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2016年6月8日 (水) 02:47時点における版
立川 志らく(たてかわ しらく)は、江戸・東京の落語の名跡。過去に5人前後確認されている。
- 次項の志らく(本名、新間一弘)の前に、亭号が立川、翁家、升々亭、など3人ほどいる。
- 朝寝坊志らく - 後の柳亭左好。(本名、田中直四郎)6代目朝寝坊むらくの門で名乗る。
- 朝寝坊志らく(1880年1月3日 - 没年不明) - 初代三遊亭圓之助(本名、中村代次郎)の実子で最初は4代目橘家圓喬の門で喬生、明治30年代半ばに圓花、40年代に橘家小圓太、大正に入り3代目三遊亭圓馬(当時の7代目朝寝坊むらく)の門で志らくとなった。落語の演目「徳ちゃん」はこの人がモデルになっている。(本名、中村徳太郎)。
立川 志らく | |
丸に左三蓋松は、立川流の定紋である | |
本名 | 新間一弘 (しんまかずひろ) |
---|---|
生年月日 | 1963年8月16日(61歳) |
出身地 | 日本・東京都世田谷区 |
師匠 | 立川談志 |
名跡 | 立川志らく(1985年 - ) |
活動期間 | 1985年 - |
活動内容 | 落語家 映画監督 映画評論家 |
所属 | 落語立川流 日本映画監督協会 ワタナベエンターテインメント |
公式サイト | 公式サイト |
備考 | |
落語立川流理事 | |
立川 志らく(たてかわ しらく、本名・新間 一弘(しんま かずひろ[1])、男性、1963年8月16日 - )は東京都世田谷区出身の落語家、映画評論家、映画監督。落語立川流、ワタナベエンターテインメント(文化人部門)所属。出囃子は『鳩』『花嫁人形』。日本映画監督協会にも所属。現在の妻は女優の酒井莉加。
来歴・人物
父親がギタリスト、母親が長唄という芸人の家庭で育ち、中学生の頃から落語と映画を好きになる[2]。落語については、小学校高学年の頃から父親が落語好きで家にあった落語の本とレコードで親しみ始めたという[3]。
祖父は昭和の名灸師である深谷伊三郎。
東京・日本大学第三高等学校から日本大学芸術学部に進学するも、1985年10月、当時日大4年生の時、高田文夫の紹介で7代目立川談志に入門し、前座名立川志らくを名乗る。大学はその後中退。「志らく」の名はフランスの政治家、ジャック・シラクにちなむとされる。 日大三高の同窓には、元F1ドライバー片山右京、読売ジャイアンツ2軍内野守備走塁コーチ 福王昭仁らがいる。
1988年3月に二つ目昇進し、1995年11月に真打昇進した。2001年彩の国落語大賞受賞。
1990年代には志らくと兄弟子朝寝坊のらくと立川談春で立川ボーイズを結成、深夜番組『ヨタロー』に出演するなど活躍。その後真打ち昇進までは古典に打ち込み、真打昇進後はシネマ落語等の分野を開拓。
演目は両親の影響からか、音楽を作曲しながら落語のイメージを固めていくことが多い。
師匠の談志同様、著書で先輩落語家を名指しで批判することが多く、敵が多いといわれている。
1992年、志らくを筆頭とした落語家らで「“超”放送禁止落語界」と題した寄席を開催。皇室罵倒、差別語連発の演目を披露「9月にも開催予定だが、もし無くなったら何者かのクレームにより演者が危急に陥ったと云々」と笑いを取っていたが、会場に居合わせていた部落解放同盟関係者が演目を全て録音、同団体からの糾弾を受ける。[4]
2015年1月から独演会「立川志らく落語大全集」を開始。16年かけて203席を演じる予定。[5].
2003年より劇団下町ダニーローズを主宰し、舞台演出家・脚本家としても活動している。2014年現在まで16回の公演を数えている。
映画好きで知られ、1997年に『異常暮色』で映画監督デビュー。映画監督として日本映画監督協会にも所属している。老舗の映画雑誌『キネマ旬報』では、「立川志らくのシネマ徒然草」の連載を持ち、同連載は1996年と1999年に「キネマ旬報ベストテン」の読者賞を受賞した。映画関連では他にも、映画専門チャンネルのスターチャンネルで2008年から映画解説者の一員となり[6]、独演会では映画を落語にした「シネマ落語」などの活動を行っている[7]。
映画評論でも知られる快楽亭ブラックは、つまらない邦画のベストスリーに、志らく監督作品の『異常暮色』など3作品をランクインさせた。
映画監督の大林宣彦は、志らくの落語や舞台は好きだが、映画については「許せる」という表現をしている[8]。
志らくは現在の日本映画界を嘆いており、小津安二郎や黒澤明が撮るような重厚な作品が日本映画界の中心にあるべきだと苦言を呈している[9]。一方で、黒澤明監督の作品を映画賞をもらってから観始めた北野武については、『菊次郎の夏』『Dolls』を傑作と認めている[10]。
「ヨタロー」に一緒に出演していた立川談春とは、入門は後(年齢は談春が3歳下)だが真打昇進は先となった。
『爆笑問題のススメ』に志らくが出演した時に、談志が「才能だけなら噺家の中で一番。もちろん才能だけだよ。他はない。あくまでも「だけ」なんだ」とコメントしていた。テレビ「落語のピン」では、「弟子の中でもっとも才能はある」と志らくを認めていた。実際、志らくが二つ目に昇進した時に、末廣亭の席亭などに挨拶に出掛けて、志らくを紹介するなど一貫して評価は高い。
JFN系ラジオ番組『名言3・6・5』に2009年3月末まで10年近く出演していた。またIBC岩手放送ラジオで毎週土曜日に放送されていた「志らくの歌の花道」は2013年6月29日の番組終了まで639回続いた。現在は、文化放送の『くにまるジャパン』に、金曜日のコメンテーターとして月一で出演している。
中日ドラゴンズのファンで上記のくにまるジャパンでは中日ドラゴンズについて語る月がある。
志らく一門
師匠である立川談志を除けば、立川流では一番の弟子の多さを誇る。現在の弟子は入門順に こしら、志らら、志ら乃、志奄(元、らく八)、らく朝(現役の医師)、らく次、志らべ、志獅丸(元、らく太)、志ら玉(元、快楽亭ブラ汁:師匠の2代目快楽亭ブラックが借金問題により立川流を除名になったため、志らく門下へ移籍 らくB、二ツ目でらく里、真打昇進で志ら玉と改名)、らく兵(一度破門されたが2015年に復帰)、がじら、らく人、志ら松、志ら鈴、らくぼ、志ら門、らく葉、らく者、らくみん、うおるたー、らくまん、怒志(ぬし)[11]。2015年、こしらが弟子をとったため、志らくに孫弟子が誕生した。前座名は、仮面女子[12]。
2011年11月、こしらと志ら乃の真打昇進が決定(談志の孫弟子では初めて。実際の昇進は翌2012年)。2015年10月には、志らら、らく朝、志ら玉が真打に昇進した。
卒業した弟子は らく坊(一番弟子)、らく丸(三番弟子)、らく吉(四番弟子)、こらく、の四人(志らく門下は一門イメージのため「廃業」とは呼ばない)。
真打
二ツ目
前座
こしら門下
- 立川仮面女子
シネマ落語
志らくが好きな映画を落語で語る。つまり、有名な映画を、江戸時代を舞台に変えて落語に翻案したもの。
- 「江戸半ちゃんショー」(トゥルーマン・ショーより)
- 「人情医者」(素晴らしき哉、人生!より)
- 「鰍沢の呪い」(シャイニングより)
- 「妾馬・下」(ダイ・ハードより)
- 「いかさま指南」(スティングより)
- 「たらちね後日談」(マイ・フェア・レディより)
- 「ろくろ首の情事」(危険な情事より)
- 「二番煎じ後日談」(アパートの鍵貸しますより)
- 「百兵衛」(ドライビング Miss デイジーより)
- 「田吾作」(デーヴ、影武者より)
- 「短冊の恋文」(ユー・ガット・メールより)
- 「吉原に死す」(ベニスに死すより)
- 「たまや」(天国から来たチャンピオンより)
- 「らくだの災難」(ハリーの災難より)
- 「あした舟」(あした、駅馬車より)
- 「幽霊 江戸の幻」(ゴースト/ニューヨークの幻より)
- 「蝦蟇の油の道」(道より)
- 「影清・女」(ライムライトより)
- 「落語ゴッドファーザー 紅羅坊名丸」(ゴッドファーザーより)
- 「目黒の秋刀魚の陰謀」(大統領の陰謀より)
- 「落語幕末太陽傳」(幕末太陽傳より)
- 「木乃伊取りの黙示録」(地獄の黙示録より)
- 「人力車」(タクシードライバーより)
- 「怪談・初天神」(オーメンより)
- 「吉原の休日」(ローマの休日より)
著書
- 『立川志らくのシネマ徒然草』 キネマ旬報社、2000年2月
- 『全身落語家読本』 新潮社、2000年9月 (新潮選書)
- 『落語は最高のエンターテインメント』講談社DVD book、2004年
- 『らくご小僧』新潮社、2004年6月
- 『志らくの落語二四八席辞事典』講談社、2005年4月
- 『立川志らくの現代映画聖書』講談社、2005年6月
- 『雨ン中の、らくだ』太田出版、2009年2月
- 『立川流鎖国論』梧桐書院、2010年11月
- 『落語進化論』新潮選書、2011年6月
- 『談志のことば』 徳間文庫、2012年 のち文庫
- 『銀座噺志らく百点』講談社 2013
共著
- 『DNA対談談志の基準』松岡弓子共著 亜紀書房 2012
演劇
劇団『下町ダニーローズ』。主宰、脚本、演出、出演
- 旗揚げ公演 「ブルーフロッグマンの憂鬱」池袋シアターグリーン、2003年6月
- 第2回公演 「未来ポリスマンの横恋慕」笹塚劇場、2003年12月
- 第3回公演 「エクソシスト達の憂さ晴らし」アートボックスホール、2004年11月
- 第4回公演 「いわゆるトイストーリーのようなもの リカちゃんと怪獣」シアターイワト、2005年5月
- 第5回公演 向田邦子原作「あ・うん」シアターイワト、2005年11月
- 第6回公演 「はなび」シアターイワト、2006年6月
- 特別 公演 向田邦子原作「あ・うん」再演 新宿シアターモリエール、2006年12月
- 第7回公演 シェークスピア原作「ヴェニスの商人?」アイピット目白、2007年6月
- 第8回公演 「どん底」アイピット目白、2007年12月
- 第9回公演 「あした〜愛の名言集」(大林宣彦監督作品/赤川次郎原作:午前0時の忘れもの)新宿紀伊國屋ホール、2008年6月
- 第10回公演 「文学狂男」(原作:室生犀星 あにいもうと)千本桜ホール、2009年2月
- 第11回公演 「演劇らくご『鉄拐』」紀伊國屋ホール、2009年8月
- 第12回公演 「演劇らくご『疝気の虫』」シアターグリーン、2010年6月
- 第13回公演 「演劇らくご『ヴェニスの商人?火焔太鼓の真実』」シアターグリーン、2011年9月
- 第14回公演 立川談志追悼特別公演「演劇らくご『談志のおもちゃ箱』〜ヴェニスの商人?黄金餅後日談」新宿シアターモリエール、2012年5月
- 第15回公演 「演劇らくご『死神が舞い降りる街』」赤坂レッドシアター、2013年6月
- 第16回公演 「演劇らくご『芝浜』」池袋シアターグリーン、2014年5月
劇団『謎のキューピー』。脚本、出演
- 旗揚げ公演 「白いゲルニカ」中野スタジオあくとれ、2011年7月
- 第2回公演 「せんきの虫」中野スタジオあくとれ、2012年2月
- 第3回公演 「異常暮色」下北沢Geki地下Liberty、2013年9月
- 第4回公演 「鯨岡桃子が、殺された理由」中野スタジオあくとれ、2014年2月
- 第5回公演 「鯨岡桃子が、殺された理由」再演 中野スタジオあくとれ、2014年9月
- 第6回公演 「地獄の同窓会」下北沢Geki地下Liberty、2015年2月
映画(監督作・自主制作)
- 異常暮色(1998年)
- 死神パラダイス(1999年)
- カメレオンの如き君なりき(2001年)
- SF小町(2002年)
- 不幸の伊三郎(2004年)
テレビドラマ、ドキュメンタリー
- プレミアムドラマ 人生、成り行き 天才落語家・立川談志 ここにあり(2013年8月11日・8月18日、NHK BSプレミアム)
- 大改造!!劇的ビフォーアフター SEASON II(2014年11月30日・2015年1月11日、朝日放送[13])
演じた俳優
出典
- ^ “プロフィル(立川志らく)”. 2015年11月23日閲覧。
- ^ 『天才たちのDNA』p.174。
- ^ 『天才たちのDNA』pp.175-176
- ^ 筒井康隆「断筆」めぐる大論争 創出版 1995年
- ^ 志らく落語大全集 特設ページ
- ^ 「立川志らくのシネマ徒然草 284」『キネマ旬報』2008年10月下旬号。
- ^ シネマ落語とは 立川志らくのシネマ落語
- ^ 「立川志らくのシネマ徒然草 275」『キネマ旬報』2008年6月上旬号。
- ^ 田山力哉『さよなら映画、また近いうちに』キネマ旬報社、1997年、p.159.
- ^ 立川志らく『立川志らくの現代映画聖書』講談社、2005年、pp.327,334
- ^ “志らく一門(立川志らく公式サイト)”. 2016年1月24日閲覧。
- ^ “地下アイドルが新人落語家の命名権を落札「立川仮面女子」誕生(東スポ)”. 2016年2月5日閲覧。
- ^ 貴重資料がカビの危機「ビフォーアフター」で談志の家をリフォーム
参考文献
- 諸芸懇話会、大阪芸能懇話会共編『古今東西落語家事典』平凡社、ISBN 458212612X
- 鈴木光司『鈴木光司対談集 天才たちのDNA 才能の謎に迫る』マガジンハウス、2001年
外部リンク
- 立川志らく - 公式サイト
- 立川志らくのブログ
- 立川志らく 公式ブログ(旧)
- 志らく (@shiraku666) - X(旧Twitter)
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