩きに遭った上でつまみ出される。 |
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=== 全仏オープン2009 === |
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[[2009年]][[6月7日]]、[[フランス]]で行われた[[テニス]][[2009年全仏オープン男子シングルス|全仏オープン男子シングルス]]決勝の[[ロジャー・フェデラー]]対[[ロビン・セーデリング]]戦の試合中にコートに侵入。フェデラーに帽子をかぶせようとしたところを警備員によって取り押さえられた<ref name="bbc"/><ref name="Telegraph20090607">{{Cite web|url=http://www.telegraph.co.uk/sport/tennis/frenchopen/5469188/French-Open-2009-Intruder-Jimmy-Jump-approaches-Roger-Federer-during-final.html|title=French Open 2009: Intruder Jimmy Jump approaches Roger Federer during final|publisher=Telegraph|date=2009-06-07|accessdate=2016-07-30}}</ref>。ジミー・ジャンプはピッチ侵入の理由についてフェデラーのライバルであるスペインの[[ラファエル・ナダル]]がレアル・マドリードのサポーターであることを挙げ、「この大会で優勝を逃したナダルに対してアピールをしたかった」と語った<ref name="Telegraph20090607"/>。一方、フェデラーは後に「彼が何を望んでいるのか分からず、彼が近づく姿を見て恐怖を感じた。私は観客の反応を聞くまでは何が起こったのか理解できなかった」と語ったように<ref name="independent"/>、この事件に衝撃を受けたといい<ref name="abc"/>、その後も会場警備の不備について苦言を呈している<ref>{{Cite web|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3049670|title=フェデラー、2回戦進出も会場の警備に苦言 全仏オープン|publisher=afpbb.com|date=2015-05-25|accessdate=2016-07-30}}</ref>。 |
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=== ユーロビジョン・コンテスト2010 === |
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[[2010年]][[5月29日]]、[[ノルウェー]]で行われた[[ユーロビジョン・ソング・コンテスト2010|ユーロビジョン・ソング・コンテスト]]においてスペイン代表の{{仮リンク|ダニエル・ディヘス|en|Daniel Diges}}の演奏が行われた際、ジミー・ジャンプがステージに乱入し、ディヘスの歌に合わせて踊るパフォーマンスを見せた<ref name="bbc"/><ref>{{Cite web|url=http://www.lavozdegalicia.es/genteytelevision/2010/05/29/00031275160815264486424.htm|title=Jimmy Jump salta al escenario durante la actuación de España en Eurovisión|publisher=lavozdegalicia.es|date=2010-05-29|accessdate=2016-07-31}}</ref>。彼は警察に逮捕された後に刑務所に送られ<ref>{{Cite web|url=http://www.aftonbladet.se/nojesbladet/melodifestivalen/article12327491.ab|title=Hoppar upp på scen – mitt i sändning|publisher=Aftonbladet.se|date=2010-05-29|accessdate=2016-07-31}}</ref>、2,200ドルの罰金が科せられたがスペインやノルウェーのメディアは「国家の恥」と見做し、より厳しい制裁を求めた<ref name="bbc"/>。 |
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=== 2010 FIFAワールドカップ === |
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=== その他 === |
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この他にも[[2005年]][[11月19日]]に行われた[[エル・クラシコ]]<ref name="abc"/>、[[UEFAチャンピオンズリーグ 2006-07 決勝]]<ref name="abc"/>、2004年の[[フォーミュラ1|F1]][[2004年スペイングランプリ|スペインGP]]<ref name="abc"/>、[[デビスカップ]]、[[ラグビーワールドカップ2007]]<ref name="bbc"/>、[[水球]]のコパ・デル・レイ<ref name="bbc"/>などのスポーツイベント、2011年の[[ゴヤ賞]]授賞式といった芸能イベント<ref>{{Cite video|url=http://www.altfg.com/blog/movie/goya-awards-2011-sinde-law-controversy-jimmy-jump-jorge-drexler/|title=Goya Awards 2011: Sinde Law Controversy, Jorge Drexler Sings, Jimmy Jump Crashes Party|publisher=Alt Film Guide|date=2010-09-15|accessdate=2016-07-30}}</ref>、またファッションショーなどで乱入騒ぎを起こした。 |
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== 関連項目 == |
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*[[ニール・ホラン]] - [[アイルランド]]出身の元聖職者。スポーツイベントで頻繁にトラブルを引き起こしている。 |
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*[[ニール・ホラン]] |
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== 外部リンク == |
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*[http://www.jimmyjump.com Jimmy Jump's Official Website] |
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2016年8月15日 (月) 15:43時点における版
ジミー・ジャンプ (Jimmy Jump) ことジャウマ・マルケト・イ・コト(Jaume Marquet i Cot、カタルーニャ語発音: [ˈʒawmə mərˈkɛt i kɔt]、1976年3月14日[注釈 1] - )は、サッカー国際試合などの様々なスポーツイベントにおいてピッチ・インヴェイジョン(ピッチ侵入)を行うことで知られる人物であり[2][3][4]、スペイン・バルセロナを本拠地とするサッカークラブのFCバルセロナのサポーターである[5][6]。カタルーニャ州バルセロナ県サバデイ出身[6]。
人物
ジミー・ジャンプの目的は主要なスポーツイベントにおいてスタジアム警備の隙を突いてピッチに侵入し、周囲の関心を引くことにあると見られており[2]、その行動の多くがFCバルセロナに関連している[2]。一方、彼自身はピッチ侵入を「マスメディアの制御下にある世界に対して表現の自由を伝えるためのものである」と主張しており[6]、プロのジャンパー (saltador profesional) と称している[2]。彼は通常、政治スローガンの描かれたTシャツとバレティナと呼ばれる赤い帽子(カタルーニャ地方の伝統的な衣類)を身に付けて[6][7]、ピッチ侵入の際には選手に対して帽子をかぶせるなどのパフォーマンスを行っているが[2][3][4]、時には政治的な抗議行動を伴うこともある[2]。
元々は不動産業者や書店員として働いていたが[8]、2002年にカンプ・ノウで行われたアベラルドのお別れ試合において初めてピッチ侵入を試みた[9][10]。それ以来、10年近くに渡って世界各国のさまざまなスポーツイベントや文化イベントを混乱させてきたが[6]、2014年の時点ではスペインとドイツにおける全てのサッカー試合への入場を禁止され、罰金により35万ドルの借金を抱えていると報じられた[6]。
主なトラブル
EURO2004
2004年7月4日、ポルトガルで行われたUEFA EURO 2004決勝のポルトガル代表対ギリシャ代表戦において、彼はカタルーニャ伝統の帽子を被り試合中のピッチに侵入、ピッチ上にいたルイス・フィーゴに向けてFCバルセロナのクラブ旗を投げつけた[2][11]。これはフィーゴが2000年7月にバルセロナの最大のライバルであるレアル・マドリードへ移籍したことに対する抗議であったとされる[2][6][12]。
2005-06シーズン CL
2006年4月25日、スペイン・ビジャレアルで行われたUEFAチャンピオンズリーグ 2005-06準決勝、ビジャレアルCF対アーセナルFC戦において、「HENRY」「14」と書かれたバルセロナのユニフォームを掲げてピッチに侵入した[13]。これはアーセナルを退団しバルセロナへ移籍することが噂されていたティエリ・アンリに対して贈ろうとしたとされている[12][13]。このパフォーマンスの後に逮捕され、スペインの反暴力委員会から60,000ユーロの罰金を科された[13]。
EURO2008
2008年6月25日、スイスで行われたUEFA EURO 2008準決勝ドイツ代表対トルコ代表戦でも試合中にピッチ侵入を行ったが、それまでの抗議手段とは異なり[12]、チベットの旗を持ち「チベットは中国ではない」と書かれたTシャツを着用していた[2][7]。
全仏オープン2009
2009年6月7日、フランスで行われたテニス全仏オープン男子シングルス決勝のロジャー・フェデラー対ロビン・セーデリング戦の試合中にコートに侵入。フェデラーに帽子をかぶせようとしたところを警備員によって取り押さえられた[2][14]。ジミー・ジャンプはピッチ侵入の理由についてフェデラーのライバルであるスペインのラファエル・ナダルがレアル・マドリードのサポーターであることを挙げ、「この大会で優勝を逃したナダルに対してアピールをしたかった」と語った[14]。一方、フェデラーは後に「彼が何を望んでいるのか分からず、彼が近づく姿を見て恐怖を感じた。私は観客の反応を聞くまでは何が起こったのか理解できなかった」と語ったように[6]、この事件に衝撃を受けたといい[13]、その後も会場警備の不備について苦言を呈している[15]。
ユーロビジョン・コンテスト2010
2010年5月29日、ノルウェーで行われたユーロビジョン・ソング・コンテストにおいてスペイン代表のダニエル・ディヘスの演奏が行われた際、ジミー・ジャンプがステージに乱入し、ディヘスの歌に合わせて踊るパフォーマンスを見せた[2][16]。彼は警察に逮捕された後に刑務所に送られ[17]、2,200ドルの罰金が科せられたがスペインやノルウェーのメディアは「国家の恥」と見做し、より厳しい制裁を求めた[2]。
2010 FIFAワールドカップ
2010年7月11日、南アフリカ・ヨハネスブルグのサッカーシティー・スタジアムで行なわれたサッカーの2010 FIFAワールドカップ・決勝オランダ代表対スペイン代表戦の試合開始前にピッチに侵入。メインスタンド側のピッチ脇に置かれていたFIFAワールドカップトロフィーに向かって突進しトロフィーに自分の被っていたバレティナと同じものを被せようとしたが、手がトロフィーに触れるその寸前に警備員によって取り押さえられた[4][18]。彼はバレティナをかぶせて自由を訴えるためでありトロフィーを奪う意志はなかったと主張したが、7月12日にヨハネスブルクの裁判所は彼に対し、侵入罪と窃盗未遂の罪で2000ランド(約2万3000円)の罰金を科した[4]。
その他
この他にも2005年11月19日に行われたエル・クラシコ[13]、UEFAチャンピオンズリーグ 2006-07 決勝[13]、2004年のF1スペインGP[13]、デビスカップ、ラグビーワールドカップ2007[2]、水球のコパ・デル・レイ[2]などのスポーツイベント、2011年のゴヤ賞授賞式といった芸能イベント[19]、またファッションショーなどで乱入騒ぎを起こした。
脚注
注釈
出典
- ^ “A Jimmy Jump le costó 1.880 euros la 'gamberrada' de Eurovisión”. La Región (2010年5月30日). 2016年8月4日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n Juanjo Robledo (2010年6月10日). “¿Quién es Jimmy Jump?”. BBC.com. 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b 河治良幸 (2015年6月11日). ““らしさ”あふれる大会…南米王者を決める『コパ・アメリカ』とは?”. サッカーキング. 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b c d “W杯トロフィー危機一髪!試合前のピッチに赤帽男が乱入”. afpbb.com (2010年7月13日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ “Jimmy Jump schockt Roger Federer”. Tz.de (2009年6月7日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “How Spanish prankster Jimmy Jump landed in hot water – and in $350,000 debt”. Independent (2014年11月14日). 2016年8月4日閲覧。
- ^ a b “Eurovision-Flitzer: Grand-Prix-Störer Jimmy Jump droht Geldbuße”. spiegel.de (2010年5月30日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ “Berühmter Flitzer Jimmy Jump: Jimmy muss zu Hause bleiben”. Heute.de (2016年6月11日). 2016年8月4日閲覧。
- ^ “Jimmy Jump: Der König unter den Flitzern”. FOCUS Online (2010年7月12日). 2016年8月4日閲覧。
- ^ “Jimmy Jump: Ich bin der berühmteste Flitzer der Welt”. Bild.de (2010年8月3日). 2016年8月4日閲覧。
- ^ 『日刊スポーツ』2004年7月6日付
- ^ a b c “French Open 2009: Intruder Jimmy Jump approaches Roger Federer during final”. Telegraph (2012年2月8日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g “Jimmy Jump, «espontáneo profesional»”. ABC.es (2010年5月30日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ a b “French Open 2009: Intruder Jimmy Jump approaches Roger Federer during final”. Telegraph (2009年6月7日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ “フェデラー、2回戦進出も会場の警備に苦言 全仏オープン”. afpbb.com (2015年5月25日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ “Jimmy Jump salta al escenario durante la actuación de España en Eurovisión”. lavozdegalicia.es (2010年5月29日). 2016年7月31日閲覧。
- ^ “Hoppar upp på scen – mitt i sändning”. Aftonbladet.se (2010年5月29日). 2016年7月31日閲覧。
- ^ “World Cup final pitch invader Jimmy Jump almost gets hold of trophy”. metro.co.uk (2010年7月12日). 2016年7月30日閲覧。
- ^ Goya Awards 2011: Sinde Law Controversy, Jorge Drexler Sings, Jimmy Jump Crashes Party. Alt Film Guide. 15 September 2010. 2016年7月30日閲覧。