コンテンツにスキップ

「速度」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
Yhr (会話 | 投稿記録)
m ちょっと回りくどくは無いですか?
1行目: 1行目:
'''速度'''(そくど)は[[単位時間]]当たりの変動を表す[[量]]である。[[一般]]に、着目する[[現象]]が[[時間]]的に[[変化]]している場合に、その現象の時間に対する変化の[[割合]]を速度という。[[宇宙]]の[[膨張]]速度、[[面積]]速度、[[気化]]速度など種々の速度の[[概念]]が[[定義]]されるが、[[物体]]の[[運動]]に関するもで説明れることが多いのでそれを指ものとされる場合が殆んどである。各種物理的量の速度には特別な名称が付けられている場合が多い。馬力、パワー、躍度(ジャーク)等が一例である。以下、本項では物体の運動における変位の速度を主に扱い、それを単に速度と称する。
'''速度'''(そくど)は[[単位時間]]当たりの変動を表す[[量]]である。[[一般]]に、着目する[[現象]]が[[時間]]的に[[変化]]している場合に、その現象の時間に対する変化の[[割合]]を速度という。[[宇宙]]の[[膨張]]速度、[[面積]]速度、[[気化]]速度など種々の速度の[[概念]]が[[定義]]されるが、単に'''速度'''と言った場合には、単位時間あたりの[[物体]]の[[位置]]の変化をさす場合が多い。各種物理的量の速度には特別な名称が付けられている場合が多い。馬力、パワー、躍度(ジャーク)等が一例である。以下、本項では物体の運動における変位の速度を主に扱い、それを単に速度と称する。


[[日常語]]としての'''速度'''(スピード、'''speed''')は、大抵の場合一定時間あたりに進む[[距離]]のことを指す。これは [移動距離] ÷ [経過時間] で求めることができ、[[時速]]、分速などの[[単位]]が用いられる。
[[日常語]]としての'''速度'''(スピード、'''speed''')は、大抵の場合一定時間あたりに進む[[距離]]のことを指す。これは [移動距離] ÷ [経過時間] で求めることができ、[[時速]]、分速などの[[単位]]が用いられる。

2006年4月30日 (日) 16:52時点における版

速度(そくど)は単位時間当たりの変動を表すである。一般に、着目する現象時間的に変化している場合に、その現象の時間に対する変化の割合を速度という。宇宙膨張速度、面積速度、気化速度など種々の速度の概念定義されるが、単に速度と言った場合には、単位時間あたりの物体位置の変化をさす場合が多い。各種物理的量の速度には特別な名称が付けられている場合が多い。馬力、パワー、躍度(ジャーク)等が一例である。以下、本項では物体の運動における変位の速度を主に扱い、それを単に速度と称する。

日常語としての速度(スピード、speed)は、大抵の場合一定時間あたりに進む距離のことを指す。これは [移動距離] ÷ [経過時間] で求めることができ、時速、分速などの単位が用いられる。

物理学の文脈では、日常的な意味での速度を速さ (speed) とよんで速度 (velocity) と区別する。速度は運動を表す物理量で、ある物体が移動するときの、単位時間あたりの変位を表す。すなわち、物理学の文脈では速さに向きまで込めたものを速度というのであり、速さは「速度の大きさ」を示すスカラー量と見なされる。速度は "大きさ" と"向き" を持つのでベクトル量であり、ベクトル量であることを明示するため、速度ベクトルなどと呼ぶことがある。

例として、自動車が "速度一定" で東の方向に走っているときに、1 時間で 60 km 移動した場合、車の速度は「東向きに時速 60 km」となり、車の速さは「時速 60 km」となる。また例えば、マラソン選手が 40 km を 2 時間で走った場合、そのマラソン選手の速さは 20 km/h, または時速 20 km などと表される。

なお、現象の時間的変化の割合という一般化された意味での速度は、必ずしもベクトル量となるわけではなく、観測する物理量がスカラー量かベクトル量かにしたがう。

平均速度と瞬間速度

正確に述べると、単位時間当たりの変化量、すなわち [対象の変化量] ÷ [経過時間] によって求められる速度は平均速度と呼ばれる:

たとえば物体の運動についていえば、ある時刻 t1 における物体の座標を x1, 時刻 t2 のときの座標を x2 とすると、この時間区分における物体の平均の速度 は、

という式に表される。また、この速度ベクトルの大きさを平均の速さとよぶ。平均速度を観測する際に、時間区分 を十分小さくし 0 に近づけていくとき、時間 t の各時点における速度とみなせるものが観測でき、これを時刻 t における瞬間速度 (instant velocity) と呼ぶ:

たとえばここで、時刻 t、物体の位置座標 x の変化量をそれぞれ Δt, Δx とすると、瞬間の速度 v は、

と表される。中辺は平均速度に対し時間区分の長さを 0 とする極限をとったものである。つまり物体の瞬間速度とは、その物体の位置座標を時間 t関数 x(t) と思ったとき、それを時間 t について微分したものである。通常は、瞬間速度のことを指して単に速度と呼ぶことも多く、また例えば、(瞬間)速度の微分(すなわち速度変化の瞬間速度)として加速度を考えたりすることができる。

関連項目