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2016年6月8日 (水) 01:46時点における版
塩野七生 | |
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誕生 |
1937年7月7日(87歳) 日本、東京府東京市滝野川区 |
職業 | 歴史作家 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 学習院大学 |
活動期間 | 1969年 - |
代表作 | 『ローマ人の物語』 |
子供 | アントニオ・シモーネ |
塩野 七生(しおの ななみ、女性、1937年7月7日 - )は、日本の歴史作家 (プロの学術研究者ではなく「小説家」)である。名前の「七生」は、7月7日生まれであることに由来。
来歴・人物
東京市滝野川区(現・東京都北区)生まれ。東京都立日比谷高等学校、学習院大学文学部哲学科卒業。日比谷高校時代は庄司薫、古井由吉らが同級生だった。1963年からイタリアで学び、1968年に帰国すると執筆を開始。『中央公論』掲載の「ルネサンスの女たち」でデビュー。担当編集者は塙嘉彦であった[1]。
1970年には『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。同年から再びイタリアへ移り住む。ローマ名誉市民を経てイタリア永住権を得ており、ローマに在住。
イタリア中心に、古代から近世に至る歴史小説を多数執筆。またエッセイや時事批評、1970年代にユーロコミュニズムで支持者を増やしていたイタリア共産党に関する文章も書いている[2]。ローマ帝国前期の「小さな政府」を理想としており、直接的に小泉構造改革を支持していたと思われる叙述が見られる[3]。1992年から古代ローマを描く『ローマ人の物語』を年一冊のペースで執筆し、2006年に『第15巻 ローマ世界の終焉』にて完結した(文庫版も2011年9月に刊行完結)。『文藝春秋』で巻頭エッセイ「日本人へ」を執筆。
家族
父親は詩人・小学校教師の塩野筍三(1905-84)で、神田神保町の古本屋から軒並み借金をするほどの読書好きであった。フィレンツェ大学医学部に勤務していたイタリア人医師と結婚(後に離婚)。息子アントニオ・シモーネとは共著がある。
著作
小説・歴史
- 『ルネサンスの女たち』(1969年 中央公論社/1973年 改版1996年 中公文庫/2012年8月 新潮文庫) ※第2巻
- イザベッラ・デステ、ルクレツィア・ボルジア、カテリーナ・スフォルツァ、カテリーナ・コルネールの女性4名の生涯を描いた連作。
- 『チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷』(1970年 新潮社/1982年 改版2013年2月 新潮文庫) ※第3巻
- 『神の代理人』(1972年 中央公論社/1975年 改版1996年 中公文庫/2012年11月 新潮文庫) ※第6巻
- 『愛の年代記』(1975年 新装版2003年 新潮社/1978年 改版2002年 新潮文庫)
- 『海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年』(1980 - 81年 中央公論社(正・続)/1989年 中公文庫(上下)/2009年 新潮文庫 全6巻) ※第4・5巻
- ヴェネツィア共和国の一千年の興亡。伊題 STORIA della REPUBBLICA di VENEZIA
- 『サロメの乳母の話』(1983年 中央公論社/1986年 中公文庫/2003年 新潮文庫)
- 『コンスタンティノープルの陥落』(1983年 新潮社/1991年 改版2009年 新潮文庫)
〔英訳〕The Fall Of Constantinople (2005.7) ISBN 1932234179- 1453年、最後の東ローマ帝国皇帝コンスタンティヌス11世と、その首都コンスタンティノープル攻略に燃えるオスマン帝国皇帝マホメッド2世との戦いを描く。
- 『ロードス島攻防記』(1985年 新潮社/1991年 改版2009年 新潮文庫)
〔英訳〕The Siege of Rhodes (2006.11) - 『レパントの海戦』(1987年 新潮社/1991年 改版2009年 新潮文庫)
〔英訳〕The Battle of Lepanto (2007.1) ISBN 1932234330 - 『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』 (1987年 中央公論社/1992年 中公文庫/2010年 新潮文庫 全3巻) ※第7巻
- ※は『塩野七生ルネサンス著作集』に収録。(全7巻、2001年 新潮社/2008 - 2012年 新潮文庫)。伊題 SCRITTI SUL RINASCIMENTO
- 『緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件』(1988年 朝日新聞社/1993年 朝日文芸文庫)
- 『銀色のフィレンツェ メディチ家殺人事件』(1990年 朝日新聞社/1993年 朝日文芸文庫)
- 『黄金のローマ 法王庁殺人事件』(1992年 朝日新聞社/1995年 朝日文芸文庫)
- 『三つの都の物語』(1999年 朝日新聞社)、上記三部作を合本。
- 『ローマ人の物語』(1992 - 2006年 新潮社 全15巻/2002 - 2011年 新潮文庫 全43巻)
- 『ローマ亡き後の地中海世界』(2008 - 2009年 新潮社 上・下/2014年 新潮文庫 全4巻)
- 「ローマ人の物語」のその後(西ローマ帝国終焉以降)を描く。羅題 DE MARI POST DELETAM ROMAM
- 『十字軍物語』(2010 - 2011年 新潮社 全4巻)
- 『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』(2013年 新潮社 上・下)
- 「世界の驚異」と言われたシチリア王兼神聖ローマ皇帝の生涯。羅題 De Imperatoris Friderici Secundi Vita
- 『ギリシア人の物語 1 民主政のはじまり』(2015年12月- 新潮社)。全3巻予定
イタリア関連
- 『イタリアだより 君知るや南の国』(1975年 文藝春秋)
- 『イタリア共産党讃歌』(1976年 文藝春秋)
- 『イタリアからの手紙』(1981年・改版2003年 新潮社/1996年・改版2006年 新潮文庫)
- 『イタリア遺聞』(1982年 新潮社/1994年・改版2009年 新潮文庫)
- 『マキアヴェッリ語録』(1988年・改版2003年 新潮社/1992年・改版2009年 新潮文庫)
- 『ルネサンスとは何であったのか』(2001年 「塩野七生ルネサンス著作集 第1巻」 新潮社/2008年 新潮文庫)
- 『ローマの街角から』(2000年 新潮社)
- 『ローマ人への20の質問』(2000年 文春新書)
- 『痛快!ローマ学』(2002年 集英社インターナショナル)
- 改題 『ローマから日本が見える』(2005年 集英社/2008年 集英社文庫)
随筆 その他
- 『サイレント・マイノリティ』(1985年 新潮社/1993年・改版2009年 新潮文庫)
- 『男の肖像』(1986年 文藝春秋/1992年 文春文庫)
- 『男たちへ フツウの男をフツウでない男にするための54章』(1989年 文藝春秋/1993年 文春文庫)
- 『再び男たちへ フツウであることに満足できなくなった男のための63章』(1991年 文藝春秋/1994年 文春文庫)
- 『人びとのかたち』(1995年 新潮社/1997年・改版2006年 新潮文庫)。映画エッセイ集
- 『日本人へ-リーダー篇』(2010年 文春新書)
- 『日本人へ-国家と歴史篇』(2010年 文春新書)
- 『生き方の演習 若者たちへ』(2010年 朝日出版社)
- 『想いの軌跡 1975-2012』(2012年 新潮社)。エッセイ集成
- 『日本人へ-危機からの脱出篇』(2013年 文春新書)
共著
- 『ローマとその世界帝国 新潮古代美術館 5』(新潮社、1980年)。解説を寄稿
- 『信長 「天下一統」の前に「悪」などなし』(第10章執筆/1991年 プレジデント社/2007年 プレジデント・クラシックス)
- 『おとな二人の午後 異邦人対談』(五木寛之との対談/2000年 世界文化社/2003年 角川文庫)
- 『ローマで語る』(子息アントニオ・シモーネとの対談/2009年 集英社インターナショナル/集英社文庫 2015年)
- 『ヴァチカン物語 とんぼの本』(石鍋真澄・藤崎衛 共著/2011年 新潮社)、ヴィジュアル本
- 『ヴェネツィア物語 とんぼの本』(宮下規久朗 共著/2012年 新潮社)、同上
絵本
受賞
- 1970年 第24回毎日出版文化賞(文学・芸術部門) 『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』
- 1981年 サントリー学芸賞(思想・歴史部門) 『海の都の物語』
- 1982年 第30回菊池寛賞
- 1988年 第27回女流文学賞 『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』
- 1993年 第6回新潮学芸賞 『ローマ人の物語Ⅰ ローマは一日にしてならず』
- 1999年 第2回司馬遼太郎賞
- 2000年 イタリア共和国功労勲章(グランデ・ウッフィチャーレ章)
- 2001年 土木学会出版文化賞 『すべての道はローマに通ず ローマ人の物語Ⅹ』
- 2005年 紫綬褒章
- 2006年 第41回書店新風賞 『ローマ人の物語 (全巻)』
- 2007年 文化功労者
舞台化
- 『緋色のヴェネツィア 聖マルコ殺人事件』と『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』が、宝塚歌劇団によって舞台化された。別項も参照。
- 「カエサル -『ローマ人の物語』より-」。栗山民也演出、松本幸四郎主演で、2010年10月に日生劇場で舞台上演された。
- 原作は『ユリウス・カエサル ルビコン以前 ローマ人の物語IV』、『同 ルビコン以後 ローマ人の物語V』。
メディア出演
- 「徹子の部屋」(1997年 テレビ朝日)
- 「ビートたけし・塩野七生のイタリア三つの都の物語」 (2001年11月3日、TBS)。創立50周年記念番組
- 「塩野七生×向井理 魅惑のイタリア大紀行」(2014年6月8日(前編)・6月15日(後編)、BS-TBS)
脚注
関連項目
- 呉茂一 - 学習院大学の卒業論文の指導教授。彼女の論文を「文学的」と評し、研究者より小説家になる道筋をつけた。
- 田中美知太郎 - 呉と並ぶ西洋古典学の大家。彼女の作品の理解者で、歴史学と文学の中間に位置するとした。
- 会田雄次 - 西洋史学者、同上
- 木村尚三郎 - 西洋史学者、同上
- 林健太郎 - 西洋史学者、同上
- 弓削達 - 西洋史学者、同上
- 司馬遼太郎 - 作家、同上
- 佐伯彰一 - 評論家、文学研究者。同上
- テオドール・モムゼン -ドイツのローマ史の研究家、ノーベル文学賞受賞。